魔拳のデイドリーマー

osho

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最終章 エピソード・オブ・デイドリーマーズ

第607話 最後の夜

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「……終わっ、たぁ……」

 いやあ……長かった。
 倒したと思ったら倒せてなくて、今度は倒したと思ったら復活して、今度こそ倒したと思ったら逃げ出してて、しかも時間超えて過去に逃げてた上にシャレにならない反撃してきてて……

 そこからさらに時間超えてまで追っかけて、倒したと思ったらまた倒して……今度は、倒せてはいたけど、なんかスペア用意してやがって、それもやっと倒したと思ったらやべー最終兵器作ってあって、今度はそれを乗っ取る形で復活して……

 で、ようやく今、母さんとの協力奥義で……今度こそ、今度こそあいつの存在が消えたのを感じ取れた。
 『シャーマン』の能力も使って年入りに……アドリアナ母さんにも手伝ってもらって確認して、きちんと消滅したのを確かめた。
 時空の揺らぎもなく……逃げたんじゃなくて、きちんと消えたのがわかった。

 何回戦ったんだよあいつと……もう飽きたわ。しつこかった……。
 1万2千年を戦い続けた執念を見くびってた感は正直あったな。何が起こっても、どんな手を使ってでも、それこそ自分という存在が死んで朽ちても、複製を用意してそいつに託してまで計画を続けるとか……思いつくことがぶっ飛んでた。

 けどそれも……終わったんだ。やっと。
 
 ふと、隣にいる母さんを見る。
 偶然か、ちょうど母さんもこっちを見てたようで、目が合って……にっこりと微笑まれた。

 バイラスを倒したことで、母さん達が死ぬ歴史もなくなっただろう。
 未来に戻れば、歴史は元に戻って……母さん達も、兄さん姉さんたちも復活しているはずだ。

 なんてことを考えてたら、僕たちが今いる空間が……どうやら限界を迎えたみたいで、崩れて消えようとしているのが分かった。
 それと同時に、母さんの気配がひどく希薄になっていく。

 というか、見て分かる感じで体が透けていっている。

 ……そりゃそうか、母さんも……この空間の特異性を利用して、未来の世界から出張して来てたようなもんだからな。この空間がなくなれば、そりゃ……ここにはいられないだろう。
 けど、それで問題ないはずだ。きちんと未来で復活してるはずだから。

 恐らく、同じことを考えてたんだろう。母さんも多くは語らずに、

「それじゃあミナト……ひとまず、ここでお別れね。……ありがと、私達を助けてくれて」

「うん、そだね……すぐ帰るから、未来でまた会おう」

「待ってるから早く帰って来なさいな。……久しぶりに手料理作っておいてあげるから。あなたの大好きな……ええと、なんだっけ?」

 おいおい、しまらないな(汗)。
 まあでも、僕基本的に母さんが作ってくれた料理全部好きだし、何が出て来ても問題ないんだよな。

「ま、あなたの好きそうなもの片っ端から作っておけばいいか。うん、どーせ復活祝いのパーティになっちゃうでしょうし、そうしようそうしよう!」

 なんか勝手に納得したらしい母さん。まあ、問題ないけども。

「まあ帰るって言っても、半年後にタイマーセットしてあったから……ええと、あと4か月ちょっとくらいは待たないといけないけどね。……まあでも、もし未来で師匠とかが動いてくれて、僕らがすぐ帰って来れるように協力とかしてくれれば……もっと早く帰れるかもしれないけど」

 そうなるんじゃないかな、そうなるといいな、とは正直期待してるけど。

 そう言ったら……なぜか母さんは、『くくく……』とおかしそうに笑う。
 なんだかその笑い方が気になった。まるでそれは……何かをわかっていない人を小馬鹿にするような、ちょっと意地が悪い感じの笑い方だったからだ。

 例えば……朝、寝起きでまだ寝ぼけているエルクが『私のメガネどこ?』って探し回ってる時、その頭の上にそれを見つけた時のシェリーとかターニャちゃんが同じ感じの顔をしていた。

「くくく……大丈夫大丈夫、きっとそうなるわよ、ええ。クローナなら……うん、確実に……血眼になって準備してくれてると思うから、うん」

「……? どゆこと?」

 協力してくれるのは嬉しいけど……血眼? なぜに?
 僕らを助ける、ないし呼び戻すためにそこまで必死になってくれていると? いやまあ、そうなら嬉しいけど……なんか言い方と態度に違和感あるな……?

 しかし母さん、聞いても教えてくれない。
 『未来に戻ればわかるわよ』と言うだけだ。……え、なんか怖いな、何がわかるんだ?

「それは、帰って来てのお楽しみ。……あ、そろそろみたいね……それじゃミナト、またね!」

 と、言い残して……あっさりと、あっという間に、母さんはそこから消えていなくなった。
 同時に、空間も壊れて……元の、普通の世界に戻ってきた。

 戻ってきた……けど……

「うっわあ……ひどいなこりゃ」

 『グラドエル』の町? 村? があった場所は……『僕VSクローンバイラス軍団』『女楼蜘蛛VSクローンバイラス』『女楼蜘蛛VSM2』『僕VSM2』『僕VSバイラス(乗っ取り復活)』という対戦カードのせいで、滅茶苦茶になってしまっていた。

 途中からは隔離空間で戦ってたはずなんだけど、それも貫通してこっちにまでダメージが及んじゃってたみたいだ。

 建物の残骸……瓦礫の山。その他さまざまな建材。
 実験施設で使われていたんであろう器具の残骸や、そこから漏れ出したと思しき危険な薬品、実験動物の体の一部と思しき肉片や骨、血痕など。
 それらが、割れて抉れて吹き飛んでしまっていた地面と混ざり合い、土と瓦礫と肉片と有害物質を混ぜ込んだ、炊き込みご飯みたいな感じになっていた。……我ながらもうちょっとマシな例えはなかったものか……。

 これ、このままにしておくと驚かれそうだし、普通に周辺の環境にも悪いよな……

「はあ、しゃーない……フォルムチェンジ『ドルイドフォルム』」

 後始末が必要だと判断した僕は、植物を操る強化変身に姿を変え、地面に降り立つ。
 そして、何度か地面を『ズシンっ!!』と、『震脚』で勢い良く踏みつけ……その衝撃を全体に広げるようにして、周囲の地面の中にある、大きな瓦礫や破片類を粉々にする。
 それをあちこちで繰り返し、見える範囲全部、一通り、大きな瓦礫とかをなくす。

 続いて、収納空間から植物の種を大量に取り出し……風に乗せて見渡す限りの範囲にばらまく。満遍なく、全体にいきわたるように。
 さらに、僕の発明品でもある栄養剤を取り出し、それもばらまく。
 さらにさらに、このフォルムの時に使える魔法で見える範囲に雨を降らせて水を供給。
 よし、準備完了。

 仕上げに、『ドルイドフォルム』の杖を振りかざし、能力を使い……まいた種を急成長させる。
 この時、地中にある有害物質やら細かい瓦礫やらを養分として取り込み、無害化しつつ成長していくので、このへんの土壌や地下水への悪影響はこれでなくなるはずだ。

 はい完成。あっという間に一面緑に覆われた樹海ができあがっ……

「……あれ、もしかして……僕らの元の時代にあった『グラドエルの樹海』って……」

 見下ろして、改めて見てみる。
 ……いや、木々の種類とか植生の様子とかは、僕の記憶にある『樹海』とは全然違うけど……でも、150年以上もすればそんなもんいくらでも移り変わるだろうし……住み着く動物や魔物が出てくれば、その影響もうけて独自の生態系が形作られるだろうし……

 あー、やっぱりそうなのか……
 あの樹海、まさかまさかの……僕が作ったのか。『グラドエル』があった、その跡地に。

「……まあ、別にいいか。誰が困るわけでもないし……むしろ有害物質を無害化したんだから、この時代やそれ以降の時代の人達の役に立ったんだと思うし……」

 うん、何も別に悪いことない(強弁)。

 さて、じゃあ後始末も終わったし……帰るか!


☆☆☆


 オルトヘイム号に戻ると、エルクとこの時代の母さん……リリンが出迎えてくれた。

「おかえり、ミナト。……終わった?」

「うん。今度こそね……終わった。やっと」

「そ……ならよかった。お疲れさん」

「……お疲れ様、ミナト。無事で……よかった」

 エルクに続けて、リリンもそう言ってくれる。

 言葉通り、僕が無事だったことを喜んでくれているみたい。
 『大陸最強』と呼ばれるようになった自分達でもかなわなかった相手だし、心配してくれてたんだろうな……嬉しいことだ。

 ただ……何だろう、その他にも何かを言いたそうな感じの視線なのが気になる。
 何かを言いたいけど、ためらってしまって言い出せない、的な気配を感じるかも。どうかしたのかな……この時代でも、母さんはいつもは言いたいことはスパっとはっきり、遠慮せず言うのに。

 こっちから聞いた方がいいだろうか、と思っていると……しかしその前に、また別な出迎えの人が姿を現した。
 ……現したけど……ちょっとちょっとちょっと!?

「ちょ、ししょ……じゃなかった。クローナ! 何そんな重傷で……」

「何でも、ねえよ、このくらい……!」

 なんか、全身に包帯巻いて痛々しい、いかにも『重傷です』って感じになってるこの時代の師匠……クローナが出迎えに出てきてくれた。
 その後ろから、どうにかして止めようとしてくれてたらしいネリドラも一緒だけど……ネリドラの腕力では、怪我していても師匠を止めることはできなかったみたいで、引きずられる形で出てきた。

 いや、ホント何してんのクローナ……ダメだってそんなん寝てなきゃ。

「平気だっつってんだろ……俺ぁ吸血鬼なんだから、こんなもんすぐ治る……」

「いや治らないくらいの傷負ったから手当受けてたんでしょ。あいつのことだから再生阻害とか、変な呪いとか込めててもおかしくないんだから、大人しくしててよ……よいしょっと」

「っっ!? ちょっ、おま……」

 ぶっちゃけ歩くのも、立っているのもきつそうである。……こんなんでよく『大丈夫』なんて言えたもんだよホント……見てるこっちが痛いし苦しい気がするわ。

 なので、有無を言わさず、さっさと抱え上げてしまう。
 抱え方で悩んだけど、無難にお姫様抱っこにした。肩を貸すとか、お米様抱っことか、ぶっちゃけどの抱え方にしてもどこかしら痛そうだったので……比較的傷の少ない部分を支えられるこれかな、と。負担が一番小さい抱き方でと思って。

「ほら、顔も赤いし、なんか熱いし……コレ熱あるんじゃ……?」

「ねえよ熱なんか! コレはお前、それっ……その……やめろ! 近……顔を近づけんな!」

 無茶言わんでくれ。抱え方の構造上仕方ないでしょうが。

 ていうかネリドラ、この人熱は……あ、ないの? なんだ、よかった。
 それなら……怪我してるから体が熱を持っちゃってるだけかな。炎症とかで傷口が熱くなったりするもんね、吸血鬼は代謝が人間とは比較にならないくらい活発だから、こうもなるのかな?

「「………………」」

 なんか背中側から視線を感じる。

 振り返ると、エルクとリリンがこう……何かを言いたげなジト目を向けて来ていた。
 その視線の半分は僕に、そしてもう半分は……師匠に向けられているように感じた。

「どしたの?」

「……ううん。なんでもないわ」

 ……? とりあえず、師匠のこと部屋に運ぶか。
 ネリドラ、案内して……え、何、君までその、こう……何か言いたげな目は?


 ☆☆☆


 なんか運んでる途中からすっかり静かになっちゃった師匠――やっぱ具合悪かったんだよほら――を医務室のベッドに寝かせて、その世話をネリドラとテレサさんに任せてから、僕は居住スペースに戻った。
 そしてそこで、今度こそバイラスにとどめを刺したことを皆に報告。

 これで未来の世界は、その歴史は元に戻っただろうし、母さん達も復活するだろうと。

 あ、もちろんこの話をする際には、リリン達には席を外してもらい……万が一を考えて、盗聴等を防止する仕掛けもきちんと作動させた上で話した。

 別れる際に母さんが言っていたことの通りなら、未来でおそらく師匠あたりが動いてくれて、予定していた『半年後』よりも早くこの時代から帰ることができそうだ、ってことも報告。
 もし師匠が動いてくれてないか、あるいは上手くいっていなくても、半年後には自動で帰還できるようになっているので問題はないし。それまで暇になっちゃうけど。

 
 ……とか、のんきに思ってたんだけど……

 その、数時間後。
 夕食も食べ終えて、のんびりくつろいでいた時に……それは来た。


 ―――~~♪ ~~♪


「お? お!?」

「どしたのミナト? スマホなんか見て」

「……今、未来の世界の母さんから連絡来た。『このメッセージが届いた24時間後に呼び戻すから準備しといて』って」

「早っ!?」

「予想、当たってたみたいだね……クローナさんが動いてたか」

 それもすごいけど、時間飛び越えてメール送ってきたぞ師匠。
 復活早々いきなりとんでもないことやってくれるわホント。ええとコレ、こっちからも返信とか遅れるのかな? あ、エラーになった。無理か。

「24時間後か……ええと、今何時?」

「午後8時ジャストですね。つまり、明日の午後8時になったら、あっちから働きかけて未来に帰ることになって……この時代ともお別れ、ですか」

「いや随分急ね……まーでも、別に整理する荷物や人間関係も特にないから、困ることもないのか。せいぜいこの時代のお義母さん達と別れるくらいね」

「少々寂しい気はしますが……元をたどれば出会う、知り合うはずもなかった時間軸の存在同士ですし、仕方ないでしょう。本日は船に泊めるとしても……明日の昼過ぎから夕方頃には出てもらう必要がありますね」

「それまでにクローナさん、回復するといいですね~」

 やれやれ、最後まであわただしいことだなあ。

 まあでも、僕らはこの世界、この時代にとっては異物なわけだし……用事も済んだ以上、あんまり長居しないでさっさと帰った方がいいっていうのも事実ではある。
 ……あと早く帰って母さんに会いたいっていうのもある。早く帰って、きちんと復活してるのを見て安心したい。

 こういうメールが来たってことは、きちんと復活してるんだとは思うしわかるんだけど……それでもやっぱ直接会って安心したいですはい。

 さて、そうなると……今日が、僕らがこの時代で過ごす最後の日、最後の夜ってことだ。

 なら、こっちの世界の母さん達にきちんと話を通さないと。
 今日は泊まってもらって大丈夫だけど、今サクヤが言った通り、明日の昼過ぎあたりにでも船を出てもらわないと。この船も僕らが未来に持って帰っちゃうからね。

 重症の師匠とかを医務室から追い出すのはちょっと気がひけるなあ……本当なら、きちんと完治するまでいてもらいたかったんだけど。
 けど、ウォルカの町の高級宿とかでもまあ、居心地は悪くないしサービスも充実してるだろうから、そのへんで我慢してもらうしかないか。

 そうと決まれば、彼女達にこのことを話さないとな。
 もう夜も遅い時間だけど、明日になってから『今日出てってね』じゃ急すぎるだろうし、ちょっとマナー違反でも今からお邪魔してきちんと説明するべきだと思う。

 内容が内容だし、直接会って話さなきゃだよな。

「じゃ、ちょっと今から行ってくるよ。この時間なら、まだ起きてると思うし」

 戦いで疲れてるだろうから、もしかしたら何人かは寝てるかもだけどね。

「あ、うん、よろしく。……あとさ、ミナト」

「うん?」

「……その……もしかすると、伝える時……ちょっと大変かもしれないけど……気を付けてね」

 え? どういう意味?
 大変って、何が?

 いや、何でそんな皆、戦地に送り出すような目で僕を……ここ、オルトヘイム号の中よ? 敵とか別にいないし、そもそも今から会いに行くの、母さん達だよ?
 そりゃ、割と急に、ちょっと薄情かもしれないこと伝えに行きはするけど……別にそんな、怒られたり、喧嘩になるようなことじゃないと思うし、面倒なことなんて何も……

 ……ねえ、何で皆ため息つくの?



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