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第一章
第三話
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ルーシャはカミラと一緒に冒険者ギルドに戻ってきた。
併設の酒場に行くと、ルーシャに迫ってきた悪い人の仲間らしき二人が、ルーシャやカミラ、それにカミラに引きずられた男の姿を見てオロオロとしていた。
それを見たカミラは、引きずってきた男を──
「ほら、受け取れ」
そう言って、仲間の二人に向かっておもむろに放り投げた。
放られた男は、女性の腕力で投げられたとは思えないほど浮き上がり、仲間の男たちに向かって飛んでいく。
「うわわっ……!」
それを慌てて受け止める男たち。
男たちもまたレアリティホルダーなのか、それでバランスを崩して倒れるようなことはなかったが。
それを確認したカミラは、男たちのほうへずんずんと歩いていく。
そして彼女は、ずずいっと顔を男たちに近付けると、噛みつかんばかりの勢いで言った。
「この野郎、きっちり犯罪者やってやがったからな。目ぇ覚ましたらテメェで官憲まで出頭するように言っとけよ」
それだけ言うと、カミラはルーシャのほうへと戻ってきて、少女を手招きしてから酒場スペースの奥のほうへと向かっていく。
ルーシャはそのあとについていった。
「よっ、わりぃなローズマリー、遅くなった」
カミラは一番奥のテーブルに向かって片手を上げる。
するとその席にいた一人の女性が、カミラに向かってたおやかに微笑みかけた。
「お帰りなさいカミラ。突然出ていくんだもの、少し驚きましたわ」
それはゆったりとした神官衣をまとった、美しい女性だった。
年齢はカミラより少し若いといったところで、二十歳前後だろうか。
栗色の髪が、緩やかにウェーブしながら背まで流されている。
彼女の神官衣をまとったシルエットは母性的で、カミラのそれとはまた別種の魅力を感じさせるものだ。
「あら……?」
そんな神官衣の女性ローズマリーは、ルーシャの姿に気付くと──
ガタッと、椅子を倒して立ち上がった。
「か、カミラ、その子は……!」
ローズマリーの顔に浮かぶのは、驚愕の表情。
「ん? どうした、知り合いか?」
「どうした、じゃないですわ!」
その美しい女性は、ふらふらと夢遊病患者のようにルーシャのもとまで寄ってくる。
そして──
その両腕で、ルーシャのことをぎゅーっと抱きしめてきた。
「か──可愛いっ! か、カミラ、どこでこんな子を誘拐してきたんですの……!? ダメよ、犯罪よ、この可愛さは犯罪ですわ……!」
「あ、あの……少し苦しいです」
ルーシャはローズマリーの胸に顔が埋まってしまって、もがくようにジタバタする。
そこに──
──スパーンッ!
カミラが懐から取り出したスリッパで、ローズマリーの頭を引っぱたいた。
「おいローズマリー、初対面で何やってんだ。お前も官憲に突き出されたいのか」
「はっ……! 私としたことが、あまりの可愛さに、つい我を忘れてしまいましたわ」
ローズマリーがルーシャを解放する。
顔を赤くして、喘ぐように呼吸するルーシャ。
カミラはため息をつき、それからルーシャの頭に手を置きつつ、ローズマリーに説明した。
「いろいろあってな。このルーシャは、さっき冒険者になったばかりで、仲間を探してるんだとよ。こんなナリだが、どうも冒険者としての実力はあるらしい」
と、それだけ説明して、カミラは次にルーシャのほうを見てくる。
「ところでルーシャ、どうする? あたしとローズマリーも今、二人だから仲間募集中なんだけど。あたしたちとパーティ組むか?」
そう問われれば、ルーシャは少し考える。
が、特に断る理由が見当たらなかった。
ルーシャは笑顔で答える。
「はい、お願いします」
そのルーシャの花が咲いたような笑顔を見て、ローズマリーは「可愛すぎますわぁああああああっ!」と言って頭を抱えて悶えていた。
***
カミラ、ローズマリーという二人の女冒険者とパーティを組むことにしたルーシャは、二人に連れられ、彼女らの愛用している宿へと向かった。
マーリンから幾ばくかのお金──遺産というほどの額ではないが、当面の生活費にすぐには困らない程度──を受け取っていたルーシャは、カミラたちと一緒の三人部屋を取って、彼女らについていった。
部屋に着いたら、まず軽く風呂を浴びてから、三人で今後の作戦会議を始める。
三人とも湯上りのホカホカ状態で、円陣を組むようにして話をするのだが。
ルーシャは二人の大人の女性の色気たっぷりの姿を見て、ぽーっとした様子で、綺麗だなぁと思いながら話を聞いていた。
「で、とりあえずこれが、あたしのステータスな」
ランニングシャツに半ズボン、首にバスタオルを引っかけたという姿のカミラが、自分の冒険者カードをルーシャに見せてくる。
ルーシャはカードを受け取って、そこに書かれている数字を見た。
――――――――――――
名前:カミラ
クラス:ウォーリア
レベル :16
パワー :296
スピード:211
タフネス:250
フォース:161
冒険者ランク:D
――――――――――――
ルーシャはそれを見て、少し疑問に思ったことを口に出す。
「あの、ファイターとウォーリアって、何か違うんですか? さっきの悪い人──コンラッドさんでしたっけ、あの人はファイターだったと思うんですけど」
「ああ、ファイターは剣士で、あたしみたいなウォーリアは斧を使う。向こうさんはスピードを含めたバランス重視の戦闘スタイルで、あたしらはスピードよりもパワー自慢だな。ま、どっちも前衛のアタッカーって意味じゃ、大差はないね」
「でもスピードも、さっきの悪い人よりカミラさんのほうが上です。レベルもカミラさんのほうが低いのに、全体的にステータスがかなり高いです」
「へぇっ、よく見てんなぁ、えらいえらい。──ま、レアリティホルダーって言っても結構個人差があるみたいなんだよな。あたしやローズマリーはなかなか優秀なほうみたいだね」
カミラはそう言ってルーシャの頭をなでながら、にひひっと笑う。
ルーシャは、カミラたちもひょっとするとレアリティ保持数が多い高レアリティなのではないかと思ったが、バートランドから止められていたので、口には出さなかった。
「で、こちらが私のステータスですわ」
今度はネグリジェ姿のローズマリーが、ルーシャに冒険者カードを渡してくる。
ルーシャはそれも受け取って、カミラのものと見比べてみた。
――――――――――――
名前:ローズマリー
クラス:プリースト
レベル :15
パワー :201
スピード:230
タフネス:202
フォース:277
冒険者ランク:D
――――――――――――
「……確かに、ローズマリーさんもステータスが高いです。──この『フォース』っていうのが、魔法の力の強さですか?」
「ご明察、ですわ。可愛らしいだけでなく聡明ですのね」
ローズマリーがルーシャに微笑みかけてくる。
ルーシャは顔を赤くして恥ずかしそうにした。
それを見たカミラが、からからと笑う。
「そりゃあなぁ。だってローズマリー、ルーシャの育ての親って誰だと思う?」
「誰だと思う、と言われても。そう言うからには、有名人ですの?」
「おう。有名人も有名人だ。ルーシャ、お前のおじいさんが誰だか教えてやれよ」
「えっと……おじいさんの名前はマーリンです。大賢者、らしいです」
「は……? だ、大賢者マーリン!? 伝説級の大魔法使いの名前ですわよ!? 冗談でしょう!? ていうかこのあたりに住んでいますの!?」
ローズマリーがひっくり返らんばかりの勢いで驚く。
カミラが「その反応が見たかった!」と言ってけらけらと笑った。
なおカミラ自身は、この流れを冒険者ギルドに帰る前の夜道で済ませていた。
やがてそんな騒がしさもひと段落し、ルーシャの身の上もレアリティ数の話以外はひと通り話し終えたところで、カミラが話をまとめに入る。
「よし。じゃあ、ルーシャの冒険者カードはまだできてないから、その実力を見るためにも、明日はちょっと簡単めのクエストを受けて様子見といこうぜ」
「賛成ですわ。ルーシャもそれでいいかしら?」
ルーシャは、ローズマリーのその問いに、こくんとうなずいた。
その後、ルーシャはカミラやローズマリーと他愛のない話をいくらかしたあと、眠くなった頃にベッドに入る。
そして明日の冒険にワクワクしながら、ルーシャは眠りについたのだった。
併設の酒場に行くと、ルーシャに迫ってきた悪い人の仲間らしき二人が、ルーシャやカミラ、それにカミラに引きずられた男の姿を見てオロオロとしていた。
それを見たカミラは、引きずってきた男を──
「ほら、受け取れ」
そう言って、仲間の二人に向かっておもむろに放り投げた。
放られた男は、女性の腕力で投げられたとは思えないほど浮き上がり、仲間の男たちに向かって飛んでいく。
「うわわっ……!」
それを慌てて受け止める男たち。
男たちもまたレアリティホルダーなのか、それでバランスを崩して倒れるようなことはなかったが。
それを確認したカミラは、男たちのほうへずんずんと歩いていく。
そして彼女は、ずずいっと顔を男たちに近付けると、噛みつかんばかりの勢いで言った。
「この野郎、きっちり犯罪者やってやがったからな。目ぇ覚ましたらテメェで官憲まで出頭するように言っとけよ」
それだけ言うと、カミラはルーシャのほうへと戻ってきて、少女を手招きしてから酒場スペースの奥のほうへと向かっていく。
ルーシャはそのあとについていった。
「よっ、わりぃなローズマリー、遅くなった」
カミラは一番奥のテーブルに向かって片手を上げる。
するとその席にいた一人の女性が、カミラに向かってたおやかに微笑みかけた。
「お帰りなさいカミラ。突然出ていくんだもの、少し驚きましたわ」
それはゆったりとした神官衣をまとった、美しい女性だった。
年齢はカミラより少し若いといったところで、二十歳前後だろうか。
栗色の髪が、緩やかにウェーブしながら背まで流されている。
彼女の神官衣をまとったシルエットは母性的で、カミラのそれとはまた別種の魅力を感じさせるものだ。
「あら……?」
そんな神官衣の女性ローズマリーは、ルーシャの姿に気付くと──
ガタッと、椅子を倒して立ち上がった。
「か、カミラ、その子は……!」
ローズマリーの顔に浮かぶのは、驚愕の表情。
「ん? どうした、知り合いか?」
「どうした、じゃないですわ!」
その美しい女性は、ふらふらと夢遊病患者のようにルーシャのもとまで寄ってくる。
そして──
その両腕で、ルーシャのことをぎゅーっと抱きしめてきた。
「か──可愛いっ! か、カミラ、どこでこんな子を誘拐してきたんですの……!? ダメよ、犯罪よ、この可愛さは犯罪ですわ……!」
「あ、あの……少し苦しいです」
ルーシャはローズマリーの胸に顔が埋まってしまって、もがくようにジタバタする。
そこに──
──スパーンッ!
カミラが懐から取り出したスリッパで、ローズマリーの頭を引っぱたいた。
「おいローズマリー、初対面で何やってんだ。お前も官憲に突き出されたいのか」
「はっ……! 私としたことが、あまりの可愛さに、つい我を忘れてしまいましたわ」
ローズマリーがルーシャを解放する。
顔を赤くして、喘ぐように呼吸するルーシャ。
カミラはため息をつき、それからルーシャの頭に手を置きつつ、ローズマリーに説明した。
「いろいろあってな。このルーシャは、さっき冒険者になったばかりで、仲間を探してるんだとよ。こんなナリだが、どうも冒険者としての実力はあるらしい」
と、それだけ説明して、カミラは次にルーシャのほうを見てくる。
「ところでルーシャ、どうする? あたしとローズマリーも今、二人だから仲間募集中なんだけど。あたしたちとパーティ組むか?」
そう問われれば、ルーシャは少し考える。
が、特に断る理由が見当たらなかった。
ルーシャは笑顔で答える。
「はい、お願いします」
そのルーシャの花が咲いたような笑顔を見て、ローズマリーは「可愛すぎますわぁああああああっ!」と言って頭を抱えて悶えていた。
***
カミラ、ローズマリーという二人の女冒険者とパーティを組むことにしたルーシャは、二人に連れられ、彼女らの愛用している宿へと向かった。
マーリンから幾ばくかのお金──遺産というほどの額ではないが、当面の生活費にすぐには困らない程度──を受け取っていたルーシャは、カミラたちと一緒の三人部屋を取って、彼女らについていった。
部屋に着いたら、まず軽く風呂を浴びてから、三人で今後の作戦会議を始める。
三人とも湯上りのホカホカ状態で、円陣を組むようにして話をするのだが。
ルーシャは二人の大人の女性の色気たっぷりの姿を見て、ぽーっとした様子で、綺麗だなぁと思いながら話を聞いていた。
「で、とりあえずこれが、あたしのステータスな」
ランニングシャツに半ズボン、首にバスタオルを引っかけたという姿のカミラが、自分の冒険者カードをルーシャに見せてくる。
ルーシャはカードを受け取って、そこに書かれている数字を見た。
――――――――――――
名前:カミラ
クラス:ウォーリア
レベル :16
パワー :296
スピード:211
タフネス:250
フォース:161
冒険者ランク:D
――――――――――――
ルーシャはそれを見て、少し疑問に思ったことを口に出す。
「あの、ファイターとウォーリアって、何か違うんですか? さっきの悪い人──コンラッドさんでしたっけ、あの人はファイターだったと思うんですけど」
「ああ、ファイターは剣士で、あたしみたいなウォーリアは斧を使う。向こうさんはスピードを含めたバランス重視の戦闘スタイルで、あたしらはスピードよりもパワー自慢だな。ま、どっちも前衛のアタッカーって意味じゃ、大差はないね」
「でもスピードも、さっきの悪い人よりカミラさんのほうが上です。レベルもカミラさんのほうが低いのに、全体的にステータスがかなり高いです」
「へぇっ、よく見てんなぁ、えらいえらい。──ま、レアリティホルダーって言っても結構個人差があるみたいなんだよな。あたしやローズマリーはなかなか優秀なほうみたいだね」
カミラはそう言ってルーシャの頭をなでながら、にひひっと笑う。
ルーシャは、カミラたちもひょっとするとレアリティ保持数が多い高レアリティなのではないかと思ったが、バートランドから止められていたので、口には出さなかった。
「で、こちらが私のステータスですわ」
今度はネグリジェ姿のローズマリーが、ルーシャに冒険者カードを渡してくる。
ルーシャはそれも受け取って、カミラのものと見比べてみた。
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名前:ローズマリー
クラス:プリースト
レベル :15
パワー :201
スピード:230
タフネス:202
フォース:277
冒険者ランク:D
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「……確かに、ローズマリーさんもステータスが高いです。──この『フォース』っていうのが、魔法の力の強さですか?」
「ご明察、ですわ。可愛らしいだけでなく聡明ですのね」
ローズマリーがルーシャに微笑みかけてくる。
ルーシャは顔を赤くして恥ずかしそうにした。
それを見たカミラが、からからと笑う。
「そりゃあなぁ。だってローズマリー、ルーシャの育ての親って誰だと思う?」
「誰だと思う、と言われても。そう言うからには、有名人ですの?」
「おう。有名人も有名人だ。ルーシャ、お前のおじいさんが誰だか教えてやれよ」
「えっと……おじいさんの名前はマーリンです。大賢者、らしいです」
「は……? だ、大賢者マーリン!? 伝説級の大魔法使いの名前ですわよ!? 冗談でしょう!? ていうかこのあたりに住んでいますの!?」
ローズマリーがひっくり返らんばかりの勢いで驚く。
カミラが「その反応が見たかった!」と言ってけらけらと笑った。
なおカミラ自身は、この流れを冒険者ギルドに帰る前の夜道で済ませていた。
やがてそんな騒がしさもひと段落し、ルーシャの身の上もレアリティ数の話以外はひと通り話し終えたところで、カミラが話をまとめに入る。
「よし。じゃあ、ルーシャの冒険者カードはまだできてないから、その実力を見るためにも、明日はちょっと簡単めのクエストを受けて様子見といこうぜ」
「賛成ですわ。ルーシャもそれでいいかしら?」
ルーシャは、ローズマリーのその問いに、こくんとうなずいた。
その後、ルーシャはカミラやローズマリーと他愛のない話をいくらかしたあと、眠くなった頃にベッドに入る。
そして明日の冒険にワクワクしながら、ルーシャは眠りについたのだった。
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