魔拳のデイドリーマー

osho

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第22章 双黒の魔拳

第508話 国境侵犯

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 それは、一言で言ってしまうなら……どちらにとっても予想外の遭遇戦だった。



 チラノース帝国の正規軍、その一個大隊が、辺境に住むとある集落を掃討していた。
 召喚した『龍』を引き連れ、自分達に従わない者達に対する見せしめとして。

 しかし、事前に襲撃を察知したその集落の民たちは、軍の者達が来る前に逃げ出した。兵達が来るのとは逆方向……南へと。

 それを追ってチラノースの兵士達は、龍と共に南進し、時に龍に銘じて食い殺させ、時に自分達の手で無力な民を斬り捨てて、少しずつ逃げる民達を始末していった。

 周囲を木々に囲まれた山林ゆえに、見通しが悪く、少しずつしか見つけられず、殺せないのか……あるいは、わざと少しずつ殺して恐怖をあおっているのかは、わからない。

 わからないが……兵士達の顔に浮かんでいる嗜虐的な笑みや、その口から吐き出される低俗極まりない言葉の数々から察する限りは……彼らの所業は、ただ単に軍務を遂行しているだけというものではないのは明らかだった。
 完全に、この状況を楽しんでいる。抗するすべを持たない民たちを、まるで狩りでもするかのように、その命を摘み取っていっていた。

 そして、必死で逃げる民たちも、それを笑い名が追う兵士達も……どちらも、夢中で気づかなかった。
 自分達が、既に国境を越え……ネスティア王国の領土内に入ってしまっていることに。

 そもそもの話ではあるが、もともとネスティア王国とチラノース帝国の国境は、深い森や険しい山地、そして何より『暗黒山脈』や『常世の谷』といった危険区域がある地域を走っているため、国境線があまり明確になっていない。

 チラノースはそれをいいことに、過去、それらの地形を含めた範囲が自国の領土であると主張し、実効支配しようとして兵を出したことがあるが、あえなく壊滅、あるいは自滅して逃げ帰ったという間抜けな歴史があったりする。

 それ以降は、おおよそ半分のラインでその区域を二分し、『暗黒山脈』や『常世の谷』といった区域についてはネスティア王国の領土、それ以北の比較的マシな土地についてはチラノースの領土、といった線引きになっている。

 そのラインを超えてしまったチラノースの軍は、国境周辺の警戒に当たっていたネスティア王国の部隊……スウラが率いるそれらと遭遇してしまった。



「間違いありません、チラノースの正規軍です! それも、400~500人はいる……大隊規模!」

「嘘だろおい……ここはまだネスティア王国の領内だぞ!? あいつら、武装して国境を超えるなんて……戦争でもしに来たのかよ!?」

「周辺警戒に当たらせていた分隊より報告! チラノースから逃亡してきた、避難民と思しき人間数名を保護したとのこと! ……ひょっとして、その人達を追って……?」

「……例の見せしめ行脚か。拡声魔法で退去勧告を行え! こちらから手は出すなよ!」

 スウラの指示に従って対応する部下たち。
 ここはネスティア王国の領内であり、お前達は国境を侵犯している。即刻退去すれば、この場で拘束・連行といった手段に出ることはない旨を告げた。

「避難民の追討に夢中になって国境を超えたのか……仕事熱心なことですね」

「全くいい迷惑だ……時に大隊長、『こちらから手は出すな』ってことは、あっちが手を出して来たら反撃するんですかい?」

「縁起でもないことを言うな。こんな場所で遭遇戦になどなってたまるか。この場はこのまま解散するだろう……その後、外交ルートから……」

「た、大変です! チラノース軍、警告を無視して前進! 仕掛けてきます!」

「っ……何だと!?」

 驚愕するスウラが目をやると、確かに、まだ距離があるが……チラノース軍は、退去するどころかこちらに向かってきている。
 先程命令を出した部下が、何度も呼びかけているが、止まる気配はない。

(こんな場所で戦闘など……そのまま開戦理由になってもおかしくないほどの暴挙だぞ!? まさか、我々をここで殺して口を封じればいいとでも考えたのか……!?)

「どこまでバカの集まりなんだあの国はっ……!」

「言ってる場合じゃないですよ隊長! こっちは2個中隊、しかも分散しちまってる! このまま当たったらひとたまりもないですって!」

「わかっている! 分散している各分隊にも伝令を出せ! 全速南転、領内深くに逃げ込む! 向こうの矢や魔法の射程圏内に入る前に……」


 ―――ギャオオォォオオッ!!


「……っ!?」

 その直後、チラノース軍の向こう側に……翼を羽ばたかせて、大きな影がこちらに飛んでいるのを……スウラを含めた、隊員達全員が目にしていた。
 こちらへ向かって駆けてくるチラノース軍よりも、はるかに早く接近してくる……矢よりも魔法よりも恐ろしい存在……『龍』の姿を。

「総員、退けェ――――!!」


 ☆☆☆


 その数時間後、スウラ達は森の中奥深くに逃げ込み、どうにか龍とチラノース軍の両方を撤くことに成功していた。
 自然にできたものであろう洞穴に逃げ込み、休息をとっている。

「……何人やられた?」

「11人……逃げる途中でかなりはぐれましたから、もっと増えるかもしれません。くそっ……」

 スウラの問いに答えた兵士は、絞り出すようにそう言って……悔しそうに歯を食いしばる。

「気を抜くなよ。連中、まだ俺達を探してるみたいだからな……龍も、まだ残ってる」

「隊長が龍を1匹仕留めてくれなかったら、もっとやられてましたね……それに、あのバリアも」

 別な隊員がそう言うのを耳にして、スウラはふいに、自分の左手を見る。
 いつでもすぐに動けるように、武器である弓を握ったままだ。その弓は、ミナトから贈られた特注品であり……魔力の矢の威力を増大させ、負荷を軽減する効果がある。

 また、同じく左手の人差し指には、ミナトにもらった『指輪』があった。親しい友人や仲間のみに贈っている、様々な機能を内包しているマジックアイテムだ。
 その機能の1つである、魔力のブースト、及び障壁発生装置により、スウラは吹き付けられたドラゴンのブレスを一時的に防いで仲間達を守り、渾身の魔力を込めて放った一撃で、空を飛ぶ龍の1体の脳天を撃ち抜き、見事落としてみせた。

 それにより活路が開かれ、どうにか隊員達の大半が逃げ伸びることに成功していた。

 しかし、先に1人の隊員が言ったとおり、全員とはいかなかった。

 あまりにも唐突に、何人もの戦友を失うことになった。常日頃から覚悟を持って軍服にそでを通している身であっても、スウラを含め、一同の面持ちは沈痛なものだった。

 しかし、今はまだ嘆いている時ではない。危機はまだ、去っていないのだから。

 そのこともまた、もちろん全員が理解していた。

「……このまま隠れていたら、連中、諦めて戻りますかね?」

「兵糧が乏しくなったり、天候でも崩れれば望みはあるだろうが……それに期待はできんな。一カ所にとどまっていては、見つかるのは時間の問題だと思うべきだろう」

「ですが、この人数で動いたら、それこそ見つかるんじゃ……」

 未だに100人近い人数がまとまって動いているスウラ達。このまま外に出れば、大人数での移動は見つかりやすい。
 森に紛れて兵士たちの目を欺くことはできても、龍の目をごまかすのは絶望的だ。

 空を飛ぶ龍は、いや、龍に限らず、鳥型の魔物や、その他にも空を飛ぶ魔物は、総じて目がいい種族が多い。高高度を飛びながら、地上の獲物を探して見つける能力を有している。
 時に森の中の小動物すら見つけ出すその視力を、この人数の、しかも人間が欺けるとはとても思えない。

 かといって、このまま一カ所にとどまり続ければ、それこそ間違いなく見つかってしまう。
 この人数が、しかも怪我人を抱えて大きく移動できていないであろうことは、チラノース軍も承知しているはずだ。

 そうして見つかって捕まりでもすれば……恐らく、その場で殺されるだろう。
 そうでなくとも、拘束され、捕虜としてチラノースに連行――ここがまだネスティア王国の領内であることを鑑みれば、『拉致』だろうか――されるかもしれない。それでも、ろくな扱いはまっていないだろう。

 自分のような女性兵であれば、別な地獄が待っている可能性も高い、とスウラはさらに考える。
 これまでの経験則からして、あの国の兵士に捕虜の尊厳などを考える神経は通っていない。むしろほとんど行動パターンが山賊同然であることを考えれば……覚悟はしておくべきかもしれない。

(やれやれ、冗談で言ったことが現実になってしまうかもしれんな……もしそうなったら、ミナト殿は本当にあの国を消し飛ばすんだろうか? ……やりそうだな)

 『指輪』を見ながら、微妙な笑みを浮かべるスウラ。
 その様子を横から見ていた1人の兵士が、ふと気づいたように言った。あるいは、暗い空気をどうにか払しょくしようと、咄嗟に振った話題だったのかもしれない。

「そういえば隊長、その指輪と弓……確か、『黒獅子』殿からいただいたものでしたよね」

「ん? ああ、そうだ。よく知ってるな、前に話したことがあったか?」

「ええ、以前、着任祝いの飲み会で」

「てか、『黒獅子』って何?」

「ミナトさんの元の呼び名だよ。今だと……『災王』の方が通ってるけどな」

「ミナトさんって……ミナト・キャドリーユ!? え、SSランクの!? え、お前ら知り合いなの!?」

 余談だが、スウラの率いる兵士の中には、彼女が『ウォルカ』の警備隊屯所の所属だった頃からの付き合いの兵士も何人か含まれている。

 彼らの多くは、『真紅の森』の一件で、その頃からミナトとも知り合いであることから、より早くについた呼び名である『黒獅子』の方がむしろ長く使って馴れ親しんでいた。そのため、今でも時折その呼び名が出てきてしまう。
 Sランクになって以降、新たについた呼び名である『災王』は、どちらかというとまだなじみが薄い。

「いっそ、ミナトさんに助けに来てもらうとかどうです、隊長? その指輪にそんな感じの機能とかついてないんですかね?」

 本気で言ったわけではないだろう。冗談めかして部下が言ったその言葉に、スウラもははっ、と笑って、

「あったらよかったんだがな。近距離で念話を使える機能ならあったが……流石にここから『カオスガーデン』までは届かんだろう。自力で何とかするしかない、ということだ」

「……隊長、霧が出てきました。これを利用すれば、上手く逃げられるかも」

 部下の言葉通り、洞窟の外を見ると、徐々に濃い霧ができ始めていた。
 これはスウラ達にとって好都合だ。この霧に上手く紛れられれば、上空からも発見されにくくなり、逃走成功の確率が高まる。

(しかし、こんな時間に霧とは……助かるが、珍しいな……まさか、これも?)

 ふと、スウラは『指輪』を見るが……これと一緒に渡された『説明書』には、そんな機能が搭載されているとは書いていなかったはずだと思い直す。
 最近『あっぷでーと』とか何とか言って、さらに強力な機能を持たせて更新した、と言われ、その時に新たに貰ったマニュアルにもなかったはずだ。

「まさかな。もしそんな機能があったら、事前にきちんと聞かせてくれているだろうし……いやそもそも天候操作など、流石にミナト殿でも……」

「あり、あった方がよかった?」

「「「……!?」」」

 突然響いた声に、その場に……洞窟の中にいた全員が驚いて身構えた。

 その反応は、大きく2つに分かれる。ただ驚いて、今聞こえた声が気のせいではないか……あるいは、自分の耳が正常か疑っている者と、何者かが突然現れたことを悟って警戒し、武器を取っている者だ。

 もっと言えば、前者はスウラと、その部下の中でも古参の者。後者はそうでない者達であり……両者の間にあるのは、ミナトのことを知っているか知らないかという違いである。
 『何であの人の声が!?』という驚きと、『何者だ!?』という驚きの差である。

 そして、その声が聞こえたのは、気のせいでも何でもない。

 霧の奥から、その声の主が姿を現して……しかしさすがに、スウラ達もこのタイミングでの彼の登場には、目を疑わずにはいられなかった。

「ミナト、殿?」

「間に合ったみたいでよかったよ、スウラさん。さ、行こ。ああもちろん、部下の人達も一緒に」


 ☆☆☆


 僕が親しい人に配っている『指輪』には、少し前にグレートアップした時から、各種機能を遠隔でアップデートできる機能が搭載されている。
 今時のスマホやゲームみたいに、ネット回線で受診できるデータを受信して、データもとい魔法の術式その他を改良したり修正したりできるようになっている。

 スウラさんの指輪ももちろんそうなっているんだが、直接スウラさんが関わる機能ってわけでもないので、教えてなかった。

 それを使って、スウラさんの指輪に搭載されてる『アラート』の機能……つまりは、緊急時の救難信号の機能のアップデートを最近してたんだよね。

 『アラート』は元々指輪に搭載してあった機能だ。スウラさんのだけでなく、全ての指輪に搭載されている。
 『念話』と同じように、ある程度近い距離でしか使えなかった。その範囲内であれば、何かあった時、僕や他の『指輪』所持者に連絡が来て、その指輪の所持者に何かあったことがわかる。

 僕は今回のアップデートで、大幅にこの機能を改良し、大陸全体を覆う円の半径くらいにまで『アラート』の有効範囲を伸ばすことに成功した。
 簡単に言えば、例えば僕が『キャッツコロニー』の拠点にいれば……拠点はほぼ大陸の真ん中くらいにあるので、大陸中のどこからでも『アラート』を受信できるわけだ。

 なお、流石に詳細な音声をやり取りする『念話』はそこまでの改良は進んでない。
 けど、大陸各地にいくつか基地局みたいなのを設置すれば、割と行けそうな気がしている。

 ま、その辺はともかくとして……僕はついさっき、スウラさんの指輪が発した『アラート』を受信して、大急ぎでここに飛んできたわけだ。

 そして、洞窟に隠れてるっぽいことや、ここ以外にも何カ所かに、スウラさんの部下であろうネスティア王国の軍人達が隠れているのを把握した。

 全員まとめて隠して助けるため、人工モンスター『CPUM』の1つ、牡羊座の『アリエス』で霧を出した。
 ただの霧じゃない。視界はもちろん、魔力による探知その他も遮るジャミング効果のある霧だ。

 これで、地上からも上空からも見つかる心配はほぼなくなった。後は、彼女達を逃がすだけ。

 もう1匹、『CPUM』……うお座の『ピスケス』を召喚。
 クジラみたいな巨大な魚の形をしているこいつは、通常は大量の水を体にまとっていて、体の仲間でそれに満たされている。

 それの設定をちょっと弄り、体の中は空洞にする。
 そして、ここにスウラさん達に入ってもらい……全員体の中に収めたら、出発。霧の中を泳ぐように動き、あちこちに散らばっているスウラさんの部下達を全部回収する。

 リアロストピアでも似たようなことやったな。あの時は、処刑されそうになってる村人たちを助けるために、だったか。

 こんな感じで、全員の救助が完了。そのまま霧に紛れてエリアを脱出しましたとさ。



 ……さて、脱出できたはいいけど……とうとうやってくれやがったな、チラノースの連中。

 僕の友人に手を出したのはもちろんだけど……他国の領土内に無断で侵入した挙句、こんな風に喧嘩売ってきて……死者まで出たって聞いた。痛ましい……。

 もう遠慮しないからな……ちょうど、修行もいい感じだし、新兵器もできたし、新技もできたし……まあ、その他諸々できたり、めどが立ったわけである。
 ……火力実験その他には、ちょうどいいタイミングだ。

 かつて、母さんに教えてもらった、『キャドリーユ家』伝統の、対理不尽の考え方指標。そのまま実行に移させてもらおうじゃないか。

 覚悟しろよ、あの問題児国家。
 何べん痛い目にあってもわからないなら……わからなくてもいいようにしてやるからな。



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