魔拳のデイドリーマー

osho

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第16章 摩天楼の聖女

第288話 招待状

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結論から言うと……あのあと僕らは、そこそこに『劇場』で楽しんで、そのまま帰った。

え、『義賊』はどうしたのかって?
いや……きょとんとしてるうちに見えなくなっちゃってさ。

だって、僕の視力で何とか見えるくらいの位置にいたわけだから……そりゃもう、あっという間に消えたよ。
実際あの後、エルク達に聞いてみたけど……エルクは黒い点にしか見えなかったそうだし、ジェリーラ姉さんは、そもそも何も見えなかったそうだし。

よく知りもしない、赤の他人を……いくら懸賞金がかかってるとはいえ、追いかけてまで捕えるってのも……めんどくさかったし。

繰り返すが、僕、お金には困っていません。

で、その義賊は……翌日、またしても『号外』になって町中にその所業が知れ渡った。
やはりというか、アレはお仕事帰りだったようだ。そういや、手に何か、袋みたいなのを持ってたように見えた……かも。

今回狙われたのは、違法な取引で収益を得ていた闇商人の倉庫で……盗まれたのは、宝石のような、単価の大きくてコンパクトなものばかり。結果、大損害。

そして新聞によれば、この義賊は盗んだ宝物や収益を、何らかの形で『世のため人のため』に使うらしい。孤児院に寄付したり、貧しい人々にばらまいたり。ホント鼠小僧だな……。

まあ、別にそれは僕としては特にどうでもいいんだけども……町の皆さんにとっては、格好の話題というか、娯楽の一環だそうで。

タイムリーに報じられたこともあって、一歩外に出れば、その話題で持ちきりだった。

――また義賊が出たらしい。

――狙ったのは、またしても悪徳商人。

――次はどこが狙われるのか。

――何者なのだろう?

ゴシップとエンターテイメントが一緒になった感じの賑わい。いや、どっちかっていうと、活躍に期待してる、楽しんでる人が多いから……ピカレスクロマンの類だろうか?

そして、それに忌々しそうにしてる面々は……義賊だろうと泥棒には変わりない、という価値観を持っているか、あるいは……狙われる可能性・心当たりがある連中か。

ま、そのへんも含めて……繰り返すが、どうでもいいんだけども。



それはそうと……今日は、僕は休みだ。『式典』への出席が。

『シャルム・レル・ナーヴァ』は、全日程を全出席者が出るわけではない。宗教関係者とか、一定以上の社会的地位にある者だけが出るものもある……ってのは、前に話したと思う。

今回は前者のようで、貴族とか、冒険者である僕とかはお休みなのだ。
イコール、手持ち無沙汰……ってことなんだけど、それを見越して僕は、事前に……というか、昨日の夜、暇つぶしとなりうるものを大量に購入してきていた。

今、僕の目の前にあるのは……何冊もの本。200ページ以上はありそうな、比較的分厚い本だ。それが、いくつも積まれている。

ただの本じゃない。全部……魔法の書物だ。
読むだけで魔法が習得できる『グリモア』とか、過去の魔法に関する研究資料の写本とか。

昨日あれから行った本屋……と言っても、まっとうな店舗じゃなく、裏社会系の店なんだが。
ジェリーラ姉さんに案内されて行ってみた、その『裏系だけど比較的まっとうで良心的』な店で、僕は盛大にこれらを大人買いしたわけだ。

まあ、普段から姉さん達の商会を通して、研究資料になりうるこういうのは買いあさってるんだけど……そこはやはり、裏ルートでしか出回らない品というのもあるようで。

見たことのない魔法書物にいくつも出会うことができた。
しかも、金さえあればさらに希少な書物の仕入れもやってくれるそうだ。

僕は一通りのめぼしい品を購入した後、さらに、リストを見て……僕が持っていない魔法書物を、揃えられるだけ揃えてもらえるように発注もかけた。前金で半額を支払って。

かかった金額は、普通にやるより文字通りのけた違いだったけど……僕にしてみれば、大して気になるというか、ためらうような金額でもない。むしろ、散財の場ができて好都合、と思ったくらいだ。

やっぱ、僕は趣味に金使うのが一番性に合ってるのかね?

一週間とちょっとで、また別な魔法書物をそろえられるということなので、それを受け取りに行く日を楽しみにしながら……今はとりあえず、この魔法書物たちの解析を進めている。

あの店の、持っていない魔法書物は片っ端から買ったが、その中でもこれらには興味がある。

(アトランティスやルルイエと、魔法の様式が似てる……おそらく、古代文明由来のもの、だな。あるいは、その写本とかか……しかし、そのどちらとも細部が違うってことは、また別な古代文明の遺産ってことも……それに、込められてる魔法も独特な……。研究資料としても、文明の史跡を探す手がかりとしても優秀……あー、入荷が待ち遠しい)

幸いと言うか、研究のための道具は一式持ち込んでいる。それを使えば、こんな宿の一室でも、簡単な解析作業くらいなら十分にこなせるだろう。

「とはいえ……ほとんどは古いせいで、魔法の回路そのものが摩耗してる感じだな……これは慎重にやらないと、いらん傷ができてサンプルが台無しになる。……ふふふ、腕が鳴る。こりゃやりがいがあるわ……」

「そんなに熱中してるならご飯は後でいいかしら?」

「あ、いやそれは食べる」

でもその前に腹ごしらえはちゃんとする。
朝食は一日の原動力。急ぎの用事とかでもない限り、きちんと摂る。僕のポリシーです。

嫁に呼ばれるままに、階下のレストランに、豪華な朝食を食べるために向かう僕は……しかしきちんと、その頭の片隅に、食後に食休みを少し挟んで解析を始める予定の、何冊もの魔法書物のことを置いておいていた。

多分、行事やその他の息抜きの隙間を縫って、ゆっくりのんびり解析を進めれば……多分、1週間ちょっとはかかるだろう……いや正確には、1週間ちょっとは『もつ』と言うべきか。

全部解析が終わって、これ以上の詳細なところは、『D2ラボ』に戻らないとできない、ということになっても、1週間後には新しいものが入荷するわけなので、何も問題はない。

あー、今から楽しみだ。

☆☆☆

……ひょっとしたら、1週間前のあの思考が、アウトというかフラグだったんだろうか。

「入荷ダメになったぁ?」

「うん……さっき、店の人が来て土下座してった」

只今僕、落胆を隠そうともしない感じで、机に突っ伏して脱力しております。

『発注』してから1週間後となる今日。今言った通りの凶報が舞い込んできたのだ。
今日受け取れるはずだった、新たな魔法書物……届られなくなった、と。

しかも理由が……なんと、あの『義賊』だった。

どうやらその義賊が、色々違法なものを運んでいた運搬業者をターゲットにして『仕事』をしたらしく……積み荷と現金を奪われてしまったそうだ。
その際に、僕が受け取るはずだった品も、一緒に奪われてしまったそうな。

……今頃、『義賊』とやらのアジトの金庫に収まってるか、売り飛ばされて金に換えられてるか……どっちにしても、面白くない。畜生。
前金は帰ってきたけど……どうしよう、この落胆と渇望。

……楽しみに待っていた期間が長かった(体感的に)分、がっかりが大きい……

「さっきすれ違った、何かこう……救われたというか、九死に一生を得たような、嬉しさと安堵を隠せない様子の集団はその商人たちだったか……」

「嬉しさと安堵、って……何でよ? 強盗されて安心したっての?」

「そうじゃなくて、多分、ミナトさんに殺されなかったからでしょう」

シェーンの言葉に、シェリーが不思議そうに聞き返し、それにミュウが補足していた。
ちなみにこの3人+コレットとターニャちゃんは、新しい料理の研究・学習のために、この辺を食べ歩きしているメンバーである。シェリーが主に護衛役だ。

「今回発注したの、ブラックマーケット方面のお店でしょ? ヤバいものを取り扱ってる分、下手すれば表よりも、顧客の信頼が大事なんですよ。そんな店で、金貨数百枚クラスの取引で、しかも前金までもらっておいて『用意できませんでした』なんて言ったら……」

「ああ……そっか。普通は確実にヤバいことになるわね」

「理由は自分たちのせいじゃなく、間に強盗が入ったからなのに?」

すると今度は、コレットが不思議そうに尋ね、そこに、部屋で僕と一緒にぐでーっとなっていたネリドラが補足。

「そんなの関係ない。金銭や重要な物資の絡んだことでの契約違反は、たとえ原因が自分になくても殺されても文句は言えない」

「裏だけでなく、表の貴族とかでもそういうのざらですよね。もっとも、そっちの場合はまあ、公に死ねとはさすがに言えないですから、適当に理由でっち上げるか、秘密裏に闇から闇へ……」

「やめい、元貴族組……気が滅入るわ」

ナナも一緒になってそう補足されたところに、セレナ義姉さんがぴしゃりと。

……まあとりあえず、僕が怖がられてたのはわかった……。

ひょっとして、貴族とか、裏稼業の人間じゃなくても……『災王』のネームバリューがそういうのと同じ働きをした可能性って、ある?

そう聞いたら、アリスとクロエは、

「あるでしょうね……というか、下手な裏稼業人の名前よりも効果的でしょう。表の名とはいえ、荒事方面においてはこれ以上ないくらいのビッグネームですし」

「冗談も比喩も抜きにして、一瞬で、そのままの意味で、自分達を殺せる存在だしね。次の瞬間、ミナトの拳で頭蓋骨が粉砕されないか、震えながら話してたんじゃないかな?」

「そんなことしたら大変なことになるでしょうが……普通に人殺しでしょ。捕まるわ」

そう言ったら、部屋にいる全員から『ないない』って感じの視線が送られてきた。
え、何今のシンクロ感? つか、アルバ、何でお前まで……

「あんたを捕まえられる公的権力なんてこの世に存在するか、っつってんのよ」

「入れておける牢屋ないし」

「そもそもこないだ国1つ……じゃなかった、2つか。滅ぼしてるよね?」

「というか、多少のことなら我々でもみ消すぐらいはしてやるぞ? 貴様に落ち度がない、あるいは軽ければな。それで恩を売れるなら安いものだ」

「困ったら言ってくださいね?」

次々とそんな風に……セレナ姉さん、ネリドラ、レジーナ、ルビス、リンス………………っておいちょっと待て。

途中からさっきまでいなかった人の声が聞こえたぞ。

さらっとこの場に紛れている、レジーナ、ルビス、リンス……それに、当然ながら護衛としてついてきているドレーク兄さん。

え、何この豪華どころじゃないメンツ? 何でここに?

「すまないな、ミナト。少々相談があったので、入らせてもらった」

と、ドレーク兄さん。

見ると……部屋の入り口で番をしてもらってた、アリスとギーナちゃんが、ちょっと申し訳なさそうにしていた。あー、いいっていいって、この面子じゃ君らに止めるのは不可能だし。

「しかし、何でまたいきなり、アポなしで? まあ、予定がダメになって手持ち無沙汰になってたとこだから、別にいいけど……」

「相談したいことがあってな」

そう言いながら、ドレーク兄さんは、懐から何かを取り出した。

封筒だ。しかも……以前貰った、ネスティア王家が僕に送ってきた召喚状が入っていたのと同じような……見た目一発高級品だとわかるレベルのもの。
すでに封は切られていて……ん? 宛名も差出人も書いてないな?

差し出されたので、中身を見ると……白紙? 何も書かれてない……つか、何か濡れてる? しっとりした変な感触が……いや、待て? これはもしかして……

心当たりがあったので、ちらっとドレーク兄さんを見ると、こくりとうなずかれた。

「我が国の諜報部隊で使われることのある、特殊な塗料だ。それで書いた文字は、本来、ある薬品を塗ると、文字が浮かび上がって読めるようになる」

「紙が若干しっとりしてるのはそれでか。……よくそんなもん持ってたね? 特殊部隊か何かでもなければ、常備してるようなもんじゃ……って、まさか」

「ああ、その特殊部隊に頼んで用意した……お前もよく知っている面々だ」

「……あのコらいるの? つか、電車に乗ってなかったはずだけど……いつの間に来たの?」

「1か月以上前から現地入りしていた。我々『表』の護衛以外にも、裏から様々手を回して守る役が必要だからな……その下準備なども兼ねてだ」

「それで、『タランテラ』の皆さんにお力をお借りしたのですが……読める文面は浮かび上がらず、代わりにそれが」

『タランテラ』ってのが何なのかは後で話すとして……リンスはそう言って、僕が持ってる便箋の角のところに浮かび上がった、小さなマークを指さした。

黒色の……ライオンを思わせるマーク。しかも、半分だけしか見えない。
なるほど……僕に頼めってことか。二重のセキュリティとは、用心深い。

あるいは……僕に一緒に読ませるため、か?

そして、『半分』ってことは……もう半分は、描かれているけど、見えない。
つまり、それも……おそらく、同じ塗料。

「付け加えて言うなら……今はすでに霧散してしまっているが、先程まで、その封筒に、ある魔力の残滓が残っていてな……私としては、一刻も早くその中身を知りたい」

「その魔力の持ち主に、心当たりがあった?」

「ああ」

「そっか。……詳しい話は後で聞くとして、今『封筒』って言ったよね?」

「? そう言ったが……」

なるほど。じゃあ……便箋の方に込められてる魔力には気づかなかった感じか。
まあ、無理もない。ホントに……手を触れてても、かすかにわかる程度の感触だし。

……『ハイエルフ』であり、世界最強クラスの実力者である、ドレーク兄さんにもわからないほどにかすかな量の魔力。多分、コレ、感じ取れるのは……僕だけじゃないかな。ある理由で。

そのへんの話は後にして……リンスたちに許可をもらって、便箋の端っこ……ライオンのマークが描かれている部分を切り取る。そしてそれをサンプルに、色々と薬品を使って成分を調べ……解き明かす。描かれているものを、浮かび上がらせることができる、成分を。

数分でそれは完成したので、調合し、試す。ライオンの、もう半分が浮かび上がる。

それを今度は、便箋に塗ってみて……ビンゴ。
文字が浮かび上がったので、それを読むと……


……………………


無言で僕は、それをドレーク兄さんに差し出す。

その中身に、兄さんも目を通し……その眉間にしわを寄せた。
内容が、そうするに足るものだったから。

というか……とうとう、来なすったか。

まるで、僕らが式典不参加で、参加する王女様達も、さっさと終わって退出できる……つまりは、夜に暇があるこの今日というタイミングを見計らったかのような……いや、実際見計らってたんだろうな。

「……ミナト?」

「ドレーク……その手紙……かどうかわかりませんが、そこには、何と?」

エルクとリンスからの、その問いに……ドレーク兄さんは、その手紙をそのまま読み上げることで応えた。

そして数秒後には……予想通りと言うか、それを聞いた……この部屋にいた面々、ほぼ全員が、驚きに目を見開いていた。


☆☆☆


拝啓、ドレーク・ルーテルス殿、ミナト・キャドリーユ殿

今宵、×××××にて、会食を執り行いたく、その席にお2人を御招待いたします。
午後7時までに、この手紙が入っていた封筒をご持参の上、ご参集ください。

同伴者はお1人につき2名までとさせていただきます。
食事の席に着き、準備の都合上の理由となります。ご了承ください。

なお、当方からは、警護役等を含め、私を含め5名が参加させていただく予定です。

無論のことながら、害意はございません。皆さまの安全については保証いたします。
武器の持ち込み等についても、特に禁じません。
ですが、皆さまにおかれましても、無粋な真似は慎んでくださいますよう。

有意義な話し合いの場になることを願って。


―――ダモクレス財団総裁 バイラス



追伸 この手紙は、薬品で文字が浮かび上がってから5分後、自動的に焼滅いたします。



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