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第1章
第1話
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「すまない、クリード」
酒場のカウンター席。
俺の隣に座った剣士の青年が、沈痛な面持ちでそうつぶやく。
それに対して俺は、
「いや、仕方ないさ。ハズレ職業の【シーフ】じゃあ、これ以上は無理だってことぐらいは、俺にだって分かる」
そう答えて、木のジョッキに注がれた生ぬるいエールをぐいと呷った。
ここは第三迷宮都市にある、冒険者御用達の酒場“赤竜の吐息”亭。
酒場は書き入れ時なだけあって、どんちゃんと明るく騒がしい。
だが俺──クリードと、その隣の青年だけは、悲痛な空気を醸していた。
この話は、二年間ずっと一緒にやってきた冒険者パーティから、俺だけが外されるという内容のものだ。
どうしたって、暗い雰囲気にはなる。
「……せめてレベル上限だけでもなければと、何度思ったことか」
俺の隣の青年は、小ジョッキに注がれた葡萄酒を、じっと見つめていた。
こいつとは冒険者仲間として共にやってきて、かれこれ二年の付き合いになる。
いいやつだし、パーティリーダーにふさわしい責任感と決断力のある男だと思う。
それに俺が下していた結論も、こいつと同じものだった。
「だよなぁ。レベル上限が30の下級職じゃあ、どうしたって第三迷宮中層あたりが限界だ。第四迷宮、第五迷宮なんてとてもついていける気がしねぇよ──俺自身な」
頼んでおいたおかわりのエールが目の前に置かれるなり、俺はそれを胃に流し込む。
仕方のないことだと理屈では分かっていても、飲まずにはいられない気分だった。
俺は仲間の冒険者たちと、この二年間、ずっと苦楽を共にしてきた。
いま隣にいる【ソードファイター】のアルフと、【ウィザード】のチェスター、【プリースト】のヒルダ──そして俺、【シーフ】のクリードの四人パーティで、ずっとやってきたのだ。
……いや、今はその呼び方は正しくはないか。
今のアルフは【ソードマスター】だし、チェスターは【アークウィザード】だし、ヒルダは【ハイプリースト】だ。
俺以外の三人は全員、上級職へのクラスチェンジを果たしている。
俺だけがいまだに、下級職のままだ。
というのも、【シーフ】には上級職が存在しないからだ。
厳密には、「存在しないとされている」と表現するべきなのかもしれないが。
それでもどうにかこれまでやってきたが、第一迷宮や第二迷宮では通用しても、第三迷宮の深いところまで行くとさすがに限界だった。
俺もいい加減、パーティの足を引っ張っているのは分かっていたのだ。
だから俺は、アルフにこう伝える。
「……悪かったな、アルフ。パーティからの脱退勧告なんて、嫌な役目をさせちまって。本当は俺の方から言い出すべきだった」
するとアルフは、ふっと笑って返事をする。
「いや、十分だよ。俺がお前の立場だったら、こう言われたってすんなり受け入れられたかどうかは怪しいものだ。クリード、やっぱりお前は、大したもんだよ」
「そいつは光栄だ。──ちなみに余計なお世話だが、新しいメンバーのアテはあるのか?」
「ああ、確実じゃあないが。この第三迷宮都市で活動中の【ハイガーディアン】で一人、パーティメンバーと仲違いしてパーティから脱退したってやつがいる。お前との話が終わったら、声をかけてみるつもりだ」
「そりゃあ良かった」
それなら俺も、心置きなくお払い箱になれるな──とは口に出さずに、俺はもう一杯のエールを呷った。
***
パーティメンバーと別れた後、俺は四日かけて第二迷宮都市へと渡り、単独で第二迷宮へと潜ることにした。
第一迷宮、第二迷宮、第三迷宮、第四迷宮、第五迷宮──
これらはいずれも「大迷宮」と呼ばれるもので、この国が世界に誇る古代遺産の発掘場である。
大迷宮の中では、第一迷宮が最も攻略難易度が低く、初心者向け。
そこから第二、第三、第四と攻略難易度が上がっていって、第五迷宮はいまだ踏破した冒険者パーティがひとつもないという難攻不落の魔境だ。
それぞれの大迷宮の近隣には、各々に都市が発達している。
第三迷宮の近隣に発達した都市が、第三迷宮都市と呼ばれている、といった具合だ。
そんな大迷宮のランクで言って、下から二番目、第二迷宮まで戻った俺は──
「我ながら、往生際が悪いと思うけどな」
そうぼやきながら、その迷宮の最も浅い階層である地下一階を、くまなく探索して回っていた。
俺の実力では、第二迷宮であっても、単独で攻略をするのは不可能だ。
地下一階のモンスター相手ですら、ギリギリの戦いを強いられる。
それでも俺は、苦境と戦いながら、日数をかけて探索を続けた。
俺がそこで探していたのは、とあるアイテム──
すなわち、【シーフ】のためのクラスチェンジアイテムだ。
【シーフ】には上級職が存在しないと言われているが、それは厳密には「【シーフ】のためのクラスチェンジアイテムがいまだ見つかっていない」ということだ。
上級職になるためには、クラスチェンジアイテムと呼ばれる特別なアイテムが必要になる。
そのアイテムの効果により、一定の条件を満たした下級職の冒険者が、上級職へとクラスチェンジすることができるのだ。
クラスチェンジアイテムは職業適性ごとに異なる。
例えば【ソードマスターの書】や【アークウィザードの書】などがそれにあたる。
だが【シーフ】を除くすべての職業適性では、そうしたクラスチェンジアイテムを冒険者ギルドで購入することができる。
これは過去の迷宮探索の歴史の中で発見されたクラスチェンジアイテムのオリジナルを、冒険者ギルドお抱えの研究者たちが調査・分析したことにより、今やその複製が可能となっているからだ。
だが【シーフ】のためのクラスチェンジアイテムは、迷宮探索の歴史上、一度も発見されていない。
だから【シーフ】だけが、上級職にクラスチェンジすることのできない「ハズレ職業」などと呼ばれているのだ。
ちなみに、冒険者に与えられる職業適性は天賦のものであり、自分で選ぶことはできない。
俺は十五歳のときに受ける適性識別の儀で、【シーフ】の職業適性を持っていると下された。
それが「ハズレ」であることを当時の俺は知らずに、冒険者の道を歩み始めた。
それから二年間、【シーフ】がハズレ職業だと知った後も、俺はあきらめずに冒険者を続けてきた。
そして十七歳となった今、ついにパーティから脱退せざるを得なくなった。
まともな冒険者であれば、常により難易度の高い迷宮を目指していくのは当然のことだ。
第三迷宮でリタイアするような冒険者をパーティに残しておくわけにいかないのは、まったくもって当たり前のこと。
誰が悪いわけでもない。
強いて言うなら、俺の職業適性が【シーフ】であったことが悪いだけだ。
だが、もし俺のこの手で、【シーフ】のクラスチェンジアイテムを見つけることができれば──
そんな夢見がちな想いで、俺は探索を続けたのだが。
「やはりダメか……」
一週間をかけて第二迷宮の地下一階をくまなく探索しても、それらしきアイテムは影も形も見つからなかった。
過去に見つかったほかの職業のクラスチェンジアイテムは、すべて第二迷宮で発見されたという。
だから【シーフ】のそれも、見つかるとすれば第二迷宮だろうと俺は考えていたし、世間一般的にもそう目されていた。
だが第二迷宮の地下二階以下は、俺の実力で単独探索をしても、あえなくモンスターの餌になって終わるのがオチだ。
それにパーティを組んでいた頃にも、第二迷宮は散々注意深く探し回ったのだ。
今になって地下一階だけでも再探索しようというのは、半ば以上が自分を納得させるためのものでしかなかった。
「となると……あとは一応、第一迷宮ももう一度探してみるか」
なおも往生際が悪い俺は、さらに三日をかけて、今度は第一迷宮へと向かった。
過去のクラスチェンジアイテムの発見例から、見つかるとしたら第二迷宮だろうと決めつけていたが、ひょっとしたら【シーフ】のものだけ第一迷宮にあるかもしれない──
そんな自分でも信じるのが難しいぐらいの道理を頼みに、今度は二週間をかけて徹底的に、第一迷宮を探し回った。
そして──
第一迷宮の再探索を始めて十四日目に、奇跡が起こった。
それは第一迷宮の地下三階にある、落とし穴の底での出来事だった。
まさかなと思いながらも、楔とロープを使って一縷の望みをかけて下りた落とし穴の底で、俺の【サーチ】スキルが反応したのだ。
【サーチ】スキルは【シーフ】のスキルの一つで、隠し扉や罠などの在り処を、ぼんやりとした淡い光で教えてくれるものだ。
俺がこのスキルのレベルをMAXである5レベルまで上げていたのは、もちろん、【シーフ】のクラスチェンジアイテムの手掛かりを見逃さないようにするためだ。
俺が落とし穴の底、側面の壁の光って見える部分──そうと知らなければ、まず触るはずもないような場所──に手を触れると、壁がゴゴゴゴッと音を立てて動き始める。
そうして開いた隠し扉の向こうには、小部屋が一つあった。
小部屋の中央には台座が一つ置かれていて、その上に、立派な革表紙の分厚い本が一冊。
形状は、【シーフ】以外の職業のクラスチェンジアイテムと同様だ。
俺は胸の鼓動で窒息しそうになりながらも、台座の前に立ち、本に向かって【アナライズ】のスキルを発動する。
このスキルは、未知の物品の名称や効果を識別するものだ。
識別の結果は──【マスターシーフの書】
効果はもちろん、【シーフ】のためのクラスチェンジアイテムだ。
「──いよっしゃああああああああっ!」
俺は天に向かって両の拳を突き上げ、歓喜の叫び声をあげた。
酒場のカウンター席。
俺の隣に座った剣士の青年が、沈痛な面持ちでそうつぶやく。
それに対して俺は、
「いや、仕方ないさ。ハズレ職業の【シーフ】じゃあ、これ以上は無理だってことぐらいは、俺にだって分かる」
そう答えて、木のジョッキに注がれた生ぬるいエールをぐいと呷った。
ここは第三迷宮都市にある、冒険者御用達の酒場“赤竜の吐息”亭。
酒場は書き入れ時なだけあって、どんちゃんと明るく騒がしい。
だが俺──クリードと、その隣の青年だけは、悲痛な空気を醸していた。
この話は、二年間ずっと一緒にやってきた冒険者パーティから、俺だけが外されるという内容のものだ。
どうしたって、暗い雰囲気にはなる。
「……せめてレベル上限だけでもなければと、何度思ったことか」
俺の隣の青年は、小ジョッキに注がれた葡萄酒を、じっと見つめていた。
こいつとは冒険者仲間として共にやってきて、かれこれ二年の付き合いになる。
いいやつだし、パーティリーダーにふさわしい責任感と決断力のある男だと思う。
それに俺が下していた結論も、こいつと同じものだった。
「だよなぁ。レベル上限が30の下級職じゃあ、どうしたって第三迷宮中層あたりが限界だ。第四迷宮、第五迷宮なんてとてもついていける気がしねぇよ──俺自身な」
頼んでおいたおかわりのエールが目の前に置かれるなり、俺はそれを胃に流し込む。
仕方のないことだと理屈では分かっていても、飲まずにはいられない気分だった。
俺は仲間の冒険者たちと、この二年間、ずっと苦楽を共にしてきた。
いま隣にいる【ソードファイター】のアルフと、【ウィザード】のチェスター、【プリースト】のヒルダ──そして俺、【シーフ】のクリードの四人パーティで、ずっとやってきたのだ。
……いや、今はその呼び方は正しくはないか。
今のアルフは【ソードマスター】だし、チェスターは【アークウィザード】だし、ヒルダは【ハイプリースト】だ。
俺以外の三人は全員、上級職へのクラスチェンジを果たしている。
俺だけがいまだに、下級職のままだ。
というのも、【シーフ】には上級職が存在しないからだ。
厳密には、「存在しないとされている」と表現するべきなのかもしれないが。
それでもどうにかこれまでやってきたが、第一迷宮や第二迷宮では通用しても、第三迷宮の深いところまで行くとさすがに限界だった。
俺もいい加減、パーティの足を引っ張っているのは分かっていたのだ。
だから俺は、アルフにこう伝える。
「……悪かったな、アルフ。パーティからの脱退勧告なんて、嫌な役目をさせちまって。本当は俺の方から言い出すべきだった」
するとアルフは、ふっと笑って返事をする。
「いや、十分だよ。俺がお前の立場だったら、こう言われたってすんなり受け入れられたかどうかは怪しいものだ。クリード、やっぱりお前は、大したもんだよ」
「そいつは光栄だ。──ちなみに余計なお世話だが、新しいメンバーのアテはあるのか?」
「ああ、確実じゃあないが。この第三迷宮都市で活動中の【ハイガーディアン】で一人、パーティメンバーと仲違いしてパーティから脱退したってやつがいる。お前との話が終わったら、声をかけてみるつもりだ」
「そりゃあ良かった」
それなら俺も、心置きなくお払い箱になれるな──とは口に出さずに、俺はもう一杯のエールを呷った。
***
パーティメンバーと別れた後、俺は四日かけて第二迷宮都市へと渡り、単独で第二迷宮へと潜ることにした。
第一迷宮、第二迷宮、第三迷宮、第四迷宮、第五迷宮──
これらはいずれも「大迷宮」と呼ばれるもので、この国が世界に誇る古代遺産の発掘場である。
大迷宮の中では、第一迷宮が最も攻略難易度が低く、初心者向け。
そこから第二、第三、第四と攻略難易度が上がっていって、第五迷宮はいまだ踏破した冒険者パーティがひとつもないという難攻不落の魔境だ。
それぞれの大迷宮の近隣には、各々に都市が発達している。
第三迷宮の近隣に発達した都市が、第三迷宮都市と呼ばれている、といった具合だ。
そんな大迷宮のランクで言って、下から二番目、第二迷宮まで戻った俺は──
「我ながら、往生際が悪いと思うけどな」
そうぼやきながら、その迷宮の最も浅い階層である地下一階を、くまなく探索して回っていた。
俺の実力では、第二迷宮であっても、単独で攻略をするのは不可能だ。
地下一階のモンスター相手ですら、ギリギリの戦いを強いられる。
それでも俺は、苦境と戦いながら、日数をかけて探索を続けた。
俺がそこで探していたのは、とあるアイテム──
すなわち、【シーフ】のためのクラスチェンジアイテムだ。
【シーフ】には上級職が存在しないと言われているが、それは厳密には「【シーフ】のためのクラスチェンジアイテムがいまだ見つかっていない」ということだ。
上級職になるためには、クラスチェンジアイテムと呼ばれる特別なアイテムが必要になる。
そのアイテムの効果により、一定の条件を満たした下級職の冒険者が、上級職へとクラスチェンジすることができるのだ。
クラスチェンジアイテムは職業適性ごとに異なる。
例えば【ソードマスターの書】や【アークウィザードの書】などがそれにあたる。
だが【シーフ】を除くすべての職業適性では、そうしたクラスチェンジアイテムを冒険者ギルドで購入することができる。
これは過去の迷宮探索の歴史の中で発見されたクラスチェンジアイテムのオリジナルを、冒険者ギルドお抱えの研究者たちが調査・分析したことにより、今やその複製が可能となっているからだ。
だが【シーフ】のためのクラスチェンジアイテムは、迷宮探索の歴史上、一度も発見されていない。
だから【シーフ】だけが、上級職にクラスチェンジすることのできない「ハズレ職業」などと呼ばれているのだ。
ちなみに、冒険者に与えられる職業適性は天賦のものであり、自分で選ぶことはできない。
俺は十五歳のときに受ける適性識別の儀で、【シーフ】の職業適性を持っていると下された。
それが「ハズレ」であることを当時の俺は知らずに、冒険者の道を歩み始めた。
それから二年間、【シーフ】がハズレ職業だと知った後も、俺はあきらめずに冒険者を続けてきた。
そして十七歳となった今、ついにパーティから脱退せざるを得なくなった。
まともな冒険者であれば、常により難易度の高い迷宮を目指していくのは当然のことだ。
第三迷宮でリタイアするような冒険者をパーティに残しておくわけにいかないのは、まったくもって当たり前のこと。
誰が悪いわけでもない。
強いて言うなら、俺の職業適性が【シーフ】であったことが悪いだけだ。
だが、もし俺のこの手で、【シーフ】のクラスチェンジアイテムを見つけることができれば──
そんな夢見がちな想いで、俺は探索を続けたのだが。
「やはりダメか……」
一週間をかけて第二迷宮の地下一階をくまなく探索しても、それらしきアイテムは影も形も見つからなかった。
過去に見つかったほかの職業のクラスチェンジアイテムは、すべて第二迷宮で発見されたという。
だから【シーフ】のそれも、見つかるとすれば第二迷宮だろうと俺は考えていたし、世間一般的にもそう目されていた。
だが第二迷宮の地下二階以下は、俺の実力で単独探索をしても、あえなくモンスターの餌になって終わるのがオチだ。
それにパーティを組んでいた頃にも、第二迷宮は散々注意深く探し回ったのだ。
今になって地下一階だけでも再探索しようというのは、半ば以上が自分を納得させるためのものでしかなかった。
「となると……あとは一応、第一迷宮ももう一度探してみるか」
なおも往生際が悪い俺は、さらに三日をかけて、今度は第一迷宮へと向かった。
過去のクラスチェンジアイテムの発見例から、見つかるとしたら第二迷宮だろうと決めつけていたが、ひょっとしたら【シーフ】のものだけ第一迷宮にあるかもしれない──
そんな自分でも信じるのが難しいぐらいの道理を頼みに、今度は二週間をかけて徹底的に、第一迷宮を探し回った。
そして──
第一迷宮の再探索を始めて十四日目に、奇跡が起こった。
それは第一迷宮の地下三階にある、落とし穴の底での出来事だった。
まさかなと思いながらも、楔とロープを使って一縷の望みをかけて下りた落とし穴の底で、俺の【サーチ】スキルが反応したのだ。
【サーチ】スキルは【シーフ】のスキルの一つで、隠し扉や罠などの在り処を、ぼんやりとした淡い光で教えてくれるものだ。
俺がこのスキルのレベルをMAXである5レベルまで上げていたのは、もちろん、【シーフ】のクラスチェンジアイテムの手掛かりを見逃さないようにするためだ。
俺が落とし穴の底、側面の壁の光って見える部分──そうと知らなければ、まず触るはずもないような場所──に手を触れると、壁がゴゴゴゴッと音を立てて動き始める。
そうして開いた隠し扉の向こうには、小部屋が一つあった。
小部屋の中央には台座が一つ置かれていて、その上に、立派な革表紙の分厚い本が一冊。
形状は、【シーフ】以外の職業のクラスチェンジアイテムと同様だ。
俺は胸の鼓動で窒息しそうになりながらも、台座の前に立ち、本に向かって【アナライズ】のスキルを発動する。
このスキルは、未知の物品の名称や効果を識別するものだ。
識別の結果は──【マスターシーフの書】
効果はもちろん、【シーフ】のためのクラスチェンジアイテムだ。
「──いよっしゃああああああああっ!」
俺は天に向かって両の拳を突き上げ、歓喜の叫び声をあげた。
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