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第6話
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三階の準備を終えて五階の私室に戻り、【遠見の水晶球】の前に座る。
俺が水晶球を覗き込むと、その中ではアニエスたちが二階の北の部屋の探索を終え、三階へと進む石造りの螺旋階段を上り始めたところだった。
「よしよし、間に合ったな」
俺は椅子にゆったりと座り、机の上で頬杖をついて水晶球の鑑賞を始めた。
しばらく眺めていると、やがてアニエスたちは螺旋階段を上り切って、三階に続く扉の前に立った。
「この魔法使いジルベールの邪悪な塔も、ようやく三階層目……。今度は何が待ち受けているか──至高神よ、我らをお守りください」
先頭のアニエスが、破損した小手を装備した手で扉を押し開く。
ゴゴゴゴ、と音を立てて重厚な扉が開いた。
そこは一階と同じような、間仕切りのない吹き抜けのホールだ。
ホールの奥に、次の階へと続く石造りの螺旋階段がある。
二階から続く入り口からその螺旋階段までは、一直線に赤い絨毯が敷かれている。
つまり、このホールを真っ直ぐに進めば、次の階へと至れるわけだが──
ホールの入り口へと踏み込んだアニエスが、そこにあった光景を見てつぶやく。
「怪物を模した、石像……? 数は八つ……」
三階のホールには、真っ直ぐに伸びる赤い絨毯を挟むように左右にそれぞれ四体ずつ、合計八体の石造りの怪物像が等間隔で配置してある。
石の台座の上に乗ったそれらの石の怪物像は、ガーゴイルだ。
翼や尻尾や二本の角を生やした悪魔のような姿の石像は、いずれもスラム街で座り込む不良少年のような姿勢で、台座の上にしゃがんでいる。
あれらのガーゴイルは通常、侵入者が最初の二体のすぐ近くに来たときに、即座に不意打ちで襲い掛かるよう設定してある。
だが俺はさっき三階に行って、少しだけ命令を変えてきた。
一つ、侵入者が最初に通り過ぎたときには、目だけを動かして侵入者を目で追いかけること。
一つ、侵入者が一番奥の二体の前を通り過ぎたときに、八体で一斉に襲い掛かること。
さらに四階への螺旋階段の入り口は、一番奥の二体の前に侵入者がたどり着いたタイミングで、上から石のシャッターが下りてきて塞がれるように設定してきた。
そんなわけで、仕掛けは上々。
あとはアニエスたちが、どう動いてくれるかだが──
「あ、アニエス様……少し、不気味ではありませんか?」
「あの石像、今にも動き出しそうです……」
アニエス指揮下の兵士たちが、ホールの入り口でガーゴイルを見て、次々と不安を口にする。
相変わらず情けない連中だ。
一方アニエスは、そんな部下たちに向かって、聖女のごとき洗練された仕草で首を横に振る。
「不安に怯えていては、前に進むことはできません。私たちは聖王国グランフィールの聖騎士団です。至高神の加護を信じましょう」
さすがに聖騎士様は勇敢であった。
猪突猛進とも言えるが。
ただいずれにせよ、アニエスたちは馬鹿正直に進むしかないのだからしょうがない。
アニエスは部下たちに鼓舞の言葉をかけると、また自らを先頭にして、ホールに敷かれた絨毯の上を歩き始めた。
それを見た兵士の一人が、アニエスに進言する。
「あ、アニエス様。真っ直ぐ進むよりも、もっとぐるっと遠回りして進んだ方が良いのではありませんか? 罠が仕掛けてあるかもしれません」
おっ、珍しくまともな意見だ。
アニエスはそれに、前方への警戒は解かないまま声だけで答える。
「ええ、その可能性はあります。ですがあのひねくれた魔法使いジルベールのこと。道を外れて進んだところに罠が仕掛けられていることも考えられます」
「な、なるほど……! さすがアニエス様です! 私にはそこまで考えが及びませんでした」
「おあつらえ向きの通路を歩かされるというのも、それはそれで気に入りませんけどね」
そう言いながら、少しドヤ顔のアニエス。
可愛いなぁ。
本当は兵士くんのほうが正解なんだけどなぁ。
まあそういうのは疑い出すとキリがないし、情報が少ない中で正解の道を選べといったって元より無理な話ではある。
でも最終的に素直な道を選んでくれる、そんなアニエスちゃんが俺は好きだよ。
さておき、アニエスと兵士たちは、おっかなびっくりという様子で絨毯の道を進みはじめた。
ホールの入り口から出口まで、左右それぞれで等間隔に配置されているガーゴイルの最初の二体のそばを、先頭のアニエスが通り過ぎようとする。
そのとき、左右のガーゴイルの目玉が、ぎょろりとアニエスの姿を追った。
「ヒッ……!?」
それに気付いたアニエスは、小さく悲鳴を上げつつも、次の瞬間には石像を睨みつけながら剣の柄に手をかける。
「どうしましたアニエス様!?」
「こ、この石像の目が動きました!」
「なんですと! やはりこの石像、モンスターか!」
チャキチャキッと兵士たちが一斉に剣を抜いて、その刃を石像へと向けた。
だがそれ以上、石像は動かない。
ぎょろりと目だけが動いて、兵士たちをねめつけるばかりだ。
それを見たアニエスは、ホッと息をついて剣の柄から手を離した。
「ふぅ……目が動くだけですか……。魔法使いジルベールめ、悪趣味な真似を。──進軍を続けます。皆さん、剣をしまって」
アニエスの指揮で、兵士たちは一斉に剣を鞘に納めた。
そしてまた、おっかなびっくりという様子で、アニエスを先頭に絨毯の上を進み始める。
一方、それらの様子を水晶球で見ていた俺も──
「……ふぅ、危ない危ない」
アニエスたちの行動を確認して、安堵の息をついていた。
いや、あそこで切り掛かられたら、仕掛けが台無しになるところだった。
ガーゴイルに与えた命令の性質上、動く前に切り掛かられたら、ガーゴイルたちは一切反撃できずに一方的に壊されるしかなかったところだ。
ちょっと悪ふざけが過ぎたかもしれないが……まあ、結果オーライとしておこう。
他方、アニエスたちはさらに、ガーゴイルに挟まれた通路を進んでいく。
ゆっくりと石像を警戒しながら、次の二体の前を通り過ぎる
石の怪物像は、その目だけが通行者を追うが、それ以上の動作はしない。
さらにその次の二体の前も通り過ぎる。
やはり動くのは、その目だけ。
アニエスや兵士たちも、その不気味さに少し慣れてきたようだった。
「……神経がすり減らされますね。これがジルベールの狙いでしょうか。相変わらず姑息な真似を」
アニエスはそんな言葉を口にする。
いや、そんな意図はなかったんだけどな。
ていうかむしろ、こっちの神経もすり減ってるぞ……ドキドキ。
ともあれ残るガーゴイルは、一番奥の二体だけ。
アニエスは慎重に、その横を通り過ぎようとして──
そのときだ。
──ゴゴゴゴゴッ、ズゴーンッ!
アニエスたちが目指していた四階へと続く螺旋階段への入り口が、上部から下りてきた石のシャッターによって塞がれてしまった。
「なっ……!?」
アニエスはとっさに駆け寄るが、もはや押しても叩いてもシャッターは開かない。
アニエスたちが目指していた出口は、すでに閉ざされてしまった。
しかも──
「うわぁあああああっ!」
「あ、アニエス様ぁっ! 石像が、石像が動き出しました──ぎゃああああっ!」
「えっ……?」
アニエスがとっさに後ろへと振り向けば──
そこには、八体のガーゴイルがその背中の翼で舞い上がり、兵士たちに向かって爪や牙で襲い掛かっている姿があった。
「そんな、さっきまで動かなかったのに……! ──おのれジルベール、謀ったな!?」
アニエスは慌てて剣を抜き、混乱の様相を呈している戦場へと駆け込んでいく。
***
一方、それを水晶球で見ていた俺はというと、飲まず食わずでアニエスたちを鑑賞していたので、少し口寂しくなってきていた。
でも、今いいところだから目が離せない。
俺は【遠見の水晶球】を手に取ると、それを鑑賞しながら冷却室──永続化した冷却魔法によって食物保存に適した環境になっている──へと向かい、そこから上物のワインとチーズを持ってきた。
さらに食器棚からグラスとお皿も持ってきて、ワインを注いでチーズを並べて、机の上に理想的な観賞環境を整える。
これでよし、と。
「アニエスちゃん頑張れ~。ガーゴイルも頑張れ~」
チーズをつまみにワインを楽しみながら、戦闘風景の鑑賞をする。
我ながらだいぶ、悪の魔法使い仕草が板についてきたかもしれないなと思った俺だった。
俺が水晶球を覗き込むと、その中ではアニエスたちが二階の北の部屋の探索を終え、三階へと進む石造りの螺旋階段を上り始めたところだった。
「よしよし、間に合ったな」
俺は椅子にゆったりと座り、机の上で頬杖をついて水晶球の鑑賞を始めた。
しばらく眺めていると、やがてアニエスたちは螺旋階段を上り切って、三階に続く扉の前に立った。
「この魔法使いジルベールの邪悪な塔も、ようやく三階層目……。今度は何が待ち受けているか──至高神よ、我らをお守りください」
先頭のアニエスが、破損した小手を装備した手で扉を押し開く。
ゴゴゴゴ、と音を立てて重厚な扉が開いた。
そこは一階と同じような、間仕切りのない吹き抜けのホールだ。
ホールの奥に、次の階へと続く石造りの螺旋階段がある。
二階から続く入り口からその螺旋階段までは、一直線に赤い絨毯が敷かれている。
つまり、このホールを真っ直ぐに進めば、次の階へと至れるわけだが──
ホールの入り口へと踏み込んだアニエスが、そこにあった光景を見てつぶやく。
「怪物を模した、石像……? 数は八つ……」
三階のホールには、真っ直ぐに伸びる赤い絨毯を挟むように左右にそれぞれ四体ずつ、合計八体の石造りの怪物像が等間隔で配置してある。
石の台座の上に乗ったそれらの石の怪物像は、ガーゴイルだ。
翼や尻尾や二本の角を生やした悪魔のような姿の石像は、いずれもスラム街で座り込む不良少年のような姿勢で、台座の上にしゃがんでいる。
あれらのガーゴイルは通常、侵入者が最初の二体のすぐ近くに来たときに、即座に不意打ちで襲い掛かるよう設定してある。
だが俺はさっき三階に行って、少しだけ命令を変えてきた。
一つ、侵入者が最初に通り過ぎたときには、目だけを動かして侵入者を目で追いかけること。
一つ、侵入者が一番奥の二体の前を通り過ぎたときに、八体で一斉に襲い掛かること。
さらに四階への螺旋階段の入り口は、一番奥の二体の前に侵入者がたどり着いたタイミングで、上から石のシャッターが下りてきて塞がれるように設定してきた。
そんなわけで、仕掛けは上々。
あとはアニエスたちが、どう動いてくれるかだが──
「あ、アニエス様……少し、不気味ではありませんか?」
「あの石像、今にも動き出しそうです……」
アニエス指揮下の兵士たちが、ホールの入り口でガーゴイルを見て、次々と不安を口にする。
相変わらず情けない連中だ。
一方アニエスは、そんな部下たちに向かって、聖女のごとき洗練された仕草で首を横に振る。
「不安に怯えていては、前に進むことはできません。私たちは聖王国グランフィールの聖騎士団です。至高神の加護を信じましょう」
さすがに聖騎士様は勇敢であった。
猪突猛進とも言えるが。
ただいずれにせよ、アニエスたちは馬鹿正直に進むしかないのだからしょうがない。
アニエスは部下たちに鼓舞の言葉をかけると、また自らを先頭にして、ホールに敷かれた絨毯の上を歩き始めた。
それを見た兵士の一人が、アニエスに進言する。
「あ、アニエス様。真っ直ぐ進むよりも、もっとぐるっと遠回りして進んだ方が良いのではありませんか? 罠が仕掛けてあるかもしれません」
おっ、珍しくまともな意見だ。
アニエスはそれに、前方への警戒は解かないまま声だけで答える。
「ええ、その可能性はあります。ですがあのひねくれた魔法使いジルベールのこと。道を外れて進んだところに罠が仕掛けられていることも考えられます」
「な、なるほど……! さすがアニエス様です! 私にはそこまで考えが及びませんでした」
「おあつらえ向きの通路を歩かされるというのも、それはそれで気に入りませんけどね」
そう言いながら、少しドヤ顔のアニエス。
可愛いなぁ。
本当は兵士くんのほうが正解なんだけどなぁ。
まあそういうのは疑い出すとキリがないし、情報が少ない中で正解の道を選べといったって元より無理な話ではある。
でも最終的に素直な道を選んでくれる、そんなアニエスちゃんが俺は好きだよ。
さておき、アニエスと兵士たちは、おっかなびっくりという様子で絨毯の道を進みはじめた。
ホールの入り口から出口まで、左右それぞれで等間隔に配置されているガーゴイルの最初の二体のそばを、先頭のアニエスが通り過ぎようとする。
そのとき、左右のガーゴイルの目玉が、ぎょろりとアニエスの姿を追った。
「ヒッ……!?」
それに気付いたアニエスは、小さく悲鳴を上げつつも、次の瞬間には石像を睨みつけながら剣の柄に手をかける。
「どうしましたアニエス様!?」
「こ、この石像の目が動きました!」
「なんですと! やはりこの石像、モンスターか!」
チャキチャキッと兵士たちが一斉に剣を抜いて、その刃を石像へと向けた。
だがそれ以上、石像は動かない。
ぎょろりと目だけが動いて、兵士たちをねめつけるばかりだ。
それを見たアニエスは、ホッと息をついて剣の柄から手を離した。
「ふぅ……目が動くだけですか……。魔法使いジルベールめ、悪趣味な真似を。──進軍を続けます。皆さん、剣をしまって」
アニエスの指揮で、兵士たちは一斉に剣を鞘に納めた。
そしてまた、おっかなびっくりという様子で、アニエスを先頭に絨毯の上を進み始める。
一方、それらの様子を水晶球で見ていた俺も──
「……ふぅ、危ない危ない」
アニエスたちの行動を確認して、安堵の息をついていた。
いや、あそこで切り掛かられたら、仕掛けが台無しになるところだった。
ガーゴイルに与えた命令の性質上、動く前に切り掛かられたら、ガーゴイルたちは一切反撃できずに一方的に壊されるしかなかったところだ。
ちょっと悪ふざけが過ぎたかもしれないが……まあ、結果オーライとしておこう。
他方、アニエスたちはさらに、ガーゴイルに挟まれた通路を進んでいく。
ゆっくりと石像を警戒しながら、次の二体の前を通り過ぎる
石の怪物像は、その目だけが通行者を追うが、それ以上の動作はしない。
さらにその次の二体の前も通り過ぎる。
やはり動くのは、その目だけ。
アニエスや兵士たちも、その不気味さに少し慣れてきたようだった。
「……神経がすり減らされますね。これがジルベールの狙いでしょうか。相変わらず姑息な真似を」
アニエスはそんな言葉を口にする。
いや、そんな意図はなかったんだけどな。
ていうかむしろ、こっちの神経もすり減ってるぞ……ドキドキ。
ともあれ残るガーゴイルは、一番奥の二体だけ。
アニエスは慎重に、その横を通り過ぎようとして──
そのときだ。
──ゴゴゴゴゴッ、ズゴーンッ!
アニエスたちが目指していた四階へと続く螺旋階段への入り口が、上部から下りてきた石のシャッターによって塞がれてしまった。
「なっ……!?」
アニエスはとっさに駆け寄るが、もはや押しても叩いてもシャッターは開かない。
アニエスたちが目指していた出口は、すでに閉ざされてしまった。
しかも──
「うわぁあああああっ!」
「あ、アニエス様ぁっ! 石像が、石像が動き出しました──ぎゃああああっ!」
「えっ……?」
アニエスがとっさに後ろへと振り向けば──
そこには、八体のガーゴイルがその背中の翼で舞い上がり、兵士たちに向かって爪や牙で襲い掛かっている姿があった。
「そんな、さっきまで動かなかったのに……! ──おのれジルベール、謀ったな!?」
アニエスは慌てて剣を抜き、混乱の様相を呈している戦場へと駆け込んでいく。
***
一方、それを水晶球で見ていた俺はというと、飲まず食わずでアニエスたちを鑑賞していたので、少し口寂しくなってきていた。
でも、今いいところだから目が離せない。
俺は【遠見の水晶球】を手に取ると、それを鑑賞しながら冷却室──永続化した冷却魔法によって食物保存に適した環境になっている──へと向かい、そこから上物のワインとチーズを持ってきた。
さらに食器棚からグラスとお皿も持ってきて、ワインを注いでチーズを並べて、机の上に理想的な観賞環境を整える。
これでよし、と。
「アニエスちゃん頑張れ~。ガーゴイルも頑張れ~」
チーズをつまみにワインを楽しみながら、戦闘風景の鑑賞をする。
我ながらだいぶ、悪の魔法使い仕草が板についてきたかもしれないなと思った俺だった。
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一方、クルトは”賢者の石”を奪ったものの正しく扱うことが出来ず次第に石は暴走し、王国には次々と異変が起こる。エレナやクルトはアルスを追放したことを後悔するが、その時にはすでに事態は取り返しのつかないことになりつつあった。
※他サイト転載
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