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第19章 妖怪大戦争と全てを蝕む闇
第423話 炎と氷
しおりを挟む「よーしいい子だ、こっちにこい、そのまま、そのまま……『グラベルストーム』!!」
タイミングを見計らって、ザリーの魔法が発動。彼の眼前に突如としてつむじ風が発生する。
それは、同時に生み出された大量の土砂や小石、大きいものでは粒径がコインほどもある岩石を大量に含んで荒れ狂い、凶悪な殺傷力を誇る土砂の暴風となって、妖怪たちに襲い掛かる。
彼の得意技である『サンドストーム』や『ドライカーペット』といった、砂嵐系の上位互換……最上位魔法の1つである『グラベルストーム』は、地上に降り積もっている雪をも舞い上がらせて、砂嵐と地吹雪が合わさったような、より一層凶悪な見た目の技となって敵を飲み込んでいった。
いかに肉体的に強靭な『鬼』に分類される種族と言えど、強風や氷雪に耐性のある地元『エゾ』の妖怪と言えど、大量の土砂と氷を含んだ暴風の前にはなすすべもなかった。
石に打たれ、砂に身を削られ、血しぶきを上げて倒れ、同時に低温で体力を奪われていく。
しかも視界の悪さのせいか、突破しようと走る途中で、あらぬ方向に進んでいって抜け出せない者も多くいる始末だ。当然、その先に待っているのは、力付き屍となる結末である。
「うっわぁ……やっといてなんだけど、見た目えっぐいことになったなあ……」
吹雪と砂嵐のベールの向こうでばたばたと倒れていく妖怪たちを見ながら、ザリーはそうつぶやき……しかし直後、その大嵐を突破してきた巨躯の大鬼の攻撃を、危なげなくひらりとかわす。
突破は『ほぼ』不可能、ザコを一掃する強力な魔法だが……突破する者がいないわけではない。それゆえに、彼も警戒を怠っているということはない。軽口をたたいていても、その警戒心で戦場全体に常に気を張っている。
鬼の攻撃は、力なく空を切って地面だけをえぐるにとどまり、次の瞬間、自身の視界がぐるりと反転。ほんの一瞬、首のない自分の体が倒れ込む光景を見て……永久に暗転した。
一瞬の間に接敵して首を刈り取ってみせたザリーはというと、今度は別な方向から突っ込んできた熊のような妖怪と相対していた。丸太のような巨大な腕を横に薙ぎ払い、ザリーの体を切り裂き、叩き潰そうとしてくる。
大木を容易くへし折り、岩をも砕くその一撃は、人間など容易く殺してしまえるだろう。全身の骨が砕け、肉が裂けてちぎれ、血霧となってしまうに違いない。
しかし、今度はザリーは避けるそぶりはなく……それゆえに、攻撃はザリーの体に直撃した……かと思いきや、そこに何もないかのように、すかっと素通りしてしまう。
あるかと思っていた手ごたえがなく、予想外の事態に困惑する熊の妖怪は……次の瞬間、背後から飛来した、何枚もの砂の刃に体中を切り刻まれ、貫かれ、その場に倒れ込んだ。
倒れる前に、その命は尽きていた。
『蜃気楼』を使った幻惑魔法『デザートミラージュ』を駆使し、またしても鬼を手玉に取ってみせたザリーは、ふぅ、と一息ついて周囲を見渡した。
「最初の一撃で大分削れたのがよかったな……ミナト君もいいもの作ってくれたよ」
「使う場所が雪山ですから、使用する際には十分に注意を……っていう話でしたけどね。まあ、あの力ならそれも納得というものです……がっ!!」
それに合わせるように言うのは、少し離れたところで、自分より倍は大きいであろう大熊を、拳を叩きつけて粉砕するギーナだった。
ミナトの拠点『キャッツコロニー』に暮らして修行を積むことで、そしてこの国に来て『諸国行脚』に参加したことでさらにパワーアップした彼女の実力は、当然ながらミナト達とであったばかりの頃よりも大きく上がっている。
『エクシア族』の能力である、全身金属化の力も相まって、インファイトで自分の何倍も大きさのある妖怪たちをばったばったとなぎ倒していた。
その彼女の戦う姿は、既に能力を発動していることから、全身が金属光沢を放つ銀色になっているのもさることながら……それと同等かそれ以上に、その両手両足に着けた手甲・脚甲が異色を放っていた。
これまでギーナが使っていた、武骨ながら頑丈で品質のいい、しかし初戦は軍人としての支給品に過ぎないものとは違う。模擬戦の時にクローナに借りて使った、ミナトのおさがりとも違う。
彼女のためにミナトが作ったオーダーメード(ただしオーダーしていない内から作っていた)品であり、世に言う『否常識』な性能を持つマジックウェポンだ。
手の甲と足のくるぶしの部分に大きな宝石が埋め込まれている以外は、光沢はあれど鋼色でいかにもな防具という見た目で、ミナトが作ったにしては飾り気がないデザインである。
ナックル、ないし籠手として見れば少々大振りで、ギーナがそれまで使っていた手甲・脚甲より一回りから二回りほども大きく、一見すると、頑丈だがかなり重そうで、取り回しも小回りが利かない、かなりパワー一辺倒のそれになりそうなものに見える。まるでロボットの腕だ。
だがその実、この手甲はそれまで使っていたものとさほど変わらない重さしかなく……それでいて見た目通り、あるいは見た目以上の防御性能を誇る。可動域もかなり広く、取り回しに重々しさは全くない。むしろ動きが制限されず、軽快に動き回ることさえできるほどなのだ。
そして機動性能や防御力以上に、特徴的なのは……攻撃力である。
「――ぅ、らぁあっ!!」
大きく踏み込み、足を踏ん張り、腰をひねって、その拳が鬼に叩き込まれる。
細身ながら鍛え上げられた肉体と、それを生かす見事な体裁きから生み出されたエネルギーは、破壊をもたらす鉄拳となって……その体を、文字通り粉砕。一撃でその命を刈り取った。
その直後、今度はギーナが放った後ろ回し蹴りが、背後から迫ってきていた別な妖怪を捕らえ、こちらははじけ飛びこそしなかったものの、着弾部分の骨を粉砕して大きく蹴り飛ばす。
横っ腹に蹴りを叩き込まれ、骨格とは何だっただろうか、というほどに大きく変形してしまった状態で投げ出された鬼。無論、インパクトの瞬間にその命は尽きていた。
外部からの衝撃は通さないようになっていながら、こちらが繰り出す攻撃はその威力も、魔力の伝導も一切阻害せず、それどころか組み込まれている人工筋肉により攻撃をアシストし、その威力を増幅させることすらする。
さらにはそのアシストは防御や移動にまで及ぶという鉄壁ぶりだ。
一撃一撃が必殺クラスの攻撃をもって戦場を駆け回り、その拳足で巨躯の鬼達を粉砕していくギーナのその姿は、まるで小さな鋼色の砲弾のようにも思えるものだった。
発射台を必要とせず、自発的に飛び回り、敵を見つけ次第突撃していく。敵からすれば、控えめに言っても悪夢のような破壊兵器だ。
なお、脚甲はさらに足場の悪さもカバーするようになっており、砂地や湿地といった場所でも動くのに支障はない。力を入れて踏ん張れるし、警戒に走って跳べる。もちろん雪上もだ。
体格的に何倍も差がある鬼を相手に微塵も怯まず、俊敏に動いて正面切って敵を殴り倒していくギーナ。
時に豪快に範囲攻撃を打ち込み、時に幻惑を駆使し、時に背後から暗殺者よろしく命を刈り取るザリー。
戦い方は対照的ながら、どちらも鬼の軍勢達にとっては脅威と言える2人だった。
「使いこなしてるねえ、その武装……ミナト君からもらったの、最近じゃなかったっけ?」
「ええ……なのに、まるで長年付き合って共に戦って来たかのような調子で扱うことができます。私に合うように作ったとは言っていましたが……流石はミナト殿です、としか言えませんね」
装備をもらった直後、少し肩慣らしするだけで、すぐさま100%の力を出しきることができるようになった時のことを思いだし、あらためて感心するギーナ。
そう思ったところで、ギーナはふと……同じようにミナトが作り、そして自分達と同じように、この『エゾ』の戦場で縦横無尽に戦っている『秘密兵器』に目をやった。
ここに切り込む時にも、自分達を運ぶ足として、そして出会いがしらの一撃を叩き込むのにも大活躍した……巨大な鶴を。
その鶴は、戦場上空をまるで監視するかのように飛び回りつつ、時折急降下して敵の鬼を文字どおり蹴散らしたり、くちばしを突き立てて貫き、引き裂いたりしている。
時には、空中で大きく羽ばたいて、周囲一帯に自分の羽を舞い散らせていく。
その羽は、地面に落ちるか妖怪が触れた途端に……爆発して大ダメージを与える、爆弾だった。
『秘密兵器』という表現からもわかる通り、この鶴のような何かは、ミナトが作った兵器だ。
より厳密に言えば、その正体は、ミフユとの共同研究により作成した、『式神』である。
しかもただの式神ではなく……『陰陽術』による『式神』と、ミナトの持つ『CPUM』……人工モンスターの技術を融合させて作り上げたハイブリッドモンスターだ。
遡ること半日前。
作戦開始前に、ミナトが皆に見せた一冊の本……あれが、このモンスターに変化している。
あの本は実は、とじられている300近くあるページの全てが、式神召喚に使う『おふだ』になっており、発動と同時に大量の式神がその場に召喚される。
そして同時に、それら全てが『CPUM』の技術の応用で1つに『合体』することで、巨大な機械仕掛けの鶴のような式神……『驚天鶴』となる。
巨鳥の骨格となる……というかまさに『骨格』そのものである、骨の体のドラゴン型アンデッドをベースにして、そこを人工筋肉の役割を果たす粘体……スライム状の魔物が覆う。
さらにその上から外骨格となる鎧型のモンスターが幾重にも装着され、その合間合間に、様々な術式をその身に内包した小型のモンスターや式神が各部に搭載されていく。武装として。
仕上げにその翼……の、羽毛の部分は、無数のスライム型のモンスターが寄り集まることで形成される。そのスライムは、1体1体が羽毛の質感まで再現した『羽』の形をしているため、見た目にはただの大きな羽にしか見えないだろう。
だがその実態は、液体爆薬の体液を持ち、水分と魔力(あるいは妖力、霊力などでも可)によって次々に分裂して増えることができ、狙ったターゲットに向かって突っ込んでいく性質を持つ……言わば爆弾。もっと正確に、もっと性質を悪く言えば、自爆兵器である。
現れてすぐに、大きく羽ばたく動作と共に羽を大量にまき散らした行動の意味がここにある。
あの瞬間、無数の羽が一斉に分裂することで、複製個体である羽をまき散らし……あとは知っての通り。着弾からの爆発である。
もともと広域を攻撃するための、率直に言って爆撃機としての性能を持たせることが目的だったわけだが、兵器としての爆弾を搭載すれば、それを使い切れば弾切れになってしまう。かといって魔力弾を発射できるようにすれば、エネルギーの消費がその分激しくなる。
それを解決ないし、最大限効率化するために、モンスター自体の性質を利用した。
元々ミナトの所有する『CPUM』の中には、水分と魔力を糧に増殖した後で相手に殺到し自爆する『マウス』がいるため、ノウハウは十分にあった。それを応用し、さらに式神技術と融合させて誕生させたのが、この『驚天鶴』なのだ。
結果、こうして今『驚天鶴』は、近距離に遠距離に、支援に直接戦闘にと八面六臂の大活躍を見せているのだ。
今も飛び立つ間際に大型の『鬼』の頭部を蹴って粉砕し、その反動に羽ばたきを合わせて空中に飛びあがると……既に何度か行っている『羽ばたき』からの『絨毯爆撃』であたり一帯を吹き飛ばしている。
「アレが効率よく大掃除してくれるおかげで、割と僕らは楽できてるんだよね」
「同意しますが……まあ、楽できていると言っても、普通の人間からすれば十分に死地だとおもわれます。いえ、自画自賛の意図はないのですが」
実際、数だけは多いザコ敵とでもいうか、雑兵達のほとんどは数度の爆撃によって蹴散らされており、運よく生き残った何割かや、実力やとっさの判断で切り抜けた腕利きのみがザリーとギーナに襲い掛かっているのだが、それをもってしても止まらないのがこの2人だ。
今もまた、ザリーが『砂分身』に騙されて攻撃を失敗した鬼の首を背後から飛ばし、一瞬する頃には蜃気楼と砂嵐を駆使したかく乱でその姿が見えなくなる。そしてまたどこかで別な鬼が死ぬ。
ギーナは逃げも隠れもせず、しかしそれがマイナスな要因にならないほどに直接的に鬼達を粉砕していく。殴り、蹴り、時には投げ、握りつぶし、体格差がまるで問題にならない無双ぶりだ。
2人共、普段はミナトの陰に隠れる形であまり目立つことはないが――ザリーは『情報屋』という職業柄、意図的に目立たないようにしてもいるが――十分に超一流クラスの使い手である。幾度も戦いを乗り越え、力をつけ、相応の装備も身にまとい……その力は『一騎当千』を比喩でなく成し遂げるであろうレベルに至っているのだ。
……そして、そんな2人と比してなお驚異的なレベルに至っている者が、ここには1人いる。
「はぁぁああぁああ―――っ!!」
「ぐぅ……っ!?」
ガギィン!! と、響く金属音。
凄まじい力と力の衝突を思わせる大きさのそれが響き渡り……周囲に、轟音どころか衝撃波となってまき散らされ、積もった雪を巻き上げる。
しかし、その中心に発生した巨大な熱源により、またたく間にそれは水に変わり、雨のように地面に降り注ぐ。
その水のカーテンを突き破って飛び出した赤い閃光……背中から炎の翼を生やし、手に燃え盛る炎の魔剣を持ったシェリーが、どうにか体勢を立て直したサカマタに斬りかかる。
上から、下から。袈裟懸け、横一線、唐竹割に時々刺突、形を様々変えて彼女の剣技が迫りくるのを、サカマタは必死で防ぐ。
その手に持つ刀を駆使し、受け止め、受け流し……その表情には、常と同じ仏頂面ではあるが、口元からは歯を食いしばっているのが丸わかりで、この極寒の中だというのに冷汗をかいていることからも、余裕のない攻防であることがうかがえた。
「なーにーどうしたの鬼のお兄さん? 人んちにあんだけ大胆に土足で踏み入るような真似してきた割に、いざ戦いとなると随分大人しいんじゃないかしらぁ!? その手に持ってるご立派な武器や、身にまとってる黒いオーラは飾りじゃ、ないんで……しょっ!?」
言いながらシェリーが放った逆袈裟の剣撃。
その瞬間、一層強力な炎が彼女の刀身から伸び……というよりも膨れ上がり、一瞬にして炎の大剣となったそれが振るわれる。
その危険度を一瞬で理解したサカマタは、『天邪鬼』の能力である『攻撃反射』を使ってその威力を跳ね返す、あるいは散らすなり受け流すなりしようとするが……
―――ドゴォォオオン!!
「……ぐ、がっ……!?」
(跳ね返、せない……受け流したり、散らすことも……!? 逆にこちらの防御が、『百物語』で補充した邪気ごと吹き飛ばされているだと……!?)
全く能力が発動しなかったわけではない。
今の剣の一撃……と同時に発生した大爆発の威力は、そのいくらかは防ぐことに成功している。
しかし、攻撃の威力が強すぎるのか、跳ね返したり散らした熱や衝撃ごと、押し流されるように叩きつけられる。絶え間なく押し寄せる激流を相手に、おもちゃの水鉄砲で対抗しようとして、当然のように失敗するかのように。
今の爆発によって、幸か不幸か両者の間には距離ができた。同時に、あまりの熱で水蒸気が発生し、視界がやや悪くなってしまったことで、シェリーはサカマタに追撃して来なかった。
「んーんーんー、なるほどねー。あなたの能力って、攻撃とかを反射するそれだったわね。そりゃ大抵の攻撃は鎧もいらずに防げちゃうわけだし、さぞ便利でしょうねえ……そのせいで防御系の修行を疎かにしちゃう程度には?」
「……己が能力にかまけて、修行を怠った覚えはない。そんなものは、破滅に向かう愚者の思考だ」
そう言葉にしながらも、サカマタは……自分で言っていることの意味を噛みしめていた。
噛みしめて、その上で……その思考は『まずい』という自覚によって埋め尽くされている。
サカマタの今の言葉は、強がりでもなければ虚勢でもない。正真正銘、彼は『反射』の能力なしでも戦える……『鬼』の幹部にふさわしいの力を発揮できるだけの戦闘能力を持っている。
もちろん、能力を使えばより優位に立ち回れるし、相手にする価値も必要性もない敵には『反射』を使うことで完封することもあるが……それでも、能力だけに頼った張りぼての強さを掲げているわけではないのだ。
だが、能力をフルに使い、さらに技量や身体能力と言った地力もセーブせずに使い、果ては『邪気』による強化をも組み合わせてなお……シェリーの剣技を防げない。
それ即ち、意味することは一つ。
(この女は……私よりも、圧倒的に格上だということか……!)
相手が『八妖星』でもない限りは、自分の力で切り伏せられると、サカマタは自負していたが、その想像を容易く上回られた形になる。
もっともこれはサカマタの見込みが甘かったわけではなく、実際に彼の実力は、この『ヤマト皇国』でも上位に食い込む所までのものではあった。
タマモの側近クラスとも戦えるレベルではあったのだが……そんな事実は何の慰めにもならない。
戦争をやっている以上……どんな形であれ、相手がどこの何者であれ……戦いに負ければ、その末路など決まっているのだから。
自分達は、そんな世界を望み、掲げてしまったのだから。
「先日の黒い男といい……大陸には恐ろしい化け物が跋扈しているようだな。国交など持とうものなら、この国は食い荒らされるやもしれん」
「あら、そんな心配はいらないわよ。向こうの人達も、その他色々一部の魔物とかも、きちんと腹を割って話せればいい奴は結構いるし、話も通じるから。こうなってるのは、あんた達の価値観とコミュ力が変な方向にカッ飛んでるからでしょ? 自業自得って言葉、知ってる? もっとも……」
そこで一拍置いて……シェリーは再び、嬉しそうな……獰猛な笑みを浮かべる。
同時に、剣に炎を纏わせて、体勢を立て直すのを待っていたサカマタに斬りかかる。
「私の価値観もちょぉおっとカッ飛んでるのは否定できないけどねぇ!!」
響く、何度目かの金属音。
縦横無尽に襲い掛かる赤い閃光。その刃を防いでも、あたりを蹂躙する爆風と熱波。
小手先の技巧など粉砕してくれんとばかりに吹き荒れる、圧倒的な暴力。
とどめにそれを操る者の目に浮かぶ、戦いを愉悦とする凶悪な光。
既に周囲の地面の雪は全て溶けてしまい、地面が見えていた。春……を通り越して夏が来たかのように、陽気どころか熱気が立ち込めている。妖力で保護していてもちりちりと肌を焼かれる感触が、サカマタに自分とシェリーとの実力差を知らせているかのようだった。
しかも、泣きっ面に蜂ととでもいうものか……それとも、これだけの戦いをしたからには当然の結果というべきか……サカマタが手にしている刀は、徐々にひび割れ、変形してきていた。
理由は考えるまでもない。あれだけの威力と熱のこもった剣撃を何十回、何百回と受け続ければ……その大半は威力を受け流すようにしていたとしても、武器が摩耗するのは当然ということだ。
シェリーの剣とサカマタの刀。
その材質、武器としての性能、完成度。振るう者の力量や、戦い方に合っているかどうか。
様々な要因が絡み合い……導き出された結果は何かと問えば、その答えは、サカマタの刀に入ったひび割れが雄弁に語っている。
あと数合打ち合えば、この刀はもう持たない。誰の目にも明らかなことだった。
何よりも振るっているサカマタがそれを理解している。
ゆえにサカマタは、次の瞬間訪れたシェリーの攻撃を凌ぎ……一瞬とすら言えないほどのわずかな隙をついて、その懐に入り込む。
……否、隙ですらないところを強引に突破して、と言った方が正確だ。
シェリーが振りぬいた剣。それと共に放たれた爆炎、熱気……それらを妖力と邪気に物を言わせて強引に突破して肉薄したのだから。
当然、無傷ではない。決して軽くない火傷をあちこちに負い、高熱の空気が口と鼻から入り込んで、内臓を焼いていた。その負傷を押して、サカマタは踏み込む。
負傷は下が、今日一番深い所まで入り込んだサカマタの前には、剣を振りぬいた直後で無防備なシェリーの腹がある。そこに刀を突き立てる、あるいは押し当てて振りぬけば、決められる。
熱にさらされた全身の痛みを無視し、強引な体制変更で足取りが崩れそうになりながらも、サカマタは刀を横一線に振りぬこうとして……
―――バキィィッ!!
「――っ、がァ!?」
刀を振りぬくより速く真横から襲って来て、炎を纏った回し蹴りに顎を蹴り砕かれ、歯を折られて吹き飛ばされながら、自らも吹き飛んで地に転がった。
一体今の一瞬で何が起こったのか、わからないままに。
それも無理のないことだろう。その衝撃は、サカマタの視界の外から襲って来たのだから。それも……恐ろしい速さで。
剣を振りぬいた瞬間のシェリーは、懐に入り込まれればなすすべがないほどに無防備であり、絶体絶命だった。それは間違いない。
しかし、こと戦いにおいての造詣の深さと理解度、そして『本気度』においては、チーム『邪香猫』随一と言ってもいい彼女の瞬時の判断力は、そんな不利すら容易く覆す。
彼女はとっさに、その剣を振った勢いを利用して体ごと横に高速で一回転し――その際、爆炎の噴出を利用してさらに加速し――その勢いを乗せて、さらに炎まで付与した回し蹴りを放った。
それが、ちょうどいい位置にあったサカマタの顔面に直撃したのだ。
逆転の一撃を叩き込むどころか、決定打と言ってもいいであろう一撃を叩き込まれたサカマタは、その強靭な精神力によって、どうにか意識を飛ばさないようにつなぎとめることに成功していた。
しかし、それだけで精いっぱいだった。
ギリギリの意識の中で、それを認識したサカマタは、2つのことを考えていた。
1つは……これでもう、自分に勝ちの目はまずなくなっただろう、ということ。
どうやら目も右側はやられてしまったのか、視界が半分欠けている。距離感もうまくつかめなくなってしまったようだった。これでは仮にダメージが抜けても、満足に戦えない。
そしてもう1つは……自分がこれだけのダメージを受けたという、その意味。
あまりに強烈なその一撃は、サカマタの防御を突破して、その顔面を、歯を砕き折った。
加えてそこに炎の熱が加わり、顔の右半分は、目や鼻も含めて焼きつぶされたと言っていい。そのせいか、出血は思ったよりもないようだが、何の慰めにもならないだろう。
しかし、サカマタが注目しているのはそこではなく……『防御を抜かれた』という点だ。
サカマタの見立てでは……剣や爆炎による攻撃ならばともかく、勢いが乗っていたとはいえ、炎を付与した体術程度では、彼女は自分の防御を抜くことはできないと見ていた。
しかし実際には、先日の戦いの際、ミナトの『そこそこ本気』の拳すら防いだ、妖力・邪気・反射能力の三段構えの防御をも突破して、シェリーの蹴りはサカマタの顔を砕いた。
これは単なるサカマタの読み違いか……そうでなければ、あるいは……
(この威力、まさか……!)
蹴り飛ばされて転がった満身創痍のサカマタは、どうにか体を起こすと残った左目だけの視界で、目の前に立っているシェリーをよく見た。
纏っている魔力や、背中から生えている炎の翼、高熱ゆえに周囲に発生している陽炎などでやや見づらいが……サカマタの目は、シェリーの周囲におおよそ予想通りのものを捕らえていた。
「……どうやら、無駄死ににはならなくて、済みそうだ……!」
サカマタはすでに満身創痍だ。体力も妖力も残り少なく、負傷は深刻。それに伴って身にまとう邪気も弱弱しくなってきている。おまけに武器は壊れる寸前。
この状態から最早逆転することは不可能であるということは、彼自身よくわかっていた。
だがそれでも、今彼が呟くように言ったその言葉は、強がりでも何でもなかった。
己の敗北、そしてその先にある死すら見据えた上で、サカマタはそう言ったのだ。
サカマタはふと、わざとわかるようにシェリーからわずかに視線を外し……その背後に目をやる。
そのことに当然、相対しているシェリーは気づいたが、そのあからさまな態度に、とっさに隙ができたような場面ではないことも同時に悟った。
罠にしてもお粗末なそのよそ見の意図するところがわからず、シェリーはわずかに眉を顰める。
サカマタの視線の先にあるのは……否、いるのは、1人の妖怪だ。
それは、先程から雪原にたたずんでほとんど動こうとしていない……この『エゾ』の拠点に乗り込んできたうちの最後の1人にして、最大の戦力であろう美女。
『八妖星』の一角であり、氷雪系妖怪の頂点『白雪太夫』のミスズである。
シェリーが、ザリーが、ギーナが、そして『驚天鶴』が戦っている間も、ミスズはほとんど動かず、しゃべりもせず……そこにたたずんでいるばかりだった。
鬼などの敵が襲い掛かってきたりするようなことこそあれば、冷気を叩きつけて一瞬で氷像に変え、その場で砕いてしまったりもしたが……それ以外は手を出すこともなく、ただ立っている。
時折、戦場を、あるいはあたり一帯を見渡して様子を見るかのような仕草を見せていただけ。
彼女が参戦すれば、もっと早く、もっと簡単にこの戦いは終結したであろうにも関わらず。
その様子を当初、サカマタは怪訝な様子で、意図を図りかねて見ていたものの……シェリーの猛攻を受け、自分が目の前の黒い肌の美女に勝てないと悟ってからは、すぐに納得した。
ミスズは最初から、自分を含むここの戦力の全てを、今戦っている3人と一羽、それにいくらかの部下の妖怪たちだけに任せるつもりだったのだと。それで、事足りるとわかっていたのだと。
それでもなおミスズがついてきたのは……その戦力で戦えない相手がいた時の対策。
すなわち、サカマタのような『幹部格』以上の戦力……タマモの側近クラスでも戦えない、最強の鬼たる総大将・キリツナを警戒してのことだと。
(考えてみれば、朝廷軍、ないし九尾の狐の軍勢は、キリツナ様の居場所を知る術がない。恐らく同時多発的に行われているであろう攻撃の、どこにあの方がいらっしゃるか絞れない以上、対応できると見込まれる戦力を用意しなければならないわけか……だが……)
「悪手、だったな……『白雪太夫』……。貴様が、自ら、動いたことは……!」
「…………!」
満身創痍、どうにか意識を失わずにつなぎとめているという風体のサカマタの言葉に、不意に名を呼ばれたミスズと、彼と今相対しているシェリーが反応した。
「あら、この期に及んでなーに? 死に際の負け惜しみ?」
「かもしれんな……だが、出まかせでは、ない……。白雪太夫……貴様が、我々を殺しつくすためだとしても……こうしてここに出てきてくれたことは、我らにとって、好都合だった……わずかな間でも、隙ができれば…………我らの真の目的に、手が届く……!」
半分潰れた顔で、よく見ないとわからない程度の笑みを浮かべるサカマタ。
声自体もかすれた、か細いものでしかなかったにもかかわらず、その様子からは……どうにも、単なる負け惜しみや強がりといった感情は感じ取れなかった。何か確たる根拠、あるいは勝算のようなものに裏付けされた、むしろ勝利宣言のようにも聞こえる。
「我らの大将の、首を取るためとはいえ……貴様が、貴様の縄張りを離れたことは、失敗だったな……一時だけでも、貴様がそこを離れさえすれば……そこを守る者が、いなくなれば……我らは、貴様が守る、『封印』の地! その守りが手薄になるということだ!」
「…………!」
「知っているぞ……貴様が住まうあの山に、封じられている、大きな災いのこと……ひとたび目覚めれば、この国に滅びをもたらしかねない強大な妖の存在を……! この『エゾ』の地を支配する『八妖星』の背負う、最大の役目が……その化け物を氷漬けにして、未来永劫目覚めることのないよう、封印し続けることであるということを……!」
それこそがサカマタの……鬼の軍の狙い。
代々この地を支配する大妖怪が……それこそ、『八妖星』という呼び名が定着するよりもはるか昔から守ってきた、古の封印。そこに封じられた、ある怪物。
その封印を解くことこそ、彼らの目的だった。
しかし、そこを守るのは『エゾ』最強の妖怪……『白雪太夫』のミスズ。
単体でも規格外そのものの力を持つ上、極寒の雪山というホームグラウンドそのものの環境が、その力をさらに大きく跳ね上げる。その一方で、敵対する者達にはその寒さが、風が、雪が、環境全てが牙をむく。
大軍を投じても、サカマタ自身が参戦したとしても、ホームグラウンドで待ち構える彼女1人を突破することもできないであろうという予想から、当初サカマタたちは、表裏で戦いつつ、隙を伺って封印に干渉しようと考えていた。
封印を守るミスズが、その場を離れることはないと予想していたからだ。
だが、キリツナの存在を警戒してとはいえ、奇襲の間の一時的にとはいえ、ミスズはその場を離れた。
それこそが、サカマタたちにとっては死を、絶対の敗北を意味すらすることであったとはいえ……真の目的を見据えさえすれば、絶好の好機となった。
「今、我々の手勢の精鋭たちが、その地に襲撃をかけている……ほどなくして、陥落の報告が届くだろう……。いつ、いかような形で隙ができてもいいように、我々は常にその『封印』の場所を見張っていたのだからな……! いくらか手勢を残してはいるのだろうが、それも無駄……!」
サカマタは、敵の軍勢の中にミスズがいるのを確認した瞬間、遠隔で指示を出す道具を使って、攻撃命令を発していた。この千載一遇の好機に、例え自分達がミスズに殺されることになっても、封印だけは破壊できるようにと。
襲撃部隊には――監視部隊がそのまま役割を変えただけだが――手練れの鬼達は多く配置してあった。ゆえに、そこにいかに強力な手勢を残していようが……多くの味方が倒れることになろうが、封印の破壊だけは成し遂げられるだろうと。そうすれば、自分達の勝ちだと。
……しかし、
「ふーん」
「…………」
そう、サカマタが置き土産のごとく告げた真実を聞いても……シェリーは、何でもないことのように軽く返し、ニヤニヤと笑ってすらいる。奥にたたずむミスズに至っては、全くのノーリアクションだ。
信じていないのか、と一瞬思ったサカマタだったが……その直後、
「……ぷふっ……!」
目の前で、こらえきれなかった、とでも言うように……ミスズが、噴き出した。
それと同時に、ありえないものがサカマタの目に映る。
「……貴様……なぜ、それは……?」
それは……ミスズの体から、ごくわずかに『邪気』が立ち上っている光景だった。
サカマタたちが『邪気』と呼び、ミナト達は『怨念』と呼ぶ、黒いオーラ。
それは……『百物語』に感染し、巻き込まれて『参加者』となった者の証である。時間が経つほど、戦えば戦うほど強力な呪いとなり、戦場に呼ばれ、戦いに引き寄せられる。
だがサカマタは、それがなぜミスズの体に見えるのかがわからなかった。
(『白雪太夫』は、まだ『百物語』に感染していなかったはず……私も『感染源』としての力を持ってはいるが、直接戦ってもいないのに感染させられるほどではない。ましてや、『八妖星』が相手では、直接術をかけても弾かれてしまうだろう……感染などさせられるとすれば、キリツナ様ほどに強力な邪気を持つ者が戦うか何かしなければ不可能なはずだ。なぜ…………まさか!)
「……貴様……何者だ……!?」
「……あら、やっと気づきましたの?」
その瞬間、パキイィィン、という乾いた音と共に、ミスズの体にひびが入って割れる。
まるで、空間に投影されていた幻が砕けて消えるように……彼女の体を覆っていた氷が割れた。
その下から……ミスズと同じく、黒髪に色白の肌、寒色系の着物が特徴的な……しかし、ミスズよりも幾分若く見える少女・ミフユが姿を現した。
「貴様は……『九尾の狐』の側近の……!?」
「ミフユと申します。あなた達が警戒していた『白雪太夫』ことミスズの娘ですの。どうでした? 雪女秘伝の変化の術『雪化粧』をご覧になった感想は。血縁である私が使えば、完成度はより完璧なものになります……何もかも母と同じに見えて、全く違和感も抱けなかったでしょう?」
秘術『雪化粧』。
雪と氷で作った外殻で体を覆い、その内側に身を潜めて着ぐるみのように動かすことで、誰かに変装する術。
幻術を併用したこの変化は、もちろん単なる着ぐるみによる変装ではない。
氷雪の外殻を形作る際、変装する相手の妖力を練り込んで作ることにより、姿形のみならず、妖力の質、気配や存在感などといったものまでコピーすることができる。多少遠くからみただけでは見分けがつかないくらいの偽装になる。
もっとも、流石に戦闘能力までコピーすることはできないし、気を抜くと今のミフユのように、『百物語』の邪気が漏れ出してしまったりもするが。
それでも、距離を取ってさえいれば、サカマタのような実力者すら騙せる優秀な偽装手段だ。
そして、ここにいると思っていたミスズが、偽物だったということは、だ。
「お母様曰く、『封印』の地を狙っていることや、そのために監視部隊を配置していることは既にわかっていたそうですの。もっとも、位置をばらけさせ、こまめに変えながら潜伏するから、こちらから打って出るのも少々難しかったために、様子を見ていたそうですが。今回、この襲撃に乗じて、母が『封印』の場所から離れたと知れれば、これ幸いと一斉攻撃をかけてくるんじゃないか、と思いまして、こうして私が化けさせていただきました」
「……では、我々の手の者達は……」
「はい、今頃、いつも通りあの地を守っているお母様の手で……氷漬けになって全滅でしょうね」
それを聞いた瞬間、サカマタは己の……いや、『エゾ』攻略軍全ての完全敗北を悟った。
(してやられた、というわけか……)
こちらの狙いは見透かされ、それを逆手に取って手勢の者達を全滅させられた。
後詰めの兵など出せない。今日ここでの戦いで、全て消し飛んでしまっている。何より自分も、数分後、いや数十秒後には同じ運命をたどるだろう。
視界の端に映る、まだかまだかと目を爛々と輝かせている紅色の処刑人が、その手に持つ炎の剣で、自分を部下たちの元へ送るだろうから。
「さて、ネタばらしも済んだところで……戦うんなら最後まできっちりやらなきゃね? おにーさん?」
「……そうだな。付き合ってもらおうか……最後まで、な」
彼にできることは、残り少ない命を燃やし、最後の瞬間まで『鬼』の戦士としての意地を見せ続けることだけだった。
己同様、寿命残り僅かな刀を手に、構えなおし、シェリーに向き直る。
その数瞬後、両者は同時に地を蹴り、互いの剣を、最後の一合のつもりで放った渾身の一撃をぶつけあい……一瞬の拮抗の後、競り勝ったのは、赤い炎の剣だった。
サカマタの刀を溶かして砕き、袈裟懸けの一撃が肩口から入って腰に抜け、その身を両断する。同時に発生した爆炎が、その体の全てを瞬く間に焼き尽くす。
……その刹那、喉も肺も焼かれながらも……サカマタは、確かにこう言った。
「見事だ、大陸の小娘……己の命と邪気、貴様が持っていくがいい」
そして、燃え尽きて灰になっていくその体から、黒々としたオーラが、今まで刈り取ってきた命たちの怨念のエネルギーが噴き出し―――
「……まあ、こうなるよねー。聞いてたけどさ」
――勝者に殺到し、その身に吸い込まれていった。
――『エゾ』攻略軍、壊滅
――酒吞童子軍幹部、『天邪鬼』サカマタ、討伐。
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