魔拳のデイドリーマー

osho

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第21章 世界を壊す秘宝

第485話 非情な要請

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「……そんな……モニカが?」

 静かな部屋の中に、愕然とした様子のクロエの声が響いた。

 場所をオルトヘイム号の船室に移し、僕らはメガーヌからの報告を、改めて全員で聞いていた。

 ある任務のために、この国にメガーヌ達『タランテラ』が潜入していたこと。
 しかし、その活動中に、クロエの妹であるモニカちゃんが捕まったこと。
 他の隊員達の情報はまだ露見していないと思われるが、万一を考えて一時撤退・潜伏すること。

 そして、それらの報告と共に……僕らに対して、自分達の行動に一切関わらないように、と念を押すように伝えてきた。

 それを聞いて、眉間にしわを寄せ、表情を険しくしたエルクが聞き返す。

「……それってつまり、あのモニカって子を見捨てるってこと?」

「そう受け取っていただいて差し支えありません」

 全く表情を動かさずに言うメガーヌ。
 彼女の言葉に対する、僕らの反応は……大きく分けで3つに分かれている。

 1つ目。メガーヌの……というより、『タランテラ』の決定した、見捨てるという判断に対して、責めるような視線を送っている者。エルクやシェリー、ネリドラがこれにあたる。

 2つ目。その判断を聞いて、よくは思っていないようだけど、かといって責めることはなく……一定の理解を示すような態度の者。ナナや義姉さん、それにザリーとかがここだな。

 そして3つ目。特に態度を変えない者。師匠とかがここ。
 興味ないからなのか、続きが話されるのを待ってるからなのかはわからんけども。

 そんな三者……じゃないけど三様の視線を浴びながらも、やっぱりメガーヌは態度を変えないし、前言を撤回することもしない。

「非情だと思われるかもしれませんが……我々の、特殊部隊員の立場とはそういうものです。作戦の完遂を絶対の目的とし、その為ならばあらゆる犠牲をいとわない……もちろん、その中には自分や仲間の命も含まれます。モニカ1人のために、作戦が失敗する危険を冒すことはできません」

 そう、言い切った。
 
 ……多分、こう言うとわかっていたから……いや、『特殊部隊』ってのはこういうものだと、必要なことなんだとよく理解していたから、義姉さん達は静かなんだろうな。

「それにしたって……何も、クロエの前でそんなこと言わなくても」

「それは確かに……わざわざ姉の前で、妹を見捨てます宣言なんて……ちょっと配慮不足じゃない?」

「……いいえ、むしろクロエ殿にこそ言わなければならなかったのです」

 エルクとシェリーの反論に、メガーヌはそう返した。どういう意味だろう?

「今申し上げた通り、モニカ1人のために戦力を動かすことはできません。今後の作戦の成否を左右しかねませんので。そしてそれは何も、単純な武力という意味ではなく……相手方にこちらの存在が露見し、求めている情報を隠されてしまうことを危惧してのことでもあります」

「つまり……そういう意味で釘を刺しにきたわけですね? 私達全員に対して……モニカさんの救出に動かないように、と」

「はい、その通りです。すでにミナト殿はこのことについて知っていますし……かつて助けてもらった身で言うのもなんですが、あなた方は情に厚い。しかしだからこそ、されては困る情の使い方があり……今回はそれに当たります」

 確かに、メガーヌにはあの場で、僕に何も話さずに、マリーベルにだけ情報を伝える、という選択肢もあったはずだ。しかし、そうしなかった。

 僕らに『関わらないでください』とだけ言って放置しておいて、後から予想外の事態になる可能性を危惧し……あらかじめそれを潰しておくためだ。
 実際僕らの場合、身内(クロエ)の身内(モニカ)がそんなことになってるって、何かの拍子に知った日には……確実に助けようとすると思うし。

 そして、僕らの中で、その要請を出す可能性が一番高いと言っていいのは姉である、クロエだ。今、メガーヌが言った『特にクロエに云々』は、そういう意味だろう。

 それが、自分達の任務の失敗につながることを恐れたメガーヌは、事前にその可能性を潰すため……僕ら全員に『モニカを助けないでください』と説明しに来たわけだ、こうして。

 ふとそっちを見ると……偶然、クロエもちょうど僕の方を見ていたようで、目が合った。
 そのまま、何か言いたそうに口を開きかけるクロエだったが、その前にメガーヌが割り込んでぴしゃりと言う。

「クロエ殿。モニカのことを思っていただくそのお気持ち、彼女の同輩として嬉しく思いますし、肉親が危機に陥っている現状を憂う気持ちもお察しいたします。……ですが、あなたも元とはいえ『特殊部隊』の一員であった身ならば、今はそのお気持ちを飲み込むべき場面であるということがお分かりいただけるはずです」

「それはっ……でも……!」

「非情なことを言っているのは承知で、あえてさらに付け加えさせていただきます。……モニカとて、覚悟を持って『タランテラ』に在籍している身、至上命題をはき違えた形で助けられることは望んでいないでしょう……そして、誰よりもあなたに、そうしてほしくないと思っているはず」

「……っ……!」

「……どうか、二度も彼女に……失望されるようなことをなさらないでください」

 そう、メガーヌが言った瞬間、クロエはうつむいて、押し黙ってしまった。

 ……? と言うか今、メガーヌが気になることを言ってたな?

(二度も、って何だ? その言い方だと、まるで……依然、モニカちゃんがクロエに対して、失望したことがある、っていう風に聞こえたけど……)

 周りの様子を見るに、メガーヌの今の言葉が気になっているのは僕だけじゃなさそうだ。エルクやナナ、他にも何人か、どういう意味か聞きたそうにしている様子になっている。

 けど何かを聞く前に、メガーヌは僕の方に向き直って言った。

「ミナト殿、そういうわけですので……此度に限っては、モニカを……見殺しにしていただきたい」

「……ものすごーく明日のご飯がまずくなりそうなんだけど、それを飲めっての?」

「今、クロエ殿に言ったことの繰り返しになりますが……モニカ自身、恐らくそれは望んでおりません……その代わりではありませんが、彼女の命は、絶対に無駄にはしないと約束いたします」

「…………」

「ですので、どうか……」

「あのさ、メガーヌ……ホントごめん。さっきから、その……いつ言おうか迷ってたんだけど……」

「……言おうか、とは、何を……?」

「その……さ。もう遅い」

「……はい?」

 どういう意味だ、とでも言いたげに、メガーヌが一瞬怪訝な表情になるが……直後に、はっとしたような表情になる。
 どうやら気づいたようだ。この部屋に…………サクヤがいないことに。

 そして、その意味に。


 ―――ガチャ


「失礼します。ミナト様……モニカ殿の救出、完了しました」


 あ、ちょうどサクヤが、モニカちゃんを抱えて戻ってきた。
 お姫様抱っこで。……腕6本あるから楽そうだな。

「「「……はい!?」」」

 そして、一拍遅れて事態を把握したらしい皆が、驚いて声を上げた。



 まあ、何のことはない。僕はあの時点で……メガーヌにそのことを知らされた時点で、僕は動いていた。
 いや、正確に言えば……動いてもらっていたのだ。サクヤに。

 種族が『妖怪・土蜘蛛』であるサクヤの隠密能力は、『邪香猫』でも最高峰のそれである。
 正体を偽ってのそれではなく、ただ単に隠れて潜り込む、という意味の『潜入』なら、彼女以上の適任はいない。

 その技量に加えて、僕が作ったマジックアイテムにより、気配遮断や認識阻害、光学迷彩、その他諸々の感知妨害機能が備われば、その隠密能力は恐ろしいレベルになる。

 で、だ。僕はサクヤにあらかじめ、『モニカちゃん、助けられそうなら助けておいて』と頼んでおいたわけで。

 この船に戻るまでは、サクヤと一緒だった。その後、僕はメガーヌの目の前で『クロエ呼んできて。操舵室にいるから』とサクヤに頼み、そこで分かれた。
 だからメガーヌは、クロエと入れ替わりでサクヤが『操舵室』……という名のコントロールルームにいると思ってたんだろう。船の制御とか見張りのために、人員が必要だからって。

 実際はそのへんオートにできるので、不要であるし……なんなら、リュドネラがシステム内に入ってしまえば、会話に参加しながらそのへんのシステムを動かすこともできる。なので、航行中とか戦闘中とかでもない限り、コントロールルームに必ずしも人がいる必要はないのだ、この船。

 サクヤはクロエを呼んだ後、船のシステムを使って、超高出力の『サテライト』を発動した。

 この船に搭載されている『サテライト機能』は、本来、エルクかアルバ、あるいはその両方と協力して使うことが前提である。
 船の動力炉である『魔法式縮退炉』から供給されるエネルギーによって、出力と、それによる範囲の広さはバカみたいに大きいけど……精度はそれなり以下だ。ごく簡単な探知くらいならできるが、エルク達がやるような詳細な、立体マッピングレベルのことはとてもできない。

 が、逆に言えば『簡単な探知』でいいなら船の機能だけで十分なのである。

 モニカちゃんに関しては、以前、『キャッツコロニー』で保護して手当てした時に、彼女の魔力の性質を記録してある。その魔力が今どこにあるかを検索するくらいなら、可能だった。

 それによってモニカちゃんの居場所は即判明したので、サクヤに現場に急行してもらった。

 もちろん、メガーヌ達の懸念ももっともだから、何よりも気づかれないことを最優先にして……もしそのまま救出が無理そうなら、一旦帰ってきてくれ、と言ってあった。

 けど、こうして無事に帰ってきてるってことは、上手くやれたみたいだ…………

 …………と、思ってたんだけど、それにしちゃ様子が変だな?

 誰にも気づかれずに上手く連れ出したのか、と思ったんだけど……なんか、ボロボロだな、モニカちゃん?
 着ている服は、囚人服みたいな粗末なもの。いや、監禁されてたわけだから、まさに囚人服なんだろう。

 でも……何か、焦げ臭くないか?
 煤で所々汚れてるようにも見えるし……しかもコレ、ついさっき汚れたばっか、って感じだぞ。前から汚れてたとか、そういう感じじゃない。匂いも新しいし。

 ……ひょっとして、奪還する際に交戦でもしたのか?

 しかし、それを聞くよりも前に、弾かれたように椅子から立ち上がったクロエが、『モニカ!』と叫んで、サクヤが担いでいるモニカちゃんに駆け寄った。

 サクヤはそっと彼女を、空いているソファの上に降ろし、あおむけに寝かせる。

「所々傷はありますが、大事には至っていません。拘束されたことによる擦過傷などのようです……幸運と言っていいでしょう。拷問や、強姦された跡などもありませんでした」

「モニカ……よかった……!」

 心の底から安堵した様子のクロエの前で、モニカちゃんは……眠っているのか気を失ってるのか、どっちなのかはわからないが、穏やかに息をして、胸を上下させていた。

 しかし、少し離れたところから、その光景を見ているメガーヌは……苦虫を嚙み潰したような表情になっていた。
 振り返って、僕の方に向けてくる視線……そこに込められているのは、明らかに、仲間が無事だったことに対する安堵でも、仲間を助けてくれたことへの感謝でもない。

「……早まったことをなさいましたね、ミナト殿……こうなってほしくなかったから、事前にあなたがたに話を通すことにしたというのに……」

「……一応、見つからないように動いてもらう前提でだったんだけどね」

「できれば、別な形でお心遣いをいただきたかったですね……それに、今のモニカの様子を見る限り、それは果たせなかったようです。お気づきだとは思いますが、比較的新しい煤や血の匂いが感じ取れました。明らかに戦闘、あるいはそれに準ずる何か物騒な過程を経て救出された証拠です」

 敵に気取られない、気取られたとしても、少しでもわたる情報は少なくする……メガーヌが、いや『タランテラ』が最重要事項としていたそれが破られたわけだから、素直に喜べないどころか、苛立ちを覚えるのも……まあ、わかる。

 サクヤ、失敗しちゃったのかな? あるいは、無理して救出しようとした?
 それはしないように、って事前に言っといたはずだけど……と考えていたら、

「それに関しては、ミナト様から指示を受けていましたので、重々承知しております。ただ、少々想定外の事態が起こりまして……こうするのが最善と判断して、迅速にモニカ殿を回収して避難、ないし撤退してきた次第です」

 と、サクヤが言う。それを聞いて、メガーヌが怪訝そうに、

「想定外の事態……具体的には?」

「率直に申し上げますが……私が到着した時点で、モニカ殿が捕らわれていた屋敷は、何者かによって既に襲撃された後だったのです。既に撤収した後だったのか、犯人らしき者は不明、屋敷には火が放たれていて、モニカ殿は拘束されたまま、火に焼かれて死ぬ一歩手前でした」

「「「…………は!?」」」

 今度は僕も驚いて声が出た。
 え、ちょ……何それ? マジで何があったのサクヤ!? 報告プリーズ!



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