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第一章
第5話 初配信
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冒険者を登録した翌日、陸はあがたの森ダンジョンの中にいた。
「これがあがたの森ダンジョンの中か。他のところのダンジョンと一緒で広いなぁ~。岩肌の通路だけど、トンネルより明るいなぁ。」
実は、ダンジョンの上層において、景色や出現するモンスターに違いはあまりない。多少なりとも違いはあれど、どのダンジョンでも基本的には一緒。違いが出るとすれば、中層からになる。
「まぁ、初心者の俺からしてみればありがたい。ここで基礎戦闘を身につけながら活動できるからな。よし、早速配信始めますか。」
持ってきた配信用ドローンの電源を入れ、配信を始めた。
「同接数はゼロか。告知してないからしょうがないか。でも、今の時期なら色々な人が動画サイトを見てるから誰か一人くらい来るでしょ。」
そう言うと、昨日買ってきた一番安い魔力剣に手を置き、奥へと進み始めた。いくつかの別れ道を右に左に進んでいくと、最初のモンスターと遭遇した。
「おっ、あれはスライムか!あいつは核さえ破壊すれば倒せるからな。よし、やるぞ。」
魔力剣を鞘から取りだ。そして、剣に魔力を流しイメージした。
「剣に光属性の魔力を流し、表面に纏わせるイメージで・・・」
すると、剣がバチバチと音と光を発した。
「よし、喰らえ電光石火!」
スライムに向け上から下へ剣を振り下ろした。
瞬間、スライムは爆散した。
「げぇ!核を真っ二つにする筈が爆散しやがった。まっまじか、もう少し威力を下げよう。」
爆散した場所を見ながら陸が反省をしていると、腕に付けている端末が音を発した。
ピコン
「うん?」
そこには、同接数が一人とコメントが書かれていた。
~コメント~
一コメ、初配信ですか?
「こんにちは、陸チャンネルへようこそ。はい、初配信です!」
~コメント~
配信頑張ってください。チャンネル登録しときますね。
「本当ですか!?ありがとうございます!」
初めて視聴者が来たことにより、モチベーションがアップした。
「よぉし、やる気アップ!どんどん進んでいくぞ~!」
少しして進むと、今度はゴブリンが出現した。
「ゴブリンか、数は二体と。今度は威力をもう少し抑えて。」
陸に気づいたゴブリンが、短剣を振りかざしてきた。
「ゴブリンは、他の配信で見ているから対策済みだ!電光石火!」
横に剣を振った瞬間、ゴブリンが上下に真っ二つになった。屍となったゴブリンは、ダンジョンの地中へと消え、変わりに耳と短剣がその場に残った。
「良かった~、今回はうまく調整できた。あと、ドロップしたし悪くないな。」
~コメント~
討伐おめ。短剣ドロップしたのか、運いいね!
へぇ~、陸さんは魔法剣士なんだ。どんな属性が使えるの?
端末を見ると同接数が二人になっていた。
「こんにちは、陸チャンネルへようこそ。俺が使える属性は、光と闇です。まだ、一つしか技が使えませんが、これから増やしていきます。」
~コメント~
これは成長を見るのが楽しみだ。
その後、三十分ほどダンジョンに潜っていた。その間にゴブリンを十体スライムを二匹討伐しただけでなく、魔力剣の扱い方を練習していた。ドロップ品は短剣二本、ポーションが一本と悪くない戦果である。
~コメント~
三十分で短剣二本とポーション一本なら上々ですね。
ドロップ率がランダムということを考えればいい戦果だな。
どこのダンジョンですか?
配信はどのくらいの頻度でやりますか?
気づいたら同接数も十人になっており、色々とコメントもしてくれていた。
「ダンジョンは松本市にあるあがたの森ダンジョンです。活動頻度は夏休み中は週五で行う予定です。」
~コメント~
あがたの森ダンジョンかですか。確かCランクダンジョンですね。
あそこは規模があまり大きくないからな。
松本って言ったら確か国内に二箇所しかないSランクダンジョンがある市じゃないか!
コメントにもある通り、男性にはランクがある下からD、C、B、A、Sとなっている。ランクはそのダンジョンの規模とモンスターレベルで変わる。DからBまでは大きな差は無いが、A以上は難易度が変わる。
「そうです。松本にはもう一つSランクダンジョンがあります。ですが、あちらはとてもじゃないですがレベルが違いますので、行くことは無いですね。」
~コメント~
Sランクなんてひと握りの連中しか行かないからな。
でも、興味はあるな。配信している人いないから中がどうなっているのか気になる。
陸さん、無理はしないでくださいね。
やはり、Sランクダンジョンはみんな気になるようだ。
「もし、そこまでに行ける実力が付きましたら、配信してみます。」
~コメント~
おう、期待してるぞ!
応援します。
こんにちは、中々でかいもくひょうをたてましたね。
自分のペースでレベル上げていってください。
などなど温かいコメントでいっぱいになった。
「皆さん、ありがとうございます。今日は初配信ということでここで終了します。良かったらチャンネル登録お願いします。明日も配信します。」
~コメント~
おつ。登録したよ。
お疲れ様~。また明日楽しみにしてるよ。
おつかれ~。
チャンネル登録しました。明日も、頑張ってください。
配信を切るためドローンを近くに行き、スイッチを切った。そして、腕に着けてる端末を見て、今日の最高同接数を確認した。
「初日で二十人行ったんだ。これは成功と言っていいでしょ!チャンネル登録者数も同じく二十人。数字を見るとモチベーション上がるなぁ~。」
気分が高揚した陸は、ここがダンジョン内であることを忘れその場でニコニコしながら端末を見続けていた。
「これがあがたの森ダンジョンの中か。他のところのダンジョンと一緒で広いなぁ~。岩肌の通路だけど、トンネルより明るいなぁ。」
実は、ダンジョンの上層において、景色や出現するモンスターに違いはあまりない。多少なりとも違いはあれど、どのダンジョンでも基本的には一緒。違いが出るとすれば、中層からになる。
「まぁ、初心者の俺からしてみればありがたい。ここで基礎戦闘を身につけながら活動できるからな。よし、早速配信始めますか。」
持ってきた配信用ドローンの電源を入れ、配信を始めた。
「同接数はゼロか。告知してないからしょうがないか。でも、今の時期なら色々な人が動画サイトを見てるから誰か一人くらい来るでしょ。」
そう言うと、昨日買ってきた一番安い魔力剣に手を置き、奥へと進み始めた。いくつかの別れ道を右に左に進んでいくと、最初のモンスターと遭遇した。
「おっ、あれはスライムか!あいつは核さえ破壊すれば倒せるからな。よし、やるぞ。」
魔力剣を鞘から取りだ。そして、剣に魔力を流しイメージした。
「剣に光属性の魔力を流し、表面に纏わせるイメージで・・・」
すると、剣がバチバチと音と光を発した。
「よし、喰らえ電光石火!」
スライムに向け上から下へ剣を振り下ろした。
瞬間、スライムは爆散した。
「げぇ!核を真っ二つにする筈が爆散しやがった。まっまじか、もう少し威力を下げよう。」
爆散した場所を見ながら陸が反省をしていると、腕に付けている端末が音を発した。
ピコン
「うん?」
そこには、同接数が一人とコメントが書かれていた。
~コメント~
一コメ、初配信ですか?
「こんにちは、陸チャンネルへようこそ。はい、初配信です!」
~コメント~
配信頑張ってください。チャンネル登録しときますね。
「本当ですか!?ありがとうございます!」
初めて視聴者が来たことにより、モチベーションがアップした。
「よぉし、やる気アップ!どんどん進んでいくぞ~!」
少しして進むと、今度はゴブリンが出現した。
「ゴブリンか、数は二体と。今度は威力をもう少し抑えて。」
陸に気づいたゴブリンが、短剣を振りかざしてきた。
「ゴブリンは、他の配信で見ているから対策済みだ!電光石火!」
横に剣を振った瞬間、ゴブリンが上下に真っ二つになった。屍となったゴブリンは、ダンジョンの地中へと消え、変わりに耳と短剣がその場に残った。
「良かった~、今回はうまく調整できた。あと、ドロップしたし悪くないな。」
~コメント~
討伐おめ。短剣ドロップしたのか、運いいね!
へぇ~、陸さんは魔法剣士なんだ。どんな属性が使えるの?
端末を見ると同接数が二人になっていた。
「こんにちは、陸チャンネルへようこそ。俺が使える属性は、光と闇です。まだ、一つしか技が使えませんが、これから増やしていきます。」
~コメント~
これは成長を見るのが楽しみだ。
その後、三十分ほどダンジョンに潜っていた。その間にゴブリンを十体スライムを二匹討伐しただけでなく、魔力剣の扱い方を練習していた。ドロップ品は短剣二本、ポーションが一本と悪くない戦果である。
~コメント~
三十分で短剣二本とポーション一本なら上々ですね。
ドロップ率がランダムということを考えればいい戦果だな。
どこのダンジョンですか?
配信はどのくらいの頻度でやりますか?
気づいたら同接数も十人になっており、色々とコメントもしてくれていた。
「ダンジョンは松本市にあるあがたの森ダンジョンです。活動頻度は夏休み中は週五で行う予定です。」
~コメント~
あがたの森ダンジョンかですか。確かCランクダンジョンですね。
あそこは規模があまり大きくないからな。
松本って言ったら確か国内に二箇所しかないSランクダンジョンがある市じゃないか!
コメントにもある通り、男性にはランクがある下からD、C、B、A、Sとなっている。ランクはそのダンジョンの規模とモンスターレベルで変わる。DからBまでは大きな差は無いが、A以上は難易度が変わる。
「そうです。松本にはもう一つSランクダンジョンがあります。ですが、あちらはとてもじゃないですがレベルが違いますので、行くことは無いですね。」
~コメント~
Sランクなんてひと握りの連中しか行かないからな。
でも、興味はあるな。配信している人いないから中がどうなっているのか気になる。
陸さん、無理はしないでくださいね。
やはり、Sランクダンジョンはみんな気になるようだ。
「もし、そこまでに行ける実力が付きましたら、配信してみます。」
~コメント~
おう、期待してるぞ!
応援します。
こんにちは、中々でかいもくひょうをたてましたね。
自分のペースでレベル上げていってください。
などなど温かいコメントでいっぱいになった。
「皆さん、ありがとうございます。今日は初配信ということでここで終了します。良かったらチャンネル登録お願いします。明日も配信します。」
~コメント~
おつ。登録したよ。
お疲れ様~。また明日楽しみにしてるよ。
おつかれ~。
チャンネル登録しました。明日も、頑張ってください。
配信を切るためドローンを近くに行き、スイッチを切った。そして、腕に着けてる端末を見て、今日の最高同接数を確認した。
「初日で二十人行ったんだ。これは成功と言っていいでしょ!チャンネル登録者数も同じく二十人。数字を見るとモチベーション上がるなぁ~。」
気分が高揚した陸は、ここがダンジョン内であることを忘れその場でニコニコしながら端末を見続けていた。
応援ありがとうございます!
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