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始めようか、戦争を ー敵地侵攻編ー
第36話:破壊の宴(3) v0.0
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_ダーダネルス帝国帝都ディオニス、総合司令部
煉瓦造りのきらびやかな施設であるここ、総合司令部内部では突如としてやって来た来訪者の対応に追われ右往左往している。
「おい魔導師!すぐに第二帝都防衛基地に連絡だ!竜兵隊を上げさせろ!」
未確認飛行物体の発する巨大な爆音に負けじと総合司令官が大きな声で言う。
「は、はい!今すぐ!」
ここに勤務している魔導師のほとんどは現在状況確認で手一杯で、よもやブタック企業のような雰囲気で魔導師たちはこき使われている。
「ったく・・・哨戒騎は何をして居たんだッ!?」
総合司令官は小声で呟く。本来なら哨戒騎が何かを発見した際、すぐさまどの方面司令部でもいいので報告する必要がある。それなのにあんな化け物の帝都上空審判を許すと言うのは、普通に考えておかしい。
「第二帝都防衛基地より連絡!現在待機中の竜兵隊を全て離陸させているとのことです!」
第二帝都防衛基地からの魔導電信を受け取った魔導師はすぐさま総合司令官に報告する。
「迎撃できなかったら俺が死ぬんだ!頼むから仕事してくれよ・・・。俺はこれが終わったら結婚するんだからな!」
総合司令官は泣き顔でそう呟くと、執務室へと入っていった。
_帝都上空、スカラベ0-1
「機長・・・奇襲した方が作戦的には良かったんじゃないですか?」
副操縦士は呆れた顔で機長に聞く。
「戦争の早期終結にはこれが一番だって」
機長は澄んだ顔で言う。
「はぁ・・・」
副操縦士はため息をついた後、ふとレーダーを見る。
「・・・あ、敵航空戦力出現しましたよ。どうするんですか?これ?」
「ん・・・まぁ、護衛機が何とかしてくれるんじゃないか?」
そう言うと機長はすぐそばを飛行する変態機をチラッと見る。
「そうですか・・・」
こうなった以上、護衛機に命をかけるしかないだろう。
「落とされないことを願っておきますね・・・」
副操縦士はそう呟くと、機内後方のウォーターサーバーに水を取りに行った。
_変態機を操るパイロットの一人
「お、やっと敵航空機のお出ましか」
敵帝都上空に差し掛かった時から常にレーダーを見て居たが、やっと迎撃に来たようだ。レーダーには数百近い機影が映されている。
『全機散開、高度優位を保ち一撃離脱にて駆逐しろ。落とされるなよ』
小隊長が無線越しに言う。
「はいはい・・・わかってますって」
パイロットはそう言うと、操縦桿を手前に引き上昇を開始した。
「・・・にしても、よくこんなものを作れるな」
上昇する合間、パイロットは呟く。パイロットの乗っている機体の名はMDDV-1P。元の世界において『滑走路を必要しない航空機を作ろう!』と言い出した空軍司令官が専属のメーカーに作らせた代物だ。3000馬力の液冷エンジン2基を2重反転にし、胴体中央に無理やりダクデッドファンをくっつけ、何と最高時速は1300キロにまで達する。さらに横幅が狭く、サイロでの運用も可能となっている。武装はダクデッドファンの3箇所のハードポイントに空対空・空対艦巳申を搭載可能だ。試作型と言うこともあり、20ミリバルカン砲の搭載は運悪く見送られ代わりにただの20ミリ機関砲が一基機首部分に配置されている。
垂直離陸機なので、期待は地面に着陸する時どうしてもケツを地面に向けて着陸しなければならない。それはあまりにもハードルが高すぎるので、この機体には最新の着陸姿勢制御装置が積み込まれ平地であれば楽々着陸することが可能となっている。
「さて、高度3千メートル・・・か」
パイロットはチラッと高度計を見る。
「そ」
パイロットは機体を水平に戻した後、レーダーで敵との距離を確認する。
「相手との距離は残り10キロ・・・か」
パイロットは一応コックピットから周囲を見渡す。相手はドラゴンだと聞いているので、もし一気でも落とせば勇者になった気分になれるだろう。
『全機空対空戦闘用意。撃ち漏らすなよ』
小隊長から無線が入る。
「さて、やりますか」
パイロットはそう言うと、赤外線誘導ミサイル発射トリガーを握る。
「よし来い!」
目標との距離が2キロを切った時だった。
『全機降下!いけいけいけ!』
小隊長のけたましい叫び声とともに、小隊機たちは敵航空戦力の圧倒的な量に臆することなく続々と降下を開始する。
「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
パイロットも同様に、空中分解を避けてスロットルを絞り操縦桿を前に倒す。重力に引っ張られ徐々に機体が加速していくことをパイロットは嫌でも肌身で感じる。それと同時に、敵に対する赤外線誘導ミサイルのロックオンも開始する。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
しばらくして『ピー』というロック完了の合図が機内に響く。
「ミサイル発射ァッ!」
ミサイル発射トリガーを引く。機体から切り離されたミサイルに取り付けられたロケットが点火する。マッハ4まで瞬時に加速したミサイルは、勢いよく敵団体様ご一行の方向へと向かって行った。
煉瓦造りのきらびやかな施設であるここ、総合司令部内部では突如としてやって来た来訪者の対応に追われ右往左往している。
「おい魔導師!すぐに第二帝都防衛基地に連絡だ!竜兵隊を上げさせろ!」
未確認飛行物体の発する巨大な爆音に負けじと総合司令官が大きな声で言う。
「は、はい!今すぐ!」
ここに勤務している魔導師のほとんどは現在状況確認で手一杯で、よもやブタック企業のような雰囲気で魔導師たちはこき使われている。
「ったく・・・哨戒騎は何をして居たんだッ!?」
総合司令官は小声で呟く。本来なら哨戒騎が何かを発見した際、すぐさまどの方面司令部でもいいので報告する必要がある。それなのにあんな化け物の帝都上空審判を許すと言うのは、普通に考えておかしい。
「第二帝都防衛基地より連絡!現在待機中の竜兵隊を全て離陸させているとのことです!」
第二帝都防衛基地からの魔導電信を受け取った魔導師はすぐさま総合司令官に報告する。
「迎撃できなかったら俺が死ぬんだ!頼むから仕事してくれよ・・・。俺はこれが終わったら結婚するんだからな!」
総合司令官は泣き顔でそう呟くと、執務室へと入っていった。
_帝都上空、スカラベ0-1
「機長・・・奇襲した方が作戦的には良かったんじゃないですか?」
副操縦士は呆れた顔で機長に聞く。
「戦争の早期終結にはこれが一番だって」
機長は澄んだ顔で言う。
「はぁ・・・」
副操縦士はため息をついた後、ふとレーダーを見る。
「・・・あ、敵航空戦力出現しましたよ。どうするんですか?これ?」
「ん・・・まぁ、護衛機が何とかしてくれるんじゃないか?」
そう言うと機長はすぐそばを飛行する変態機をチラッと見る。
「そうですか・・・」
こうなった以上、護衛機に命をかけるしかないだろう。
「落とされないことを願っておきますね・・・」
副操縦士はそう呟くと、機内後方のウォーターサーバーに水を取りに行った。
_変態機を操るパイロットの一人
「お、やっと敵航空機のお出ましか」
敵帝都上空に差し掛かった時から常にレーダーを見て居たが、やっと迎撃に来たようだ。レーダーには数百近い機影が映されている。
『全機散開、高度優位を保ち一撃離脱にて駆逐しろ。落とされるなよ』
小隊長が無線越しに言う。
「はいはい・・・わかってますって」
パイロットはそう言うと、操縦桿を手前に引き上昇を開始した。
「・・・にしても、よくこんなものを作れるな」
上昇する合間、パイロットは呟く。パイロットの乗っている機体の名はMDDV-1P。元の世界において『滑走路を必要しない航空機を作ろう!』と言い出した空軍司令官が専属のメーカーに作らせた代物だ。3000馬力の液冷エンジン2基を2重反転にし、胴体中央に無理やりダクデッドファンをくっつけ、何と最高時速は1300キロにまで達する。さらに横幅が狭く、サイロでの運用も可能となっている。武装はダクデッドファンの3箇所のハードポイントに空対空・空対艦巳申を搭載可能だ。試作型と言うこともあり、20ミリバルカン砲の搭載は運悪く見送られ代わりにただの20ミリ機関砲が一基機首部分に配置されている。
垂直離陸機なので、期待は地面に着陸する時どうしてもケツを地面に向けて着陸しなければならない。それはあまりにもハードルが高すぎるので、この機体には最新の着陸姿勢制御装置が積み込まれ平地であれば楽々着陸することが可能となっている。
「さて、高度3千メートル・・・か」
パイロットはチラッと高度計を見る。
「そ」
パイロットは機体を水平に戻した後、レーダーで敵との距離を確認する。
「相手との距離は残り10キロ・・・か」
パイロットは一応コックピットから周囲を見渡す。相手はドラゴンだと聞いているので、もし一気でも落とせば勇者になった気分になれるだろう。
『全機空対空戦闘用意。撃ち漏らすなよ』
小隊長から無線が入る。
「さて、やりますか」
パイロットはそう言うと、赤外線誘導ミサイル発射トリガーを握る。
「よし来い!」
目標との距離が2キロを切った時だった。
『全機降下!いけいけいけ!』
小隊長のけたましい叫び声とともに、小隊機たちは敵航空戦力の圧倒的な量に臆することなく続々と降下を開始する。
「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
パイロットも同様に、空中分解を避けてスロットルを絞り操縦桿を前に倒す。重力に引っ張られ徐々に機体が加速していくことをパイロットは嫌でも肌身で感じる。それと同時に、敵に対する赤外線誘導ミサイルのロックオンも開始する。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
しばらくして『ピー』というロック完了の合図が機内に響く。
「ミサイル発射ァッ!」
ミサイル発射トリガーを引く。機体から切り離されたミサイルに取り付けられたロケットが点火する。マッハ4まで瞬時に加速したミサイルは、勢いよく敵団体様ご一行の方向へと向かって行った。
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