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始まりの新学期
天使と初詣
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始業式の後に二人で萱島先生と鬼束先生に顔を出して、その後やって参りました初詣。
三が日を過ぎているし昼過ぎという事もあって人は少ない。
鳥居をくぐるまえに一礼し、端を歩いて、手水舎で清める。
足を進めると厳かな空気が漂ってくる。
「並んでる人少ないから、じっくりお願い事出来るね。」
「あんま欲張り過ぎても良くないだろうな。」
「俺めっちゃ頑張ってお願いしよ。」
「俺も。」
鈴緒を握り本坪鈴を鳴らす。
がらんがらん。がらんがらん。
小気味良い音が頭の上から降ってきて、二人の空間に響いた。
作法を守って、二人でタイミングよく合わせて手を叩いた。
俺の大事な人達が健康で楽しく過ごせますように。
とくに叶羽ちゃんの体調が落ち着きますように。
俺の変な癖が少しおさまりますように。
萱島先生が今度こそ遊びに行けますように。
鬼束先生は強面が少し柔らかくなって、保健室の利用者が増えますように。
犬飼君と犬飼君のお婆さんが今年も仲良しで、幸せでありますように。
あとあと、朝日さんと、仲良くなれますように。
あわよくば付き合えますように。
頭ポンポンとかして貰えたら幸せです。
あとはーあとはー…世界平和!!
宜しくお願いします!
よしっ。
深い一礼をして。
完璧。
とっくに叶羽は願い終わっていて、ちょっと呆れ気味に此方を見ていた。
長すぎじゃね?とでも言いたげな顔をしている。
確かに自分でもそう思う。
欲張りすぎた。
そして、今日の一番の目的。
おみくじ。
棒を選ぶタイプや、お金を入れたら自動で出てくるタイプなど色々なタイプの物があったが、箱の中に手を入れて紙を引くシステムの物を選んだ。
叶羽は特に箱の中を探らずヒョイと取り出す。
自分は底の方にあった物を慎重に選ぶ。
「とりあえず自分で確認したあとに、お互い見せ合おうよ。」
「分かった。」
妙に緊張する。
破れないようめくった紙には。
思わず真顔になった。
「叶羽ちゃん何だった?」
「吉。わりと良い感じ。待ち人きたり後半までまて。だって。陽太は?」
「凶。」
「え?」
「凶。びっくりして鳥肌たったよ。」
「まじかよ。今時、凶が出る人の方が少ないんじゃねーの?」
「どうなんだろね。内容も怖いよ。」
健康…悪し。
争いごと…障りあり。
恋愛…焦るな。良き時が訪れる。
「陽太とりあえず健康気を付けよう。」
「うん、これ読んだときゾッとしたー。」
「凶だけど、わりと恋愛は悪くないな。」
「ね!それは嬉しい。俺焦らず頑張ろ。」
「そうだな。」
良き時が訪れる。
それを信じて焦らず頑張ろうと思う。
叶羽は持って帰るそうだが、自分のおみくじは木にくくりつけた。
敷地内に鯉が泳いでる池があったので餌をあげたり、綺麗な庭園をバックに二人で自撮りしたり。
人が少なくて良かった。
叶羽が元気に笑ってる。
それだけで来たかいがある。
新年、良い年になりますように。
三が日を過ぎているし昼過ぎという事もあって人は少ない。
鳥居をくぐるまえに一礼し、端を歩いて、手水舎で清める。
足を進めると厳かな空気が漂ってくる。
「並んでる人少ないから、じっくりお願い事出来るね。」
「あんま欲張り過ぎても良くないだろうな。」
「俺めっちゃ頑張ってお願いしよ。」
「俺も。」
鈴緒を握り本坪鈴を鳴らす。
がらんがらん。がらんがらん。
小気味良い音が頭の上から降ってきて、二人の空間に響いた。
作法を守って、二人でタイミングよく合わせて手を叩いた。
俺の大事な人達が健康で楽しく過ごせますように。
とくに叶羽ちゃんの体調が落ち着きますように。
俺の変な癖が少しおさまりますように。
萱島先生が今度こそ遊びに行けますように。
鬼束先生は強面が少し柔らかくなって、保健室の利用者が増えますように。
犬飼君と犬飼君のお婆さんが今年も仲良しで、幸せでありますように。
あとあと、朝日さんと、仲良くなれますように。
あわよくば付き合えますように。
頭ポンポンとかして貰えたら幸せです。
あとはーあとはー…世界平和!!
宜しくお願いします!
よしっ。
深い一礼をして。
完璧。
とっくに叶羽は願い終わっていて、ちょっと呆れ気味に此方を見ていた。
長すぎじゃね?とでも言いたげな顔をしている。
確かに自分でもそう思う。
欲張りすぎた。
そして、今日の一番の目的。
おみくじ。
棒を選ぶタイプや、お金を入れたら自動で出てくるタイプなど色々なタイプの物があったが、箱の中に手を入れて紙を引くシステムの物を選んだ。
叶羽は特に箱の中を探らずヒョイと取り出す。
自分は底の方にあった物を慎重に選ぶ。
「とりあえず自分で確認したあとに、お互い見せ合おうよ。」
「分かった。」
妙に緊張する。
破れないようめくった紙には。
思わず真顔になった。
「叶羽ちゃん何だった?」
「吉。わりと良い感じ。待ち人きたり後半までまて。だって。陽太は?」
「凶。」
「え?」
「凶。びっくりして鳥肌たったよ。」
「まじかよ。今時、凶が出る人の方が少ないんじゃねーの?」
「どうなんだろね。内容も怖いよ。」
健康…悪し。
争いごと…障りあり。
恋愛…焦るな。良き時が訪れる。
「陽太とりあえず健康気を付けよう。」
「うん、これ読んだときゾッとしたー。」
「凶だけど、わりと恋愛は悪くないな。」
「ね!それは嬉しい。俺焦らず頑張ろ。」
「そうだな。」
良き時が訪れる。
それを信じて焦らず頑張ろうと思う。
叶羽は持って帰るそうだが、自分のおみくじは木にくくりつけた。
敷地内に鯉が泳いでる池があったので餌をあげたり、綺麗な庭園をバックに二人で自撮りしたり。
人が少なくて良かった。
叶羽が元気に笑ってる。
それだけで来たかいがある。
新年、良い年になりますように。
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