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第4話:Революционный ударный вертолет
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題名は日本語で『革命的攻撃ヘリコプター』です。——えっ、急なロシア語はやめろ、だって……?すみません許してくださいなんでもし(ズザッ
______
「うーん、そうだなぁ……」
草むらに寝転りつつ、繋は未だ尚何に乗るかで悩んでいた。
『X-ジェット』はあくまでも森林からの脱出を目的として使ったもので、今回こうして草原があるにもかかわらず使用する必要が無いのは周知の事実。かと言って、『Fi156 シュトルヒ』などの“マトモ”な兵器や“傑作兵器”を何の捻りも無く脳死で出すのもなんだか……。うーーーん。
「別に航空機でもいいんだけど……」
この周辺の地形がどうなっているのか分からないし、もし航空機で着陸出来ない場所に街でもあれば、航空機の場合は滑走距離の関係等も考えればあまりいい選択肢とは言えない。それにこの地域が“もし”紛争地帯なんて危険地域であれば、攻撃される可能性も考えられる。万が一……いや、億が一にでもそんなことはないだろうが、対策をしておくに越したことはない。あとついでに、反撃もできるよう武装も欲しいね!!!
上をまとめれば、垂直離着陸が可能、かつ耐久性・攻撃性を兼ね備えた航空機が必要となる。そうなると《実体化》候補は絞られてくるわけだが……
「……どうせだし、ロシアの“アレ”にしようかな?」
そんな気持ちで《実体化》するものを決めると、繋は『Padよ出ろ!』と当然のように脳内で唱えてPadを出現。それのホームボタンをタップして起動して、ロシアの“アレ”を探し始める。
_数分後
「……見つけた!」
文字検索も閲覧履歴も糞食らえと言うPadなので探すのに少々手間取ったが、無事ロシアの“アレ”を発見する。それは——
「『Ka-50*』!!」
『Ka-50』。ソビエト連邦が採用、そして現在も運用されている『Mi-24』の後継として、ロシア連邦が“1995年”より運用しているカモフ社の設計した世界初の単座攻撃ヘリコプターである。
彼がどうしてこの機体を選んだか……その理由は何と言っても、二重反転ローターを採用し、世界で現状数少ない単座攻撃ヘリであるからだ。
まず初めに二重反転ローターとは、早い話がヘリのローターを上下に連結したようなもの。これの利点は、ヘリにとって不利とされる速度の追求が容易なことや、ローター一基のサイズを小さくできる点、テイルローターを使用しないことで全長を削減できる点等が挙げられるが、それと同時に欠点として構造が複雑になることで『整備性?死んだよ』と言った感じで、メンテナンスが難しくなる点等が挙げられる(そもそもヘリ自体部品点数が多いからやばい)。
そんな二重反転ローター、もちろん“健全な脳味噌と思考”を持っていればあまり採用しないのだが、何を隠そうこの機体を設計したカモフ社にとっては得意分野……十八番のようなものだ。
なんて言ったって歴代開発機で見ればKa-27*やKa-32*等、そりゃもうたくさん二重反転ローター搭載機を開発しているわけだし、そんな中でこうして二重反転の攻撃ヘリを作り上げたのだ。そう考えるとさして驚くことは無いだろう???(それでも世界基準で見れば十分おかしいんだよなぁ?)。
まぁ、世の中には交差式ローター*とかNOTAR*、ホットサイクル式ローター*にチップジェット*なり複合翼機*と、それはもうロマン満載なものがまだまだいるし……多少はね?
さて、二重反転ローターの素晴らしさは置いておいて……この機体一番の特徴……そして、同時に“敗因”と化した単座について。
先述の通り、攻撃ヘリとしては世界初の単座攻撃ヘリと言った。では逆に、何故『単座』攻撃ヘリは存在しないのか? これの原因は、パイロットが一人だと“ブラック企業もびっくりな重労働”になるからだ。
常に最前線での行動を強いられる攻撃ヘリは、いくら機動性が良いとは言え四六時中どこから飛んでくるかもわからない対空兵器を警戒しつつ飛行、そして目標に対する攻撃を行う必要がある。それだけのことをたった一人の脳味噌で行えるのかと言われれば、答えは簡単。難しいだろう。A-10*やSu-25*のような近接支援を前提とした航空機ならば離脱や被弾時の脱出が比較的容易としても、速度や被弾時の高度が航空機と比べれば欠如するヘリであれば……その答え、推して知るべし、である。
その激務を分担するために、通常の攻撃ヘリは複座型(2人乗り)……操縦者をガンナー(武装を操作する人)とパイロットに分けているのだ。
こうして書いてみるとわかるが、これを『攻撃ヘリ』と言う部類で解決するのは難しい。……でも、それを実現できる会社、あるんです。そう、カモフならね!
と言うのも、カモフ社が以前手がけた『Ka-25*』と言う哨戒ヘリで既に自動飛行システム等を実用化、それを特徴としており、その他もカモフ社の技術を持ってすれば単座攻撃ヘリなんて代物を作ることも可能だと考えられていたし、そうして実際、誕生した。それがこの機体、『Ka-50』である。
こうして開発された『Ka-50』にはアフガニスタン紛争で得られた教訓による防御性能の向上や、最大12日間のメンテナンスを行わずとも運用できる信頼性、成人男性が立つ範囲だけでメンテナンスができることなど、多数の利点が存在する……が、これ以上書くと明らかにこの小説の趣旨である『ストーリー性』が失われるため、最後に記述しておくこととしよう。とりあえず覚えておいて欲しいのは、『Ka-50』はロマンの塊である、と言うこと。これだけ覚えたら万事OK! この機体の悪い点とかないからね! うん!
「よし……早速《実体化》だ!!」
繋はPadを操作。『Ka-50』を《実体化》する。
ちなみに、今回《実体化》するにあたって、どうやら機体に装着された4つのパイロンにもそれぞれ武装が装着できるとの文が明記されていた。今回はどうせ対戦車ミサイルなんて使わないでしょと言う判断により、それら4つのパイロンの内、2つは増槽、残りのパイロン2つにはS-8ロケット弾用の20連装ポッドを搭載している。そもそも敵対勢力なんているのかと言う話だが、まぁ……観賞用! そう! 観賞用だよ!
眼前が『X-ジェット』を《実体化》した時よりもさらに眩く光り、それと同時に先ほどよりも遥かに度を超えた脳の激痛。そのあまりの痛さに、思わず頭を抱えて野に倒れ込んでしまう。
少し時間が経過して、脳の激痛が止んだ。恐る恐る頭を上げると、そこには……
「……『Ka-50』!!」
彼の眼前には黒一色に塗られた攻撃ヘリ……『Ka-50』が鎮座していた。無骨なボディに、特徴的な二重反転ローター。小翼には2つのロケットポッドと、2つの増槽。それら全てを囲むように、沢山の青い粒子が纏っている。なんか……芸術的。
「よしっ!早速乗ろう!」
繋はPadを消すと、『X-ジェット』のことを忘れて一気に『Ka-50』に駆け寄る。コックピットの防弾ガラスで構成されたドアを開いて、中に顔を入れた。
「はえ~……」
機内にはHUDやら何かよくわからない機器類と、一本の操縦桿、照準器等々。パイロットが座る部分には、ポツンとヘルメットが置かれている。
「よいせっと」
ヘルメットを手に持ち、コックピット内へと入る。Hs129*ほどではないのかもしれないが、厚い装甲板に囲まれているおかげでだいぶ窮屈だ。
繋はドアを閉じると、手に持っているヘルメットを被った。それは大きいわけでも小さいわけでもなく、自分の頭にちょうどフィットする。
「よしっ!」
繋は期待に満ちたような顔で、右腕で操縦桿を握る。
「……わかります……これが、神の啓示ですね……」
なんかいきなりキャラ変えるなとかそんな声が聞こえそうだがそんなことは置いておいて!繋は慣れた手つきで後ろを向いたり前を向いたり……そんな感じで各所に配置されたボタンやら機器類やらを操作する。それはもう大した違和感なんてないかのように。そうやってしばらく機器類を操作していると……。
キュィィィィィィィィン……
「動いた!」
歓喜に満ちた声で叫ぶ。機体に上部に配置されたローターは2つとも回転を始め、やがてその速さは目にも留まらぬ速さとなった。
「そろそろ……いけるかな」
右ヨシ!左ヨシ!右ヨシ! はいOK! じゃ、スロットルレバーを前に倒して……
「離陸!」
2基合わせて出力3200Kwを発揮する機体に積まれた2基のターボシャフトエンジンがその唸りを一層と増すと共に、総重量9.8tの『Ka-50』がゆっくりと持ち上がる。
「と、飛んだ! 飛んだッ!!!」
『X-ジェット』とは違い、コックピットがあることで密閉され、外気に晒されない点がとても素晴らしい。寒くないからね!
「……よしっ!とりあえず周辺に何かないか探してみよう!」
そうノリノリで叫ぶと、繋は『X-ジェット』のことを放置……と言うよりも、その存在を忘れた状態で、大空へと飛び立ってしまった。
______
アンチャー〇ッドすこ。曲もストーリもすきすき。あれってロマンあるよね……地底世界に眠る古代都市とか!
*Mi-24:ロシアのガンシップこと『Mi-24』。又の名をハインド。なんか『対地支援しながら兵員輸送できたらカッコ良さそうだし強そう……強そうじゃない?』とかなんとか言って開発したら、『デカイ!脆い!遅い!』の三銃士を持ち合わせる最高に見た目がクールなゲテモノが誕生した。でも私は……南アフリカ産の改良型、Mi-24/35 Mk.Ⅲ スーパーハインドが……しゅき!(ダァンッ!!!
*Ka-50:ロシアのカモフ社が設計した革命的単座攻撃ヘリコプター。
……作中で利点は紹介した。なので今回は欠点……と言うよりも、悲しい点について解説することとしよう。
まず、第一の悲しい点。これは大体のソ連後期製兵器にあることかもしれないが……ソ連崩壊の煽りをまともに受けたこと。この機体は崩壊以前であれば『Mi-24』の代替機体として正式採用されており、数百機が導入されるはずだった……のだが、ロシア政府が『お金足りなˆ~い』と言うことで、たったの12機で導入が中止してしまった。
そして、上に繋がる第二の悲しい点。それは、単座攻撃ヘリコプターという機体を他国が信頼しなかったこと、だ。上記の出来事で売り手が消えたカモフは当然困り、少しでも売り手を掴もうと各国の航空ショーにこの機体を展示するのだが、他国でも異例の二重反転ローター、しかも単座ともなれば、いつもスタンダートな形である複座・メイン/テイルローターがセットの攻撃ヘリコプターしか運用してこなかった合理主義の塊は『は?なんやこれ。やばすぎんか』と言った感じで敬遠して、誰も買わない。ま、まぁ機械化してパイロットの軽減負担したとは言え負担が少ないわけでは(コンコン)……あっ、えっと……ハイ。
……そ、そこでね!慌てたカモフは『じゃ、じゃぁ……こんなの、どうですか(複座型のKa-52をスッ』したら、『ほーん……ええやん』と言うことでロシア空軍が72機を購入した。……え?『Ka-50』が本来埋めるはずだった部分はどうしたんだ、だって……?この機体の競合機である『Mi-28』が主力に採用されてた。タヒね!
ちなみに『Ka-50』はヘリコプターで初めてイジェクション・シート(上に射出されて脱出するやつ)を装備していたり。脱出するときは上のローターを爆砕して吹っ飛ばすので、半ば震電みがある。
*Ka-27:カモフお手製いつもの二重反転ローター搭載対潜艦載ヘリ。これの派生型に尾翼をレドームにした『An-71』の代替機として開発された『Ka-31』がいる。……あ、『突然だが、自己満でロマン兵器について解説してみようと思う(ry』も、宜しくお願いします……。
*Ka-32:Ka-27の民間機バージョンとかのこと。
*A-10:A-10!!A-10!!世界に冠たる我らがA-10神!!GAU-8アヴェンジャーと数多の兵装を用い、地上に存在するありとあらゆるものを粉砕せしめるルー〇ル閣下のご意向により現世に降臨された破壊神也!!
*Su-25:北極に住まうA-10の血縁関係のない子供。大体A-10と同じ。
*Ka-25:Ka-27にその役割を奪われつつあるカモフ社製元祖哨戒ヘリ。
*交差式ローター:早い話、ローターを横に並べて回転させる方法を用いるやつ。世界で初めて実戦投入されたナチスのヘリコプター『Fi282』とか輸送用に特化させたらいつのまにか無人機になりつつある『カマン K-MAX』が該当。
*NOTAR:コアンダ効果を利用して、ローターの発生させるトルクの反対方向にガスやらを噴射してトルクを打ち消すシステム。テイルローターがないおかげで患者搬送とかに使われるドクターヘリに積んであったりする。欠点は燃費がクソ。
*ホットサイクル式ローター:機内に設置したピストンエンジンまたはターボファンエンジンの動力を用い、上部のローター先端の散布口から排気とかを噴射。その回転で飛行すると言うもの。これの利点は、ローターそのものが回転するわけではないためトルクが発生しない点、ローターの回転に必要な機構が削減できる点。欠点は排気を誘導する耐圧管が腐食して破損したりすること。これは結構マイナーだと思う。
*チップジェット:原理的には上と同じ。何が違うかと言えば、ホットサイクル式ローターは一つの動力からローターを回転させて飛行するのに対し、こちらはローター先端にラムジェットエンジンを搭載、それを起動させて回転させることにより飛行する点。要は動力の位置と数。利点は上に同じ。欠点は燃費がクソ。あとうるさい(XF-84Hサンダースクリーチほどでは……ない?)。『ヒューズXH-17』とか言う化け物輸送機がいたりする。
*複合ヘリコプター:これロマンの塊。端的に言ってしまえば、ヘリコプターとプロペラ機の間に生まれた子供。速度追求が容易とか色々利点はあるけど、何よりも素晴らしい点はコンセプトだと思う。代表機に『X-47』や『RAH-57 シャイアン』がいる。
*Hs129:ドイツの空飛ぶ缶切り。色々バリエーションはあり、その中でも群を抜いて頭がおかしいのがB-3型。この機体は機体下部に長砲身7.5cm砲を装備しており、敵戦車が現れようものなら天板側背面と言ったありとあらゆる戦車の弱点部分をぶち抜く。
もっとも、機内が狭すぎて(装甲置きすぎたせい)エンジンカウルに直接機器類を付けるとか、あまりの重さとフランス国内で徴収したエンジンの馬力の低さとかでめっちゃ遅い(まぁ、そもそも対地攻撃機だから速度はいらないと言えばいらない)おかげで制空権がなかったらメタメタにされるとか、ある意味特性はA-10に近い。
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「うーん、そうだなぁ……」
草むらに寝転りつつ、繋は未だ尚何に乗るかで悩んでいた。
『X-ジェット』はあくまでも森林からの脱出を目的として使ったもので、今回こうして草原があるにもかかわらず使用する必要が無いのは周知の事実。かと言って、『Fi156 シュトルヒ』などの“マトモ”な兵器や“傑作兵器”を何の捻りも無く脳死で出すのもなんだか……。うーーーん。
「別に航空機でもいいんだけど……」
この周辺の地形がどうなっているのか分からないし、もし航空機で着陸出来ない場所に街でもあれば、航空機の場合は滑走距離の関係等も考えればあまりいい選択肢とは言えない。それにこの地域が“もし”紛争地帯なんて危険地域であれば、攻撃される可能性も考えられる。万が一……いや、億が一にでもそんなことはないだろうが、対策をしておくに越したことはない。あとついでに、反撃もできるよう武装も欲しいね!!!
上をまとめれば、垂直離着陸が可能、かつ耐久性・攻撃性を兼ね備えた航空機が必要となる。そうなると《実体化》候補は絞られてくるわけだが……
「……どうせだし、ロシアの“アレ”にしようかな?」
そんな気持ちで《実体化》するものを決めると、繋は『Padよ出ろ!』と当然のように脳内で唱えてPadを出現。それのホームボタンをタップして起動して、ロシアの“アレ”を探し始める。
_数分後
「……見つけた!」
文字検索も閲覧履歴も糞食らえと言うPadなので探すのに少々手間取ったが、無事ロシアの“アレ”を発見する。それは——
「『Ka-50*』!!」
『Ka-50』。ソビエト連邦が採用、そして現在も運用されている『Mi-24』の後継として、ロシア連邦が“1995年”より運用しているカモフ社の設計した世界初の単座攻撃ヘリコプターである。
彼がどうしてこの機体を選んだか……その理由は何と言っても、二重反転ローターを採用し、世界で現状数少ない単座攻撃ヘリであるからだ。
まず初めに二重反転ローターとは、早い話がヘリのローターを上下に連結したようなもの。これの利点は、ヘリにとって不利とされる速度の追求が容易なことや、ローター一基のサイズを小さくできる点、テイルローターを使用しないことで全長を削減できる点等が挙げられるが、それと同時に欠点として構造が複雑になることで『整備性?死んだよ』と言った感じで、メンテナンスが難しくなる点等が挙げられる(そもそもヘリ自体部品点数が多いからやばい)。
そんな二重反転ローター、もちろん“健全な脳味噌と思考”を持っていればあまり採用しないのだが、何を隠そうこの機体を設計したカモフ社にとっては得意分野……十八番のようなものだ。
なんて言ったって歴代開発機で見ればKa-27*やKa-32*等、そりゃもうたくさん二重反転ローター搭載機を開発しているわけだし、そんな中でこうして二重反転の攻撃ヘリを作り上げたのだ。そう考えるとさして驚くことは無いだろう???(それでも世界基準で見れば十分おかしいんだよなぁ?)。
まぁ、世の中には交差式ローター*とかNOTAR*、ホットサイクル式ローター*にチップジェット*なり複合翼機*と、それはもうロマン満載なものがまだまだいるし……多少はね?
さて、二重反転ローターの素晴らしさは置いておいて……この機体一番の特徴……そして、同時に“敗因”と化した単座について。
先述の通り、攻撃ヘリとしては世界初の単座攻撃ヘリと言った。では逆に、何故『単座』攻撃ヘリは存在しないのか? これの原因は、パイロットが一人だと“ブラック企業もびっくりな重労働”になるからだ。
常に最前線での行動を強いられる攻撃ヘリは、いくら機動性が良いとは言え四六時中どこから飛んでくるかもわからない対空兵器を警戒しつつ飛行、そして目標に対する攻撃を行う必要がある。それだけのことをたった一人の脳味噌で行えるのかと言われれば、答えは簡単。難しいだろう。A-10*やSu-25*のような近接支援を前提とした航空機ならば離脱や被弾時の脱出が比較的容易としても、速度や被弾時の高度が航空機と比べれば欠如するヘリであれば……その答え、推して知るべし、である。
その激務を分担するために、通常の攻撃ヘリは複座型(2人乗り)……操縦者をガンナー(武装を操作する人)とパイロットに分けているのだ。
こうして書いてみるとわかるが、これを『攻撃ヘリ』と言う部類で解決するのは難しい。……でも、それを実現できる会社、あるんです。そう、カモフならね!
と言うのも、カモフ社が以前手がけた『Ka-25*』と言う哨戒ヘリで既に自動飛行システム等を実用化、それを特徴としており、その他もカモフ社の技術を持ってすれば単座攻撃ヘリなんて代物を作ることも可能だと考えられていたし、そうして実際、誕生した。それがこの機体、『Ka-50』である。
こうして開発された『Ka-50』にはアフガニスタン紛争で得られた教訓による防御性能の向上や、最大12日間のメンテナンスを行わずとも運用できる信頼性、成人男性が立つ範囲だけでメンテナンスができることなど、多数の利点が存在する……が、これ以上書くと明らかにこの小説の趣旨である『ストーリー性』が失われるため、最後に記述しておくこととしよう。とりあえず覚えておいて欲しいのは、『Ka-50』はロマンの塊である、と言うこと。これだけ覚えたら万事OK! この機体の悪い点とかないからね! うん!
「よし……早速《実体化》だ!!」
繋はPadを操作。『Ka-50』を《実体化》する。
ちなみに、今回《実体化》するにあたって、どうやら機体に装着された4つのパイロンにもそれぞれ武装が装着できるとの文が明記されていた。今回はどうせ対戦車ミサイルなんて使わないでしょと言う判断により、それら4つのパイロンの内、2つは増槽、残りのパイロン2つにはS-8ロケット弾用の20連装ポッドを搭載している。そもそも敵対勢力なんているのかと言う話だが、まぁ……観賞用! そう! 観賞用だよ!
眼前が『X-ジェット』を《実体化》した時よりもさらに眩く光り、それと同時に先ほどよりも遥かに度を超えた脳の激痛。そのあまりの痛さに、思わず頭を抱えて野に倒れ込んでしまう。
少し時間が経過して、脳の激痛が止んだ。恐る恐る頭を上げると、そこには……
「……『Ka-50』!!」
彼の眼前には黒一色に塗られた攻撃ヘリ……『Ka-50』が鎮座していた。無骨なボディに、特徴的な二重反転ローター。小翼には2つのロケットポッドと、2つの増槽。それら全てを囲むように、沢山の青い粒子が纏っている。なんか……芸術的。
「よしっ!早速乗ろう!」
繋はPadを消すと、『X-ジェット』のことを忘れて一気に『Ka-50』に駆け寄る。コックピットの防弾ガラスで構成されたドアを開いて、中に顔を入れた。
「はえ~……」
機内にはHUDやら何かよくわからない機器類と、一本の操縦桿、照準器等々。パイロットが座る部分には、ポツンとヘルメットが置かれている。
「よいせっと」
ヘルメットを手に持ち、コックピット内へと入る。Hs129*ほどではないのかもしれないが、厚い装甲板に囲まれているおかげでだいぶ窮屈だ。
繋はドアを閉じると、手に持っているヘルメットを被った。それは大きいわけでも小さいわけでもなく、自分の頭にちょうどフィットする。
「よしっ!」
繋は期待に満ちたような顔で、右腕で操縦桿を握る。
「……わかります……これが、神の啓示ですね……」
なんかいきなりキャラ変えるなとかそんな声が聞こえそうだがそんなことは置いておいて!繋は慣れた手つきで後ろを向いたり前を向いたり……そんな感じで各所に配置されたボタンやら機器類やらを操作する。それはもう大した違和感なんてないかのように。そうやってしばらく機器類を操作していると……。
キュィィィィィィィィン……
「動いた!」
歓喜に満ちた声で叫ぶ。機体に上部に配置されたローターは2つとも回転を始め、やがてその速さは目にも留まらぬ速さとなった。
「そろそろ……いけるかな」
右ヨシ!左ヨシ!右ヨシ! はいOK! じゃ、スロットルレバーを前に倒して……
「離陸!」
2基合わせて出力3200Kwを発揮する機体に積まれた2基のターボシャフトエンジンがその唸りを一層と増すと共に、総重量9.8tの『Ka-50』がゆっくりと持ち上がる。
「と、飛んだ! 飛んだッ!!!」
『X-ジェット』とは違い、コックピットがあることで密閉され、外気に晒されない点がとても素晴らしい。寒くないからね!
「……よしっ!とりあえず周辺に何かないか探してみよう!」
そうノリノリで叫ぶと、繋は『X-ジェット』のことを放置……と言うよりも、その存在を忘れた状態で、大空へと飛び立ってしまった。
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アンチャー〇ッドすこ。曲もストーリもすきすき。あれってロマンあるよね……地底世界に眠る古代都市とか!
*Mi-24:ロシアのガンシップこと『Mi-24』。又の名をハインド。なんか『対地支援しながら兵員輸送できたらカッコ良さそうだし強そう……強そうじゃない?』とかなんとか言って開発したら、『デカイ!脆い!遅い!』の三銃士を持ち合わせる最高に見た目がクールなゲテモノが誕生した。でも私は……南アフリカ産の改良型、Mi-24/35 Mk.Ⅲ スーパーハインドが……しゅき!(ダァンッ!!!
*Ka-50:ロシアのカモフ社が設計した革命的単座攻撃ヘリコプター。
……作中で利点は紹介した。なので今回は欠点……と言うよりも、悲しい点について解説することとしよう。
まず、第一の悲しい点。これは大体のソ連後期製兵器にあることかもしれないが……ソ連崩壊の煽りをまともに受けたこと。この機体は崩壊以前であれば『Mi-24』の代替機体として正式採用されており、数百機が導入されるはずだった……のだが、ロシア政府が『お金足りなˆ~い』と言うことで、たったの12機で導入が中止してしまった。
そして、上に繋がる第二の悲しい点。それは、単座攻撃ヘリコプターという機体を他国が信頼しなかったこと、だ。上記の出来事で売り手が消えたカモフは当然困り、少しでも売り手を掴もうと各国の航空ショーにこの機体を展示するのだが、他国でも異例の二重反転ローター、しかも単座ともなれば、いつもスタンダートな形である複座・メイン/テイルローターがセットの攻撃ヘリコプターしか運用してこなかった合理主義の塊は『は?なんやこれ。やばすぎんか』と言った感じで敬遠して、誰も買わない。ま、まぁ機械化してパイロットの軽減負担したとは言え負担が少ないわけでは(コンコン)……あっ、えっと……ハイ。
……そ、そこでね!慌てたカモフは『じゃ、じゃぁ……こんなの、どうですか(複座型のKa-52をスッ』したら、『ほーん……ええやん』と言うことでロシア空軍が72機を購入した。……え?『Ka-50』が本来埋めるはずだった部分はどうしたんだ、だって……?この機体の競合機である『Mi-28』が主力に採用されてた。タヒね!
ちなみに『Ka-50』はヘリコプターで初めてイジェクション・シート(上に射出されて脱出するやつ)を装備していたり。脱出するときは上のローターを爆砕して吹っ飛ばすので、半ば震電みがある。
*Ka-27:カモフお手製いつもの二重反転ローター搭載対潜艦載ヘリ。これの派生型に尾翼をレドームにした『An-71』の代替機として開発された『Ka-31』がいる。……あ、『突然だが、自己満でロマン兵器について解説してみようと思う(ry』も、宜しくお願いします……。
*Ka-32:Ka-27の民間機バージョンとかのこと。
*A-10:A-10!!A-10!!世界に冠たる我らがA-10神!!GAU-8アヴェンジャーと数多の兵装を用い、地上に存在するありとあらゆるものを粉砕せしめるルー〇ル閣下のご意向により現世に降臨された破壊神也!!
*Su-25:北極に住まうA-10の血縁関係のない子供。大体A-10と同じ。
*Ka-25:Ka-27にその役割を奪われつつあるカモフ社製元祖哨戒ヘリ。
*交差式ローター:早い話、ローターを横に並べて回転させる方法を用いるやつ。世界で初めて実戦投入されたナチスのヘリコプター『Fi282』とか輸送用に特化させたらいつのまにか無人機になりつつある『カマン K-MAX』が該当。
*NOTAR:コアンダ効果を利用して、ローターの発生させるトルクの反対方向にガスやらを噴射してトルクを打ち消すシステム。テイルローターがないおかげで患者搬送とかに使われるドクターヘリに積んであったりする。欠点は燃費がクソ。
*ホットサイクル式ローター:機内に設置したピストンエンジンまたはターボファンエンジンの動力を用い、上部のローター先端の散布口から排気とかを噴射。その回転で飛行すると言うもの。これの利点は、ローターそのものが回転するわけではないためトルクが発生しない点、ローターの回転に必要な機構が削減できる点。欠点は排気を誘導する耐圧管が腐食して破損したりすること。これは結構マイナーだと思う。
*チップジェット:原理的には上と同じ。何が違うかと言えば、ホットサイクル式ローターは一つの動力からローターを回転させて飛行するのに対し、こちらはローター先端にラムジェットエンジンを搭載、それを起動させて回転させることにより飛行する点。要は動力の位置と数。利点は上に同じ。欠点は燃費がクソ。あとうるさい(XF-84Hサンダースクリーチほどでは……ない?)。『ヒューズXH-17』とか言う化け物輸送機がいたりする。
*複合ヘリコプター:これロマンの塊。端的に言ってしまえば、ヘリコプターとプロペラ機の間に生まれた子供。速度追求が容易とか色々利点はあるけど、何よりも素晴らしい点はコンセプトだと思う。代表機に『X-47』や『RAH-57 シャイアン』がいる。
*Hs129:ドイツの空飛ぶ缶切り。色々バリエーションはあり、その中でも群を抜いて頭がおかしいのがB-3型。この機体は機体下部に長砲身7.5cm砲を装備しており、敵戦車が現れようものなら天板側背面と言ったありとあらゆる戦車の弱点部分をぶち抜く。
もっとも、機内が狭すぎて(装甲置きすぎたせい)エンジンカウルに直接機器類を付けるとか、あまりの重さとフランス国内で徴収したエンジンの馬力の低さとかでめっちゃ遅い(まぁ、そもそも対地攻撃機だから速度はいらないと言えばいらない)おかげで制空権がなかったらメタメタにされるとか、ある意味特性はA-10に近い。
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俊也
SF
これまた、かつて私がおーぷん2ちゃんねるに載せ、ご好評頂きました戦国架空戦記SSです。
この他、
「新訳 零戦戦記」
「総統戦記」もよろしくお願いします。
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。

【VRMMO】イースターエッグ・オンライン【RPG】
一樹
SF
ちょっと色々あって、オンラインゲームを始めることとなった主人公。
しかし、オンラインゲームのことなんてほとんど知らない主人公は、スレ立てをしてオススメのオンラインゲームを、スレ民に聞くのだった。
ゲーム初心者の活字中毒高校生が、オンラインゲームをする話です。
以前投稿した短編
【緩募】ゲーム初心者にもオススメのオンラインゲーム教えて
の連載版です。
連載するにあたり、短編は削除しました。
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