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大陸の覇者の没落 ー辺境の地の帝国の来訪編ー
第56話:追い詰められる帝国&ちょっとした告知 v0.0
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お知らせということですが、なにもまたまた投稿を休止するわけではないです。現在投稿済みの全話を第一話から順に改稿という名の大幅な加筆作業を行います。具体的には矛盾点や誤字等の修正、あとは詳しくかけていない部分(ダーダネルス帝国側の目線や他国の反応など)、新生物……ほとんど登場していない恐竜もどきや昆虫やらの追加です。兵器等も現代チート発揮のため入れ替わるかと思いますので(異世界リスペクトも忘れないよ!)、気になったら見てあげてください。(投稿は不定期ですが止まることはないでしょう(希望的観測)
改稿済みの話には題名横に『改稿』と付けておくので、それを目印にしてください。
不明な点等あれば遠慮なく作者にお伝えください。『知識の追いつく範囲で』修正を行います(ウィ○を見ながら)
______
_ダーダネルス帝国帝都ディオニス、総合司令部
「北部方面帝国軍司令部から連絡ッ!ヴァルティーア帝国軍の『鉄の箱』、および『人海』により防衛戦は崩壊、現在各地に分散した残存兵力を集結させ遅滞戦闘を実施中とのことです!」
「何!?もう防衛戦が崩壊したのか!」
ダーダネルス帝国軍のすべての情報が集まる総司令部。ただでさえ先日の第一次、第二次帝都襲撃事件で防空体制の甘さなどが指摘され大騒ぎだったのだが、今回はより一層……蜂の巣を突いて蜂に襲われて喚き散らす子供のような状況になっていた。
総合司令部のベルティは、先ほどから北房方面帝国軍より伝えられる数多の悲報に恐怖を抱きながら、
「北部方面第五帝国軍は!?増援に向かったんじゃないのか!」
「……北部方面帝国第五軍は、ヴァルティーア帝国軍の『鉄の箱』により……奇襲を受け、現在敗走中とのことです」
総司令官ベルティは、何度も耳にする『鉄の箱』と言う単語に苛立ちを覚える。
確か初めて『鉄の箱』と言う単語が出現したのは……デルタニウス王国攻略軍だっただろうか。
あの時は、ただの冗談……偶然デルタニウス王国の魔道士が大規模魔法を使い偶然密集体系をとっていたため全滅、その言い訳だろう程度に思っていたが……。
だが、先ほどから耳に入る報告はどうだ。デルタニウス王国だけでなくヴァルティーア帝国も『鉄の箱』を使い、北部方面帝国軍を幾度となく敗北に導いている。
「な……何か対策はないのかッ!?」
「ないかと思われます!」
通信員からの即答に、彼は絶望する。
「そんなわけがないだろう!……そうだ!海軍は!?海軍はどうなんだ!」
あぁ、そうだった。確か北部方面帝国軍には試験配備も含めた最新鋭の装備を搭載した新型戦列艦が大量に配備されていたはずだ。いくら陸で負けるとはいえ……海戦では負けまい。いつの時代も、数を制した軍が勝つのだから。
そう思ったベルティは、まるで希望を導き出したかのように尋ねる。
「現在北部方面第二帝国海軍は母港を出港、現在陸上部隊援助のためそちらへと向かっているとのことです!」
ベルティの脳内で、安堵と不安が湧き出る。さすがに海上部隊はやられていなかったか、という安心感と奇襲を受けないか、という不安だ。
「そうか……北部方面第二帝国海軍はそのまま向かわせろ!あとは空軍だが……どうなっている?」
「確認します。少しお待ちください……」
_其の頃、ダーダネルス帝国北西海域 第二帝国海軍はというと
「艦長、我々第二帝国海軍はこのまま北上、沿岸部に展開する敵左翼から艦砲射撃を実施し陸上部隊の援助を行う……この手筈でよろしいですね?」
戦列艦全てを指揮する司令官ヴェルティは、側近からの問いに陽気な声で答える。
「勿論。陸軍は『相手は非常に強力で、今にも負けそうである!』など言っているそうだが……幾度となく訓練を行ったこの艦隊……新鋭艦が優先的に配備されているのだ。そうそう負けるはずがない」
ヴェルティがそう豪語する理由は彼らの乗る船にあった。
「それに見よ!この『ドレッドノート級戦列艦』を!」
彼がそう言い、単縦陣で後ろからついてくるように航行する『ドレッドノート級戦列艦』と呼ぶ戦列艦を指差す。
『ドレッドノート級戦列艦』。今までの戦列艦の、『大砲が当たらない?ならいっぱい砲を積んじゃえ!あ、ついでに船体も巨大にね』という思想を大きく切り捨てた本艦は、はじめ軍部から『なんだこれ。ただの大砲少なくしただけの弱っちい船じゃん』と呼ばれる羽目になるが、いざ試験航海をしてみれば従来の戦列艦の常識を打ち破るかの性能に、驚愕したという。それを見た時、ある軍の幹部は『大砲って多くないほうがいいんじゃないか?』と口から漏らしたそうだ。
そもそも、なぜ大砲を多く積む必要があったかといえば『命中精度が低いから』である。それを克服するには『命中精度』を上げるか、『弾幕を張るか』。その二択であった。だが大砲を多く積めば多く積むほど、それに比例し船体のサイズも巨大化、重量も大きくなる。
それに目をつけた技術者たちは、『大砲を多く積む』という設計は切り捨て、砲門は合計で30門にまで削減される事になる。これにより重量は大幅に削減。さらに魔力を込めることにより使用できる新型推進用魔石を採用することにより、従来の戦列艦では出すことの難しかった破格の25ノットを試験航海で発揮することに成功する。
さらに、『命中精度』の問題に関してもここ最近急激に発展した魔導技術の恩恵により発射後にある程度弾道を制御することが可能となり、同時に先述の新型推進用魔石を組み込んだ特別性砲弾を使用することにより射程も従来の2キロから4キロへと伸びた。勿論魔道士の運用は必須、さらに魔力消費量も大きいがもともと魔導シールド運用のため以前から魔導士部隊は多数艦隊に組み込まれていたため、さしたる問題にはならなかった。
砲弾もやっとの事で実用段階にこぎつけた爆裂砲弾で、攻撃力だけ見ても従来の戦列艦を大きく引き離しているのは明白だった。
船体は従来の戦列艦のデザインをそのまま小型化したかのような見た目だが、全体的にスリムな形状になっている。
「一体的がどんな戦列艦を保有していようと…我々の乗る『ドレッドノート級戦列艦』…略して『ド級戦列艦』に勝つことなどできないのだ!……だといいのだが」
ヴェルティの脳裏に、デルタニウス第二次攻略軍が駆逐される姿が浮かぶ。
「艦長、そういうことを言うのはおやめください。敗北主義者と決め付けられ我々が処刑されてしまいます」
「それもそうなのだが……だが……しかし……」
「艦長ッ!前方……2時の方向!」
マストの上で見張りを続けていた見張り員が、悲鳴にも似た声で2時の方向を指さす。
その報を聞き取った艦長は壁に立てかけられた単眼鏡を勢い良く手に取り、2時の方向を見る……必要もなく、それは目視できた。
「な……!?あれは……ッ!」
彼の眼には、水平線の先でもうもうと黒い煙を吐き出し海を突き進む、複数の艦艇が映っていたのだった。
______
やっぱりジュ○○ックパークの主題歌はいいなって思う今日この頃。
改稿済みの話には題名横に『改稿』と付けておくので、それを目印にしてください。
不明な点等あれば遠慮なく作者にお伝えください。『知識の追いつく範囲で』修正を行います(ウィ○を見ながら)
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_ダーダネルス帝国帝都ディオニス、総合司令部
「北部方面帝国軍司令部から連絡ッ!ヴァルティーア帝国軍の『鉄の箱』、および『人海』により防衛戦は崩壊、現在各地に分散した残存兵力を集結させ遅滞戦闘を実施中とのことです!」
「何!?もう防衛戦が崩壊したのか!」
ダーダネルス帝国軍のすべての情報が集まる総司令部。ただでさえ先日の第一次、第二次帝都襲撃事件で防空体制の甘さなどが指摘され大騒ぎだったのだが、今回はより一層……蜂の巣を突いて蜂に襲われて喚き散らす子供のような状況になっていた。
総合司令部のベルティは、先ほどから北房方面帝国軍より伝えられる数多の悲報に恐怖を抱きながら、
「北部方面第五帝国軍は!?増援に向かったんじゃないのか!」
「……北部方面帝国第五軍は、ヴァルティーア帝国軍の『鉄の箱』により……奇襲を受け、現在敗走中とのことです」
総司令官ベルティは、何度も耳にする『鉄の箱』と言う単語に苛立ちを覚える。
確か初めて『鉄の箱』と言う単語が出現したのは……デルタニウス王国攻略軍だっただろうか。
あの時は、ただの冗談……偶然デルタニウス王国の魔道士が大規模魔法を使い偶然密集体系をとっていたため全滅、その言い訳だろう程度に思っていたが……。
だが、先ほどから耳に入る報告はどうだ。デルタニウス王国だけでなくヴァルティーア帝国も『鉄の箱』を使い、北部方面帝国軍を幾度となく敗北に導いている。
「な……何か対策はないのかッ!?」
「ないかと思われます!」
通信員からの即答に、彼は絶望する。
「そんなわけがないだろう!……そうだ!海軍は!?海軍はどうなんだ!」
あぁ、そうだった。確か北部方面帝国軍には試験配備も含めた最新鋭の装備を搭載した新型戦列艦が大量に配備されていたはずだ。いくら陸で負けるとはいえ……海戦では負けまい。いつの時代も、数を制した軍が勝つのだから。
そう思ったベルティは、まるで希望を導き出したかのように尋ねる。
「現在北部方面第二帝国海軍は母港を出港、現在陸上部隊援助のためそちらへと向かっているとのことです!」
ベルティの脳内で、安堵と不安が湧き出る。さすがに海上部隊はやられていなかったか、という安心感と奇襲を受けないか、という不安だ。
「そうか……北部方面第二帝国海軍はそのまま向かわせろ!あとは空軍だが……どうなっている?」
「確認します。少しお待ちください……」
_其の頃、ダーダネルス帝国北西海域 第二帝国海軍はというと
「艦長、我々第二帝国海軍はこのまま北上、沿岸部に展開する敵左翼から艦砲射撃を実施し陸上部隊の援助を行う……この手筈でよろしいですね?」
戦列艦全てを指揮する司令官ヴェルティは、側近からの問いに陽気な声で答える。
「勿論。陸軍は『相手は非常に強力で、今にも負けそうである!』など言っているそうだが……幾度となく訓練を行ったこの艦隊……新鋭艦が優先的に配備されているのだ。そうそう負けるはずがない」
ヴェルティがそう豪語する理由は彼らの乗る船にあった。
「それに見よ!この『ドレッドノート級戦列艦』を!」
彼がそう言い、単縦陣で後ろからついてくるように航行する『ドレッドノート級戦列艦』と呼ぶ戦列艦を指差す。
『ドレッドノート級戦列艦』。今までの戦列艦の、『大砲が当たらない?ならいっぱい砲を積んじゃえ!あ、ついでに船体も巨大にね』という思想を大きく切り捨てた本艦は、はじめ軍部から『なんだこれ。ただの大砲少なくしただけの弱っちい船じゃん』と呼ばれる羽目になるが、いざ試験航海をしてみれば従来の戦列艦の常識を打ち破るかの性能に、驚愕したという。それを見た時、ある軍の幹部は『大砲って多くないほうがいいんじゃないか?』と口から漏らしたそうだ。
そもそも、なぜ大砲を多く積む必要があったかといえば『命中精度が低いから』である。それを克服するには『命中精度』を上げるか、『弾幕を張るか』。その二択であった。だが大砲を多く積めば多く積むほど、それに比例し船体のサイズも巨大化、重量も大きくなる。
それに目をつけた技術者たちは、『大砲を多く積む』という設計は切り捨て、砲門は合計で30門にまで削減される事になる。これにより重量は大幅に削減。さらに魔力を込めることにより使用できる新型推進用魔石を採用することにより、従来の戦列艦では出すことの難しかった破格の25ノットを試験航海で発揮することに成功する。
さらに、『命中精度』の問題に関してもここ最近急激に発展した魔導技術の恩恵により発射後にある程度弾道を制御することが可能となり、同時に先述の新型推進用魔石を組み込んだ特別性砲弾を使用することにより射程も従来の2キロから4キロへと伸びた。勿論魔道士の運用は必須、さらに魔力消費量も大きいがもともと魔導シールド運用のため以前から魔導士部隊は多数艦隊に組み込まれていたため、さしたる問題にはならなかった。
砲弾もやっとの事で実用段階にこぎつけた爆裂砲弾で、攻撃力だけ見ても従来の戦列艦を大きく引き離しているのは明白だった。
船体は従来の戦列艦のデザインをそのまま小型化したかのような見た目だが、全体的にスリムな形状になっている。
「一体的がどんな戦列艦を保有していようと…我々の乗る『ドレッドノート級戦列艦』…略して『ド級戦列艦』に勝つことなどできないのだ!……だといいのだが」
ヴェルティの脳裏に、デルタニウス第二次攻略軍が駆逐される姿が浮かぶ。
「艦長、そういうことを言うのはおやめください。敗北主義者と決め付けられ我々が処刑されてしまいます」
「それもそうなのだが……だが……しかし……」
「艦長ッ!前方……2時の方向!」
マストの上で見張りを続けていた見張り員が、悲鳴にも似た声で2時の方向を指さす。
その報を聞き取った艦長は壁に立てかけられた単眼鏡を勢い良く手に取り、2時の方向を見る……必要もなく、それは目視できた。
「な……!?あれは……ッ!」
彼の眼には、水平線の先でもうもうと黒い煙を吐き出し海を突き進む、複数の艦艇が映っていたのだった。
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やっぱりジュ○○ックパークの主題歌はいいなって思う今日この頃。
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