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第19章 妖怪大戦争と全てを蝕む闇
第420話 『邪香猫』の戦い
しおりを挟む『本番』が始まった。
現在の状況を一言で言い表せば、これに尽きる……のだと思う。
「じゃ、みんな揃ったところで……もっかい現状の確認でも。ナナ」
「はい。では皆さん……お手元の資料を適宜参照しつつ聞いてください」
例によって場所は僕の屋敷。そのモニタールーム(という名の広間)。
『邪香猫』メンバー及び関係者に加え、タマモさん達もこうしてここに来ている中で始まった会議は……こないだの、あくまで現状確認の域を出ないそれの時とは、かなり温度が違う。
参加者の大半が神妙な表情ないし雰囲気をしている。一部の人物が醸し出しているそれは、剣呑とすら言っていいそれだ。
さらに言えば、さっきナナが言った、手元にある資料や……これからモニターに映し出される予定の内容も、それを後押しするものである。
そこには、この『ヤマト王国』国内における紛争の状況が書かれている。
現在の双方の数や制圧領域、被害数やかかった費用、その他各地での戦争に伴う被害なんかがかかれているわけなんだが……その中に、決して見逃せない情報が書かれている。
「御覧の通り、各地で妖怪……特に『鬼』や、その手勢と思われるそれによる戦闘が多発しており、全体的に戦争そのものが激化しています。その中には、件の赤黒い、禍々しいオーラないし闘気を纏っている者もいるとのことです。朝廷軍の被害も目に見えて大きくなってきており……戦線によっては、今まで優勢だったところが劣勢になりつつあったり、拠点が陥落してしまった場所もあるそうです。それでもまだ、全体を見れば優勢なのは変わっていませんし、反乱軍もとい、『鬼』側の戦力も大きく消耗し続けている状態ではあるのですが……」
「これまでの情報を見る限り、それらはむしろ意図的にそうしているのでしょうね……少なくとも消耗に関しては、連中は痛打とも思っていないわよ。それらも含めて『餌』になるのだから」
タマモさんの言う通り、こないだ聞いた『百物語』のことを考慮に入れれば、そうだろうな。
鬼達が徐々に隠れることをやめ始めているっていう現状は、まあ連中もいよいよ本格的に動き出した、ってことなんだろう。
それはつまり、ある程度とはいえ『準備が整った』ってことだ。
『準備』とは何か?
それは、『百物語』……すなわち『蟲毒』による、『鬼』達の強化だ。一兵卒まで強化したのか、それとも幹部クラスにとどめているのかまではわからないが。
だがそうして準備が整いつつも、各地の戦線で連中が暴れ、敵味方共に被害が拡大していっているという現状は、さらに『百物語』による強化がなされるであろうことを意味している。
むしろ、強い者が殺し合うほど強化幅が上がる、というその特性を鑑みれば……ここからが本番と言ってもいいのかもしれない。戦闘が激化し、被害が拡大すれば、それだけ強力な戦力が戦線に投入されるわけだし。
『キョウ』や各地の大きな都市を守るため、人間もとい表の権力者たちは精鋭を投入するだろうし……裏側では、『八妖星』の側近や、その直属クラスの強力な妖怪が参戦するだろう。
それに応じて『鬼』も強力な幹部格を送り込む。それらが殺し合い、『食い合』えば……
「……『百物語』も厄介ですが、問題はそこだけではありません。この予測が正しければ……ここから先は、被害が加速度的に拡大していくでしょう。強い力を持った者達が殺し合い、さらに強力な妖怪が生まれるわけですから……」
「加えて、戦線の拡大によって、各地の町村にも被害が出ていますの。全てではないですが、素行不良の連中が行き掛けの駄賃とばかりに略奪や婦女暴行、殺戮を働いたりしているようで……」
「……戦争にはほとんどつきものではあるんだけどね……その手の輩は」
ミフユさんが追加した情報に、義姉さんがため息をついてそう言う。次いで、今度はサキさん。
「その略奪や殺戮、人間が行っている場合もあるけど……中には、黒い闘気を纏って、気が狂ったように暴れる妖怪の存在も報告されている。恐らくは、『百物語』に失敗した連中」
「……生き残ったはいいが、怨念を背負いきれずに発狂して暴走してる奴ら、ってことか」
「そういった者達の存在もあって、現在、この戦による被害は、軍人か否かを問わず拡大し続けていますわ。これ以上は……戦後復興に支障をきたします。『ヤマト皇国』そのものの国力が、大きく疲弊してしまうことも考えられるかと」
「最悪の場合……朝廷が統治機能を一部あるいは全部失い、無政府状態になるかも」
「向こうはそんなこと知ったこっちゃないとばかりに攻めてくるでしょうから、加減は期待するだけ無駄ね。むしろ、トチ狂った世界がお望みの連中からしたら、それも望むところなのかも」
「迷惑すぎる……」
ホントにね。ネリドラが今ぼそっと呟いたことが、もう全部を代言していると言ってもいい。
『鬼』の価値観か何か知らないけど、力で全てを決められる無法者の国がお望みとか、そのために自分と自分の仲間たちが強くなることが目的とか……どんだけ短慮と言うか、何も考えてないんだよ。迷惑で無責任で、もうなんか……言葉が見つからない。逆に新しい悪人だな。
……ホントに何考えてんだろうな? そんな殺伐とした地獄みたいな世界を作り出して、そこに王様として君臨する形になって、楽しいのかね? 理解できない。
その先にもっと別な目的があって、そのためにカモフラージュとして戦乱を起こしてるとか言われた方が、まだ納得できるんだが……。
まあ、カモフラージュっていうなら、今も十分『百物語』のためのカモフラージュではあるんだけど……その先に目指してるものがね。嘘であってほしいのはむしろそっちだし。
……いや、それはそれで面倒だけどさ。この上まだ何か裏にあるとか。
(…………ない、よな?)
「悲観的な展望ばかり話し合っていても解決しないわ。ともかく話をまとめましょう」
ぱんぱん、と手をたたいてタマモさんが場の注目を集める。
「聞いての通り、これ以上戦乱を長引かせるのは得策ではない……どころの話ではないわ。むしろ相手の思うつぼな上、被害も相手の戦力も手が付けられなくなる。あの夜相対したキリツナもそうだけど……あれと同格、あるいはそれ以上の敵がいたり、それがさらに強化されるというのはさすがにまずいし……国力の消耗も最早、表のことだからと許容できる範囲にない」
「つまり……?」
「最早手段は択ばない。この戦争に介入して速攻で終わらせるわよ」
そうはっきりと言い切ったうえで、タマモさんは視線でナナに合図を出す。
それを受けたナナは、モニターを操作して、この国の地図を映し出し……タマモさんは立ってその前に進み出て、いつの間にか持っていた指示棒を使いながら話し始める。
「各地に飛ばした密偵から、昨日までに入った報告で、最低限の下調べは済んだ。これより……敵勢力の掃討に出るわ。ミナト君……すまないけど、あなた達にも協力してもらいたいのだけど」
「頼まれなくてもやるつもりでしたからOKです。……もう既に他人事じゃありませんしね、当初言ってた意味以外でも」
当初僕は、新しく仲間になったサクヤを狙ってくるからという理由で、『鬼』を敵として認定していた。けど、それ以外にも連中と戦う理由ができた。
もう既に何度も話題に上がった『百物語』。それに……僕らも巻き込まれている。
あの後調べてみた結果、恐らくだが……呪いが感染しているのは、タマモさんと側近5人、その屋敷を守っていた兵士数人……それに、サクヤ、ナナ、シェリー、ギーナちゃん、そして僕だ。
あの夜の戦いにある程度以上参加した面々に『感染』したらしい。
僕やタマモさん達はもちろんとして……主に僕の援護とかの形で攻撃を加えたナナやシェリー、敵の範囲攻撃を迎撃して落としたくらいしかしてないギーナちゃんとサクヤも、ってことは、何らかの形で戦闘に参加すると高確率で感染するもんだと思えばいいらしいな。
タマモさんの所で一緒にいた兵士たちは、一部が感染しつつも、全員感染したわけじゃなかったのは……運がよかったのか、それとも、戦闘になってなかったからか……一応調べさせてもらったが、詳しくはわからなかった。抗体持ってる人が混じってたとかだったら助かったんだが。
呪いにより、僕らは戦場に呼び寄せられるようになり……それ自体はシカトして行かなければ別にいいんだが、同じ呪いにかかってる者が僕らを襲うようになる。
しかも呪い自体が、時間経過、戦いの激化と共に徐々に強力になっていくらしいとくれば、これはもう放置しておくわけにはいかない。戦いへの呼び声自体も強力なものになっていくだろうし、それ以外にも症状が出てくるかもしれないんだから。
だから……呪いの元を断って、この戦争を終わらせるしかない。
もちろん、その後色々と解決すべき問題もあるが……それについては、ある程度目星がついている。詳しくは今は省くけどね。
僕らの意思を確認したタマモさんは、こくりと頷いて、
「では簡潔に確認するわ。現状、戦線が激化している方面は大きく分けて4つ。『エゾ』『トーノ』『イズモ』『エド』よ。及びその周辺でいくつか小規模・散発的に戦闘が繰り返されているわ」
「あれ? こないだまで『シマヅ』じゃなかったでした?」
僕の記憶が正しければ、『イズモ』じゃなくて『シマヅ』を加えた4つだったと思うんだが。
「それが逞しいものでね……鬼の配下と思しき妖怪の軍については、そこの土着の妖怪たちが撃退して追い返したそうよ。あのあたり一帯は今は、ほぼ戦闘は行われていないわね」
「……すごいですね、戦闘民族」
「ええ。もっとも、この撤退には『鬼』側の意図もありそうな気配がするけどね……あそこの連中は戦場での大規模戦以外にも、ゲリラ戦や奇襲なんかも得意だから、鬼どもが欲しがってる大量の生贄が、一度には中々そろいにくいのよ。費用対効果から戦線を『イズモ』に移したのかも。あそこなら、対岸の火事ではいられない『八百八狸』が参戦してくる可能性があるから」
なるほど……まだ予想だけど、手放しでは喜べない事態なのは変わらないわけか。
そして、この4つの戦線それぞれに、鬼の軍勢の幹部格と思しき者達が目撃されており、ある程度以上自軍が劣勢になったりすると参戦してくるのが確認されている。
その力はまさに一騎当千で、朝廷軍が用意した精鋭や腕利きの傭兵、妖怪サイドの実力者が軒並み手も足も出ずになぎ倒されている例が数多く確認されている。
多少でも戦えているのは、『八妖星』やそれに準ずるレベルの高名な妖怪、あるいはその手勢の者達だが、それらも決して少なくない数が犠牲になっているようだ。
ただ、どこの戦線かにもよるが……場合によっては、鬼達が本気になればもっと朝廷側が危機的状況になるであろうところを、不自然なまでに戦線が停滞している、という例もある。そういうのは……より被害が大きくなることを狙って、わざと戦線の歩みを遅くしてるんだろうな。
こんな具合に、これ以上放置しておくわけにはいかないのが明白だからこそ……タマモさんが提案した作戦は、これらの激戦区に少数精鋭の討伐部隊を送り込み、幹部クラスの『鬼』とその周辺の連中を打ち取ることによって勢いをそぐ、というもの。
そして後は、表側の戦力との連携で戦乱自体を収束させるわけだ。
所謂『電撃戦』あるいは『首狩り戦術』になるんだろうか?
連中が『百物語』によって手勢を個々レベルで強化している(と、思われる)一方で、敵軍の数は想定よりもかなり少ないがゆえに有効な手だろうな。協力しないで餌にしたからそうなってるわけだが逆に助かった形だが……しかし、その分個々は強くなってるんだから、油断はできない。
ゆえに今回動くのは、僕やタマモさんを含めた最大戦力クラスになる見込みだ。
総大将が直々に戦場に出ていくのか、とも思ったんだが、戦国時代とかでは兵たちの鼓舞のためにそういうことをするのは普通だったみたいだし……何よりタマモさんは、国の裏の支配者とか最強の妖怪の一角とか、色んな肩書がついてはいるが……そもそも『女楼蜘蛛』の7人目とまで呼ばれた人だ。そりゃ、現場に立つのだって得意だろうし、いざとなればためらいはないだろう。
それどころかタマモさんだけでなく、側近5人フル稼働、さらにその直属の部下というか眷属の妖怪たちを加えた少数精鋭で行くそうだ。こりゃ豪勢な喧嘩だな。
そこに僕らからもメンバーが動員されるわけだが……その場面になって、タマモさんは僕…………ではなく、僕の横に座っているエルクに目をやった。
「さて、それで、ミナト君の方から参加してもらうメンバーだけど……一応確認させてもらうわ。さっき聞かせてもらった話だけど…………本当にそれでいいのね?」
「もちろんです。今回私達『邪香猫』は、動けるメンバー全員でこの作戦に参加することにしました」
そう、タマモさんの問いに、エルクが正面から目を見てはっきりと答えた。
その目には……何を言われても引く気はない、という、強い決意が浮かんでいる。
そして同時に、一瞬だけ僕の方に向けられた彼女の視線は……声に出さずとも、雄弁にこう語っていた。
『あんたは黙ってなさいよ』と。常にない、鋭く厳しい、しかし真剣な目つきで。
この場面で、一応リーダーである僕ではなく、副リーダーであるエルクが答えたのも含め、これにはちょっと理由があるんだが……
時は少しさかのぼる。
今から18時間ほど前……昨日の夜、夕食後頃の時間にまで。
☆☆☆
夕食を食べ終えた僕は、ちょっと話があるから、と皆に声をかけて、広間に集まってもらっていた。メンバーもスタッフも、オリビアちゃんまで含めた、関係者全員だ。ドナルドとその部下達は、仕事があるとかでそもそも屋敷に来れてないから、残念ながら除外だが。
座布団を敷いてとはいえ、畳の床に直接座る形になるこの国の様式にも、皆慣れたもんだ。
「そろったみたいだね。今日はちょっと、明日以降タマモさんから持ち込まれることになってる……この戦乱への、僕ら『邪香猫』の協力についての話があってさ」
都度、話をしていたので、皆、現状についてはある程度知ってる。『鬼』側が徐々に盛り返してきていることも、このまま戦いを続けるのはまずいってことも。
だから実質この場で話すのは、僕ら『邪香猫』が協力するのはむしろ前提とした上で、どういう形で参加するのかということだった。
……と思っていた。この時の僕は。
「詳しいことは明日以降タマモさんから説明してもらえるはずだけど……方針としては、少数精鋭で敵の大将あるいは幹部格を刈り取る方向で行く予定だって聞いてる。そこに僕らも参加するわけだけど……そのメンバーについて、僕から提案があってさ、聞いてもらいたいんだけど……」
「それはいいけどミナト、その前にちょっと確認させてもらっていい?」
「? 何、エルク?」
「あんた今回の戦い……自分1人か、あるいはプラス『CPUM』だけで済まそうとか思ってないでしょうね?」
「…………!」
エルクの指摘に、思わず息が詰まってしまう僕。
そしてそのわずかな間が……質問に対する、何よりの答えになってしまった。
瞬間、その場に集まっているほとんど全員から向けられる目が、責めるように厳しいものになる。
い、いつものことながら、この嫁はホントに……
「…………思ってないよ」
「……驚いたわ。この空気、この状況でごまかせると思ってるあんたのその考えに」
「ホントに違うからね。……まあ、近いことは考えてたけど」
一応本当である。
悪魔で考えていたのは、それに『近いこと』だ。エルクの指摘そのまんまではない。……できればそうしたいと思わなくもなかったけどね。
僕は当初、今回のこの戦い……僕個人をメインの戦力として、サブを各種CPUM、それでもだめなら……シェリー、ナナ、ギーナちゃん、サクヤの4人を動員する方向で行くべきかと考えていた。
その他のメンバーは基本、『キョウ』の都で、都そのもの及び非戦闘員の護衛。どうしても手が足りない場合のみ動員……という考えだった。
理由は簡単。危険だからだ。
今までにあった大きな戦いでは、複数の戦域を攻略する際には、普通に僕らもメンバーをばらけさせて戦っていた。リアロストピアの時とか、シャラムスカの時とか……それぞれ、互いを信頼して任せる形でだ。皆、そのくらいには強いし、いざって時の備えも色々渡してあるし。
けど今回ばかりは違う。今回は……『百物語』という特大の不安要素がある。
直接かけられるどころか、特定の敵との戦闘に参加するだけでかかってしまうこの呪いは、猛毒のようなものだ。どこで誰に呪いをもらってくるかわからないし、その程度も知れない。
しかも、一旦かかると時間と共に心身を蝕み、解毒剤が存在しないときている。
幸い今の所、僕も含めて、何か日常生活や戦闘に影響があるような症状は誰にも出ていない。
だからこそ、これ以上コレの感染被害を拡大させないためにも、こいつにり患する人をこれ以上増やさないことをまず考えるべきじゃないか、と僕は思った。そのために一番手っ取り早いのは……なるべく、今すでにかかってしまっている者だけで戦いに出ることだ。
現在、僕を含めて5人がコレにかかってしまっている。その中でも、一番症状が酷いというか、呪いの力が強いのは……どうやら僕だ。
次いでサクヤ達4人になるようだが、彼女達は僕から比べると、その程度はぐっと下がる。
それに加えて、感染してはいるものの、症状の軽いシェリー達の、これ以上呪いを進行させないようにってのもある。この呪い、戦えば戦うほどひどくなるらしいし。
さっきは『対処法はない』って言ったけど、完全でない間に合わせのレベルならその限りじゃないんだよね……『百物語』というか、『蟲毒』の怨念による心身の浸食を、抑え込んで遅くする効果を持つ術式、及びアイテムの開発には、もう目途が立ってるから。
それをサクヤ達には装備してもらって、戦闘も最小限にすることで対処療法とするつもりだった。
それとこれはごまかしでも何でもなく、しかし説明が難しい……言うなれば『感覚的にわかる』事柄なんだけど、恐らく僕はこの呪いに、完全ではないがある程度耐性がある。多分だけど、『夢魔』の精神攻撃耐性と、『霊媒師』の霊的攻撃耐性によるものだと思うけど……それでも無効化まではできないあたり、この呪いの質の悪さがわかるな。
……というのが一応は、この提案の根拠だったんだけども。
「却下よバカ」
エルクのこの一言で斬って捨てられました。
「……こいつはもう……どこから指摘したらいいのか。提案内容が穴だらけなのはもちろん、自分でコレ意識してないうちにへんな遠慮とかいらん配慮してもう……」
しかもなんかかなり辛辣な追撃までついて。
けどそれでも、僕はその言葉に刺々しさとか、不快感や嫌悪感みたいなものを感じ取ることはなくて……むしろ、エルクの一言一言から、いや、今もこうして向けられている皆の視線から……優しさや温かさ、そして、それゆえの怒りや苛立ちみたいなものを感じ取ることができた。
「あんた自分で気づいてるかどうか知らないけど……その、私達を極力危険にさらさないっていう平和ボケの域になってる前提思考をまずは取っ払いましょうか」
「あ、やっぱミナト君そーいう考えだったわけね」
「まあ……そうじゃないかとは正直思っていましたけどね……」
「えーと……そういう感情がないとは言わないけど、一応僕、普通にコレが一番よさそうだと思って考えた作戦なんだけど」
「自覚がないようじゃ余計に重傷ね……やっぱ治ってないんじゃないのコレ『デイドリーマー』が」
はあ、とため息をついてエルクは続ける。僕の目を見て。
「この際自覚の有無はもういいから聞きなさい、ミナト。あんたが1人であっちこっち駆けずり回るより、手分けして一気に勝負着けちゃった方が早いに決まってるでしょ。ここ一カ所にわんさか戦力残しておいても、出番が来なきゃ意味がないんだから」
「タマモさんとその側近の皆さんと協力したところで、ミナトさん1人では、戦闘力的にはともかく、動員数的には焼け石に水です。人工モンスターを使っても……あれは柔軟な思考の元に動けるようなものではないですし、指示を出す人が必要でしょう?」
「それにさ、タマモさん達はお供に部下の妖怪さん達も連れてくんでしょ? なのに私達だけ、まず被害を最小限にするような前提の作戦で戦力を温存したりしたら、失礼だってば。私達もミナト君ほどじゃないにせよ……その、『百物語』だっけ? 食らってるんだしさ、今更今更」
続けて、ナナとシェリーからもそんな風に言われる。ナナからは諭すような口調で、シェリーからは普段とあんまり変わらない軽口で。
さらにそこに、義姉さんとクロエ、ギーナちゃんが加わって、
「軍人の見地から言わせてもらえば、戦力の逐次投入は愚策よ。やるなら初手から徹底的に全力でやるべき。でないと相手に隙を与えることになるんだからね。それに、あんたが周りを巻き込んで騒ぐのなんて今に始まったこっちゃないでしょ、何今回に限って変に遠慮してんのよ」
「セレナさんに同意ー。今回相手の人数が、特に所謂『超強力な個』がそこまでいないことがこちらに有利に働いてる面があるけど、逆に言えばそれはフットワークが軽いってことだよ。こちらの動きに対応して布陣を変えられたり、裏をかいて動かれるような危険もある」
「であれば……身を案じてくれるのは嬉しく思いますが、ここは確実性と、何より速攻を最重視するべき場面です。もともと軍人というのは、皆、大なり小なり己が命を懸ける場面が来ることを覚悟しているもの。それが大切な人のためだというのなら、何もためらいなどありませんよ」
「軍人じゃないけど、まあ僕も冒険者として、色々危ない橋はわたってきたつもりだし……自分が納得することに命をかけられるんなら躊躇いも迷いもないよ。そもそも死ぬつもりなんてないし……みんなで協力してさくっと解決して終わらせよう。うん、それがいいそれがいい」
「軍人でもなければ冒険者でもない立場からも言わせてもらうが……まあそういうことだな。懸念が懸念だからそう思うのも無理はないが、こういう場面で他人に頼る、助けてもらうというのも健全な生き方の1つだ。諦めろ。そして安心しろ、頼られる私達も悪い気分ではない」
「こういう場面で一番無茶をしそうなのはミナトさんなんですからね。シェーンちゃんの言う通り、大人しく私達を頼ってください。そしてその上で、みんなで無事にこの戦いを乗り越えられるようにすればいいじゃないですか。そうでしょう?」
さらにはザリー、シェーン、ミュウからも……励まされつつ、反論のしようもないことを指摘されて沈黙させられ、
「それに今回の任務。離れて引きこもっていれば安全とも限らない。ただでさえ『百物語』の呪いの効能は当初の形から変質してるわけだし、それこそ病原菌のように、強力になるにつれて感染の範囲が広がっても、感染条件が緩くなったとしてもおかしくない」
『ついでに言うなら、精神的、例的な要素なんでしょ? 『テレイグジスタンス』とか遠隔操作で戦ったり、私みたいに精神だけ『CPUM』に乗っけて戦ったとしても安心はできないよね、最早。だとしたら最初から根絶するつもりで取りかかった方がいいと思うな?』
「私に至っては、ミナト様の懸念の通り、連中に狙われている身です。どのような対応だろうと、危険の形が変わるだけで根本は同じ……であれば私も、己にできることをするために、今度こそ、自分の手で臨む未来を勝ち取るために戦わせていただきたいと思っています」
ついには非戦闘要員であるはずのネリドラや、相当立ち位置が特殊なリュドネラ、そして今回の戦に『百物語』抜きで最も関わりがあるであろうサクヤまで。
それを一部始終見ていたミシェル兄さんとオリビアちゃんは、
「やれやれ、うちのできの悪い弟が迷惑かけちゃったようだね。それでも見放さずに、きちんとお説教してくれる仲間たちを持って幸せ者だよ、ミナトは」
「無理もありませんわ。ミナト様は本当に優しい方ですから……ただその分、他者に優しさを……それも、このよう切羽詰まった場面でかけられることには慣れていない様子ですし」
「……そうか、なるほど。それが原因か」
「ええ、恐らくは」
後ろの方でそんなことを話して、2人で何かに納得したような感じだったけど……何だろ?
そして、それらの意見を総括するかのように……僕の前に最後に出て来た影が2つ。
2人そろって、『しょーがないなコイツ』とでも言いたげな、キュートな三白眼での白眼視をこっちに向けてくる……エルクと、師匠である。
あ、ごめんもう1人……っていうか、もう1羽いた。
まるで『元気出せよ』とでも言うように、アルバが舞い降りてきて僕の肩に止まった。
「……ミナト、私があんた出会ったばかりの頃に言ったこと、覚えてる? あんたはあまりにも、何でもかんでも『気にするようなことじゃない』とか『別にそんなのはいい』っていう言い方で済ますってさ」
「あー……覚えてる覚えてる。うん、その節はどうもとしか」
今思えば、あの時が……母さん以外に、僕の『デイドリーマー』な部分を最初に見破られて指摘された初めての瞬間だったな。あの頃からエルクってば鋭かったんだっけ。
自分以外の色々な物事を、どこか現実味がないような目で見てしまうから、他人にとっては命がかかっていたり、人生を左右するような大ごとでも、軽~く扱ってさらりと済ませてしまう。そのせいで逆に相手に負担に思わせてしまう……そういう、僕の考えなしの悪い癖だって。
それを指摘されて、色々話して……色々あって……うん、色々あったんだっけね。まさにあの日に。……思い返せば、色々とメモリアルというか、思い出深い日だった。
見ると、ちょっとエルクも顔が赤い。思いだしてるのかも。
嗅覚鋭いシェリーが『何だ何だ?』って顔を覗き込もうとしてるけど、それを振り切ってエルクは続ける。
「どーやらその症状、未だに治ってなかったみたいね。あの頃とは、またちょっと違う形でだけど……あーそうか、なまじきちんと私達のことを見るようになったからそうなったわけね。それに、ミナトって基本的に……うん、よくわかった」
「……あの、ミシェル兄さん達もそうだったけど、何かわかって納得したのならご教授いただけると嬉しいというかね?」
「んー……思うにミナトってさ、自力で解決できる事柄とできない事柄に対して、考え方というか気構えの差が激しすぎるのよ。あんたほら、文字通りって言ってもいいくらいに何でもできるし。クローナさんに師事してからは特に、軽いノリで色んなマジックアイテムやら人工生命体やら作るようになって、その技術力で色んな不可能を可能にしてきたでしょ? あんたの技術力と知識の前では、それこそ不治の病ですら時間をかけて研究すれば治っちゃうわけだし」
まあ、うん、そこはわかるというか、自覚あるというか。
色々無茶苦茶やってるってのは自分でもわかってるからね……世界観無視した発明品も色々作ったし、それを使ってこれでもかってくらいに趣味満載の拠点や武具や乗り物を作ったりしたし。
加えて、時間をかけて研究と言うか、色々と作れば大抵のことは何とかなると思ってる。何とかできるだけの腕がある、という自負はある。
「だからこそ、って言っていいのかな? あんたにとって、自分の力をフルに使ってもどうにもできないことっていうのは……イコールで最大級の警戒に値する事柄になっちゃうのよ。アイテムを使った力技で押し切れなかったり、研究しても対抗策が見いだせないような、今回みたいなケースはね。そしてその際あんたは、過剰なまでに力をつぎ込んで、あるいは安全策をとることで、可能な限り確実に大切なものを守ろうとする」
……心当たりあるな。
思いだすのは、リアロストピアの時。僕がエルクに持たせていた自己防衛用アイテムの防御効果を突破して転移魔法をかけられ、エルクが拉致された時……その時は、怒りもあったけど、それ以上に彼女の安全を最優先するために、攻撃力に防御力に過剰なツールをいくつも用意して完封したっけな。その後最終的に国滅ぼしたし……いや、アレは別にああするべきだと僕としても思ったからやったのであって、後悔も何もないが。
それ以外にも……まあ、細かいのを挙げればきりはないだろう。
迫りくる1の脅威を潰すために、5や10の対応策を用意して、不測の事態による逆転的な失敗すら起こらないように、望む結果へ至る道をあらかじめ作った上で物事に臨むのが僕のやり方だ。動かせる、必要だと思う戦力をつぎ込んだ結果、自動的に、無意識にそうなるともいう。
「今回もあんたは、自分の技術力や知識、能力ではどうにもならないこの『百物語』の呪いを相手にするにあたって、どうするのが最善か考えて……そしてその際に前提条件にしたのが、私達の安全という一点。そこだけを見て、いっそ効率すら無視して確実性をとる手段を選ぶように思考回路が焦げ付いた結果が、あんたのあの提案ってわけ。自分の力では確実には守れない、助けられないなら、そうならないように物事を運ぶしかない、と考えた。その気持ちは嬉しいわ、でもね……」
そこで一拍置いて、
「あんた素で忘れてそうだけど……っていうか私も最近ちょっと忘れ気味になってるのは否定できない気がするけど……大半の冒険者にとっては、身に降りかかる危機ってのはそんなもんなのよ? そしてそういう危機を力を合わせて乗り越えるために、仲間はいるの」
――すとん、と。
何かが収まるところに収まったかのように、エルクのその言葉は……僕の胸にすんなり入ってきた。びっくりするほど自然に、僕の意識はその言葉を受け入れた気がした。
「もちろん最善は、その危機を回避する、そういう状況に陥らない、っていうことなんでしょう。そういう意味で言えば、あんたが今回、まだ『百物語』に感染していないメンバーを守ろうとしたのは正しいんでしょうけど……私達にとってはね、もうそんな段階じゃないの。あんたやシェリー達が感染しているっていうその時点で、他人事なんかじゃないし、放っとけることじゃない。もう既に自分の身内の災難であって、自分のことも同然なの。わかる?」
「……わかる。うん、わかる」
直接自分の身に降りかかっているわけではない、何か。
しかし、それに悩まされているのは、自分の仲間や身内。
だとすればもうそれは他人事じゃない。僕が全力を挙げて解決すべき問題だ。
そんな風に考えたことは何度もあるし……今だって、サクヤの境遇を鑑みて似たようなことを考えている所だ。身内である彼女を狙ってくるなら、僕ら全員の敵だって。
けど、自分がそう思うことはあっても……自分がそういう風に思われる状況になる、ってことに……どこか僕は思い至らなかったようだ。
その結果が今のコレである。……成長しないなあ、僕も。
「ミナト、あんたは今……いや、今はそうでもないかもしれないけど、間違いなく『呪い』に体を蝕まれてる。その症状は、軽微なものだけど既に現れてるわけだしね。そんな状況で、『せめて今無事なメンバーだけでも云々』なんて提案は、誇張も何も抜きに私達には死んでも受け入れられないもんだから覚えときなさい。たとえそれが傲慢から来るものじゃなく、あくまで善意と好意からのものだとしても、私達は納得しない。私達が大変な時にあんたが助けてくれたように、あんたが大変な時には私達はあんたを全力で助けたいの! そこんとこわかれ、この『デイドリーマー』!」
そう、びしぃっと指さされながら、思いっきり叱られた。
……ぐうの音も出ない。反論のしようもないし、する気になれない言葉だ。
一方的に助けられっぱなし、守られっぱなしなんてありえない。
恩も義理も何もない。仲間だから、大切だから助け合う。
それが、自分だけでなく相手にとってもそうだとわかれ。
エルクが言ったことは、要約すればそれだけだ。意識する機会が多いかどうかはともかく……言葉にすれば至極単純。子供でも分かるような内容であると言える。
にもかかわらず、僕はまた、そういう当たり前のことをわかってなかった。見逃してた。
…………あ゛~~~~~! 久々! ひっさびさだなこの手の自己嫌悪は!
刺さるなあ~正論が! わかった気になって何もわかってなかった僕みたいなバカの胸には!
ふと見れば、部屋にいるほぼ全員から同じような視線が向けられている。
微妙に違いはあれど……ほんの少しの怒りと、それを上回る呆れ、そしてそれらを大きく上回る優しさや愛情なんかを感じる視線だ。
これも、ちょっと胸に刺さって痛い。
けど、それ以上に……あったかくて、嬉しいな。
「……ごめんエルク、皆……ちょっと今泣きそう。情けないことに」
「あんたはもう……ホントに……」
「……ま、それもある意味、仕方あるめーよ。こればっかりは、そういう立ち位置になった者じゃなきゃわからない苦悩だな。……本人に苦悩っていう自覚がない分厄介な類のだが」
と、ため息交じりに師匠がそんなことを言ったかと思うと……僕の目の前まで歩いてきて、すとんと胡坐をかいて座り……がしがし、と乱暴に僕の頭を撫でた。
「えーと……師匠?」
「弟子、お前本ッ当リリンに似てるわ。昔、あいつも同じようなことがあったの思いだした」
その言葉に、全員の注目が師匠に集まる。彼女が発するであろう、次の句に。
「俺ら『女楼蜘蛛』は、リリンがその中でも最強だったとはいえ、揃いも揃って戦闘能力は『心配するだけ無駄』っていうようなレベルだったからな。互いにが互いを過剰に心配したりされたりすることもなくて、常に遠慮なしでバカやってた……ある意味で理解し合えた仲間達だったと思う。けど、その外に関してはその限りじゃなくてな……」
向けられる視線は気にせず、昔を思い出すように、どこか遠い目で視線を宙に泳がせている師匠。ここではないどこかを見ているよう……っていう表現がこの上なくぴったりだ。
「戦闘能力に胡坐をかいて、よそを理解することを怠って……つーかできなくて。リリンに限らず、テレサやエレノアもそうだったか……守るばっかりだと勝手に思ってた奴らの自尊心を傷つけてたり、意思を無視してたことに気づかなくて大喧嘩になったことも何度かあったっけな。ま、俺みたいに仲間以外は別にどーでもいいと思ってた奴にはどっちかってーと無縁だったし、逆にそういうのの気配りが上手いテーガンみたいなのもいたわけだが……そこいくとオメーは恵まれてるよ」
そう言った時、師匠の手つきが、『がしがし』から……ほんの少しだけ力がゆるみ、優しく、いたわるようになでてくれた……ように感じた。
「ったく、どっかが成長したと思ったら、他の成長してねー部分が見事に浮き彫りになるガキだなお前は。でもまあ、それでいいんだろうよ……種族も力も生まれ年も、何もかも違っても、お前に歩幅を合わせて一緒に歩いてくれる仲間がいるんだからな……こいつらと一緒に、ゆっくり大人になれ。何の障害もなく、何も考えずに過ごすより、そっちの方が多分面白いぜ」
「……だってさ、ミナト」
師匠の手が僕の頭を離れると同時に、エルクが膝の上の僕の手に、そっと自分の手を添えるように置いた。その手触りが、ぬくもりが……じんわりと感じられる。
「それじゃ、も1回一緒に考えましょうか、ミナト。『私達が』勝つための作戦とか、チーム分けとか……色々ね」
正直この時、ちょっとだけ泣きそうだったんだが……どうにか耐えて、皆と改めて話し合い、その会議の場で絆が深めることができた当時の僕を褒めてやりたいと思う。
☆☆☆
そんなことがあったからこそ、迷いなくエルクは言うのだ。
「…………本当にそれでいいのね?」
「もちろんです。今回私達『邪香猫』は、動けるメンバー全員でこの作戦に参加することにしました」
タマモさんが、再度僕に確認するような視線を向けてくる。
なあなあでごまかすのは許さないとでもいうような、真剣な目つき。それを受けて僕はしかし……昨日のうちに既に結論が出ていることだ。心が揺らぐことは少しもない。
「お聞きの通りです。僕ら全員、総力戦で『鬼』の連中を叩き潰すつもりです」
「……そう、わかったわ。あなた達の覚悟に、敬意を表します」
タマモさんはそう言い……しかしその最後に、小声でこう付け足したのを、僕の耳は聞き逃さなかった。果たして、僕に聞かせる意図があったのか、それとも単なる独り言だったのかはわからないけど……
「…………いい仲間を持ったわね、ミナト君」
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