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第18章 異世界東方見聞録
第394話 デスマーチのお誘い
しおりを挟む幸いというべきだろう。予想通りに、僕の急激な食欲増進は数日で収まり、我が家(借家だけど)の食卓と厨房には平和が戻ってきた。主に使用人や料理人の皆さんの過労的な意味で。
それでも、デフォルトで僕は食欲旺盛だから、普通のお屋敷とかよりは忙しいんだろうけどね。
ともあれ、どうやら僕の体のリビルドは無事に終わったようで……その状態で、調子を確かめるため、本日、訓練場で色々と試してみている。
相手はいない。1人だ。
ただ、ネリドラとリュドネラに頼んで、色々機材を使ってモニタリングをお願いしている。
魔力や霊力を練ったり、それを使って色々な……格闘術のアクションや、簡単な応用技を発動させたり……その他、フィーリング的に色々と試して、『新しくなった』体の調子を確認する。
その間の、僕の体を流れるエネルギーの量や質、そして動きを調べて、解析する。
その結果としてわかったのは……まあ、簡単に言えば、こないだ思ったのと同じことだった。
魔力や霊力を使う際の、力の『ロス』が限りなくゼロに近くなっている。
力を込めた分だけ、お目当ての力を、思ったように振るうことができる。
ここまでは、リビルドの期間中に既にわかっていたことだけど……今回、新たに分かったことが2つある。
1つは、扱うエネルギーの種類によって、生じる『ロス』の量に差があること。
もう1つは、エネルギーをロスなく変化させる際の仕組みというか、プロセスだ。
まず『ロス』についてだが……魔力で体を強化し、強大な力を生み出し、それを振るう……つまりは『破壊力』に変えるとする。
この場合、ロスはほぼないと言っていい。力を込めた分、破壊が起こる。
ただ、『属性』を持った力に変えようとすると違うようだ。
例えば、僕がいつも使う『魔法格闘術』でやるように、魔力を『雷』に変え、拳に込めて打つと……雷をまとい、打撃と同時に感電させるパンチになる。
だがその際、魔力は全て『雷』と『破壊力』に変わるわけではなく……多少なり『熱』に変わってしまう。『電熱』って奴だな。こればっかりは、切っても切り離せないもんだろう。
アニメとかマンガでも、電撃食らった奴って黒焦げになるもんね。
また他の例として、火を起こせば、『熱』と同時に『光』も起こる。
変換先が『熱』だけなら、熱くなるだけだけど……火炎はどうしても明るさを伴うから。
変化先のエネルギーの種類次第で、こんな風に『ロス』が増えたり減ったりするわけだ。
まあ、仕方ないね。『明るくない火』とか『熱くない電撃』なんて、聞いたこともないし。
(……いや、探してみるのも一興かな、いっそ……)
さて、それはさておいて……もう1つの判明点。エネルギー変換のプロセスについて。
どうやらこの体は、今言った『変換先』へエネルギーを変換する際、一度に全てのエネルギーをロスなく変換させているわけじゃないようなのだ。
例えば、100の魔力を腕に込めるとする。
それを使って腕力を強化する際……普通は、この内の何割かしか有効利用できず、残りは霧散したり、不発だったりする。仮にそれが6割だとすれば……60の魔力で腕力が強化され、残り40はロストしてしまう、無駄になってしまうわけだ。
しかも、ここからさらに、魔力コントロールの技能次第で、『60』をどれだけ効率的に使って強化されるかが決まることになる。
僕の場合は違う。
コントロールはともかくとして……僕は100の魔力のうち、『1回目』の変化で60の魔力を望む力に変え……しかし、残り40を霧散も喪失も再吸収させずもさせずにとどめておける。
その直後、即座に『2回目』の変化が起こり、さらに25が力に変わる。
残り15も、『3回目』、『4回目』、『5回目』、さらにその先を経て……最終的に、限りなく100に近い『力』が作り出される。
そしてここまでのプロセスが、非常に滑らかに、素早く行われるのだ。それこそ、1回だけ魔力を練ってそのまま使うのと変わらないか、あるいはそれ以上の早さで。
こうして、ロスを限りなくゼロにした力の行使が可能になっているということが明らかになった。
ただ、どうやってこの複数回の変化を可能にしているのか……その役割を担っているのが、一体僕の体のどこなのかがわからない。
僕の体のどこかにあるはずなんだ。そこを通すことで、魔力を非常に高い効率でお目当ての力に変える……変え続けられる、コンバーターみたいな機関が。
少なくとも『経絡系』じゃなさそうだ。
そもそも霊的なものなのか、物質的なものなのかもわからないけど……今度、詳しく調べないとな。
『エレメンタルブラッド』が通ってる『血液』か?
地形を変える破壊力を生み出すほどの『筋肉』か?
超硬合金すらはるかに凌ぐ硬度・強度を持つ『骨』か?
生物としての限界を超えた反応速度を可能にする『神経』か?
全身を覆う『表皮』か? そこにくまなく生えている『体毛』か?
それともどこかの『内臓』か? まさかまさかの、どこかの『粘膜』か?
あるいは……何か全く新しい機関が僕の体にできたのか?
……自分の体に起こっている変化を『怖い』とも思わず、速攻で好奇心が鎌首をもたげるあたり……僕の思考って、マッドだとしても相変わらずぶっ飛んでるなあ。
まあ何にせよ……この疑問に答えが出るのは、今日明日のことじゃないのは確かなんだ。
こっちには魔法や医術を始め、各分野のスペシャリストもいることだし、気長に行こう。
☆☆☆
そんなある日のこと。
「旅行……ですか?」
「ええ。もしよければ一緒にどうかと思ってね、誘わせてもらったのよ」
イヅナさんをお供に連れて屋敷に来たタマモさんの口から聞いたのは、そんな話だった。
なんでもタマモさん、近々その『旅行』に出るため、都をしばらく留守にするらしい。
その報告と同時に、よかったら一緒に行かないかって誘いに来てくれたそうだ。
ただ、一応僕護衛任務中だから、そんな旅行なんて理由で出歩くわけには……と思っていたら、
「常日頃から聞いていた話だけど……ミナト君、色々な種類の『妖怪』……大陸で『魔物』に分類されるタイプのそれを見てみたいんでしょう? あわよくば、素材を採取して研究したり、加工してアイテムを作りたい、とか」
「それは、まあ……確かにそうですけど」
「それに、もっと強くなりたいのよね? ついでに言えば、今回の『模擬戦』で成長できた実感もあり、その力を慣らしてモノにしたいと思っている」
「はい」
よく知ってるな……『陰陽術』の訓練の時とかにミフユさんとかにちらっとこぼしたり、相談したことはあったけど……それがどうかしたのかな?
「なら、ちょうどいいかと思ってね。この……『旅行』とは名ばかりの、修行の旅は」
……? どういうことだ? 『修行の旅』?
『名ばかりの』ってことは……ホントの目的は、『旅行』じゃなくて別にある、と?
「私が表向き、帝の『愛妾』という立場にあることは知っているわね? そんな女が、大っぴらに運動だの修行だのしたり、政治的な目的で各地を出歩いたりするわけにはいかないから……そのあたりを考慮したカモフラージュというか、方便なのよ」
「つまり、観光旅行以外の目的で都を出るんですか?」
「ええ……色々と事情があってね」
聞けば、どうやら今言った通り』『政治』や『修行という面での目的が主にあるらしい。
『政治』の部分の理由は、タマモさんがヤマト皇国の裏の支配者として君臨していることによる。彼女の力は、権威的にも戦闘能力的にも……すなわち、人間社会でも妖怪の業界でも絶対的と言えるレベルのものだが、流石に『キョウ』から遠く離れると、その影響力も弱まるらしい。
ゆえに、号令一つでできることにも限りが出てくる。
都の周辺なら、一声かければ様々な情報が集まり、あっという間に探し人が見つかるような話でも……同じことを遠く離れた地方でやろうとすると、内容にもよるが動きが鈍くなることもある。
今回タマモさんは、自ら何かの調査に動く……というわけではないけど、何やら気にしている案件があるらしく、それに関する協力要請のために、各地の有力者を訪ねて会談するつもりなんだそうだ。外交上必要な、義理を通すためのあいさつ回りみたいなもの、ってことだろうか?
話を聞く限り、殴り込んで言うことを聞くよう恫喝する……っていう雰囲気じゃないしな。
そしてそれに加え……タマモさんは同時に、体が鈍らないように『運動』するつもりでもいるらしい。
この『旅行』の行く先々で、その土地に住む、害悪に分類される『妖怪』を駆除するために戦って狩りをする、などの他……移動そのものを運動としてとらえたりもするらしい。
どうやら、移動は徒歩で行くらしいので、離れた所に行くならそれ自体が運動になるんだろう。
政治が絡まない場合でも、運動不足解消とかのために『旅行』を企画したこともあるそうだし……逆もまた然り。けっこう気軽にとらえているようだ。もっぱら、運動の機会として。
「以前……まだ、朝廷の表裏の権力基盤が今ほど盤石ではなかった頃にもやったことがあったわね。あの時は諸国を巡りつつ、よからぬことを企んでる連中を見つけて直接成敗したり、土着の権力者がまともな場合は、企みを暴いてあとのことを任せて貸しにしておく、とかしたんだっけ」
「世直しの旅、ってわけですか?」
なんか有名な時代劇みたいな展開である。不覚にも面白そうだと思ってしまった。
……実際は面白いはずないけどな。そんな、行く先々で後ろ暗い企みを警戒して動かなきゃいけないような旅が。
ああいうのはテレビ画面の中でやってるのを見るから面白いのだ。実際にやるとなれば、権力とかそういうのが絡んできて面倒だろうし……暴れるだけで解決するわけがないんだし。
「この『旅』のやり方は元々、私の修行や運動不足解消のために、行っていた修行の1つがベースになっているのよ。それも、私のレベルに合わせた上でのものだから……普通の奴がついてこれる前提にはないのよね」
……マラソン大会みたいなもんかな? 現代で言えば。
あの手の……何て言うか、その道の人しか良さがわからなさそうな、過酷な運動イベント。
前世のインドア派の自分にとっては、苦痛でしかなかったな……高校の10km走るアレは……。
まあ、今なら10㎞なんて数分あれば余裕だけど。
「そういう感じで、今回も趣味と実益を兼ねて、ってことで『諸国行脚』を考えているんだけどね……どうも最近、地方できな臭い動きがいくつか見られるようだから、万全を期したいのよ。正直に、具体的に言ってしまえば……ミナト君には、護衛を兼ねて一緒に来てほしいと思っているの」
「護衛、ですか……でも、タマモさんめっちゃ強いですよね?」
頭に『準』がつくとはいえ、『女楼蜘蛛級』の実力は伊達じゃない。
師匠に聞いたら、戦闘能力的には、ドレーク兄さんや僕と同等かそれ以上で、アクィラ姉さんやブルース兄さんは確実に超えてるらしいし……間違いなくSランクの領域はぶっちぎってる。
なお、攻撃力や防御力、機動力に魔法系能力の全てがバランスよく強いタマモさんに対し、一撃の破壊力がぶっ壊れてるドレーク兄さんや、基礎的なフィジカル、特に耐久力が別次元レベルの僕とかは、強さの方向性が別ベクトルにとんがってるのもあり、単純に比べるのが難しいそうだ。
僕の場合はそこに、発明品の数々も戦力として加わるし。
こないだの模擬戦では僕が勝ったけど……本気の殺し合いともなれば、また違うだろうしね。ドレーク兄さんやタマモさんには、僕にはない、100年以上を戦って来た経験ってもんがあるから。
そもそも、兄弟同士や母さんの知人と殺し合いなんてごめんだしな。
とまあ、そんだけ強いタマモさんだから、護衛なんて必要だろうか、と考えた。
元々は身内用の運動イベント扱いなんだし、別に僕要らなくないか、と。
「私の身の安全を考えるだけならそうね。私と……予定としては、私の側近から1~2名程度一緒に連れていくつもりだし、そこは問題ないでしょう。ただ、動ける人手が居るっていうのは、それだけで行動選択の幅が広がるし……俗なことを言ってしまうと、個人の負担も小さくなるのよ。さっき言ったように、この旅は『政治』であり『修行』であり、そして『旅行』という娯楽でもあるの。元々が、運動しつつ楽しむことも考えてやっていたイベントだから」
「そのためには、人数はいた方がいいと。多すぎてもよくなさそうですけどね」
「それだけでなく、この旅についてこれる実力があることが前提条件なわけでござる。ゆえに、今までは『人数』云々と言いつつも……多くても、せいぜい拙者とサキ、それにヒナタの3人くらいだったでござるからなあ、ついてこれるのは」
側近さんたちのうち、特に運動能力がある3人らしい(持久力メイン)。
こないだの模擬戦で、イヅナさんと同じく前線を張っていたマツリさんは、接近戦は強いけど持久力とかサバイバル向けじゃないし、内政の能力が側近の中で一番高いので、このイベントの時はいつも留守番なんだそうだ。何かあった時の対応のために。
「なるほどな……それで、弟子と俺に声かけたのか」
「ええ。色々と見て回ることもできるし……ずっと同じ都市の中にいるのは退屈でしょう? クローナとミナト君なら、実力的にも体力的にも申し分ないから、どうかなと思って」
「色々と見て回る……ね。具体的な旅程は? どこ行くつもりなんだよ」
そう聞くと、タマモさんはニヤリと笑って……イヅナさんにちらっと目配せした。
それを受けてイヅナさんは、懐から見覚えのある紙を……この国の地図を出す。
そこには、どうやら今回の『旅行』だか『諸国行脚』だかをする際のルートとなるものが書き込まれていて……って、あれ!? これって……
「……えっと……これって、この国一周するってことですか?」
「そういうこと。この『ヤマト皇国』は環状列島だから、それを利用してね。ここ、『キョウ』の都を出発して東へ行き、こう、ぐるーっと回って西から戻ってくる、というルートよ」
「その過程で、色々な場所に立ち寄って戦ったり狩ったり探したりするのでござる」
「? 何だそりゃ、冒険者ギルドのクエストみてーだな」
「ただ名所に立ち寄ってみたり、通ったりするだけじゃ物足りないし、修行っぽくならないでしょう? それじゃ修行要素、長距離走だけだもの」
そういってタマモさんは、地図の所々にある、いくつかの『○』のマークについて指さしながら説明してくれた。
というか、この旅そのものについても説明貰った。
この旅は、さっき言った通り、環状になっている『ヤマト皇国』を、キョウを出て西に行き、東から戻ってくる形で一周する、列島縦断ならぬ列島一周ルートだ。
そして、地図上のルートの要所要所に○のマークがついていて、それらが『クエスト』である。このクエストを、1日1個消費しながら進んでいく。
それ以外の日程は完全な自由であり、何も決められていないため、好きにしていい。
空いた時間で観光するもよし、人里で買い物するもよし、狩りとかして素材ゲットするもよし、何なら遊郭や賭場にいってもよしだそうだ。
宿泊場所も自由なので、人里の高級宿に泊まってもいいし、野宿でサバイバルしてもいい。
ああ今回は、場所によってはその土地の有力者とかに『面会』することになるので、その分の時間はとられるかもだけど。
あくまで気を付ける点は、『1日1つクエストを消費する』点だけなわけだ。
それこそ、野山とかに住み着いて害獣扱いされている『妖怪』を狩って素材ゲットとか、未開の危険地帯の中にあるダンジョン的な場所の探索をしてもいいわけだ。
それを聞くと、師匠も少し興味湧いた感じで地図を見て、どんな場所があるのかタマモさんに聞いてみたりしていた。割と乗り気みたいだな。
……しかしちょっと待ってほしい。
その『1日1回のクエスト』って点について、ちょっと大至急確認したいんですが。
何かって言うと、この地図には、通るのであろうルートと、その上にチェックポイント的に『クエスト』を示す○印が書き込まれているわけであるが……その○印が、10個くらいしかないのだ。
つまり……
「……あのー……タマモさん? 1つ聞きたいんですけど」
「何かしら?」
「この『旅行』…………全日程どのくらいで考えてます?」
「ざっと10日くらいよ。9泊10日」
「……徒歩なんですよね?」
「ええ、そうよ。移動に際して、一切の乗り物の使用は禁止。馬はもちろん、牛車も、人力車も、船もだめ。もちろん、ミナト君が持っているであろう摩訶不思議なアイテムもね。この行脚の、数少ないルールの1つよ」
「……海の上、通ってるルートあるんですけど。泳ぐんですか?」
「そうだけど、水の上を走れるならそうしてもいいわ。私はそうしてるし」
「……それに、ヤマト皇国一周ってこれ……距離どのくらいあるんですか? 見た感じ、直線とか最短距離で行くわけでもないようですから、けっこうな距離ですよね?」
「ええ。地形の問題で通れないところがあったりするから、そのあたりを考えて……総移動距離は2800kmくらいになるわね。内5%くらいが海よ」
「10日間で?」
「ええ」
「徒歩で?」
「ええ」
つまりこの『旅行』とやら、2800kmを10日間で走破する(しかも約100㎞は泳ぐ)という、とんでもない死の行軍だったわけである。
これは……うん。相応の体力がなきゃ参加自体無理なわけだわ。
中途半端に体力あるだけの奴じゃ、自殺行為だわ。移動だけでも。
何せ、単純計算で1日280㎞走らなきゃいけない。
普通に考えて、こんな距離、人間が1日で走れる距離じゃない。
それは、この剣と魔法のファンタジーな異世界でも同じだ。よっぽどの実力者でもない限り。
例を取って話してみるが……フルマラソン(42.195km)の場合、世界記録でも、平均的な走る速さは時速20kmくらいだったはず。
加えて、1回やると筋肉だけでなく内臓とかにもダメージが多少なり行くらしい。
そのため、1回フルマラソンを走ったら、それらのダメージが抜けるまで……おおよそ3週間から1ヶ月くらいは間を開けた方がいいと言われている。
それを考えると、いかにファンタジー世界でも、この『旅行』がどれほど無茶な予定を立ててるかってことがわかる。
1日に走る距離は、フルマラソンの7倍近く。
それを、10日続けて走る。
仮に1日10時間走るとしても、要求される速度は時速28km。死ぬだろ。
こんなん、仮に魔力で体を強化して走ったって、1日目を乗り切れる人はごくわずかだろう……。
そして、その疲れや魔力の消費が2日目までに解消する可能性はほぼ0だ。
おまけに走る道は舗装もろくにされていないどころか、山の中や砂利道の荒地、湿地帯や砂地なんかを突っ切ることもあるだろう。さっき言った通り、海まであるしな。
この『旅行』がどれだけ過酷……を通り越して無茶苦茶かがわかるってもんだ。
そして誘われたってことは、僕や師匠はコレに参加しても大丈夫だと判断されたのか。
さらに言えば、僕にとってはいい修行になる。『模擬戦』に続けて、いい経験になり、『得るもの』があるだろう……とのことだ。
……どうしようかな、コレ……?
体力的には、多分僕らなら大丈夫だし、各地の妖怪や観光なんかにも興味はある。タマモさんの紹介なら、そういう所への立ち入りとかもトラブルなくできるだろうし。
オリビアちゃんから許可さえ取れればだけど、受けてみるべきか……うーむ……
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