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第18章 異世界東方見聞録
第381話 まだまだ続く……?
しおりを挟む「……うん、何だこれ、寒っ」
朝、起きた瞬間に思ったことがそれだった。
屋敷の奥にある寝室で目覚めた僕は、あまり布団を動かさないように注意しつつ、這い出すように外に出た。
何でそうするかっていうと……一緒に寝てるエルクとネリドラが寒がるからである。
浴衣どころか肌着の一枚も着ていない状態では、ちょっとこの寒気はきついだろうし……ああ、『何で朝っぱらからそんな格好なのか』っていう疑問は聞かない。察して。
なお、シェリーはセレナ義姉さんと酒飲んでそのまま寝たっぽいため、ナナは書き物をしててちょっと疲れたために普通に寝るってことで、昨日は不参加……ってそれはどうでもよくて。
素肌にそのままだが、枕元に置いておいた浴衣をぱっと着て、窓を半分開けて外を見ると……
「……うっわ、マジか」
「……ん? どうしたの、ミナト……?」
と、今のでエルク……と、ネリドラも起きたっぽい。無意識に体を起こし、そのせいでかかっていた布団がずれて落ちて、その肌があらわに……なると同時に、2人そろって自分で自分の体を抱くようにした。
「「寒っ!?」」
「だろうねー……雪降ってるもん」
「え、ホントに!?」
「ホントホント。見てみ?」
そう言うと、ネリドラとエルクも僕と同じように、浴衣をパッと着て僕の隣……窓のところに小走りでやってきて、外を見て……
「おー……」
「うっわぁ……この国でも雪って降るのね」
「いや、そりゃ降るでしょ……って、ああ、ネスティアじゃ降らないもんね、珍しいのか」
積もる、とは言わないまでも……地面の大部分を薄く覆うくらいの雪が既に振っていて、さらにまだまだ、はらはらと舞うように空から白い粒が降り続けている景色が、外には広がっていた。
そういや今、冬だったな。
『フロギュリア』を出航したのが、夏の終わりから秋のはじめくらいの時期で、そこからおよそ3ヶ月強くらい経ってるわけだから、そりゃまあ……季節的には、こうなってもおかしくない時期ではあるんだ。
ただ、『ネスティア』然り『キャッツコロニー』然り、雪が降らない場所で過ごす期間が長かったからな、僕らの場合。こういう景色が最早珍しいものになってるんだ……後者は、天候をある程度自由に変えられるっていうとんでもない環境を形作ってるせいでもあるが。
今年の春に言ったフロギュリアで、初めて本格的な降雪に出くわしたもんな、そもそも。
そんなことを考えていると、こんこん、と扉を叩く音がして、『はい?』って返事を返すと、
「おはようございます、旦那様。お召し物をお持ちいたしました」
ふすまの向こうからそんな声が。
朝いちばん、タイミングのいいことに、僕らの起床とほぼ同時という時間にこうしてきてくれたのは、僕らの世話を任されている中居さんの1人…………ではなく、
「こちら……本日はこのとおり冷える朝となっておりますので、厚手の上着を一緒にご用意いたしました。よろしければお使いくださいませ」
そう言って、きちんと折りたたまれた3人分の服を差し出してくれる、サクヤだった。
☆☆☆
2度にわたる『ハイエルフ駆除』、そして彼女の腕を完全復活させた『治療』からこっち、サクヤは一層僕らに『奉公人』として尽くしてくれている。
一応僕らとしては『仲間』のつもりなんだけど、あくまで彼女は『奉公人』ないし『使用人』のつもりらしく、一線を引いた関係を崩そうとしていない感じだ。
まあ、それはそれでいいけどね。本人がそれでいいなら。
必要な時にはきちんと『仲間』として扱うつもりだから、こっちは。
その一環と言っていいかはわかんないけども……どのみち彼女本人から『奉公人に敬称をつけて呼ぶのはどうかと』という話もあったため、こないだから『サクヤ』と呼び捨てにしている。
で、そのサクヤだが、こんな風に毎日献身的に……それこそ、秘書ポジションであるナナとはまた別な感じで、僕らに尽くしてくれるのだ。
例えばこんな風に、朝、起きてから3分以内に寝室にこうして服が届く。
これは偶然でも何でもなく、音と気配で僕らの起床を感じ取っているからだそうだ。
そうしたらすぐさま、あらかじめ用意しておいた服に加え、今日みたいに寒かったりする日とかは、気候的なところも考慮してオプションを決め、それも一緒に用意して部屋に赴く。
無論、一緒に寝ている『奥様』の服も人数分用意するのも忘れない。
その他にも、掃除や洗濯といった家事はもちろん、くつろいでるところにさっとお茶とお茶菓子を出してくれたり、自分から進んで僕らのためになることを絶妙のタイミングでしてくれる。
やだ、この子有能。ちょっと怖いくらい。
それはいい、って断ったんだが、最初は風呂で背中を流すとかまでしようとしてたしな……。
中でも僕らの役に立ってる、というか、個人的にすごくいいと思ってる働きが、裁縫である。
様々な仕事のほぼ全てで高水準の能力を発揮しているサクヤだが、裁縫も得意である。
他の仕事に比べてもかなり得意な部類に入る上、彼女の裁縫は1つ、特別な部分がある。
というのも……だ。
彼女は、種族『土蜘蛛』である。
『蜘蛛』である。
蜘蛛というのは、巣をつくるために糸を出す。……もうお分かりだろう。
彼女は、自分で糸を出すことができ、それを使って服などの布製品を作ってくれるのだ。
そして、それがまた高品質なんだな……頑丈な上に着心地がよくて。
何せ、今来てる浴衣とどてらがその彼女の作品である。
ミフユさんに聞いたんだが、『土蜘蛛』の糸は手触りが軽くて滑らかな上に、非常に頑丈であり、刃もやすやすとは通さず、火をつけても燃えにくいため、絹なんかよりよっぽど価値がある素材だそうだ。その価値を知る者なら、大金を積んででもこぞって欲しがるらしい。
今現在、僕らの部屋着とか肌着なんかは進んで彼女が作って、どんどん追加してくれている。総入れ替えする気じゃないかってくらいの勢いで。
実際調べてみたけど、ホントに強度も耐熱性も、その他薬品に対する耐性なんかも優秀なんだよなあ。天然で何の加工もしなくても、抗菌、防臭、抗酸性や耐腐食性なんてものまで持ってて……下手な化学繊維や合金繊維すら上回るレベルである。
流石に僕が戦闘用の服に使ってる特殊繊維には劣るけど……正直、肌触りはこっちのほうがいい気がする。……インナーにするなら全然ありだよな、うん。
その他にも、サクヤは『蜘蛛』の能力を使ってバリバリ働いてる。
某アメコミヒーローみたいに壁とか普通に登れるから、高いところの窓とか拭いたり、埃とか掃除したり、
虫らしく目が『複眼』で、滅茶苦茶目がいい上に視野が広いし、暗いところでも全然見えるから、誇り一つ残さずに掃除するし、火気厳禁の暗いところでも普通に動けるし。
あと、何か屋敷中にちょっとずつ糸を張り巡らせて、そこを伝ってくる振動とか音で、屋敷内の状況を随時察知してるっぽいんだよね。朝僕らが起きたのも、これで悟ってるみたい。もちろん、目にもつきにくく、動くのに邪魔にならない場所に、って許可取ってだけど。糸張るのは。
けど同時に、彼女は『奉公人』だけでなく、きちんと『仲間』である側面も見せている。
具体的には……訓練場で。
「うっ……はぁ! コレってやっぱりちょっと新感覚よね! こんなことする敵と戦ったことないっていうのもあるけど、単純に攻めづらいっていうか、強いのがいいわ!」
「まあ、単純計算でも、剣1本でくるより手数が6倍ですから……ねっ」
「おっ、と……さすが、隙を見極めるのがお上手ですね。ですが、私もだんだんと慣れてきたところですから、そう簡単にはっ!」
「うんうん、そーこなくっちゃあ!!」
訓練場で今、戦っているのは……シェリー、ギーナちゃん、そしてサクヤの3人だ。
組み合わせは、三つ巴……ではなく、シェリーとギーナちゃんの2人がペアを組み、残るサクヤと戦っているのだが……現在、歴戦と言っていいレベルの実力を持つ2人をもってして、サクヤ1人を相手に攻めきれないでいる。
その理由は単純……今ギーナちゃんが言っていたように、サクヤの手数だ。
今現在、サクヤは、6本ある腕の全てに手甲を装着し、6本全てに武器を持って戦っている。
1本に太刀、1本に小太刀、1本に鎌、1本に鉈、そして残る2本で薙刀を持っている。それらを目で追うのも大変なほどの素早さで振るい、怒涛の連続攻撃が放たれる。
ギーナちゃんとの模擬戦でもやっていた二刀流に加え、変則的な攻撃が可能になる鎌や、刀よりも肉厚で重量の乗った攻撃が可能な鉈、さらに刀以上のリーチと鉈以上の医療をたたき出せる薙刀という多彩な攻撃手段が、攻撃に防御に存分に振るわれる。
そんな無茶苦茶なやり方でありながら、こんがらがったり、武器同士がぶつかって邪魔になったりすることもなく、むしろ手馴れているかのように振るうサクヤは……どうやら、元々の戦闘スタイルはこうだったようなのだ。
今まで体験したことのない戦い方を相手に、さすがのシェリーやギーナちゃんも攻めあぐねているようだ。
今も、シェリーが斬り込んできたのを、受け流すように太刀でかわし、もう片方の手に持っている小太刀でカウンターの攻撃を斬り込む。
剣を持っている手首を返すようにして、シェリーはそれを剣で受けて防ぐが、今度はほぼノータイムで振るわれる鎌が迫る。剣と違って横に刃が伸びており、鍔迫り合いには不利な武器だ。
その攻防を隙と見て襲い掛かるギーナちゃん。しかし、その拳は、同じく重量があり衝撃にも強い鉈で受け止められ、リーチが違いすぎる薙刀が救い上げるように振るわれ、否応なしに跳び退って距離を取ることになる。
その軌道がシェリーをも巻き込むものだったため、必然彼女も一緒に。
技量と思考の速さにおいては、うちのメンバーの第一線クラス。それが、僕が彼女の戦闘を見て抱いた感想である。
もっとも、実戦となればシェリーには多彩な魔法関係のスキルもあるし、ギーナちゃんは本気装備を使うだろうから、また違ってくるだろうけどね。
しかも、それ以上に警戒しないといけないのが……目に見える武器が全部じゃない点だ。
今丁度、シェリーとギーナちゃんが同時に距離を取ったところで、素早くサクヤが動いた。
持っている鉈を、腰に下げているホルスターみたいなのに収め、さらに薙刀を片手で持つことで手を2本空ける。そして、その2本で……
「うそっ!?」
「隙アリです!」
背中から取り出した弓矢を、一瞬で構えて放った。
その矢をどうにか2人が防ぐと、今度は手から糸を出し、手に持っている鎌にそれをつけてぶぅん、と振り回す……というか、投げる。
まるで、鎖鎌でも扱ってるみたいに。
それを2人が避けると今度は……という感じで、いつ何がどこから出てきてどう使われるかわからないため、片時も油断できない戦いが続くのだ。間断なく。
うん、もう何度も言ってるけど……今までにないパターンの戦い方だ。
新鮮で……それでいて、こっちとしても学ぶことが多い。そして……
(なんてロマン的な戦い方……ふふふ、魔改造しがいがある)
やっぱりというか、僕はこういうこと考えちゃう人種なんだよね。
☆☆☆
さて、そのへんの、何も問題なく順調な点についてはもういいとして……しかし、順調でないというか、難航していることも、実はあるわけで。
僕らがここ『ヤマト皇国』に来た主目的である、外交ルートの設立。これがどうやら、交渉が難航してるみたいなんだよね……大使チームから聞いた話だと。
「現状、まだ4合目、と言ったところです。申し訳ありませんが、今しばしお時間をいただくことになるかと……」
そう、言葉通りに申し訳なさそうに言ってくるオリビアちゃん。
屋敷での昼食の席、午前中の会議から帰ってきた彼女からそんな風に報告があった。
その隣に座っているドナルドも、少し疲れたような様子でうなずいていた。
まだ箸を使うのになれないため、匙で食べているのがちょっとアレな感じに見えるけど、まあ仕方ないだろうコレは。生まれ育った環境で慣れちゃうもんだし。
「そんなに難航してんの、この国との交渉? 兄貴にしちゃ珍しく手こずってるね」
「おーいおーいザリー。何をおめでたいことを言ってんだい……国と国との交渉が簡単なわけないでしょーがよ。いち貴族の領地や大手の商会とかと話つけるのとは訳が違うんだよ?」
「いや、それはわかってるけどさ……兄貴ってもう外交実績いくつも持ってるでしょ? だからこの『ヤマト皇国』遠征の大使にも選ばれたんだろうし……それでも慣れてるもんだと思ってたよ」
「そりゃ慣れてはいるよ? 俺は。慣れてないのはこの国の方だよ……」
「あー……そゆこと」
と、ドナルドのため息交じりのセリフを聞いて、納得したように言ったのはクロエだった。
同時に、ナナやネリドラ、そして話していたザリーも『ああ』って感じの顔になっていることから、意味を察したんだと思うけど……残るメンバーはほぼわかっていない様子で、説明を求めてクロエに視線が集中する(僕含む)。
それを受けてクロエは『あー……』と少し考えてから、
「要するにさ、この国ってほら……いわゆる『島国』じゃない? 大きさはそれなりにあるけど、他の国との交流……っていうか、ぶっちゃけ、外交の経験ってもんがないのよ」
「あ、それでもしかして手間取ってるってこと? どう交渉していいかわからない感じ?」
「ええ……さきほどドナルドが言っていた通り、貴族同士や商会などとの交渉とはわけが違いますから……完全な『他国』との交渉というものについて、この国はほぼ手探りで交渉を進めている状態なのです。我々としては、後々からのトラブルを避けるため、急かしたり威圧するようなことはもちろん、必要以上に認識や話題等を誘導するのも厳禁としていますので、歩調を合わせる形になっているのですが……結果、交渉の進みは亀の歩み、という奴ですわ」
「加えて、朝廷内はもちろん、国内の意見集約や折衝に手間取ってるっぽいね。どうもこの国……完全な中央集権型の権力構造かと思ってたんだけど、微妙に違うみたいだ」
と、オリビアちゃんの説明に、付け加えてドナルドが言う。
「もちろん『帝』を頂点とした権力構造にはきちんとなってるんだけど、どうしても地方に有力な豪族ないし貴族は残っちゃうようでね。それらも立場上きちんと帝の下にはあるんだけど、一定の発言権ないし影響力みたいなものはきちんと残してる。『ヤマト皇国』が1つの国として外交交渉を行うっていうこの一大事に、それらの意見をないがしろにするわけにはいかないから、そこの意見調整に手間取ってるらしいよ」
「ミナトさんと一緒にいると忘れがちですが、本来、離れた場所にある領地や国家間でのやり取りは時間がかかりますからね……手紙を使うなり、使者を出すなりしても、その移動の分だけ確実に間は空きますし、下手をすれば途中で不慮の事故で使者や手紙がたどり着かなかったり……」
「何度もそれを繰り返して、必要なら人員を追加でやり取りしたり、代表者自ら会議場所に赴いたりして話を進めるのが一般的なやり方。ミナトがやってるみたいに『スマホ』でいつでもどこでも誰とでも、なんていう通信網は本来、一握りの高級貴族や王族のみが独自に持っている程度」
「それすら持ってないことの方が圧倒的に多いわよね。ラグなしで遠隔地と話ができる道具なんて……政治的・戦術的に考えればとんでもない価値があるわよ。距離が遠ければ遠いほど……って、話がちょっと脱線したわね。えっと、都から離れた場所にいる豪族との意見調整が大変なのよね?」
ナナ、ネリドラ、クロエの元貴族3人娘が続けざまにそう言う。
……まあ、言ってることはわからなくもない。この世界じゃ、それだけ遠隔地での意思疎通ってのは大変だ。質問1つとっても、今言った通り手紙や使者のやり取りが必要で、そこにかかる時間はどうしてもダイレクトに話し合いの結論が出るのを遅くしてしまう。
それに加えて、会議自体も難航してるとなれば……これはかなり時間がかかると見るべきか?
「幸い、地方とかからは致命的な反発が出てるわけじゃないみたいだから、最終的には上手く落ち着くところに落ち着くと思うけど……時間はかかりそうだね。その地方の有力者たちも、初めての『外国』が相手の交渉って奴に慎重になってるんだろうし」
「先程言ったように、急かすわけにはまいりません。かといって一度帰るとまた来るのが大変ですから、結果的にはここでこうして待っていた方がいいかと……申し訳ありませんが、今しばし……下手をすれば月単位になるかもしれませんが、お時間をいただくことになりそうです」
そっかー、まだかかるか……そんなに。
今でもう、およそ3ヶ月くらいの旅程になってる。まだまだ更新しそうだな……遠征クエストの長さの最高記録。
まあ、僕としてはその間も得るものが様々ある日々を送ってるから、そんなに嫌でもないし困りもしないけどね……。
……まあ、徐々にホームシック?が出てきてないとも言わないけど、ね。
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