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第二章 学園生活編~1年生~
5. クラス分け①
しおりを挟む『 』はマイクを使って全体に聞こえるように話しています。
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『では、特別組の生徒は移動してください』
司会がそう言ったのと同時に2.3年の列から7~10人ほどの白い制服を着た人達が大講堂から出ていった。
「さっきの人達、制服が白だったわね」
「薄々分かってはいたが、やはり特別組の生徒だったな!」
「まあ、私たちは一般組に変わりはないだろうから関係ないね~」
「ああ。そうだな」
「シルバー君、メルフィー君、ファーレ君、フィアー君。ちょっとこっちにおいで」
そう言ってステージから降りてくるように言ったのは学園長だった。
「なんですか?」
サメルが聞くと、
「なに、クラス分けのことを言ってなかったと思ってなぁ~」
と言った。
「なんにも、伝えれてなくて悪いの~。なんせ、転入生はそうそうおらんからそういった事を伝え忘れてしまうんじゃ~」
「あ~。いいですよ。それで、クラス分けとは?」
「クラス分けとは、その名の通り1年間自分が学ぶクラスを決めるクラス分けじゃ。この学園には、一般生徒が集まるクラスが5クラスある。それに加え、何かしらの能力が突出しているものは特別組に入ることになる。一般組はだいたい30人編成、特別組には毎年5人~10人が選ばれている。さっきの白い制服が特別組の制服じゃ。一目見て分かるように違う制服にしたんじゃ」
ここでひとつの疑問ができた。
「なぜ、制服の色を変えたんですか?」
「昔のぉ~、『なぜ俺が特別組では、ないのだ!?お前もそう思うだろ!?』と他の生徒に突っかかった生徒がおったんじゃ。それに対してその生徒は、『それはお前の実力不足だろ』と言い返したんじゃが、難癖つけてた生徒が言い返してきた生徒に対して腹が立って近距離で攻撃してきたんじゃ。しかし、運の悪いことにその突っかかった生徒は今年から特別組の生徒になった者でな。その突っかかった生徒はそやつが特別組とは知らず突っかかってしまったんじゃ。もちろん返り討ちにあって全治2週間の怪我をおった。まあ、怪我をさせた生徒は普通、謹慎処分になるんじゃが悪いのはどう考えても突っかかった向こう側。本当のことを言っただけで剣を出して攻撃してきたんじゃ。自己防衛で怪我をさせてしまっただけで本当は努力家で心の優しい生徒だったから可哀想でなぁ、反省文だけで済ませて、突っかかった方を3週間の謹慎処分にした事があったのでな。
もう、そんなことが起きないように制服で見分けがつくようにしたんじゃ」
「そうですね。知らなかったとはいえ、学園内で剣を出しての暴力沙汰は謹慎処分になってもおかしくないですね」
「そうじゃろう?おっと話が逸れたわい。あれを見い」
そう言って学園長が指を指したのはステージだった。
さっきまでなかったはずの椅子と机がある。机の上には水晶が置いてあり、他の生徒が1人1人水晶に手を当てていた。
「あれで、クラスを決めるんじゃ」
一般組はA.B.C.D.Eクラスがあり、差別ができないように平等に振り分けられる。
クラス発表は今日の夕方で、クラスごとに住む寮も変わってくる。
「ちなみに、中等部には特別組制度はないから1学年の皆も初めての水晶でのクラス分けじゃ。
2年、3年の進級時にもやるが人数が1人、2人増えることはあっても努力を怠らない限り下がることはないぞ」
色々と話をしていたら、
『次、サルメル・ファーレ』
と、とうとうサルメルの名前が呼ばれた。
「いってらっしゃい!」
サリーがサメルにエールを送った。
「サメル、頑張ってね~」
「サメルなら大丈夫だろう。気負うなよ」
とリーナとライも応援した。
「おう、行ってくるな!」
そう言ってサメルはステージに向かって歩いていった。
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次回の更新再開日は11月頃です!
息抜きにたまに更新するかもしれないです!
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