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メインストーリー1
メルーゲの章:洞窟探訪編
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ズルズル、ズルズル・・・
移動が遅い。
しかし、毒の沼の近くでも全く影響はない。
それどころか、どんどん元気になっている気がする。
僕が今はドゲルだからなのだろうか。
メルーゲの章:洞窟探訪編
しばらく進むと洞窟の入り口が見えてきた。
途中、バトーが飛んでいたがこっちに手を出してくる事はなかった。
ギャーギャー叫ぶ声だけが聞こえてきて、何を言っているかは理解できない。
共存している感じも無いが、攻撃してくる気配も無い。
バトーもドゲルの毒が厄介に感じているのかもしれない。
洞窟に着いたがドマシはどういう反応をするのだろう。
共存してるっぽいけど、言葉は通じるのだろうか。
考えていても仕方が無い。
とりあえず中に入った。
僕がガイアさんだった頃の戦いの跡がほんのりと残っている。
あの時は夢中でドマドマシだけを攻撃していたが、他のモンスターはルーナさんが倒してくれていたのか。
と、想い出に浸っている場合ではない。
攻撃こそはされないだろうがここはドマシの住処だ。
僕が勝手に共存していると思っているだけで、ドマシがドゲルに対してどういう対応をするのか分からない。
良く考えると、そもそもボルドマシが何かも分からない。
名前なのか、種類なのか。
ここにいるかどうかもわからないが、目的地は決まっていた。
あの本が積みあがった場所だ。
もしかするとボルドマシとやらがいるかもしれないし、居ないとしても本を読めるかもしれない。
道は覚えている。
記憶が残っているのはこういう時には便利でいい。
物陰から何かが出てきた。
ドマシだ。
「ドゲルがここにきてなんのようだ?オマエらには毒の沼をプレゼントしただろう」
かなり横柄な態度だが、攻撃される感じではない。
言葉も理解できる。
こっちの言葉は分かってもらえるのか?
「あの、ボルドマシさんにプレゼントを持ってきました」
とりあえず言ってみた。
「あぁ、ボルさんに用だったのか。でも今はカシジュマとの戦闘中で出払ってる。また日を改めて来い」
こっちの言葉も通じるようだ。
カシジュマ?
本では読んだことがない名前が出てきた。
「あのー、カシジュマって?」
一応聞いてみた。
「はぁ?オマエ、ドゲルのクセにそんなことも知らねーのか。ジュマシ族の大将でオレらドマシ族の天敵だろうが」
チッ!
舌打ちをしながらも丁寧に説明してくれた。
ドマシと同じ用に魔法を使うジュマシ。
同属嫌悪というやつだろうか。
ここでも縄張り争いがあるようで、洞窟の周りに毒の沼を配置したのもジュマシ対策なのかもしれない。
「もう用はないだろ。オマエらも沼から離れすぎると消滅するだろ。早く沼に帰れ帰れ」
そう言ってドマシは去っていった。
口は悪いが意外といいやつなのかもしれない。
気のせいかもしれないが僕の身体が一回り小さくなっているような感じもする。
ボルドマシは居ない。
無駄足だったか?
いや、ここまで来たのならあの本の場所まで一度いってみよう。
ズルズル、ズルズル・・・
ドマシやドマドマシから珍妙な視線を感じたが気にしない。
止められることも文句を言われる事も無かった。
ようやく例の本の場所にたどり着いた。
本の所へ近づこうとした時に、背後から怒号が飛んできた。
「オマエ!ここで何をしている!?」
背筋は無いが背筋が凍りついた。
恐る恐る背後を見ると、明らかに雰囲気の違うドマドマシ風のモンスターが立っていた。
「あなたは?」
思わず問いかけてしまった。
「質問を質問で返すな!ドゲルがここで何をしているんだ!」
返す言葉もない。
とりあえず目的だけは話しておくことにした。
「ボルドマシさんにプレゼ・・・」
と、返事を言い切る前に、ソイツは僕の身体に手をつっこんで来た。
なんだかくすぐったい。
そして身体の中から魔法の書を取り出した。
「おお~、オマエ、面白い物を持ってるじゃないか」
先ほどまでの雰囲気とは一転、和やかな雰囲気になった気がした。
そしてソイツはニコニコしている。
「ふむふむ。ほー。なるほど。そういうことか・・・」
僕の存在を感じないのか、魔法の書を読みふけっている。
「あ、あの・・・」
恐る恐る声をかけてみた。
「お、おう、すまんすまん。あまりにも珍しい物を持ってたので、思わず取り上げてしまったな」
「あぁ、いえ、それはいいんですけど、あなたは?」
「ん?ドゲルのクセにワシの事を知らんということは新入りなのか?」
「えっと・・・まぁ、そんな感じです」
「ワシはボルドマシ。この辺り一帯を統治しておる。オマエらの住処もワシが用意してやった。他のヤツから何も聞いてないのか?」
なるほど、こいつがボルドマシか。
見た目はドマドマシだが、他のドマドマシよりも出してるオーラがイカツイ。
ルーナさんと一緒に来た時にボルドマシが居たらどうなっていただろうか。
「で、もう一度聞くが、ドゲルが何をしにここに来たのだ?」
「ボルドマシさんにその魔法の書を渡すと喜んでもらえると聞いたので・・・」
「そうかそうか。時々ドゲルがアイテムを持ち込んでくるが、この魔法の書は初めて見た。どこでコレを拾ってきた?続きはどこにある?」
「えっと・・・人間から奪いましたがそれしか持ってませんでした」
本当にそれしか持ってこなかった。
「そうか、続きは気になるが仕方がないか。ありがたく頂くことにしよう。で、褒美は何が欲しい?」
少し落胆した表情をしたが、確かに代わりに何かを貰えるようだ。
さて、何を貰おう。
物を貰ったところで役に立たなさそうなので提案してみた。
「何もいりませんが、ここにある本を読んでもいいですか?」
一瞬キョトンとした顔をしたボルドマシが笑いながら答えた。
「ワハハ、面白いやつだ。ドゲルが読んでも何も役には立たんぞ。それでもいいのなら好きにすればいい。その代わり勝手に持ち出すなよ。この前もいつの間にか貴重な書を盗んで行ったヤツがいて・・・」
・・・まさか盗んだ張本人が目の前にいるなんてボルドマシに知るよしも無い。
ボルドマシの言うとおり何の役に立つかはわからないが、これでここの本を自由に読むことができるようになった。
緊張もあったからかかなり疲れた。
本を読むのは今度にして一旦、沼に戻ろう。
メルーゲの章つづく
移動が遅い。
しかし、毒の沼の近くでも全く影響はない。
それどころか、どんどん元気になっている気がする。
僕が今はドゲルだからなのだろうか。
メルーゲの章:洞窟探訪編
しばらく進むと洞窟の入り口が見えてきた。
途中、バトーが飛んでいたがこっちに手を出してくる事はなかった。
ギャーギャー叫ぶ声だけが聞こえてきて、何を言っているかは理解できない。
共存している感じも無いが、攻撃してくる気配も無い。
バトーもドゲルの毒が厄介に感じているのかもしれない。
洞窟に着いたがドマシはどういう反応をするのだろう。
共存してるっぽいけど、言葉は通じるのだろうか。
考えていても仕方が無い。
とりあえず中に入った。
僕がガイアさんだった頃の戦いの跡がほんのりと残っている。
あの時は夢中でドマドマシだけを攻撃していたが、他のモンスターはルーナさんが倒してくれていたのか。
と、想い出に浸っている場合ではない。
攻撃こそはされないだろうがここはドマシの住処だ。
僕が勝手に共存していると思っているだけで、ドマシがドゲルに対してどういう対応をするのか分からない。
良く考えると、そもそもボルドマシが何かも分からない。
名前なのか、種類なのか。
ここにいるかどうかもわからないが、目的地は決まっていた。
あの本が積みあがった場所だ。
もしかするとボルドマシとやらがいるかもしれないし、居ないとしても本を読めるかもしれない。
道は覚えている。
記憶が残っているのはこういう時には便利でいい。
物陰から何かが出てきた。
ドマシだ。
「ドゲルがここにきてなんのようだ?オマエらには毒の沼をプレゼントしただろう」
かなり横柄な態度だが、攻撃される感じではない。
言葉も理解できる。
こっちの言葉は分かってもらえるのか?
「あの、ボルドマシさんにプレゼントを持ってきました」
とりあえず言ってみた。
「あぁ、ボルさんに用だったのか。でも今はカシジュマとの戦闘中で出払ってる。また日を改めて来い」
こっちの言葉も通じるようだ。
カシジュマ?
本では読んだことがない名前が出てきた。
「あのー、カシジュマって?」
一応聞いてみた。
「はぁ?オマエ、ドゲルのクセにそんなことも知らねーのか。ジュマシ族の大将でオレらドマシ族の天敵だろうが」
チッ!
舌打ちをしながらも丁寧に説明してくれた。
ドマシと同じ用に魔法を使うジュマシ。
同属嫌悪というやつだろうか。
ここでも縄張り争いがあるようで、洞窟の周りに毒の沼を配置したのもジュマシ対策なのかもしれない。
「もう用はないだろ。オマエらも沼から離れすぎると消滅するだろ。早く沼に帰れ帰れ」
そう言ってドマシは去っていった。
口は悪いが意外といいやつなのかもしれない。
気のせいかもしれないが僕の身体が一回り小さくなっているような感じもする。
ボルドマシは居ない。
無駄足だったか?
いや、ここまで来たのならあの本の場所まで一度いってみよう。
ズルズル、ズルズル・・・
ドマシやドマドマシから珍妙な視線を感じたが気にしない。
止められることも文句を言われる事も無かった。
ようやく例の本の場所にたどり着いた。
本の所へ近づこうとした時に、背後から怒号が飛んできた。
「オマエ!ここで何をしている!?」
背筋は無いが背筋が凍りついた。
恐る恐る背後を見ると、明らかに雰囲気の違うドマドマシ風のモンスターが立っていた。
「あなたは?」
思わず問いかけてしまった。
「質問を質問で返すな!ドゲルがここで何をしているんだ!」
返す言葉もない。
とりあえず目的だけは話しておくことにした。
「ボルドマシさんにプレゼ・・・」
と、返事を言い切る前に、ソイツは僕の身体に手をつっこんで来た。
なんだかくすぐったい。
そして身体の中から魔法の書を取り出した。
「おお~、オマエ、面白い物を持ってるじゃないか」
先ほどまでの雰囲気とは一転、和やかな雰囲気になった気がした。
そしてソイツはニコニコしている。
「ふむふむ。ほー。なるほど。そういうことか・・・」
僕の存在を感じないのか、魔法の書を読みふけっている。
「あ、あの・・・」
恐る恐る声をかけてみた。
「お、おう、すまんすまん。あまりにも珍しい物を持ってたので、思わず取り上げてしまったな」
「あぁ、いえ、それはいいんですけど、あなたは?」
「ん?ドゲルのクセにワシの事を知らんということは新入りなのか?」
「えっと・・・まぁ、そんな感じです」
「ワシはボルドマシ。この辺り一帯を統治しておる。オマエらの住処もワシが用意してやった。他のヤツから何も聞いてないのか?」
なるほど、こいつがボルドマシか。
見た目はドマドマシだが、他のドマドマシよりも出してるオーラがイカツイ。
ルーナさんと一緒に来た時にボルドマシが居たらどうなっていただろうか。
「で、もう一度聞くが、ドゲルが何をしにここに来たのだ?」
「ボルドマシさんにその魔法の書を渡すと喜んでもらえると聞いたので・・・」
「そうかそうか。時々ドゲルがアイテムを持ち込んでくるが、この魔法の書は初めて見た。どこでコレを拾ってきた?続きはどこにある?」
「えっと・・・人間から奪いましたがそれしか持ってませんでした」
本当にそれしか持ってこなかった。
「そうか、続きは気になるが仕方がないか。ありがたく頂くことにしよう。で、褒美は何が欲しい?」
少し落胆した表情をしたが、確かに代わりに何かを貰えるようだ。
さて、何を貰おう。
物を貰ったところで役に立たなさそうなので提案してみた。
「何もいりませんが、ここにある本を読んでもいいですか?」
一瞬キョトンとした顔をしたボルドマシが笑いながら答えた。
「ワハハ、面白いやつだ。ドゲルが読んでも何も役には立たんぞ。それでもいいのなら好きにすればいい。その代わり勝手に持ち出すなよ。この前もいつの間にか貴重な書を盗んで行ったヤツがいて・・・」
・・・まさか盗んだ張本人が目の前にいるなんてボルドマシに知るよしも無い。
ボルドマシの言うとおり何の役に立つかはわからないが、これでここの本を自由に読むことができるようになった。
緊張もあったからかかなり疲れた。
本を読むのは今度にして一旦、沼に戻ろう。
メルーゲの章つづく
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