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第19章 妖怪大戦争と全てを蝕む闇
第437話 『陰』と『陽』
しおりを挟む『龍の腕』を露わにしたカムロと、僕とタマモさんの戦いは、予想以上に長丁場に及んでいた。
龍のパワーと鱗及び肉体の強度を、さらにカムロは術で強化してくる。しかも術やら何やらによる防御も合わせてやってくるもんだから、僕やタマモさんの攻撃がことごとく防がれる。あるいはかわされる。
もっとも、余裕でよけられているわけじゃない。あっちもギリギリって感じで……防御で手一杯だ。こっち側に反撃してくる余裕は全くない。ほんとにギリギリである。
……その、ギリギリでも防げているっていう事実自体が普通じゃないわけでもあるが。
自画自賛になるけど、防御に徹したところで、僕とタマモさんの2人に攻め立てられて、それをさばき切れるっていうのは……相当なもんだろう。
それだけこいつが凄腕だっていうのもあるし、同時に……
――ガギィン!!
タマモさんの攻撃を避けた直後のカムロに、僕の拳が突き刺さる……かと思われた直前、カムロは手刀でそれを弾くようにして防御した。
それでも衝撃は強かったようで、手首を動かしてぷらぷらと振っていたが……
「ふぅー……痛って。けど……さっきより少しだけ軽かったなあ、少年?」
「……あっそ」
そう、イラつく笑みと共に言われたことは……恐らく、強がりや虚勢の類ではない。本当に、僕の拳や……タマモさんの斬撃や術の威力が、僅かずつではあるが下がってきている。
理由はわかり切っている。僕らの体を覆っている、この黒いオーラ……『邪気』だ。
今も現在進行形で、この戦場では人が、妖怪が死に続けている。
その中には、新しく追加された者も含めて『感染者』が少なくない。それらが死ねば、戦場に『邪気』が解放され、他の『感染者』に宿り……そいつは心身を蝕まれるわけだ。その結果、体が動かなくなって殺されることになるか、狂暴化してより周囲の敵を殺すようになるかはわからないが。
で、それが僕らにも起きているわけで……時間がたつほどに、この身にどんどん『邪気』が蓄積して、体が重くなっていく。パフォーマンスは悪くなり、力も速さも最高の状態からは遠く離れた状態になっているわけだ。
言い訳みたいになってるのは承知だが、実際ホントにコレどうにかしたい……けど、だんだん薬も効かなくなってきた……! いや正確には、効いてはいるんだけど、定着してしまってはがせない、と言うべきか……どっちにしろきついな。
早く何とかしないとどんどん状況は悪くなる。それはわかってるんだけど、どうにもな……。
「しっかし、ははは……ホントに怖いなあお前ら。『邪気』使いでもないのに、そんだけ大量の邪気を背負ってそれだけ動ける。さすがは『八妖星』最強と、大陸最強の冒険者だ。ぶっちゃけ、この数分間の戦いで何度死ぬかと思ったか知れねえよ」
「それを容易くしのぎ切っておいてよく言うわね」
「おいおい、こっちは純粋に褒めてんだぜ? お前さん達に言ったことも世辞抜きの本音……いや、事実と言うべきかもな? SSランクの冒険者なのは本当なわけだし……タマモ、お前も実際に……他の『八妖星』の連中より強かった」
「…………何ですって?」
「……ああ、そういや忘れてたな。こいつら出すの」
その言葉に怪訝な表情になるタマモさんと僕の前で、カムロの周囲の空間が歪んでいき……そこから4つ、大小の影が、吐き出されるようにして地面に落ちた。
それを見てだろう……横のタマモさんが息をのむのが聞こえた。
「そんな、どうして……!?」
「タマモさん?」
「……ロクエモンおじ様に……ヨゴウ殿にタロウボウ殿!? 鳳凰おばあ様まで!?」
吐き出され、地面に倒れているのは……巨体の狸と、赤い顔に長鼻という、いかにもな『天狗』、さらにはこないだ会ったばかりの『鎧河童』のヨゴウさんに……黄金の羽毛を持つ、大きな……鳥!?
ひょっとしてこの鳥、鳳凰さんの本当の姿? すごい、鳳凰っぽい……じゃなくて!
え、鳳凰さん、何でこんなところに!? 『リューキュー』を守ってるから出られないはずじゃ……ていうか、どうしてこんなことになってんの!? 鳳凰さんもそうだけど、『八妖星』が4人もいるみたいだけど……いや、しかしこれは、まさか……!
「カムロ、あなたが……!?」
「仕方ないだろ、襲って来たのはこっちの方だぜ? 安心しろ、全員一応生きてる。手加減すんの大変だったけどな、地味に」
「……返り討ちにしたのかよ、『八妖星』4人……まさか、同時に?」
何だかんだで戦う機会はなかったからわからんけど、タマモさんよりは力は下とはいえ、各地方の妖怪達の頂点に立ってる以上、相応に強いはずなのに……やっぱこいつとんでもないな。
全員ボロボロだ。幸いと言っていいのか、欠損レベルのケガがある人はいないようだけど……全員、骨折とか切り傷みたいなのは体中にあるし、術でつけられたと思しき火傷や凍傷?みたいな痕跡まで……完膚なきまでに、って感じだな。
対して、僕らと戦い始めた時のカムロは無傷だった。返り血が多少ついてた程度で……アレは鳳凰さん達と戦った時のものか。
「そりゃまあ、元とはいえ伊達や酔狂で『八妖星』に入ってたわけじゃないしな? 俺もそれなりにやれるってことだ。まあ、そんな俺もお前ら2人を相手に手も足も出ないわけだが」
「……その割には『飽きた』なんて理由で辞めたって聞いてるけど。伊達や酔狂ではないけど、遊びではあったとでも言うつもり?」
「んー、どっちかってーと暇つぶしかね」
僕らが話している間、タマモさんは鳳凰さんの所に駆け寄っていた。
真の姿のまま倒れてるので、助け起こすということはできないものの……治癒系の術か何かを使っている。しかし、やはりというか『邪気』に侵食されており、効きが悪い。
「おばあ様、どうしてこのようなことに……リューキューにいるつもりではなかったのですか!? なぜ、自ら最前線などに……」
「……その、つもりだったんだがね……とても放っておけなくてね。気づいちまったから……この悪ガキの、本当の狙いに……」
「本当の、狙い……!? おばあ様、それは……」
「あー婆さん、もう喋るな、傷口開くぞ? そんなことしなくても、もうじきその目で見れる…………どうやら、準備は終わったようだしな」
「ああ……そうだとも。時間稼ぎご苦労だった、カムロ……!」
そんな声が、カムロの背後から聞こえた。
カムロがその場から、道を開けるように脇にずれると……そこには、さっきカムロと入れ違いでいったん戦場から退場した、キリツナが立っていた。
その身に……すさまじいまでの『邪気』を……『邪気』、か? とにかく、漆黒のオーラをえげつないほどにまとった、明らかにヤバそうな状態でだ。
見た目だけでなく、さっきまでとは明らかに違う。感じ取れる威圧感やら、存在感やら……単純な妖気からしても、量も質もバカみたいに高まってるようだ。
何があった、この短時間で!?
「さがれ、カムロ。タキ、お前もだ……『究極の闇』を我が物とした今、我が前に敵はない」
言いながらキリツナは、腰に差していた刀を抜き放ち……それと同時に、すさまじい殺気があたりの空気を震わせる。衝撃波でも出たんじゃないかってくらいに刺々しいそれは、真夏日の太陽の光で肌が焼かれるような感触を思い起こさせた。
「おー……待ってたぜ、大将。そんじゃ、交代だ」
「はっ、キリツナ様……ご武運を」
片方は変わらず軽く、もう片方はうやうやしく、言う通りに後ろに下がる。
一歩前の位置に残される形になったキリツナは、相対している僕とタマモさんに狙いを定めたようで、片手で持った刀を下段に構え……
直後、一瞬で間に合った距離をゼロにして切り込んできた。
「っ!?」
咄嗟にタマモさんが薙刀で受けようとするが、キリツナの一撃はそれを、一瞬の拮抗の後に容易く弾いてしまい……返す刀で彼女を袈裟懸けに斬りつける。
しかし、僕はそこに素早く割り込んで、手甲でそれを受け止め……
(……っ、重……!)
その瞬間、その姿の変化が虚仮脅しの類じゃないことを知った。さっきまでとは、攻撃の威力が別物だ。あまりの威力に、踏ん張ってる僕の足元の地面がひび割れる。
それでもそれ以上は押し込めないことを悟ると、キリツナは素早く後ろに飛んで下がり……手元に、つい十数分前に見たものと同じように、炎を収束させていく。
しかし、こっちもさっきまでとはまるで別物の威力だ。
さっきまでのがピストルなら、これはバズーカと言ってもいい。そのくらいに、およそ露骨すぎるほどに威力に差がある。
放たれたそれを、拳を叩きつけて砕く。拳がわずかに焼かれる感触を味わいながら。
「……流石だな、これを防ぐか」
「……熱っつ……どうなってんのコレ? この短期間にお前に何が起こったの?」
「おばあ様、これが……あなたが伝えたかったことですか?」
「……そういうことさ。結局防げやしなかったがね……」
そう、悔しそうな声と共に……輝く巨鳥の姿をしていた鳳凰さんが、しゅるしゅると縮んでいき……よく知っている方の、老婆の姿になった。
すぐさま駆け寄って抱き起こすタマモさん。その腕の中で、痛々しい傷だらけな姿の鳳凰さんだが……苦しそうに息をしながらも、鳳凰さんは口を開く。
「……タマモちゃん、こんな役に立たない老いぼれのことなんて放っておきな。一刻も早く……」
「わかっています。キリツナを……」
「いいや、違う……違うよタマモちゃん。アイツより先に……『八咫烏』を落としな!」
「「……え?」」
僕とタマモさんの声が揃う。
え、どういうこと? 何で、アイツより先にあの『八咫烏』を? ……鳳凰さん、何を知ってる?
それを聞いて、タキがちらっとキリツナに視線を送る。
「……構わん。死にゆく者に、冥土の土産をくれてやるのもよかろう……話すなら止めんぞ」
……どうやら今の視線は、鳳凰さんが余計なことを話しそうだからどうしますか? っていう感じの意味のそれだったらしい。
キリツナの反応次第では、口封じもするつもりだったのかもしれない(それが可能かどうかはともかく)が……都合のいいことに聞いてもいいようなので、遠慮なく聞かせてもらおう。
情けをかけられたことに苦々しい顔をしつつも、鳳凰さんは話し続ける。それを僕とタマモさんは、一言一句逃さず聞く姿勢を取る。幸いにも邪魔は入らないようだしね……
「キリツナの坊主が企てていたのは、ただ単に『百物語』で力を強化するだけじゃない。あいつは……八咫烏の持つ『光』の……『陽』の力を利用して、『邪気』によるそれの限界を超えて力を手にすることを狙っていたのさ」
話の核は、『陰陽術』の基本原理である『相反する属性の調和』にあった。
炎と氷、風と土、闇と光……本来ならば混じることのない、ぶつかり合えば互いに消滅するしかない2つの力を、反発させずに融合させることでより大きな力を生み出す。それが、『陰陽術』の根っこにある考え方。かじった程度の者でも誰でも知っている基本的なことだ。
キリツナ達が今回やろうとしたことは、実はこれと同じことだった。
当初、キリツナ達が『百物語』をやってるのは、単に『邪気』を吸収して自分の力に変えるためだと思っていたが、違ったわけだ。
それもなかったわけではないが、最終的な目的としては、キリツナ達は『邪気』を、強くなるための材料の1つとして考えていた。
『百物語』によってキリツナ達が体の中にため込んでいる『邪気』は、当然ながら『闇』系統……『陰陽』の『陰』に該当する。となれば、相反する『陽』の力を組み合わせることで、陰陽術の要領でさらに自分達を強化することができる、と考えた。
その際に目をつけたのが……『八咫烏』だった。
さっきちらっと言った通り、『八咫烏』は『太陽の化身』とも言われている存在だ。
漆黒の羽毛という見た目に反して?宿している力は強力な『光』……『陽』の力である。その力と、大量の『邪気』による『陰』の力を組み合わせれば……そう考えたわけだ。
……さっき鳳凰さんが『八咫烏』を先に落とせ、って言ってたのはそれでか。
アレは、キリツナにとっての『陽』のエネルギーの供給源だ。それを倒してしまえば、弱体化……するかどうかはわからないけど、少なくとも今以上に強化されることはないし。
「カムロからもたらされた情報により、『八咫烏』が『エゾ』の地に封印されていることはわかっていた。その封印を解いて『八咫烏』を開放し、その力を使うことができれば、『邪気』と融合させて更なる力を使うことができるようになる」
「『エゾ』っていうと……あの雪山の中にあった変な祠か」
「ん? 何だ知ってたのか」
「……けどあそこって、ミスズさんが守ってたはずじゃなかったっけ? サカマタとかいう奴が攻めて来た時も、彼女がつかず離れず……おい、まさか」
「その通り! ……と言いたいところだが、残念ながらそこにいる『鳳凰』の婆さんたちみたくはいかなくてな。地の利がある雪山で『白雪太夫』を相手取るのはマジでしんどかったよ……どうにか隙を作ってリュウベエに封印をぶった斬らせたはいいが、その直後にリュウベエが今度は氷漬けにされて封印されちまうし、俺は解放された『八咫烏』を調服・使役して逃げてくるだけで精一杯だった……あーあ、後でまた取りに行かないとだな」
……よかった、とはちょっと言えない状況ではあるけど、しかしミスズさんが無事なのはよかった。封印とやらは破られたものの、聞く限り一応健在であるらしい。
しかもリュウベエ封印したってか……すごいな。ホームグラウンドだとそんだけ強いのか。
「何だあの男、やられたのか? ふん、大口をたたいておいて情けないことだな」
「そう言ってやるなよタキちゃん。あいつはほぼ不死身だし、戦闘はもちろん、封印とか結界を破るだけなら得意だが、封印される系はその分いわば天敵なんだからよ……それもあって、できればその手の術が得意な『白雪太夫』の前には出したくなかったんだよなあ……それともタキちゃん、あんたならうまくやれたのかい? 雪山の『白雪太夫』を前に、死なずに立ち回れたと?」
「…………」
「やめろ、タキ、カムロ。……リュウベエの身柄は後で取りに行く。礼儀も仁義も知らぬ獣ではあるが、『八咫烏』の解放、ひいては計画の成就に功を成したのは事実だ」
と、キリツナ。それを受けて、カムロは話に戻る。
「あいよ、大将。そんなわけで俺達は『八咫烏』を手にしたわけだ……俺が大陸で身に着けた『召喚術』を使ってな。その後、こいつに乗って大急ぎで戻ってきたってわけよ」
『召喚術』まで使えるのか、と僕が驚いていると、またカムロの横の空間が歪んで、いつだったかキリツナが連れていた『麒麟』が現れた。やっぱり、長距離移動はそいつが足だったか。
「もう知ってる奴もいるだろうが、この『麒麟』は異空間に飛び込んで超高速で移動することができる。『エゾ』からここまで来るのも、『キョウ』から『エド』に行くのもひとっ飛びさ」
「あーそう……ひょっとして、大陸とこの国を行き来してたのも?」
「半分正解だ。この麒麟はまだ子供でな……そこまでの距離の移動は流石に『自力では』できない。ただ、この国にはあちこちに、太古の昔に存在したという『麒麟』の成獣が跳躍の時に残した痕跡が残ってる。その痕跡は異空間に舗装された『道』のようになっていてな、少ない力でより長い距離を移動できる。大陸間の移動にはそこを使ってるのさ……他にもいろいろ制限はあるがな」
なるほど。
……つまり、『成獣』の麒麟であれば、自力で大陸とこの国を行き来することすら可能だと。
「しかし、この麒麟は俺とカムロの言うことしか聞かん上に、乗れて2~3人だ。この国を制し、ゆくゆくは大陸に『鬼』の戦場を移す以上、他の移動手段も確保していかねばならんだろうな」
相変わらずの仏頂面ではあるが、どこか得意げにそう話すキリツナ。その斜め後ろに控えているタキも、勝ちを確信したような笑みで、キリツナの話を肯定するようにうなずいている。
「今から大陸侵略でも計画してんのか……捕らぬ狸の皮算用もその辺にしないと恥かくよ?」
「既にそれだけの力は手に入れた。この『セキガハラ』での戦いの中で、限界まで吸収した『邪気』……『八咫烏』が持つ圧倒的な『陽』の力に釣り合うだけの『陰』の力を身に宿し、2つを共鳴させることで俺の力は最早限界を超えた領域に至った」
そう告げるキリツナの妖力が、すさまじい勢いで膨れ上がる。
「カムロがここに来るよりも早く、俺を殺しきることができなかった時点で……貴様達の負けだ! 天下を制する力にて葬られることを光栄に思いながら……冥府へ行くがいい!」
瞬間、反動で地面が爆発したんじゃないかというほどの勢いで加速して突っ込んできた。
さっきまでとはけた違いの妖力を刀にまとわせ、地形を変え、海を割る威力の一撃を、僕の首元を目掛けて横一線に振りぬく―――
「……『魔法式縮退炉』完全開放。エネルギー……全開」
――ドッ…………ゴォォオオン!!
―――よりも早く僕が突き出した拳が、キリツナの顔面を捕らえ……轟音と共に、きりもみ回転させながら殴り飛ばした。
衝撃波をあたりにまき散らしながら=超音速で吹っ飛んだキリツナは……あまりの勢いに、だいぶ後ろの方の地面に突き刺さるようにして止まったようだ。
周りにいる面々は……今の瞬間、何が起こったかすぐにはわからなかったらしい。
カムロ以外は、だけど。ひゅう、って口笛吹いて……キリツナが吹っ飛んでいった方向を見てるし。
ただ、拳を振りぬいた姿勢の僕と、前に跳んだと思ったら後ろに飛んでいたキリツナの姿を見て……信じられるかはともかくとして、徐々に理解は進んでるようだけど。
ぶっ飛ばされた当のキリツナも、表情からしてまだ困惑してるようだ。まあ、あと数秒すれば顔の痛みが追いついてきて、嫌でも理解するだろうが。
「すごいとは思うよ。あれだけのエネルギーを個人が制御しきれていることも……そもそも、あれだけの規模で『陰陽術』の術式を成立させて強化に成功してることも。それだけ努力したんだろうし……うん、虚勢や勘違いで大口叩いてるわけじゃないってのはよくわかる」
そして僕はと言えば、姿勢を元に戻して自然体に構え……『魔法式縮退炉』からあふれ出す黒紫色の魔力を全身にみなぎらせて、改めて臨戦態勢を取る。
「その上でもっかい言うけど……捕らぬ狸の皮算用は……恥かいたね、手遅れか、もう」
さっきまでの僕も、『本気』ではあった。
ただ、『全力』じゃなかっただけで。
そしてもちろん、手加減してたのにはちゃんとした理由がある。
だって……
(『アルティメットジョーカー』でフルパワー出すと、異常気象とか超常現象起こるからなあ……けどまあ、こんだけ敵に強くなられたんじゃ……仕方ないか)
『リアロストピア』の時、初めて変身した『アルティメットジョーカー』で全力で戦闘した結果……戦闘跡地では2週間ほど異常気象が続いた、と後になって聞いた。
そしてあの頃より、僕はさらに強くなっている。全力でやれば、多分もっと酷いことが起こる。
これから条約とか友好関係を結ぶ予定の国でそんなこと起こして問題にしたくなかったから、そうならないようにしてたってのに……これも全部お前らが悪いんだからな、鬼共。
反論は聞かない。
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