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春
入学式
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一部のお姉様方に大人気な乙女ゲーム「月を蝕む妖精」シリーズ。魔法学園を舞台とした第一作、第二作ともに大ヒットを誇り、キャラソンやらも某アニメショップのCDランキングに上位だったりと一世を風靡した作品だ。
そんな私もプレイヤーのひとりとして、一作目二作目ふたつともマルチバットハッピーエンドすべて回収させてもらったわけだけれども、こんな結果は想定していなかった。
「クリス、準備はできたかい?」
「ばっちりです、ヴィンスお兄様」
ライトノベルに転生、または転成トリップはつきものだ。寝る前にネサフしては読み漁ってた。しかし、けれど! 自分が体験するとなると話は別!
「ほら、リボンタイが曲がっているよ」と新妻のように私、ではなく僕のリボンタイを直してくれるのは愛しの麗しいお兄様。太陽に輝く波打ったブロンドヘアーに空を思わせるスカイブルーの瞳。とてつもない美形のお兄様、ヴィンセント・オールブライトはにっこりと笑って僕の額に口づけた。……はじめは恥ずかしかったけどね、慣れた。慣れって大切だ。
ところで、気づいた方もいらっしゃるだろうが、お兄様のファミリーネーム、そうオールブライトと言えば主人公と同じ。そして僕にはマリアーナという聖女のように純真で天然なお姉様がいらっしゃる。
ここまで言ってしまえばわかるだろゲームヒロインのデフォルトネームはマリアーナ。『私』はその弟に転成トリップしてしまったというわけさ。
そして僕は知っている……! ヒロインの弟、クリスティアンは闇堕ち確定キャラクターだってことを!
「クリス? 不安かい?」
「……はい、とても不安です、お兄様」
死亡フラグ乱立がとてもとても不安ですお兄様。ひとつ選択肢ミスるとすぐに闇堕ちだからね! 不安なはずがない。
お兄様が言ってるのはまったく別のことなんだけどね。
「何事も落ち着いていれば大丈夫さ。私は今年で卒業だけど、一年間は一緒にいられるんだ。まぁ、ウィルとマリアが一緒、てのはちょっと心配だけど。ウィルに虐められたらすぐに言うんだよ?」
身内話だけど、兄弟仲はそれほど良くはない。成人済みの長男であるサイラスお兄様が家にいらっしゃったときはまだよかったんだけど、就職して家を出てからちょっとずつ歪みが出てきた。お父様お母様は魔法学者だから家にいること自体少ないからね。
必然的に次男であるヴィンスお兄様がまとめているんだけど、三男のウィリアムお兄様との仲は険悪だ。一個上のマリアお姉さまは皆と仲いいけど、どっちかっていうとウィリアムお兄様にくっついてるほうが多いかな。
僕がヴィンスお兄様を独り占めしてるからね! ヴィンスお兄様も僕を一番に可愛がってくれるからね、自慢じゃないいけど愛されてる自覚はあるよ。
闇堕ちフラグのひとつにね、ヴィンスお兄様の死ってのがあるんだけどね、パターンがありすぎて……。これまでに何回か阻止してはきてるけど、これからはきっともっと増えるんだろうなと思うと嫌になる。闇堕ちも嫌だけど、お兄様が死んでしまうのはもっと嫌だ。
「さぁ、遅れたらいけないからね。入学式が終わったら入寮式だ。同じウンディーネ寮になれることを祈っているよ」
「僕もお兄様と一緒の寮がいいです!」
「はは、クリスの性格ならサラマンダーはないだろうからね。どこの寮に行っても、私はお前を愛しているから」
アルトリシア魔法学術学校と言えば優秀な魔法使いを数多く輩出している、世界で三本の指に入る魔法学校だ。僕も今年から通うことになる。ヴィンスお兄様は最高学年の六学年。ちなみにウィリアムお兄様は四学年、マリアお姉様は二学年だ。
全寮制の六学年制、入るのは簡単だけど卒業するのは難しい。そんな中でヴィンスお兄様は毎年首席だなんてさすがすぎる。僕もそこを目指していきたいね。入学試験のほうの結果はもう届いてるんだけど、ばっちり首席だった。ついどや顔しちゃった。
『私』がクリスティアンに転成ってしまったことによって多少のズレが出てきている。そもそもクリスティアンというキャラクターは兄弟の中で唯一魔力を一切持たず、魔法が使えないはずだったのだけれど、僕、ガンガン魔法使ってるし? しかもなんか禁じられし闇の魔力とか持っちゃってるし?
ゲームのストーリー的にはまだ始まっていない。桜の散り始めた頃、お姉様の学年に編入生がやってくることによって物語はスタートする。僕が本格的に登場するのは第二作目からなんだけど、二作目のヒロインはお姉様じゃなくって、市井で暮らしていたお姫様だ。プレイヤー目線で言えば、お姉様よりお姫様ヒロインの方が好きだったかな。
「おいで」と差し出されたお兄様の手を取って、一歩を踏み出す。
大事な、大事な一歩だ。前に進むことを忘れてはならない。僕が『私』であった頃に言われた言葉だ。ずっと胸に刻まれているけれど、誰に言われたんだっけ。
「転移魔法は初めてじゃないから大丈夫だね?」
「あのグルグルする感じは好きじゃないけど、うん、大丈夫、だと思います」
「ふふっ、私も最初の頃は苦手だったなぁ。変なところには飛ばないから安心おし。入学式も、入寮式も緊張することないよ」
手を引かれて屋敷を出る。メイドに「行ってらっしゃいませ」と見送られ、お兄様が転移魔法陣の代わりとなるオーブの魔法具を発動させる。
ぎゅ、とお兄様の手を握った。ここから始まるのだと思うと、とても怖い。
『私』はまだ『私』を諦めきれていない。気付いたら『私』は僕に転成していた。最期は覚えていない。最初も覚えていない。気づいたら、クリスティアンだった。
ただ漠然と僕には『私』という存在が有った、ということしかわからないんだ。いや、『私』だった頃のことは覚えている。女子大学生で、読書とゲームが趣味の至って普通の女の子。母親と二人暮らしで、かっこいい彼氏もいた。
なのに、彼らの顔が思い出せない。大切だったのに。顔の部分が黒ペンでぐしゃぐしゃにされたみたいになって、声もわからなければ、名前も思い出せない。それが、どうしようもなくもどかしくなる。
今の自分はいったいどっちなんだろうと、不安になる。『私』が僕に成ったのか。僕が『私』だったのか。ときおり、どうしようもなく泣き叫びたくなるんだ。
「前を向いて」
お兄様の声にハッして、下がっていた目線を上へと上げる。
「自信を持って。クリスティアンが何を不安に思っているのか私はわからない。けど、私は常にお前の傍にいるよ」
「……ヴィンスお兄様」
「だから、辛くなったらいつでも私のところへおいで? ふふ、今年は寮長だから一人部屋なんだ。クリスならいつでも歓迎するよ」
「ぁ……」
「だからそう思いつめた顔をしないでおくれ? せっかくの綺麗な顔が陰って台無しだよ」
時々、お兄様は全部分かっているような口ぶりをする。もしかしたら、ヴィンスお兄様も『前』を覚えているんじゃ、と思いはするけれど直接聞くなんてできるわけもない。聞いてもし、覚えていなかったらと思うと、とてもじゃないが正気でいられる自信がない。
転移魔法が発動し、光に包まれる。眩しさに眉根を寄せ、ぐるぐると気持悪さに目を閉じた。何度経験しても慣れない気持悪さだ。たぶん一生慣れない。
「ほら、目を開けてごらん」
促され、そっと目蓋を持ち上げる。
『見ない顔だわ!』
『ヴィンセントよ! やっぱり素敵ね!』
『手を繋いでる! かわいい!』
『なんだかヴィンセントに似てるわ! 兄弟かしら?』
きらきらと、それは輝いていた。半透明の、まるでステンドグラスみたいに美しい翅を羽ばたかせてそれらは僕の周りを飛び回る。
人差し指くらいの大きさで、四匹。匹、でいいのかな。四人のほうがなんかいい気がする。オールバックの赤い髪の子、足首まであるストレートの青い髪の子、緑のボブヘアーの子、黄色い巻き毛の子。くるくると回りを飛び跳ね、楽しそうにクスクスと笑っている。
じいっと見つめていると、緑の子と目があった。緑の子は眠そうなグリーンアイズをぱちくりと瞬かせ、上に行ったり下に行ったりを繰り返すのをつい目で追ってしまう。
『あらぁ、この子、わたしたちが見えるみたいよぉ』
その言葉に首を傾げて、お兄様の方を向いた。
「ヴィンス兄様、あの子たちは、」
「行こうクリス。新入生の点呼はミセス・エイジャーだ。彼女、普段は優しいけど怒ると怖いんだ。彼女の受け持つ薬学の授業は三年生までは必須だから、遅れないように気をつけるんだよ」
「え、あ、はい」
お兄様は飛び回る子たちには目もくれずに歩き出す。もしかして、見えてない? きょろきょろ周りを見てみるけど、飛んでたり浮かんでたりキラキラしてるのはたくさんいる。けど、それらを見てたりしてる人たちは誰もいない。これマジで僕にしか見えていないんじゃないだろうか。
たぶん、妖精とか精霊の類いなんでしょ。えええ、ゲームにそんなのあったっけ?
そもそもクリスティアンが魔力持ってないからキーキャラではあるけど魔法とかそっち系に関わってないからまずどんな影響があるのかわからないし。ていうかあれじゃないの、精霊とお話し、っていうのはヒロインの役目でしょ! なんで僕! トリップ特典しかそういうやつか! いらねぇわ!
ヒロインお姉様はゲーム内でそういう能力があるとかはなかったなぁ、そういえば。希少な光属性を持ってるってぐらいだった、かな?
『また今度ご挨拶に行くわね、ヴィンセントの弟君』
すぐ耳もとで風がそよぎ、バッと後ろを振り返った。
ひらひらと手を振る緑の彼女に小さくだけど手を振り返した。
そんな私もプレイヤーのひとりとして、一作目二作目ふたつともマルチバットハッピーエンドすべて回収させてもらったわけだけれども、こんな結果は想定していなかった。
「クリス、準備はできたかい?」
「ばっちりです、ヴィンスお兄様」
ライトノベルに転生、または転成トリップはつきものだ。寝る前にネサフしては読み漁ってた。しかし、けれど! 自分が体験するとなると話は別!
「ほら、リボンタイが曲がっているよ」と新妻のように私、ではなく僕のリボンタイを直してくれるのは愛しの麗しいお兄様。太陽に輝く波打ったブロンドヘアーに空を思わせるスカイブルーの瞳。とてつもない美形のお兄様、ヴィンセント・オールブライトはにっこりと笑って僕の額に口づけた。……はじめは恥ずかしかったけどね、慣れた。慣れって大切だ。
ところで、気づいた方もいらっしゃるだろうが、お兄様のファミリーネーム、そうオールブライトと言えば主人公と同じ。そして僕にはマリアーナという聖女のように純真で天然なお姉様がいらっしゃる。
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そして僕は知っている……! ヒロインの弟、クリスティアンは闇堕ち確定キャラクターだってことを!
「クリス? 不安かい?」
「……はい、とても不安です、お兄様」
死亡フラグ乱立がとてもとても不安ですお兄様。ひとつ選択肢ミスるとすぐに闇堕ちだからね! 不安なはずがない。
お兄様が言ってるのはまったく別のことなんだけどね。
「何事も落ち着いていれば大丈夫さ。私は今年で卒業だけど、一年間は一緒にいられるんだ。まぁ、ウィルとマリアが一緒、てのはちょっと心配だけど。ウィルに虐められたらすぐに言うんだよ?」
身内話だけど、兄弟仲はそれほど良くはない。成人済みの長男であるサイラスお兄様が家にいらっしゃったときはまだよかったんだけど、就職して家を出てからちょっとずつ歪みが出てきた。お父様お母様は魔法学者だから家にいること自体少ないからね。
必然的に次男であるヴィンスお兄様がまとめているんだけど、三男のウィリアムお兄様との仲は険悪だ。一個上のマリアお姉さまは皆と仲いいけど、どっちかっていうとウィリアムお兄様にくっついてるほうが多いかな。
僕がヴィンスお兄様を独り占めしてるからね! ヴィンスお兄様も僕を一番に可愛がってくれるからね、自慢じゃないいけど愛されてる自覚はあるよ。
闇堕ちフラグのひとつにね、ヴィンスお兄様の死ってのがあるんだけどね、パターンがありすぎて……。これまでに何回か阻止してはきてるけど、これからはきっともっと増えるんだろうなと思うと嫌になる。闇堕ちも嫌だけど、お兄様が死んでしまうのはもっと嫌だ。
「さぁ、遅れたらいけないからね。入学式が終わったら入寮式だ。同じウンディーネ寮になれることを祈っているよ」
「僕もお兄様と一緒の寮がいいです!」
「はは、クリスの性格ならサラマンダーはないだろうからね。どこの寮に行っても、私はお前を愛しているから」
アルトリシア魔法学術学校と言えば優秀な魔法使いを数多く輩出している、世界で三本の指に入る魔法学校だ。僕も今年から通うことになる。ヴィンスお兄様は最高学年の六学年。ちなみにウィリアムお兄様は四学年、マリアお姉様は二学年だ。
全寮制の六学年制、入るのは簡単だけど卒業するのは難しい。そんな中でヴィンスお兄様は毎年首席だなんてさすがすぎる。僕もそこを目指していきたいね。入学試験のほうの結果はもう届いてるんだけど、ばっちり首席だった。ついどや顔しちゃった。
『私』がクリスティアンに転成ってしまったことによって多少のズレが出てきている。そもそもクリスティアンというキャラクターは兄弟の中で唯一魔力を一切持たず、魔法が使えないはずだったのだけれど、僕、ガンガン魔法使ってるし? しかもなんか禁じられし闇の魔力とか持っちゃってるし?
ゲームのストーリー的にはまだ始まっていない。桜の散り始めた頃、お姉様の学年に編入生がやってくることによって物語はスタートする。僕が本格的に登場するのは第二作目からなんだけど、二作目のヒロインはお姉様じゃなくって、市井で暮らしていたお姫様だ。プレイヤー目線で言えば、お姉様よりお姫様ヒロインの方が好きだったかな。
「おいで」と差し出されたお兄様の手を取って、一歩を踏み出す。
大事な、大事な一歩だ。前に進むことを忘れてはならない。僕が『私』であった頃に言われた言葉だ。ずっと胸に刻まれているけれど、誰に言われたんだっけ。
「転移魔法は初めてじゃないから大丈夫だね?」
「あのグルグルする感じは好きじゃないけど、うん、大丈夫、だと思います」
「ふふっ、私も最初の頃は苦手だったなぁ。変なところには飛ばないから安心おし。入学式も、入寮式も緊張することないよ」
手を引かれて屋敷を出る。メイドに「行ってらっしゃいませ」と見送られ、お兄様が転移魔法陣の代わりとなるオーブの魔法具を発動させる。
ぎゅ、とお兄様の手を握った。ここから始まるのだと思うと、とても怖い。
『私』はまだ『私』を諦めきれていない。気付いたら『私』は僕に転成していた。最期は覚えていない。最初も覚えていない。気づいたら、クリスティアンだった。
ただ漠然と僕には『私』という存在が有った、ということしかわからないんだ。いや、『私』だった頃のことは覚えている。女子大学生で、読書とゲームが趣味の至って普通の女の子。母親と二人暮らしで、かっこいい彼氏もいた。
なのに、彼らの顔が思い出せない。大切だったのに。顔の部分が黒ペンでぐしゃぐしゃにされたみたいになって、声もわからなければ、名前も思い出せない。それが、どうしようもなくもどかしくなる。
今の自分はいったいどっちなんだろうと、不安になる。『私』が僕に成ったのか。僕が『私』だったのか。ときおり、どうしようもなく泣き叫びたくなるんだ。
「前を向いて」
お兄様の声にハッして、下がっていた目線を上へと上げる。
「自信を持って。クリスティアンが何を不安に思っているのか私はわからない。けど、私は常にお前の傍にいるよ」
「……ヴィンスお兄様」
「だから、辛くなったらいつでも私のところへおいで? ふふ、今年は寮長だから一人部屋なんだ。クリスならいつでも歓迎するよ」
「ぁ……」
「だからそう思いつめた顔をしないでおくれ? せっかくの綺麗な顔が陰って台無しだよ」
時々、お兄様は全部分かっているような口ぶりをする。もしかしたら、ヴィンスお兄様も『前』を覚えているんじゃ、と思いはするけれど直接聞くなんてできるわけもない。聞いてもし、覚えていなかったらと思うと、とてもじゃないが正気でいられる自信がない。
転移魔法が発動し、光に包まれる。眩しさに眉根を寄せ、ぐるぐると気持悪さに目を閉じた。何度経験しても慣れない気持悪さだ。たぶん一生慣れない。
「ほら、目を開けてごらん」
促され、そっと目蓋を持ち上げる。
『見ない顔だわ!』
『ヴィンセントよ! やっぱり素敵ね!』
『手を繋いでる! かわいい!』
『なんだかヴィンセントに似てるわ! 兄弟かしら?』
きらきらと、それは輝いていた。半透明の、まるでステンドグラスみたいに美しい翅を羽ばたかせてそれらは僕の周りを飛び回る。
人差し指くらいの大きさで、四匹。匹、でいいのかな。四人のほうがなんかいい気がする。オールバックの赤い髪の子、足首まであるストレートの青い髪の子、緑のボブヘアーの子、黄色い巻き毛の子。くるくると回りを飛び跳ね、楽しそうにクスクスと笑っている。
じいっと見つめていると、緑の子と目があった。緑の子は眠そうなグリーンアイズをぱちくりと瞬かせ、上に行ったり下に行ったりを繰り返すのをつい目で追ってしまう。
『あらぁ、この子、わたしたちが見えるみたいよぉ』
その言葉に首を傾げて、お兄様の方を向いた。
「ヴィンス兄様、あの子たちは、」
「行こうクリス。新入生の点呼はミセス・エイジャーだ。彼女、普段は優しいけど怒ると怖いんだ。彼女の受け持つ薬学の授業は三年生までは必須だから、遅れないように気をつけるんだよ」
「え、あ、はい」
お兄様は飛び回る子たちには目もくれずに歩き出す。もしかして、見えてない? きょろきょろ周りを見てみるけど、飛んでたり浮かんでたりキラキラしてるのはたくさんいる。けど、それらを見てたりしてる人たちは誰もいない。これマジで僕にしか見えていないんじゃないだろうか。
たぶん、妖精とか精霊の類いなんでしょ。えええ、ゲームにそんなのあったっけ?
そもそもクリスティアンが魔力持ってないからキーキャラではあるけど魔法とかそっち系に関わってないからまずどんな影響があるのかわからないし。ていうかあれじゃないの、精霊とお話し、っていうのはヒロインの役目でしょ! なんで僕! トリップ特典しかそういうやつか! いらねぇわ!
ヒロインお姉様はゲーム内でそういう能力があるとかはなかったなぁ、そういえば。希少な光属性を持ってるってぐらいだった、かな?
『また今度ご挨拶に行くわね、ヴィンセントの弟君』
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