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その仄暗い目に
朝の贅沢
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この前デートして朝日さんの部屋に泊まった次の日の朝。
寝室まで漂ってきたコーヒーの香りで目が覚めた。
香りに誘われリビングに行くと、朝日さんはPCでメールチェックをしていた。
知らなかったのだけれど朝日さんの本職はフリーライターなのだそうだ。
毎朝コーヒーを淹れながら合間に仕事のメールが届いてないか確認するのがルーティーンなのだそう。
朝の気怠そうな雰囲気でコーヒーを飲む姿が格好良すぎて目眩がした。
用意してくれた美味しいクロワッサンとサラダと目玉焼きを食べたのだけど、気が緩んでいたため暖かい朝食に色んな事を思い出してしまい泣きそうになった。
当たり前のように色々と出してくれる有り難さとか、一緒にご飯が食べれる嬉しさとか。
センチメンタルになり泣くのを堪えるのが大変だった。
何故か朝日さんの前では自分を取り繕う事が難しい。
だけれど、今泣きそうになる理由を話すのは怖い。
本当の俺には、こんな対応をして貰えるほどの価値は無いのかもしれないのだとは言えなかった。
そんな俺を見兼ねたのか、「いつでもおいで」と朝日さんが部屋の鍵をくれ提案をしてくれた。
勉強を疎かにしない程度なら好きな時に部屋を訪ねていいし、なんなら泊まってもいいし、なんでも話したい事があったら聞くからと。
「押し掛けて、際限なくベラベラ喋って、ウザくなりたくないから要らないです…。」
「俺は陽太に来て欲しいし沢山話をしたい。楽しかった事も嫌だった事も知りたい。今は要らなくても、また日を改めて提案する。陽太が決めて。」
「…ください。」
頭を撫でられ、甘い優しさで言われたら、もう我慢できなかった。
要らないなんて嘘だった。
そんなやり取りがあり。
今日も朝日さんの部屋のソファーで寛いでいる。
正確に言うとソファーに仰向けに寝そべっている朝日さんの上に重なり、うつ伏せに寝てる。
けして俺からではない。
邪魔にならないようにソファーの端に座って携帯を弄っていたら、隣に座ってPCを見ていた朝日さんが「やっと仕事終わった。ダラダラしよう。」と俺を抱えて、こういった体制にした。
ちょうど朝日さんの心臓の所に俺の耳があるため心音が聞こえて何だか落ち着く。
思わず胸元に顔をスリスリすると俺の頭を撫でてくれる。
甘すぎる時間にとても癒される。
「重くないですか?」
「全然。軽い。陽太、ちゃんと晩御飯食べたか。」
「うん、今日は焼き鳥食べました。」
「食堂に焼き鳥なんてあるんだ?」
「そう!変だよね。でも美味しかった!」
晩御飯を食堂で食べて部屋で1時間ほど勉強した後に朝日さんの部屋を訪ねた。
生徒会長の話をしたかったからだ。
廃部になるかもしれない事や、会長が来た時の事などを話した。
「それでね、二人でゴリラの真似しながらシュークリーム食べた。」
「なんだそれ。見たかった。」
くだらない話でも笑ってくれる朝日さんが好きだ。
こうやって話を聞いてくれるだけで今日の嫌な事が吹っ飛ぶ。
寝室まで漂ってきたコーヒーの香りで目が覚めた。
香りに誘われリビングに行くと、朝日さんはPCでメールチェックをしていた。
知らなかったのだけれど朝日さんの本職はフリーライターなのだそうだ。
毎朝コーヒーを淹れながら合間に仕事のメールが届いてないか確認するのがルーティーンなのだそう。
朝の気怠そうな雰囲気でコーヒーを飲む姿が格好良すぎて目眩がした。
用意してくれた美味しいクロワッサンとサラダと目玉焼きを食べたのだけど、気が緩んでいたため暖かい朝食に色んな事を思い出してしまい泣きそうになった。
当たり前のように色々と出してくれる有り難さとか、一緒にご飯が食べれる嬉しさとか。
センチメンタルになり泣くのを堪えるのが大変だった。
何故か朝日さんの前では自分を取り繕う事が難しい。
だけれど、今泣きそうになる理由を話すのは怖い。
本当の俺には、こんな対応をして貰えるほどの価値は無いのかもしれないのだとは言えなかった。
そんな俺を見兼ねたのか、「いつでもおいで」と朝日さんが部屋の鍵をくれ提案をしてくれた。
勉強を疎かにしない程度なら好きな時に部屋を訪ねていいし、なんなら泊まってもいいし、なんでも話したい事があったら聞くからと。
「押し掛けて、際限なくベラベラ喋って、ウザくなりたくないから要らないです…。」
「俺は陽太に来て欲しいし沢山話をしたい。楽しかった事も嫌だった事も知りたい。今は要らなくても、また日を改めて提案する。陽太が決めて。」
「…ください。」
頭を撫でられ、甘い優しさで言われたら、もう我慢できなかった。
要らないなんて嘘だった。
そんなやり取りがあり。
今日も朝日さんの部屋のソファーで寛いでいる。
正確に言うとソファーに仰向けに寝そべっている朝日さんの上に重なり、うつ伏せに寝てる。
けして俺からではない。
邪魔にならないようにソファーの端に座って携帯を弄っていたら、隣に座ってPCを見ていた朝日さんが「やっと仕事終わった。ダラダラしよう。」と俺を抱えて、こういった体制にした。
ちょうど朝日さんの心臓の所に俺の耳があるため心音が聞こえて何だか落ち着く。
思わず胸元に顔をスリスリすると俺の頭を撫でてくれる。
甘すぎる時間にとても癒される。
「重くないですか?」
「全然。軽い。陽太、ちゃんと晩御飯食べたか。」
「うん、今日は焼き鳥食べました。」
「食堂に焼き鳥なんてあるんだ?」
「そう!変だよね。でも美味しかった!」
晩御飯を食堂で食べて部屋で1時間ほど勉強した後に朝日さんの部屋を訪ねた。
生徒会長の話をしたかったからだ。
廃部になるかもしれない事や、会長が来た時の事などを話した。
「それでね、二人でゴリラの真似しながらシュークリーム食べた。」
「なんだそれ。見たかった。」
くだらない話でも笑ってくれる朝日さんが好きだ。
こうやって話を聞いてくれるだけで今日の嫌な事が吹っ飛ぶ。
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