魔拳のデイドリーマー

osho

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最終章 エピソード・オブ・デイドリーマーズ

第598話 誕生

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(……っ……! 冗談では、ないっ……!)

「よっしゃあ! 何だかわかんないけどすっごい調子いい! このまま行くわよ!」

 形勢逆転、とはまさにこういう状況のことを言うのだろう。

 先程まで、『不死身』という絶対の武器を手に戦いを優位に進めていたバイラスは、今は……防戦一方という状態に陥っていた。
 殺されても瞬時に復活するがゆえに、ほぼ防御を捨てて襲い掛かってきていた先ほどまでとは、全く違う。

 その違和感は、他の2人……クローナとエレノアも感じ取っていた。

(何だぁ……コイツ? 急に被弾気にしだしたな? さっきまでの不死身戦法使ってこなくなりやがった……いや、まさか……使えなくなった?)

(回数制限があったのかニャ? でも、そんな素振りでもなかったし……なんかリリンが調子よくなったと同時に向こうが不利になったような? でも、リリンが何かしたってわけでもなさそうだし……)

 状況の正確な把握こそ難しいが、今が攻め時であるというのは理解したらしい。
 リリンに合わせる形で、2人ともより一層攻撃を苛烈にしていく。先ほどまでは『攻撃してもどうやら無駄らしい』と様子見の意味が強かった分、一気に勢いを増したそれを受けて、瞬く間にバイラスは追い詰められていった。

 以前として、クローナとエレノアの攻撃は特に痛打にはならない。
 しかし、それらと抜群の連携で撃ち込まれるリリンの攻撃は別だ。

 まだまだ不完全ではあるが、『ザ・デイドリーマー』が……気合で不可能を可能にし、『不死身』を貫通する力が乗っている。
 不死のはずの自分の命を、着実に削ってくる。

 ましてや、今バイラスを守っているのは、『本体』が持っていたそれに比べれば数段劣る、劣化版の不死。
 今のリリンの『ザ・デイドリーマー』であれば、『本体』であれば耐えられたかもしれないが、今の自分には十分有効打になってしまっている。

 一度の致命打で即座に消滅、ということこそないが、確実に死に、限界に近づく感触が、バイラスの手を、足を鈍らせた。

(どうする……一旦退くか? いや、ここでリリン・キャドリーユを逃がしてしまい、その間に『ザ・デイドリーマー』を完全に会得されてしまえば、それこそ手が付けられなく……)

 ……その時だった。


「が……っ……な……!?」


 突然だった。
 何の前触れもなく、いきなりバイラスの体に激痛が走った。まるで、全身を何十本、何百本もの刃物で串刺しにされたかのような……およそ、これまでの彼の長い長い生の中ですら経験したことがないそれ。

 今自分が宿っているこの、リリンのクローンの体は、動きを鈍らせないために、痛覚を遮断して痛みを感じなくしてある。
 苦痛によって動きが鈍るような事態は戦いの邪魔になるし、そもそも『不死身』である以上は、人体の危険信号に過ぎない『痛み』は不要なものでしかない。

 そのはずなのに、自分の体を貫く子の激痛は一体なんだと、困惑するバイラス。

 しかも奇妙なことに、刃物や矢が刺さったような、体内に異物が侵入した違和感というものも特にはない。触覚は生きているので、痛みはなくてもそういう感覚はわかる。

 肉体的に損傷がないのに感じる激痛という異常事態に、ますます困惑は深まる。

(薬品で急激に肉体を成長させた副作用か? 臓器か何かの形成が不完全で……だめだ、わからん! しかしこの感触……まるで、体ではない何かを攻撃されているかのような……)

 そんな思考によって、ほんの数瞬、バイラスは動きを止めてしまった。
 しかし、今のこの状況において……それは、致命的だった。

「っ!? しまっ……」


 ☆☆☆


 ……時は少し遡る。

 場所は、ミナトとバイラス『達』が戦おうとしていた、その戦場。

 自分の仲間達や、リリン達『女楼蜘蛛』のクローン体を使い、その中に複製した自分の魂を入れて立ちはだかるバイラスのやり方に、ミナトは……その不快感を限界まで高めていた。

 故に、一切の遠慮も自重もなく……一瞬で全てを終わらせることに決めていた。

 全方向から襲い掛かる、顔見知りの姿をしたバイラス達。

 ミナトはその場で高速で一回転して回し蹴りを放ち、その爆風で全員を吹き飛ばすと……そのうちの1体、一番近くにいたテーガンのクローンに駆け寄る。おそらく、この中で一番フィジカルに優れていたがゆえに、爆風であまり吹き飛ばなかったのだろう。

 ターゲットとして彼女を選んだことに、特に意味はない。ただ、近くにいたから。それだけだった。

 反応が間に合わないほどの速さで懐に潜り込んだミナトは、両手を漆黒の闇のエネルギーで覆い……その心臓めがけて突き刺した。

 …………そして



「…………死ね」



 その瞬間、腕を突き刺されたテーガンだけでなく……周囲にいた全員が、雷に打たれたかのように、びくんっ! と体を震わせてのけぞった。
 そしてそのまま、体勢を立て直すことすらできずに……倒れていく。

 ミナトが最初に突き刺したテーガン(の、クローン)も、腕を抜き取られると同時に崩れ落ちた。
 その胸元には……奇妙なことに、傷どころか痣すらできていなかった。肘のあたりまで深々と腕が突き刺さっていたはずなのに、だ。

 全員の目から、急速に光が消えていき……その命すらも消えようとしていた。

(……な……何が……!?)

 わけがわからないといった様子のバイラス達を冷ややかに見下ろすミナト。

 彼がやったことは、攻撃であって攻撃ではなかった。
 直接的に、肉体を傷つけるような攻撃ではなかった。

 簡単に言ってしまえば……呪殺である。

 ミナトの中には、リリンから受け継いだ『夢魔』の力に加え、もう1人の母……アドリアナから受け継いだ『シャーマン』の力が存在している。
 その能力は、精神や魂を相手取るのに特化しているとすら言える性能を持っており、通常の魔法では起こせないような、不可思議な事象を引き起こすことができる。

 それこそ、この『剣と魔法の異世界』においてすら、異端・異様と言っていいような現象を。

 闇の魔力に乗せて全力でその『シャーマン』の能力を発動したミナトは、テーガン(の、クローン)の中に搭載されていた、バイラスの魂(複製)を直接攻撃した。
 そしてそれと同時に、その魂を伝って、全身全霊の怒りと殺意を込めた呪いを放ち……同じ魂を持っている存在全てを攻撃した。

 結果……その効果は直接触れていないばかりか、かなり離れたところにいた者達も含め……複製したバイラスの魂を持っていた者達全てを巻き込んで炸裂。
 周囲のクローン軍団全員の魂が巻き込まれ、呪いの対象になった。

 そして、ミナトの全身全霊の呪いに耐え切れなかった劣化版の魂達は……砕け散った。

 もしこれが、複製でないオリジナルのバイラスの魂であれば、そこまで深刻な影響はなかっただろうが……複製することで劣化してしまっていた、魂として不完全な状態だったそれでは、ミナトの全霊の呪殺に耐えることはできなかった。

 それが、今起こったことの全てだ。

(呪殺に距離はおよそ関係ない。……これで、ここじゃないどこかに潜伏させていたコイツの他の複製も……休眠中とかのものも含めて全部消せたはず。これで、今度こそ終わりだ)

 魂が消し飛んだ影響か、はたまた特殊な製法で作られた肉体だったからか……周囲に倒れて転がっていたクローン達は、まるで風化するように崩れて塵になっていった。
 それを見届けたミナトは、ふぅ、とため息をついて……

「……まあ、終わった……とは思うけど、念のため様子見に行くか。母さん達なら大丈夫だとは思うけど……ちょっと気になることもあるし、もしかしたらまだ何か……」


 ……その時、


「…………え?」


 何かに気づいたように、ミナトは……ばっと振り向いた。

 その視線の先にあるのは……『グラドエル』の、中心部。
 視界には特に何も映ってはいないが、ミナトの感覚が……確実に『何か』の存在を感じ取って、警鐘を鳴らしていた。

「何だ、この気配……!? いきなり出てきた……しかも……何にせよ、行かないわけにはいかないか! ああもう、いつになったら終わるんだよこの過去編は!」


 ☆☆☆


 場面を戻して……リリン達の戦場。

 ミナトの『呪殺』の影響は、当然と言えばそうだが……リリン達が戦っていたバイラスにも及んでいて……その激痛に耐え切れなかったバイラスは、動きを止めた。
 そして、その決定的な隙を……3人が見逃すはずもなかった。

 横から回り込んだエレノアが、障壁ごとバイラスの体を切り裂いて怯ませ、

 クローナが投げつけた光の槍が、その体を貫いて動きを止め、

 そしてとどめに、リリンが……全力を込めた光の刃を振り下ろす。
 大剣と呼べる大きさの光刃で斬りつけられたバイラスは、一瞬、おそらくは反射的に魔力で障壁を出して抵抗したものの……次の瞬間には、降りぬかれた一撃がその身を捕らえた。

 そのまま一刀両断……どころか、体全体を消し飛ばす威力の一撃。
 リリンの姿をした、彼女達からすれば得体のしれない敵は……結局、彼女達にはその正体を明かすことのないままに、散り一つ残さずこの世から消し去った。

 残心したまま、復活する様子がないことを確認し……リリン達はようやく、ふぅ、と息をついた。

「……何だったんだろ、結局、今の?」

「さあな。別にいいだろ……消し飛ばしちまったからもう聞くこともできねえし」

「聞こうにも応えてくれそうにもなかったもんニャ。でも……さすがに気にはなるニャ。リリンと同じ顔……というか、体型も同じだったし……そういう魔物じゃないってんなら……」

「この施設や、ここを使っていたであろう連中と何か関わりがあるんだろうね、間違いなく」

 唐突に、3人の背後からそんな声が聞こえた。
 振り向くと、そこには……外で待機していたはずの、アイリーン、テーガン、テレサが、今まさに歩いてこちらに来るところだった。

「あれ、アイリーン達……外で待ってるんじゃなかったの?」

「君達がいつまで経っても戻ってこないし、それどころか念話も遮断されて通じなくなってたからね……こりゃ何かあったなと思って入ることにしたんだよ」

「そうしたら、この……冒涜的、というのすら生ぬるい光景だもの。……驚いたわ」

「この施設を使っていたのは、随分と胸糞悪い研究を行っておった連中のようじゃの」

 後から来た3人も、この異様な研究所か何かといった施設内には、気分を悪くしていたようだ。

 その3人に、今リリン達が戦っていた、リリンの姿をした何者かについての情報を共有し、しばし話し合ってみるが……色々と疑問は尽きないものの、その答えは出ない。
 ここは何のための施設なのか、一体どんな連中がここを使っていたのか、何の研究をしていたのか、あの偽物のリリンはどういう存在なのか……etc。

 しばし考えた末に、まずはもっと情報を集めるべきだと結論付けて、リリン達はこのまま、施設内の調査を進めることにした。
 また調査組と後詰め組で別れるべきか、というあたりにまで話が及んだ……その時。


 ―――ズズ……ズズズ……



「「「っ!?」」」


 突如出現した気配に、6人全員が振り向いた。

 見ると、さっきリリンの偽物を倒し……塵ひとつ残さず消し飛ばしたはずのそこに……黒い闇のようなものが収束していた。
 そしてその中から、消し飛んだはずの偽リリンがまた復活していた。

「……またかよ……。どうやったら死ぬんだコイツ?」

「でも……何か様子がおかしいわね? 何というか、意思を感じない……死体、なのかしら?」

 復活したことには驚きつつも、テレサは、その偽リリンから、敵意や殺意などを感じず……まるで、ただそこにいる、あるいは『ある』だけであるような印象を抱いていた。
 死体だけが復活したのだろうかと勘繰るも……直後にそれは否定される。

 否定したのは……エレノアとテーガン。
 片や武人、片や斥候。この中で、もっとも勘が鋭い2人。

「……いや、待て。おかしい……何か妙じゃ」

「あの偽リリン……は、確かに何も感じないけど……変だニャ。上手く言えないんだけど……アレ以外にもっと、何か、違うのが……いる……!」

「……? いる、って……どこにだい? ボクには何も見えないし、感じないけど……」

 そう聞いて困惑するアイリーン。他のメンバーも同様だ。
 気配も何も、今目の前にいる偽リリン――その死体かもしれない—―1人分だけだった。

 ……しかし、次の瞬間、その偽リリンの体が……突如として変容し始めた。
 エビ反りのように後ろに激しく、大きくのけぞったかと思うと……その腹部が急激に膨らむ。みるみるうちに大きくなっていき……まるで、大の大人1人が入れそうなほどに膨れ上がった。

 あまりにも突然の、そして異様な変容に、ぎょっとするリリン達の目の前で……今度はその、腹部が肥大化したリリンの体が、石灰のように白く硬質なものに変化してしまい……そこからさらに、ひび割れて崩れていく。手や足などの、体の末端の部分から、順番に。

 しかし、その崩壊が胴体に到達するより早く……その膨れ上がった腹部に、


 ―――パキッ


 ひびが入った。
 そして、割れた。

 まるで、卵から鳥のヒナが生まれる瞬間のような光景だと、リリン達は思った。
 偽リリン(だったもの)の姿が、白く、非生物的な質感に変化してしまっていたのも、そう感じた理由かもしれなかった。

 しかし、中から出てきたのは……鳥のヒナなどではなく、1人の人間だった。
 少なくとも、見た目は一応、そう見えた。

 偽リリンから子供が生まれた、と言ってもいいようなその、奇天烈極まる展開にも驚愕した一同だたが……もっと問題なのは、その見た目である。

 決して大柄ではない、どちらかといえば細身な、中肉中背の見た目。
 色白の肌に、真っ白な髪……明るい黄緑色の目。
 そして、その顔には……リリンをはじめ、その場にいる全員……強烈に見覚えがあった。



「…………み……ミナト……!?」



 偽物のリリンから生まれたのは……偽物のミナトだった。

 今まさに生まれたばかりであるにもかかわらず、自分達がよく知る本物のミナトと同じ姿。
 本物のミナトが黒髪に紫の目だということを考えると、まるで反転したかのような色を持つ……偽リリンに続き、明らかに普通ではない存在。

 生まれたばかりの彼は、まるで何も考えていない子供のような目で、あたりを見回していて……
 しかし、今リリンが不用意に発してしまった声を聴いて、ゆっくりと、そちらを向いた。

 偽リリンの体は、すでに崩れて塵になっている。その残骸をじゃりっ、と踏みつけて……言葉通り『生まれたままの姿』であるミナトは、リリン達の方を向いた。
 剥けられるその目には、敵意も殺意も何も乗っていない。本当に、無邪気な子供のような目だと、リリン達は思った。

 しかし、ひとまず危険はなさそうだと思い、気を抜いてしまった……次の瞬間。


 ―――シュッ


 ―――ドゴォオオォオオォン!!


「「「……っっっ!?」」」


 何の前触れもなく、白いミナトが拳を握り……リリン達に向けて突き出した。
 その、何でもないような挙動で放った一撃は、すさまじい衝撃波に変わり……リリン達全員を、その場から大きく吹き飛ばした。

 驚きつつもそれをどうにか防御し、あるいは空中で体勢を立て直して着地するリリン達。

 今一度、白いミナトをよく見る。
 やはりその目に、敵意も殺意もない。意思と呼べるものがそもそも感じられない。

 ないはずなのに……明らかに目の前の彼は、自分達を排除しようとしている。

 どうやら戦いがまだ終わっていない……どころか、今迄で一番と言っていいほど得体が知れない、そして……恐ろしい敵を相手取らなければならないようだと察し、6人は各々構えを取った。

 そんな、大陸最強の冒険者6人が臨戦態勢に入ったのを見てもなお……白いミナトは、表情一つ変えることは、なかった。















 ―――やれやれ……まさかこんな形で『M2』が目覚めるとは。

 ―――ミナト殿のクローン……あれだけは、肉体そのものが驚異的過ぎて、直接試験管内で培養して再現することができなかった。自分自身の生命力に負けて、細胞が崩れてしまうがゆえに。

 ―――ゆえに……母体の中でゆっくりと、時間をかけて育てるつもりだったのですがね。どうやら、今、本物のミナト殿が使った、精神系統の攻撃のせいで叩き起こされたようだ。

 ―――そして、母体の全てを吸い取り、奪い取って強制的に成長した……しかし、宿していたはずの私の複製魂が壊れてしまったために、意思のない、生ける屍状態で生まれましたか……。

 ―――しかしそれでも、リリン・キャドリーユ達をはっきり敵として認識はしているのは……彼女達が、自分の『母親』を奪った存在だと理解しているから、かもしれませんね。

 ―――何にせよ、これは好都合。彼が彼女達を排除してくれれば、目的は達成される。彼の体内でその力に守られ、間一髪で完全崩壊を免れた、この最後の複製魂も、時間をかければ修復可能だ。全てが終わった後で……まあ、また何百年かかかるかもしれませんが、復活できる。

 ―――それまでは、ゆっくり眠ることにしましょうか……ふふふ、存分に暴れなさい、『M2』。最強の肉体に、私の持てる知識と技術の全てを組み込んだ……我が最終兵器よ……!





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