459 / 611
第20章 双月の霊廟
第459話 チャウラ・漁師宿のいつものテンション
しおりを挟むひとまず『コアトータス』の件はギルドに報告した。
いや、そもそも『コアトータス』や、それレベルの魔物が関わってるってこと自体、僕の予想に過ぎないわけだけども……まあ、可能性の1つとして頭の隅っこにでも置いておいてください、とだけ言っておいた。
とりあえず、この先の対応をどうするかについてとか、情報共有その他はギルドに任せるとして、僕らは他の『ダンジョンラッシュ』の場所の調査を継続することに。
なお、『深紅の森・深部』に引き続き……シェリー達が調査を担当した『花の谷・中西部』には、特に何もなかった。
僕らも途中から合流して調べてみたものの、『トロピカルタイラント』がまた出て来たのは……単にネールちゃんの影響で、森が元気になってたから、植物系の魔物が活性化してたっていうだけみたいだ。
そのへんをネールちゃんに調節してもらって……さらに、そこに住んでる『ドライアド』や『アルラウネ』達にそのへんのコツを教えて、対処完了。
その後、『キャッツコロニー』から持ち込んだ木の実やキノコ、山菜なんかを使って、ネールちゃんの里帰り記念パーティをやってみんなで飲み食いして、一通り皆で楽しんだ。
皆、お姉ちゃんとして慕っていたネールちゃんに久しぶりに会えて、美味しいものも食べられて、満足できたようで……よかったよかった。
そこからさらに続いて、山間部の村『トロン』にも行った。
近年発展著しく、奴隷関係のオークション何かが開催されていたここでは……記憶喪失だったナナと出会って、その後色々あって、彼女を『購入』する形で仲間に迎え入れたんだっけ。
そしたらそのナナが、予想外に元騎士団員で、ドレーク兄さんの元部下なんていう経歴が明らかになって……あの時はびっくりしたなあ。
あと、あんまり楽しくない思い出もあったっけ、どこぞの正義バカに絡まれたりとか……
……あいつ、アレ以来音沙汰ないんだよな。いやまあ、別に何か欲しいわけでもないが。
3人パーティだったうちの、2人仲間を失って――全面的に自業自得だけども――自身も片腕を肘から失って、さらにギルドを永久追放になった。あと、ネスティア王国自体も永久追放になってたはずだ。
加えて、僕との戦いで、利き腕である右腕の半ばから消し飛ばされてたはずなので……中々に絶望的な状態で放逐されているわけだな。正直、生き残れてる確率の方が低いと思う。……あいつ、色々とやりたい放題やってて(しかも無自覚に)、方々から恨みとか買ってたはずだし……
ま、アレはもう正直どうでもいい。
で、だ。その『トロン』の、湖の遺跡についてなんだけども……コレはただ単に、今まで見つかってない個所が見つかったってだけで、正直そこまで面白い発見はなかった。
その遺跡の出どころも、古代文明云々とかってもんじゃなかったし。
そんなわけで……『ダンジョンラッシュ』の調査対象になった7カ所のうち、4カ所を調査完了。折り返し地点に来たわけだが……次なる目的地として、僕らが選んだのは……ここだ。
「こんにちはー」
「はいはい、いらっしゃ……あれあれ!? おんやまぁ、ミュウちゃんにシェーンちゃんじゃないかい!? 久しぶりだねえ! 元気してたかい!?」
「何っ、ミュウちゃんにシェーンちゃんだと!?」
「うおっ、マジだ! ははは、ホントに久しぶりだなおい! なんだちょっと背伸びたか?」
「いやいや、皆さんおそろいで……ホントお久しぶりですねえ」
「ご無沙汰しております。ゆえあって、しばしこちらに滞在していくことになりましたので、ご挨拶に……と思いまして」
「はっはっは、固い固い! 知らない仲じゃないんだから普通にしなよ! っていうか今、ここに泊まってくって言ったかい?」
「はい。私が知る限りですけど、『チャウラ』では一番いい宿の1つですからね~」
「あっはっは、こりゃ嬉しいこと言ってくれるねえ! うちじゃSSランクの冒険者様を泊めるにはちと貧相な気もするけど、そういうことなら遠慮せず何泊でもしていっておくれ!」
「というか、あの時のにーちゃんも出世したよなあ……まさか世界最高の冒険者になっちまうとは思ってもなかったぜ、正直」
うーん……わかってはいたがパワフルな人達だ。
漁師に海女さん……体育会系な仕事の人達だけあって、豪快だしぐいぐい来るな、相変わらず。
……まあ、嫌な感じの強引さじゃないけどさ、こういうの。
そんなわけで僕らが訪れた次なる目的地は、沿岸部の町『チャウラ』である。
かつて、ノエル姉さんの依頼で『蒼海鉱石』の採掘のために訪れ、ミュウとシェーンと出会った場所だ。
そして、僕らの移動拠点兼戦略旧兵器でもある『オルトヘイム号』……その原型になった幽霊船に関する騒動があったり、海で最悪の魔物の1つと称される『クラーケン』と戦ったり……ああ、あと……初めてウェスカーと会ったのも、ここでの騒動の時だったな。そしてその後は、王都から僕を呼びに来たアクィラ姉さんとも会って……短い間に、いろんな思い出ができた街だった。
で、そんなこの町に僕らは何をしに来たのかと言えば……当然『ダンジョンラッシュ』の調査に来たのだが……
「ああ、なんか確かにちょっと前まで、いろんな冒険者とか商人とかが来て騒がしくなってたねえ」
「ちょっと前まで、ってことは……もう最近は下火になってきてるとかですか?」
「そうだね。ここんとこはまあ……別に閑散としたってわけじゃないけど、普段通りの客足に戻ってる感じかねえ。海の魔物や、その素材目当てにした冒険者や、リフレッシュのために訪れる冒険者がいるくらいかな。そのなんたらラッシュってのは、多分もう終わってるよ」
あれま、そうなのか。
たしかこの『チャウラ』に現れた未確認領域は……海岸の洞窟、だったかな?
沿岸沿いに歩いたところにある岩場に新たに見つかった洞窟。そこが地震と、潮の満ち引きやら波やらの影響で壁が崩れ、奥へ行く入り口が見つかって。
それに伴って、それまではいなかった魔物が出没するようになったりして、一時期騒ぎになって……それが『ダンジョンラッシュ』の1つに数えられた感じだったはずだ。
けど、その洞窟自体になにか物珍しいものがあったわけでもなく……ギルドにも公式に『ただちょっと広くなっただけ』っていう報告が上がっているだけなんだとか。
「あらまあ……あてが外れちゃいましたかね、ミナトさん?」
「んー……まあ、それならそれで普通に、休暇みたいな感じで楽しむだけでもいいんじゃない? 久々にこの町に来たわけだし……ここで食べる海鮮料理の美味しさは僕もよく知ってるし」
「おっ、嬉しいこと言ってくれるねえ、黒いにーちゃん! なんならまたあの時みたいに、食材取って持ち込んでくれてもいいんだよ? あ、そうだシェーンちゃんもせっかくだからちょっと厨房に復帰しないかい? 最近は言った新人連中に、元料理長の腕って奴を見せてあげとくれよ?」
うーん……押しが強い。
さっき言った通り、嫌な感じじゃないけど……距離近いな、色々な意味で。
僕がSSランクの冒険者だってことを知っててなお、僕の背中をばしばしと叩いてフレンドリーに接してくる。こういう人、身内以外じゃ中々いないから新鮮だな。
うん、何と言うか……これはちょっと我ながら現金だけど、期待に応えたくなってしまう……。
「やり過ぎはだめよ? あの時だってあんた、調子に乗ってぽんぽん変なの持ち込むから、厨房でシェーン達がてんやわんやになってたんだから」
「わかってるって。遅くとも昼過ぎくらいまでにはなるべく持ち込むようにするから。ははは……実はここの漁師宿の料理も、ここ来るのに楽しみだった1つなんだよねー」
ランクSやSSになってからこっち、高級レストランやら何やらの料理も色々と食べて来たけど……やっぱり根っこが庶民的だからかな? B級グルメ的な、肩ひじ張らずにがっつける料理が僕は好きなんだよな、やっぱ。
刺身……はないだろうけど――生食文化は『アルマンド大陸』にはほぼないからな――フライ、炒め物、煮込み料理……うーん、どんな海産物をどんな風に美味しく料理してくれるんだろう、今から楽しみだ。
「しかしそれだと……ここで探索に使う分の時間が丸々余っちゃうんじゃない? どうする?」
「どうする、ってか……うーん……いや、別に探索は探索でやってもいいんじゃない? ギルドには『何もなかった』って報告されてても……何だろホラ、今まで発見できなかったものを僕らが発見できたりするかもしれないし。せっかくだから見るだけ見てこうよ」
その『海岸の洞窟』がどんなところなのかも、ぶっちゃけ気になってたしね。
……根拠もなしに関連付けて考えるのはどうかと思うけど……ここ最近、古代文明だの、異常な植生だの……色々予想外の事実が明らかになるパターンが続いてるからな。
ここにも何かあるんじゃないかってちょっと気になってたりするんだ。……まあ、考え過ぎだろうとは思うけど……うん。何となくね。
もっともそれでも、聞いた感じだと洞窟ってだいぶ小さいらしくて……時間余りそうだ。
まあ、その分はそれこそ……海に出て釣りや素潜り漁でもやって、海産物をゲットする時間に充てれば……うん、それがいいそうしよう。
ところで今回の訪問では……こないだまでとは面子が違っている。
まあ、メンバーにクロエが追加されてるってだけなんだけどね。
こないだは、まず最初に『タランテラ』の皆をネスティアの王都にまで届けるって仕事があって……そこにちょっと行きたくないっていうクロエの申し出があったから、彼女はメンバーから外してたけど、普通に冒険者としての活動なら行けるってんで、今回一緒に来たのだ。
いつも通り、オルトヘイム号の操縦士兼オペレーターとして、ここまで船をしっかり操ってきてもらった。
彼女自身、『チャウラ』は初めてだそうだし、そこで取れる魚を使った新鮮な漁師メシってものにも興味があったそうで、楽しみにしてた。
モニカちゃんに……妹に会って、色々と思う所があって――その中身は聞けてないけど――少し気分が落ち込んでたっぽいところだし、いい気分転換になるかな、と思ってもいた。
……いたんだけど……今ふとクロエの顔を見たら、なぜか物憂げな表情になっていた……気がする。
その視線の先にいるのは……ミュウとシェーン? 2人がどうかしたのかな?
ただ単に、漁師宿のおかみさんや従業員の皆さんに可愛がられてるだけだけど……あ、何か話を聞きつけて来たのか、よその店とか宿からも集まってきてる。増えてる。
2人共、町の名物ないしマスコット的なポジションにいたからかなあ……。
……ま、クロエが何を思ってるのかは分かんないけど、美味しいものを食べれば気分もいくらか晴れるだろう。そのためにも、いい獲物を持って帰らないとな!
港で小舟でも借りて……いや、自前のマジックアイテムの船出すか。浅瀬とか沖合とか、適当に回って釣りと素潜り漁、行ってみよう!
☆☆☆
そして、昼過ぎ。
いやー……楽しかった。思う存分釣ったし獲った。
場所を色々変えながらやってみて、色んな種類の魚が取れたよ。
釣りでは、マジックアイテムの釣り竿(自作)を使ったから、さして待ち時間もなくヒットを繰り返して……タイ、エイ、ヒラメ、アンコウ、カジキ、イカ……いやホント色々取れたな。
なんか深海魚っぽいのまで色々混じってるし……まあ、美味しければいいんだけど。異世界の海、生態が謎なとこあるな……。
素潜りでは、貝やエビ、カニ、タコなんかも手づかみで取ったり、岩場の下に隠れてたウツボなんかを仕留めたり。
まあ、一部はモンスターとかも普通に混じってたけど、食べられるんなら一切問題ないな。
僕以外のメンバーは、船でただ待っていて、釣りとか漁をしてる様子を眺めてたり……自分でも釣りや素潜りに参加したり、思い思いに時間を使っていた。
エルクやミュウ、ネリドラなんかはのんびり眺めてた。時々、取れた魚をかごに入れるのを手伝ってくれたりしつつ。
ナナや義姉さん、ザリーは釣り。船からのんびり釣り糸を垂らして、時に魚との駆け引きを楽しんだりしているようだった。大物が連れると嬉しそうにしてたな。
アルバもそんな感じだったけど、たまに飛び立って海面すれすれに飛び、一瞬で水面下から魚を掻っ攫うという、猛禽類らしいハンティングを見せていたりもした。あいつはあいつで楽しんでるようで結構。
一方、シェリーやシェーン、サクヤやリュドネラは素潜りで直接獲物をゲットしに海の中へ。そして、こちらもマジックアイテムのモリやら何やらで大暴れ。
彼女達には、こちらも僕特性のウェットスーツやら何やらを渡して、水中でもかなり自在に動けるような装備にしてあるので、ホント楽しそうに、海の中を縦横無尽に遊びまわってたな。サクヤなんて6本の腕全部にモリ持ってたし……ノリが少年っぽいところあるよね彼女。
やはりというか、一番元気そうだったのはシェーンだな。
『マーマン』の血を引く彼女からすれば、元々水の中はホームグラウンドだし。ウェットスーツも必要とせず、体に染みついた長年の感覚だけで、誰よりも多く獲物をしとめてみせていた。
もちろん僕も存分に楽しんだ。釣りも素潜りも、両方ね。
そして、クロエも。いい気分転換になったみたいでよかった。
今日は釣りその他はここまでにして、宿に戻って本日の釣果を報告。『またいっぱい釣ってきたねえ』って、驚きつつ感心された。
全部厨房に『使ってください』ってプレゼントしたので、夕食はさぞ豪華になるだろう。シェーンも久々に厨房のヘルプに入るみたいで、漁師宿の総力で作ってくれるようだし。ああ、楽しみ。
……ただ、その時にシェーンが海女さん達に『よろしく頼むよ料理長!』なんて言われてたり、ほほえましく交流しているのを見て……なぜかまたクロエが少し寂しそうに、あるいは悲しそうにしていた……ような気がした。
そしてその雰囲気は、ごくわずかではあるけども……その日の夕食、皆で集まって(それこそ店の人達まで全員一緒になって)わいわい騒ぎながら食べて飲んで楽しんでいた時も……結局その後部屋に戻って寝る時になるまで続いた。僕には、そんな風に見えた。
ホントに『何かそんな風に感じた』ってだけで、あからさまに様子がおかしかったり、落ち込んでたわけじゃないんだけど……やっぱ気になるな……。
何も言ってこないってことは、今いま何かしらの問題が起こってるわけじゃないんだろうけど……
0
お気に入りに追加
8,536
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。


【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。