魔拳のデイドリーマー

osho

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最終章 エピソード・オブ・デイドリーマーズ

第583話 行動の前の段取りは大事

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 『龍の門』を通して過去にやってくることに成功した(多分)僕ら。
 いきなりどこかもわからない吹雪のど真ん中に投げ出され、その直後に現地の魔物と思しき奴らの襲撃にまでさらされたわけだが……幸い強さは大したことなかったので、軽く撃退。

 その直後、ミュウに頼んで試してもらったところ……召喚術で無事に『オルトヘイム号』を呼び出すことに成功!
 やったぜ、これで今後の活動が滅茶苦茶楽になる。

 すぐさま全員でそれに乗り込み、ステルス機能を発動させて周囲の魔物たちの警戒網からこの船を隠蔽。ひとまず可能な限り上空……飛行する魔物も住んでいないくらいの高さにまで上昇する。
 具体的には、とりあえず大気圏を突破して、衛星軌道上に置いとこうと思う。

 既に航宙艦としての機能を持っているオルトヘイム号は、そのまま無事に軌道上にまで上がり、あらゆる魔物……どころか、あらゆる存在の知覚範囲外に逃れることに成功した。

 ひとまずこれで一安心だろう。誰に見られたり、感づかれる心配もなく、一息つける。

 この船が来てくれたことで、詰んであった物資も全部使えるようになった。これで、食料とか消耗品だけなら、無補給で半年持たせることも可能だ。重ねて安心である。

 さて、落ち着いたところで……飲み物でも飲みながら今後のことを話すとしようか。

「クロエ、頼んどいた位置特定、やってくれた?」

「ええ、できたわよ。ちょっと予想外にもほどがある結果だったけどね」

 と、クロエ。
 この船の操縦士である彼女には、船を飛翔させつつ、備わっている機能をフルに使って、『ここがいったいどこなのか』を調べてもらっていた。どうやら、ちゃんと上手くいったみたいだ。

「調べてみたところ……ここ、『ヒュースダルト環礁』の真上当たりね。さっきまでいたのは、サンゴ礁と海氷が寄り集まってできた土地……いや土地じゃないか、氷の塊の上だったみたい」

「……え、それマジで言ってる?」

「マジよ。……ザリーとネリドラにとっては地元だったはずよね?」

「地元でも、行ったことない。……いやまあ、『邪香猫』に入ってからは行ったけど」

『別になじみとか全然ある場所じゃないのは変わらないわよ……そんな超危険地帯』

 ザリーとネリドラ、それにリュドネラと、『フロギュリア連邦』出身の面々が、驚きと呆れの混じった表情で言い……言いながらリュドネラが船のシステムを操作して、目の前の空間にホログラムを浮かび上がらせた。
 僕ら全員に見えるような位置に、空間投影された『アルマンド大陸』の地図が浮かび上がる。

 そこにさらに、僕らが『龍の門』を使った場所である、海底都市『アトランティス』。

 そして、時代は違うが今いる場所(の直下)である『ヒュースダルト環礁』をポインタした。

 その2カ所を見比べて、まあ……皆思うことは大体同じだったろう。
 ひとまず、代表するような形でエルクとシェリーが率直な感想を述べる。

「……何千キロ、いや何万キロ離れてるのよコレ?」

「時代が違うとはいえ、こんなにずれるもんなの、出現位置? いやまあ、時間旅行にそんな常識みたいなことあてはめようとするのも間違いなんだろうけどさ……」

「アルマンド大陸を間に挟んで、ほとんど対角線上ね……これだけの誤差が発生するなんて……むしろ場所がわかる位置に出ただけ幸運だったんじゃないの?」

 さらにセレナ義姉さんも。
 もしかしたら、うん、言うとおりかもしれないね。

 これが、周囲に何も目印になるようなものがない洋上とかだったら、場所を特定するのにもっと苦労したかもしれない。
 ここに出たのが偶然か、はたまた何か理由があってここにつながったのかはわからないけど……まずは置いとこう。今考えても仕方ない。

 それよりも、これから先のことだ。

 場所が分かったなら早い。僕達が行く予定をしていた、『グラドエル』という土地に向かおう。
 ここが『ヒュースダルト環礁』なら、『フロギュリア連邦』のほぼ再北端地域の洋上だから……ネスティア王国の南端付近である『グラドエル』までは……これも遠いな。ほぼ大陸横断だ。

 ま、飛んでいけばそれほど時間もかかりはしないけど。

 むしろ……大変なのは着いてからだ。

 ここは、170年以上前という、同じ世界であり、かつ全く別な世界だ。これまでの常識はほとんど通用しないだろう。文明、地理、国家システム……何がどう違うかもわからない。
 それこそ、現代日本から異世界転生した直後くらいのつもりで、周囲の状況を0から調べるところから始めないといけないはず。

 そしてそれでいて……タイムパラドックス防止のために、僕らは決して目立ってはいけない。

 とりあえず感覚で動いて、騒ぎになったらなったで殴って何とかして、最終的に丸く収まればそれでよし、的な……無茶や無謀を腕力で押し通すやり方は通用しないのだ。

「無茶無謀をやってる自覚は一応あったのね」

「そりゃね」

「……まあ、自覚しといてやってたのかコラ、ってちょっと言いたくなったけど、そんな場合じゃないしそもそも今更だからやめとくわ」

 ありがとエルク。
 よき理解者(諦めてるだけとか言うな)たる嫁に感謝しつつ、それじゃ今後の活動を具体的に確認しようか。

「今言った通り、まず目的地は『グラドエル』だけど……ここに何かがあるとは思うんだけど、いきなりそこに乗り込んで調べるってのはありだと思う?」

「反対です、ミナトさん。『何かある』のは確実でも、『何がある』のかわからない状態でいきなり乗り込むべきではありません」

「そこにバイラスやその手の者達がいるなら、どういうつもりにしろ、何かしら罠を用意して待ち構えている可能性が高いし、そもそもそこで暴れる、ないし何かするだけで全てが解決する保証はないわ」

 ナナとクロエの元軍人コンビから反対意見。
 続けて、同じく元軍人であるセレナ義姉さんも同意見のようだ。

「まずはその周辺の、ごく普通の町か何かに仮設の拠点を作って、その『グラドエル』という場所自体について情報を集めるべきね。時間をかけて調査を進めて、そこで『何をすればいいのか』を事前に決めておくべきよ。ミスの許されない作戦行動であるならなおさらね」

 ま、それはそうだな。

 僕らはまだこの時代に来たばかりで、その『グラドエル』に関する知識はほぼ皆無だ。
 元の時代(歴史改変後)のギルドでも、そこまで詳細な情報は得られなかったしな。

 『グラドエル』という都市が、一体どういう場所なのか。どんな規模で、そこには何があって、誰がいて、何に注意すべきで……etc。
 そういった情報がまだ何もないんだ、いきなり見つけて乗り込むなんてことはできるはずもない。

「一応ギルドの資料では、王国南部地域の開拓とか防衛のための、開拓村みたいな位置づけの都市だったっぽい。けど色々なプロジェクトに失敗して機能不全に陥った挙句、周囲の魔物の生息圏に押しつぶされて人間側が追い出される形で放棄されたんだって」

「失敗した開拓村か……まああのへん、かなりヤバい魔物たちの巣窟だものね。いくつかは『樹海』になってから発生したものだとしても、AとかAAとか普通にいたし……」

「開拓村の痕跡も、100年以上の時の流れの中で風化して、あの『樹海』になったんですかね?」

「その辺も含めて調べつつ考えることにしよう。義姉さん達の言う通り、ネスティアの適当な都市に拠点を置いて、必要な情報を調べるところからスタートで。その拠点をどこにしようか、って話だけど……170年も違えば都市の状況とか配置もそりゃ違うだろうし……」

「実際に行って調べてみるしかないかしら? ああでも、主要な都市ならこの時代でも変わらず存在してるんじゃない? ウォルカとかさ」

「無難にそのへんを選んだほうがいいかもね。あそこなら元々人も多いから、余所者が入り込んでも目立たないし、そもそも誰も気にしないだろう」

「ですね。冒険者ギルドの総本部がある町ですから、むしろ余所者がじゃんじゃん来るでしょうし……でも、私達は冒険者ギルドに関わるわけにはいきませんけどね」

「(こくり)タイムパラドックス防止のため」

「同じ理由で、他の身分証の類の取得も基本的にはやめておくべきね……偽名で登録するにしても、どこにどんなふうに痕跡が残っちゃうかわからないし。正体不明の根無し草、か……怪しまれないようにしないとね」

「身分証も作らず、かつ怪しまれず、目立たず、かつどうにかして必要な情報を調べないといけない、か……めっちゃ難易度高いんじゃない? 大丈夫コレ?」

 ないないづくしの状況を確認して『うわー…』って感じになったシェリーさんがこぼす。
 確かに……やっちゃいけないことだらけですごく難しそうだ。

 そんな本職のスパイか何かでもなければ無理そうな芸当、できる自信ないなあ……。
 元の時代でさえ、普通に過ごしていてもなおツッコミどころ満載だって常々言われてんのに。

「だから自覚してんならちょっとは改善しなさいってのにもー……」

「まあまあエルクちゃん、落ち着いて。ミナト君だし仕方ないって。まあでもミナト君、その辺は僕に任せといてよ。そういうの、大得意だからさ」

 と、頼もしいことを言ってくれるザリー。
 元々冒険者兼情報屋であるザリーなら、他者の目に注意しつつ必要な情報を集めるのも特異だろうね。正直、最初からあてにしてたというか、頼らせてもらうつもりだった。

「でしたら私も力になれるかと思います、ミナト殿。ザリー殿と違い、人から情報を集めるのは得意とは言えませんが……あちこち嗅ぎまわって調べて探すのは得意です」

 と、同じくサクヤも言ってくれる。
 こっちは同じスパイ的なアレでも、忍者ないしくのいち的な意味で、忍び込んで調べてくれることに関して頼れる。ほぼ無音で動ける上に暗闇でも問題なく見えるし、僕が作ったアイテムでさらにその隠密能力を強化できるからね。

 調査段階では、この2人に存分に活躍してもらうことになるだろう。
 率直に言って。うちにはそういう草の根的な調査、下調べが不得意な面々が多いからさ。

 調査の主力は、今言った通りこの2人と……次点で、軍人としてそういうのの経験がありそうな、ナナやクロエ、義姉さんになるかな。
 あとは、冒険者としてなら僕やエルクとかもある程度はできるかもだけど……正直、先に述べた面々に比べると、全然そういう技量は足りていないし……効率考えると任せた方がいいんだよね。

「じゃあまずは、皆で『ウォルカ』に行って、適当に宿なり借家なりをとって拠点にしよう。そこからザリーとサクヤにはそれぞれ、『グラドエル』について……」

「提案。その前に、この世界、ないし時代の現在の情勢とかについて先に把握しておいた方がいいと思う。そこから見えてくることもあるはずだし、前提となる知識は揃えておくに越したことはない」

「ネリドラに賛成。まずは、おのぼりさんになったつもりでというか……冒険者としての初心を思い出して、『常識』を調べて把握するところから始めましょ。そのくらい慎重になるにこしたことはないと思うわ」

「……そうだね、ありがと。ネリドラ、エルク。じゃあちょっと訂正して……そうだな、ザリーとサクヤに指揮をとってもらって、それぞれできる方法、できる分野でこの時代そのものの情報を集めて揃えて行こう。ひとまず何を揃えておけばいいかな?」

「社会のシステムなんかは多分、そこまで大きくは変わっていないと思うから……技術水準、国際情勢、それと冒険者ギルドに関すること……かしらね。指揮はそこの2人にって言ってたばかりだけど、一応私から提案いい?」

 と、元・高級軍人としてのリーダーシップを発揮するときの真剣な表情になっている義姉さんが言ってきたので、全員で頷く。
 そうか、調査に関するノウハウそのものは2人がトップだけど、行動方針とかを決めたりするのが一番得意なのは、セレナ義姉さんだな。何せ、元王国軍の中将だし。

 それに頷き返して、『じゃあ……』と、てきぱき指示を出していく義姉さん。

 まず、国際情勢とかに関しては、ザリー、ナナ、クロエが担当。
 この時代にある国の種類や数、およびそれらの情勢について。もちろん全部把握するのは難しいしその必要もないから、『6大国』やその周辺の主な要注意国程度のそれでいい。

 技術水準に関しての調査は、僕、エルク、ミュウ。
 といっても、専門書とか見たり買いあさるわけじゃなく、適当にその辺の店で買い物して『どんなものが普通に使われてるレベルのそれか』というあたりを。

 ネリドラは留守番。少々口下手で、そういうのが得意とは言えないから。
 リュドネラに人格交代すればその限りじゃないが、そこまでして出てもらわなくてもいいし……クロエが外に出る以上は、この船を僕や彼女に次いで把握している彼女にはここにいてほしい。

 また、シェリー、セレナ義姉さん、そしてサクヤも留守番。
 万が一に備えての護衛ないし船番って意味もあるけど、それ以上に、種族が人間じゃないから、僕らよりも目立ってしまう。身分証を取るつもりがないのに目立ちすぎるのはよくない。

 エルフ耳に色黒肌でダークエルフ感全開のシェリー(実際は上位種のネガエルフだけど)に加えて、ハーフエルフの義姉さんも、見る人が見ればわかってしまうそうだ。
 サクヤはこの点言うまでもないな。何せ腕が6本もある上に、肌が薄紫色だ。言っちゃ悪いけど亜人だとしても異形だし……そもそも亜人って言うか『妖怪』だ。

 あと、アルバとゼットも悪いけど留守番ね。目立つから。
 アルバは、一応ただの鳥とかペットで通せそうではあるけど、これも見る人が見ればわかっちゃいそうな感じなんだよな……仮にもランク『測定不能』だから。

「そんな感じで調査に入るけど……当然だけど、町に入って調査初めて見ないことには、実際今が何年前か……狙い通り175年前に来れてるかも、今の時点じゃわかってないわ。エルクちゃんが言ってたとおり、何もわからないお上りさんになったつもりで、本当に0から知識・情報を揃えるつもりで臨むこと。特にミナト、あんた割といろいろうっかりしてて詰めが甘かったりするから」

「……うん、まあ、自覚はあるから反論はしないよ」

「わかってんならよし。エルクちゃん、ミュウちゃん、上手いこと手綱取ってちょうだい」

「わかってます。今回に限らず、初めて行く場所とか、こいつが好きそうな場所とかに行った時には、とりあえずこいつは大きな子供だと思って扱ってますんで。普段から」

「結構。ミナト、あんた理解あるいい嫁さんもらったわね」

「…………」

 よし、話を進めよう(無理して前を向く)。
 というか、方針も決まったし、話というかもうそろそろ船を進めようか、その目的地に向けて。

 さっきから投影しっぱなしのホログラムの地図画像を操作し、目的地を表示する。
 示すのは、今話した滞在場所にするための『ウォルカ』と……そこに近い海浜地域だ。それも、あたりに漁村とかがないような場所。

「じゃ、今義姉さんが示してくれた通りに動くことにする。まず、この船はこのへんの海底に沈めて隠しておこう。改良した転移システムを使えば、このくらいの距離ならいつでも転移して戻れるから」

「隠蔽しておくなら、ミュウちゃんに頼んで『召喚解除』で異空間に戻してもらえば完璧だけど、いざって時にすぐ移動できないのはつらいからね。出現させたまま、適当な場所に隠しておくのは賛成。この船の強度や密閉性なら、海底に置いといても問題ないか」

「その上で水中対応のステルス機能をつけておけば万全。魔物はもちろん、魚人とかがうっかり近寄ってきて見つけられちゃうのも防げる」

「そしてその後、転移して外に……あー、一応最初は小型潜水艇使って直接外に出ようか。転移先に何かあってトラブルになるとかは避けたいし、まずは1回はアナログで移動しよう」

 そしてその後、陸路でウォルカに移動。
 ここでも目立つのはいけないから、いつもみたいに超音速バイクとか人工モンスターに乗って飛ばすのはNG。

 でも徒歩とか普通の馬車とかじゃ時間かかりすぎてだるいから……普通の馬車に見えるように細工した人工モンスター牽引のハイテク馬車で行くか。
 
 ……あっ、エルクが僕を見る目が『調子乗りすぎ要警戒モード』になりつつある。自重、自重……否常識を出さないようにしろ、僕。

 その後ウォルカに入るわけだが……入る時に何の集団だって聞かれたらどう答えよう?
 普通に旅人とかでいいかな? あるいは、流れの傭兵とか……変に凝った設定作って矛盾とか出て来てもよくないから、シンプルに旅人でいいか。

 調査担当の面々は皆、普通の人間にしか見えない見た目だから、同じ村とか出身で一緒に都会に初めて来ましたー、的な感じで押し通そう。それこそ、お上りさんだから何もわかりません的な感じで行けば、『しょうがないなこの田舎者共』的に見られて、呆れつつ見逃されるかも。

 で、適当に宿か借家を取ったら、普段はそこに寝泊まりして……必要に応じて『オルトヘイム号』に転移で帰って報告しあったり、物資の補給をしたり、だな。
 一応、食べ物然り資金しかり、最初に多めに持っておいて…………あ。

「そうだ、お金。未来から持ってきたものをそのまま使うのはまずい……よね」

「それは確かにそうね……今の時代と未来とで同じものが使われてるとは限らないわ。見た目が同じでも、金属含有量とか細かな違いが見つかって問題になる可能性もあるし……使われている技術自体が違えばそれもトラブルのもとになるかも」

「なら、適当な貴金属とかを買取店で売ってお金に変える形で、現地のお金を入手するのが確実だろうね……その方が『お上りさん』っぽいし。でも、売れそうな貴金属とかあったかな?」

「あ、じゃあそれは僕が作っとくよ。人工宝石でも何でも、お金にできそうなやつを」

 貴金属を自作するという点については、世間一般から見たら十分非常識かもしれないが、数々の僕の『否常識』になれた皆からしたら、全然まだまだ大人しい、スルーできる範囲である。もっとヤバいもの色々作ってるしね。

 そういえば、貴金属の自作で思い出したけど、オリビアちゃんの誕生日のプレゼントに、領内に鉱脈か何か作ってプレゼントしようとしたことがあったけど、国際情勢が動きかねないからやめろボケ、ってエルクと義姉さんに蹴飛ばされて怒られたことあったなあ、なんか思い出した。

 まあ、今は関係ないことだからさっさと忘れてと。

 その他細々と『お上りさんのふりして調査作戦』についての具体的な方向性を決めた上で……僕らは一路、この時代の『ネスティア王国』へ向けて舵を切り、動き出した。

 上手いこと溶け込んで、怪しまれないように……それでいて確実に、この時代で起こっている『異常』を取り除かないと。

 そして、母さん達を助けないと。

 ……というか、『ウォルカ』に行くんだから、もしかしたら……今この時代にいるはずの母さん達にも当然会う機会があるかもしれないんだよな。
 いや、彼女達の身に降りかかろうとしてる何かを取り除くために動くのなら、当然その過程で、母さん達に会うというか、何らかの形で接触することになる可能性の方が高いだろう。

 ……その時僕は、上手いこと他人のフリをできるだろうか。

 それとも……



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