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第14章 混沌庭園のプロフェッサー
第259話 これから
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今回で、第14章はラストになります。
次章からは、また冒険者らしいパートに戻せたらな、と。思ってます。
ただ……最近リアルが忙しくなってきまして……いや、夏~秋の時期は毎年忙しいんですけども。
休日も削れる見込みなので、更新ペースが今より落ちるかもしれません、ご了承ください。
もう1つの方も合わせて、なるべく暇を見つけて書くようにいたします。
********************************************
「ほなミナト、うちらこれで帰るけど、あんまり無茶苦茶やってエルクちゃん困らせんときや」
「大丈夫だよノエル姉さん。うちの嫁はもうしっかり神経強靭になってるから、多少のことじゃ困りも怯みもしないから」
「そーいう意味でゆーとるんちゃうねん」
そんなやり取りと共に、ノエル姉さんがウォルカに帰り、
「いやー、ホント楽しかったよ。ありがとミナト、今度は『ニアキュドラ』にも遊びに来てね? 前より割と過ごしやすくなってる国だからさ」
「そうだね、考えとくよ。その時には、またレジーナ達の歌とかダンスとか見られるの?」
「もちろん! 最高のを見てもらえるように磨きをかけとく! ……それに……ミナトだったら、もうちょっと他のサービスもしてあげてもいいかなー、なーんて♪」
「こらこら」
天真爛漫な笑みの中に、猫のようないたずらっぽさというか、妙な色気?をにおわせながら、そんなことを言ってレジーナが帰っていき、
「いやいや、好きなだけものを食うというのも、正しくわしの『身の丈に合った』料理というのも、久々のことだったわい。素晴らしい時を過ごさせてもらったぞ、ミナト」
「いやいや、何をこれくらい。イオ兄さんにはいつも世話になってるし。あ、帰る時に酒と食料、一緒に持ってってもらっていい?」
「おう、任せておけ。向こうで留守を守ってくれている連中も喜ぶだろう」
恐竜やら何やらの肉や、この森特産の山菜やキノコ、それに酒やジュースをたっぷりと収納ケースに詰めたうえで、満足そうに帰っていくイオ兄さんを見送り、
「さて……随分と長いこと世話になったな、ミナト・キャドリーユ。最高の休暇を過ごさせてもらった」
「お世話になりました、ミナト様」
「いえいえ、楽しんでいただけたんなら何よりです。ドレーク兄さんと国王陛下によろしくお伝えください。アクィラ姉さんも、元気でね」
「ええ、ありがとうございました、ミナト。あ、今度また休暇とか取れたらまた遊びに来てもいいですか?」
「もちろん。まあ、アポなしはさすがに、緊急時以外は勘弁してほしいけど」
「それはもちろんじゃ……それと、奴ら3人のこともよろしく頼むぞ。おぬしのことは信頼しておるが……皆、わしらの大切な部下じゃからの。害になるようなことがなくとも……あまり常識と違う事柄で染め上げるようなことはせんでおいてくれると助かる」
「………………」
「……おい、返事を返さんか」
メルディアナ王女とリンスレット王女、それにアクィラ姉さんとイーサさんを見送る際、そんなちょっとおバカなやり取りをかわし、
「とりあえず、目標30人ね」
「何が?」
「孫。人数」
「ぅおい!? 何をとんでもないことをさらっと!? 冗談にしちゃさすがにタチ悪いよ!?」
「冗談なもんですか、本気よ本気。私だって1人で26人産んでるんだし、ミナトお嫁さんいっぱいいるじゃん。楽勝楽勝」
「なわけないでしょーが! 普通の女の子をあんたと一緒にしちゃだめだよ! ていうか、1人何人生ませる気だよ!?」
「えーっと、緑、赤、藍、桃……あと、黄と紫と茶と銀と青と白と、赤と茶色がもう1人ずつ……なんだ、嫁1人あたり3人で余裕じゃない」
「何だその計算!? つーか最初の4人以降誰足した!? 僕そんなに嫁いませんけど!?」
「大丈夫よ、頑張れば嫁に来そうなのがあと8人はいるから。ていうか、あなたのことだからどうせこれからも増えそうだし?」
そんな、母と息子の会話とはちょっと思えないようなやり取りをした後に、母さんが帰り、
そんな感じで……招待したお客さんたち全員がようやくこの『キャッツコロニー』を後にし、このたびの『全員集合パーティー』は終わりをつげた。
やれやれ……あわただしかったような、はたまたのんびりだったような……不思議な時だったな。騒がしいけど、嫌じゃない騒がしさだったというか……
それだけに、いなくなると途端に静かになるな……この『キャッツコロニー』全体が。
まあ、それも当然か。もともと、僕ら『邪香猫メンバー』に、そのスタッフやメイドロボ、ギーナちゃん達やオリビアちゃんといった居候組を加えた数十人しかいないんだ。
それなのに、ちょっとしたテーマパークくらいの広さがあり、そこをさらに空間拡張で広げてるわけなんだから……そりゃ当然ってもんだろう。
それ考えると、ちょっとばかり過疎が過ぎると言うか、今更ながら少し寂しく感じる気がしなくもない、というか……
『ホーム』の談話室で、ソファに腰かけてゆっくり一息ついたところで……そんな風に思う。
……まあ、いいや。慣れるだろ、じきに。
それに、ずっとここにいるわけじゃないんだ。
今は羽休め中だけど、冒険者としての活動を再開すれば、人の営みの中に戻るわけだし、色んな場所に行く過程でいろんな出会い、色んな経験をするだろう。
その前にゆっくり一息つけるんだから、何も不都合なんてものはあるまい。
……そういえば……
「そういえばさ、ミナト。これからあんた、どうするの?」
と、隣に腰かけているエルクが、心でも読んだかのようなジャストタイミングで聞いてきた。
そして、それにつられてか……同じく談話室に集まっている、他の『邪香猫』メンバーやスタッフ、そして居候組の皆さんも、視線を僕に集中させる。
時間的にも、もう後は寝るだけって感じなので、皆、ラフで楽な服装だ。
「どう、って……冒険者としての活動?」
「ええ。SSなんてランクにまでなっちゃったわけだし、これまでと同じ……依頼を適当に受けて、期間ごとのノルマをこなして終わり、って感じでいいのかしら? 何か、特別なこととかやる必要とかって、ないわけ?」
「特にないみたいだよ? まあ当然、ランクに見合った依頼を受ける義務的なものはあるみたいだけど、僕元から高ランクの依頼かたっぱしからやってたし、仕事のスタイルを何か特に変える必要はなさそうだった」
「そうね。ただ……有名になるのに比例して、指名の依頼とか、依頼じゃなくても接触を持とうとしてくる貴族やら豪商とか、そのへんはどうしても増えるから……今ここにいる間はいいとしても、仕事のために町とかに戻った時がちょっと大変そうね」
と、セレナ義姉さん。あー、それは確かに……。
でもまあ、その辺はいくらでもやりようはあるでしょ。
依頼の内容にもよるけど、必ず街中で宿取らなきゃダメってわけでもないし、とるならとるで、野次馬シャットアウトできるようなところを選べばいいし。
それに、依頼の内容の厳選なら……ギルドでやってもいいけど、こっちには、というか、ここには心強い味方がいるわけだし。
「……で、その心強い味方は?」
「もう寝たわよ、アイドローネなら」
さいですか。
ギルドの、出張所だか派出所だかの窓口を担当してくれるわが姉・アイドローネ姉さん……もう寝ましたか。さすが一日の大半を寝て過ごす女。
そこだけ聞くとただの怠け者みたいだけど……実際はその真逆。
眠たがりの怠け者なのは否定できないけど、その実務能力はすさまじい優秀さを誇っている。
ここにギルドの窓口を設置するにあたり、当然ながら、部屋を用意して職員を呼んではいおしまい……なんてことにはならない。色々と、ややこしくてめんどくさい事務処理が必要になる。
クエストの管理ひとつとっても、やることはかなり多い。
依頼人からの『依頼』の受付から、その扱いの決定、冒険者への委託手続き、達成後の証明受領と報酬受け渡し、あるいは失敗時の手続き、そしてその後の処理……とまあ、色々とあるのだ。
これらは普段、ギルドで部門ごとに役割分担されているからこそ回るのであって、とても1人でできるようなものではない。
しかも当然、これ以外にもギルドの支部あるいはそれに準ずる施設として持っておくべき機能はいくつもあり、それらを1人でこなすなんてことは不可能だ。
おまけに、ここのギルド出張所には――今後こう呼ぼうと思う――アイリーンさんのいる『ウォルカ』のギルド本部を含む、各国の最大規模のギルド数か所から、定期的に高レベルの依頼が届くことになっている。
難易度の高いクエストっていうのは、多少なりそれに比例して手続きが複雑化することがほとんどだ。繰り返すが、1人で全ての処理を行えるわけがない。
……が、それをこなしてしまうのが、アイドローネ姉さんなのである。
この眠たがりの姉は、ギルド出張所の設立に必要な事務仕事や書類の処理の全て……本来なら、複数の部署にまたがって、十数人態勢で何週間もかかってやらなければならない量の仕事を、わずか5日で完璧に終わらせてしまっている。
しかも、自分の睡眠時間を削ることなく、いつも起きている時間だけで全ての仕事を完璧にこなしてしまったばかりか……今言った5日のうち3日は、ギルド上層部が書類を精査して決済を回すのに必要だった時間である。つまりこの姉、実質2日とちょっとしか働いていない。
なのに、何の問題もなく全ての手続きが終了している。
スピードも正確さも、尋常じゃない、なんて表現では片付かないレベルだ。
ゆえにこの人、かつてギルド職員として勤務した際は、次期ギルドマスター確実とまで言われていたらしい……が、本人に全くその気はなかった。
『仕事が増える』という理由であっさりそれを否定し、辞めてしまったそうな。
それ以降は、分野を問わず発揮されるその事務処理能力……のみならず、経理や監査、経営コンサルタント、デイトレーディングみたいなことまでできるその万能スキルを買われて、雇われでいろんな企業を手伝ったりしてたらしい。
ジェリーラ姉さんやノエル姉さんも、たまにお世話になってたそうだ。
定職に就かなくても、その驚異的な優秀さゆえ、現代で言う先物取引の真似事みたいな感じで簡単にお金を作り出してしまうため、生活に困ったことはないそうだ。
今回ここでの『ギルド職員』を引き受けてくれたのも、ギルドの仕事のやりがいどうこうじゃなく、『雇い主が信頼できるから』『衣食住保障されてるし、実入りがいいから』『勧誘とかにくるうっとうしい連中がまず来ないから』……っていう感じの理由らしいし。
ちなみに、アイドローネ姉さんは、その見た目と面倒くさがりで(仕事以外は)適当な性格、その他いろいろな理由から……かなり若く、というか幼く見られることが多い。
アイドローネ姉さんと、例えば……そうだな、フレデリカ姉さんとでは、アイドローネ姉さんの方が年上であり、姉である。
見た目や中身からは完全に逆に見えるため、初対面の人にはほぼ100%勘違いされるらしいが。
あの人それを利用、というか悪用して、確信犯的に子供料金で大衆劇場とかに入っていったりするらしいんだが……まあ、それは今は置いといて。
……そしてそのうち、やりとりというか反応・対応が完全に年下の女の子のそれであることも手伝ってなのか……ついには、身内までそんな風に扱いだしたらしい。
いや、ほら……覚えてるだろうか? パーティーの時、アイドローネ姉さんがフレデリカ姉さんを『姉さん』つけて読んでて、その逆は呼び捨てだったじゃん? しゃべり方もそんな感じだったし。
あれ、最初はそのまた逆……つまり普通に、アイドローネ姉さん:姉、フレデリカ姉さん:妹でのやりとりだったんだけど、姉がいつまでも精神年齢子供で、その間に妹が立派なキャリアウーマンに育った結果、いつの間にか逆転したらしいんだよね。姉と妹の関係性が。
フレデリカ姉さんがアイドローネ姉さんを手のかかる妹みたいに扱って、アイドローネ姉さんはフレデリカ姉さんを、頼りになるけどちょっと口うるさい姉扱いして、呼び方まで『姉』つけたりとか……。
しかも、同じように、弟にあたるウィル兄さんとも関係逆転してるらしいんだ。
初めて聞いたときは、よくわからんことが起こったもんだな、と思ったよ。
今のところ、僕にはそういう兆しはないけどね……僕も、負けず劣らず精神年齢アレだし。
……っとと、いつの間にか話が大きく脱線したな。
今後、僕ら『邪香猫』はどう活動していくか……って話だったっけ?
脱線したところに話を戻すけど、そのアイドローネ姉さんが管理してくれる『ギルド出張所』のおかげで、依頼を受ける分には困ることはないだろう。よっぽどタイムリーな依頼なら、現地に行かなきゃ受けることはできないだろうが。
それに、依頼に限らず、未踏破の危険区域を探検してその報告を上げたりとか、冒険者の活動としてやれそうなことはまだまだある。
150年前に、大陸に存在する未踏破区域の大部分を『女楼蜘蛛』が踏破してしまったとはいえ、『サンセスタ島』のように、まだ人の手、人の足が入っていない区域やダンジョンもあるし。
あとは、ちょっと冒険者の正道とは違う気もするけど……趣味から逆輸入して、新しい魔法理論やら魔法薬やらを発表する、って感じでも、代替になったりするし。
まあ、仕事としてやるつもりはないから、コレは考えなくていいか。
ランクアップに伴って、特に冒険者としての、あるいは『チーム』としてのスタイルを変えようとか思っているわけじゃないから、そのへんを考える必要はまずないだろう。
結論としては、今まで通り……ということで。
(……それに、ドレーク兄さんが去り際に言っていたことも、気にはなる……)
ふと思い出したのは、ドレーク兄さんとネスティアの国王陛下が、ここを去る前日に話してくれたこと。
今後この大陸を襲う、と目されている、『波乱』ないし『戦乱』について。
2人が懸念していたことは、大きく分けて2つ。
ひとことで言えば……『天災』と『人災』だ。
前者は……最近なぜか多い地震や、それに伴う地形変動。そしてそれにより生まれる、縄張りを追われた魔物の暴走……から引き起こされる、様々な災害の数々。
このへんは、僕らも何度か遭遇してるな。『真紅の森』とかで。
そして、同時に……それらとかかわりがあるかは知らないが、他の原因は一切不明ながら、自然現象レベルでの異変が各所でけっこうな数起こっている、という。
『サンセスタ島』の火山活動の変化なんかもその1つだ。止まったと思ったら、数か月でまた復活したりしてたし。
……あの時は、地上でのあの戦いが噴火の原因か、って思ったりもしたけど……火山活動は現在もまだ続いている。となると、違ったんだろう。
他には、『ナーガの迷宮』みたいに、地震が原因でダンジョンの新たなフロアが出現したりとかもあったみたいだし、新しいダンジョン?そのものが出現、なんて話も出てきている。
そして、もう1つの方……『人災』については……『ダモクレス財団』をはじめとした、各種裏組織の暗躍が、このところ活発になってきているそうだ。
加えて……今まで大人しかった、あるいは行方の知れなかった、普通の犯罪者とは段違いに危険度の高い連中も、ちらほら動き出している、とか。
何人か、特に注意すべき団体や人物について、教えてもらった。
もしかしたら……今後、刃を交えることがあるかもしれない。あんまり考えたくないが。
……また脱線したが、とにかく、今まで通りに、ってことだ。
半世紀以上も活動した『女楼蜘蛛』と違い……僕ら『邪香猫』は、まだまだ行ったこと自体ない場所がたくさんある。
『ミネット』や『ブルーベル』のような、観光地として名高い場所を巡ってみてもいい。
そこで遊んで回るのもいいし、買い物するのもいい。
というか、行ったことのない『国』自体あるんだ、そこに行ってみてもいい。
大陸北東に広がっている、ザリーとオリビアちゃんの故郷『フロギュリア連邦』。
大陸南東に広がっている、宗教国家としての色が強い『シャラムスカ皇国』。
大陸北部に広がっている、国際的に認識されている問題国家『チラノース帝国』。
積極的に行ってみたい国もあれば、用事がなければとくに行かなくてもいいかな、って国もあるが……まあ、その時考えればいいとして。
他にも……刺激が欲しければ、メジャーなダンジョンやら危険区域に行ってみてもいいし、さっき言ったような新しくできたダンジョンに来てもいい。
指名手配犯の捕縛とか、盗賊団や犯罪組織みたいなのをやってみてもよさそうだ。あとは……怖いもの見たさで、さっき言った北の国に行ってみるとか。
もちろん、趣味に走ってもいい。
僕はもちろん研究と開発。シェリーは戦闘。ミュウは読書……ってな感じで。
ザリーやシェーンなんかは、それぞれ趣味と仕事を兼用してるし。
と、いうわけで……今までと一緒。それで、何も、問題なし。
SSランクになったからって、何か特別な自意識とか自己変革とか持ち出す必要はありません。やりたいことやりたいように、自由にやる。それが、冒険者ってもんだ。
「以上。何か意見は?」
「「「異議なし」」」
「よろしい」
ハイ、満場一致いただきました。決定、これまで通り。
とりあえず……今日はもう遅いし、これにて解散、ってことで。
明日から、また……楽しそうなことを見つけて、皆で楽しくやろう。
「僕たちの冒険は……これからだ!」
「……いきなり何?」
「いや、ちょっと言ってみたくなって」
これもいつも通り……エルクの三白眼に癒されながら、今日も一日、平和に終了しました。ちゃんちゃん。
次章からは、また冒険者らしいパートに戻せたらな、と。思ってます。
ただ……最近リアルが忙しくなってきまして……いや、夏~秋の時期は毎年忙しいんですけども。
休日も削れる見込みなので、更新ペースが今より落ちるかもしれません、ご了承ください。
もう1つの方も合わせて、なるべく暇を見つけて書くようにいたします。
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「ほなミナト、うちらこれで帰るけど、あんまり無茶苦茶やってエルクちゃん困らせんときや」
「大丈夫だよノエル姉さん。うちの嫁はもうしっかり神経強靭になってるから、多少のことじゃ困りも怯みもしないから」
「そーいう意味でゆーとるんちゃうねん」
そんなやり取りと共に、ノエル姉さんがウォルカに帰り、
「いやー、ホント楽しかったよ。ありがとミナト、今度は『ニアキュドラ』にも遊びに来てね? 前より割と過ごしやすくなってる国だからさ」
「そうだね、考えとくよ。その時には、またレジーナ達の歌とかダンスとか見られるの?」
「もちろん! 最高のを見てもらえるように磨きをかけとく! ……それに……ミナトだったら、もうちょっと他のサービスもしてあげてもいいかなー、なーんて♪」
「こらこら」
天真爛漫な笑みの中に、猫のようないたずらっぽさというか、妙な色気?をにおわせながら、そんなことを言ってレジーナが帰っていき、
「いやいや、好きなだけものを食うというのも、正しくわしの『身の丈に合った』料理というのも、久々のことだったわい。素晴らしい時を過ごさせてもらったぞ、ミナト」
「いやいや、何をこれくらい。イオ兄さんにはいつも世話になってるし。あ、帰る時に酒と食料、一緒に持ってってもらっていい?」
「おう、任せておけ。向こうで留守を守ってくれている連中も喜ぶだろう」
恐竜やら何やらの肉や、この森特産の山菜やキノコ、それに酒やジュースをたっぷりと収納ケースに詰めたうえで、満足そうに帰っていくイオ兄さんを見送り、
「さて……随分と長いこと世話になったな、ミナト・キャドリーユ。最高の休暇を過ごさせてもらった」
「お世話になりました、ミナト様」
「いえいえ、楽しんでいただけたんなら何よりです。ドレーク兄さんと国王陛下によろしくお伝えください。アクィラ姉さんも、元気でね」
「ええ、ありがとうございました、ミナト。あ、今度また休暇とか取れたらまた遊びに来てもいいですか?」
「もちろん。まあ、アポなしはさすがに、緊急時以外は勘弁してほしいけど」
「それはもちろんじゃ……それと、奴ら3人のこともよろしく頼むぞ。おぬしのことは信頼しておるが……皆、わしらの大切な部下じゃからの。害になるようなことがなくとも……あまり常識と違う事柄で染め上げるようなことはせんでおいてくれると助かる」
「………………」
「……おい、返事を返さんか」
メルディアナ王女とリンスレット王女、それにアクィラ姉さんとイーサさんを見送る際、そんなちょっとおバカなやり取りをかわし、
「とりあえず、目標30人ね」
「何が?」
「孫。人数」
「ぅおい!? 何をとんでもないことをさらっと!? 冗談にしちゃさすがにタチ悪いよ!?」
「冗談なもんですか、本気よ本気。私だって1人で26人産んでるんだし、ミナトお嫁さんいっぱいいるじゃん。楽勝楽勝」
「なわけないでしょーが! 普通の女の子をあんたと一緒にしちゃだめだよ! ていうか、1人何人生ませる気だよ!?」
「えーっと、緑、赤、藍、桃……あと、黄と紫と茶と銀と青と白と、赤と茶色がもう1人ずつ……なんだ、嫁1人あたり3人で余裕じゃない」
「何だその計算!? つーか最初の4人以降誰足した!? 僕そんなに嫁いませんけど!?」
「大丈夫よ、頑張れば嫁に来そうなのがあと8人はいるから。ていうか、あなたのことだからどうせこれからも増えそうだし?」
そんな、母と息子の会話とはちょっと思えないようなやり取りをした後に、母さんが帰り、
そんな感じで……招待したお客さんたち全員がようやくこの『キャッツコロニー』を後にし、このたびの『全員集合パーティー』は終わりをつげた。
やれやれ……あわただしかったような、はたまたのんびりだったような……不思議な時だったな。騒がしいけど、嫌じゃない騒がしさだったというか……
それだけに、いなくなると途端に静かになるな……この『キャッツコロニー』全体が。
まあ、それも当然か。もともと、僕ら『邪香猫メンバー』に、そのスタッフやメイドロボ、ギーナちゃん達やオリビアちゃんといった居候組を加えた数十人しかいないんだ。
それなのに、ちょっとしたテーマパークくらいの広さがあり、そこをさらに空間拡張で広げてるわけなんだから……そりゃ当然ってもんだろう。
それ考えると、ちょっとばかり過疎が過ぎると言うか、今更ながら少し寂しく感じる気がしなくもない、というか……
『ホーム』の談話室で、ソファに腰かけてゆっくり一息ついたところで……そんな風に思う。
……まあ、いいや。慣れるだろ、じきに。
それに、ずっとここにいるわけじゃないんだ。
今は羽休め中だけど、冒険者としての活動を再開すれば、人の営みの中に戻るわけだし、色んな場所に行く過程でいろんな出会い、色んな経験をするだろう。
その前にゆっくり一息つけるんだから、何も不都合なんてものはあるまい。
……そういえば……
「そういえばさ、ミナト。これからあんた、どうするの?」
と、隣に腰かけているエルクが、心でも読んだかのようなジャストタイミングで聞いてきた。
そして、それにつられてか……同じく談話室に集まっている、他の『邪香猫』メンバーやスタッフ、そして居候組の皆さんも、視線を僕に集中させる。
時間的にも、もう後は寝るだけって感じなので、皆、ラフで楽な服装だ。
「どう、って……冒険者としての活動?」
「ええ。SSなんてランクにまでなっちゃったわけだし、これまでと同じ……依頼を適当に受けて、期間ごとのノルマをこなして終わり、って感じでいいのかしら? 何か、特別なこととかやる必要とかって、ないわけ?」
「特にないみたいだよ? まあ当然、ランクに見合った依頼を受ける義務的なものはあるみたいだけど、僕元から高ランクの依頼かたっぱしからやってたし、仕事のスタイルを何か特に変える必要はなさそうだった」
「そうね。ただ……有名になるのに比例して、指名の依頼とか、依頼じゃなくても接触を持とうとしてくる貴族やら豪商とか、そのへんはどうしても増えるから……今ここにいる間はいいとしても、仕事のために町とかに戻った時がちょっと大変そうね」
と、セレナ義姉さん。あー、それは確かに……。
でもまあ、その辺はいくらでもやりようはあるでしょ。
依頼の内容にもよるけど、必ず街中で宿取らなきゃダメってわけでもないし、とるならとるで、野次馬シャットアウトできるようなところを選べばいいし。
それに、依頼の内容の厳選なら……ギルドでやってもいいけど、こっちには、というか、ここには心強い味方がいるわけだし。
「……で、その心強い味方は?」
「もう寝たわよ、アイドローネなら」
さいですか。
ギルドの、出張所だか派出所だかの窓口を担当してくれるわが姉・アイドローネ姉さん……もう寝ましたか。さすが一日の大半を寝て過ごす女。
そこだけ聞くとただの怠け者みたいだけど……実際はその真逆。
眠たがりの怠け者なのは否定できないけど、その実務能力はすさまじい優秀さを誇っている。
ここにギルドの窓口を設置するにあたり、当然ながら、部屋を用意して職員を呼んではいおしまい……なんてことにはならない。色々と、ややこしくてめんどくさい事務処理が必要になる。
クエストの管理ひとつとっても、やることはかなり多い。
依頼人からの『依頼』の受付から、その扱いの決定、冒険者への委託手続き、達成後の証明受領と報酬受け渡し、あるいは失敗時の手続き、そしてその後の処理……とまあ、色々とあるのだ。
これらは普段、ギルドで部門ごとに役割分担されているからこそ回るのであって、とても1人でできるようなものではない。
しかも当然、これ以外にもギルドの支部あるいはそれに準ずる施設として持っておくべき機能はいくつもあり、それらを1人でこなすなんてことは不可能だ。
おまけに、ここのギルド出張所には――今後こう呼ぼうと思う――アイリーンさんのいる『ウォルカ』のギルド本部を含む、各国の最大規模のギルド数か所から、定期的に高レベルの依頼が届くことになっている。
難易度の高いクエストっていうのは、多少なりそれに比例して手続きが複雑化することがほとんどだ。繰り返すが、1人で全ての処理を行えるわけがない。
……が、それをこなしてしまうのが、アイドローネ姉さんなのである。
この眠たがりの姉は、ギルド出張所の設立に必要な事務仕事や書類の処理の全て……本来なら、複数の部署にまたがって、十数人態勢で何週間もかかってやらなければならない量の仕事を、わずか5日で完璧に終わらせてしまっている。
しかも、自分の睡眠時間を削ることなく、いつも起きている時間だけで全ての仕事を完璧にこなしてしまったばかりか……今言った5日のうち3日は、ギルド上層部が書類を精査して決済を回すのに必要だった時間である。つまりこの姉、実質2日とちょっとしか働いていない。
なのに、何の問題もなく全ての手続きが終了している。
スピードも正確さも、尋常じゃない、なんて表現では片付かないレベルだ。
ゆえにこの人、かつてギルド職員として勤務した際は、次期ギルドマスター確実とまで言われていたらしい……が、本人に全くその気はなかった。
『仕事が増える』という理由であっさりそれを否定し、辞めてしまったそうな。
それ以降は、分野を問わず発揮されるその事務処理能力……のみならず、経理や監査、経営コンサルタント、デイトレーディングみたいなことまでできるその万能スキルを買われて、雇われでいろんな企業を手伝ったりしてたらしい。
ジェリーラ姉さんやノエル姉さんも、たまにお世話になってたそうだ。
定職に就かなくても、その驚異的な優秀さゆえ、現代で言う先物取引の真似事みたいな感じで簡単にお金を作り出してしまうため、生活に困ったことはないそうだ。
今回ここでの『ギルド職員』を引き受けてくれたのも、ギルドの仕事のやりがいどうこうじゃなく、『雇い主が信頼できるから』『衣食住保障されてるし、実入りがいいから』『勧誘とかにくるうっとうしい連中がまず来ないから』……っていう感じの理由らしいし。
ちなみに、アイドローネ姉さんは、その見た目と面倒くさがりで(仕事以外は)適当な性格、その他いろいろな理由から……かなり若く、というか幼く見られることが多い。
アイドローネ姉さんと、例えば……そうだな、フレデリカ姉さんとでは、アイドローネ姉さんの方が年上であり、姉である。
見た目や中身からは完全に逆に見えるため、初対面の人にはほぼ100%勘違いされるらしいが。
あの人それを利用、というか悪用して、確信犯的に子供料金で大衆劇場とかに入っていったりするらしいんだが……まあ、それは今は置いといて。
……そしてそのうち、やりとりというか反応・対応が完全に年下の女の子のそれであることも手伝ってなのか……ついには、身内までそんな風に扱いだしたらしい。
いや、ほら……覚えてるだろうか? パーティーの時、アイドローネ姉さんがフレデリカ姉さんを『姉さん』つけて読んでて、その逆は呼び捨てだったじゃん? しゃべり方もそんな感じだったし。
あれ、最初はそのまた逆……つまり普通に、アイドローネ姉さん:姉、フレデリカ姉さん:妹でのやりとりだったんだけど、姉がいつまでも精神年齢子供で、その間に妹が立派なキャリアウーマンに育った結果、いつの間にか逆転したらしいんだよね。姉と妹の関係性が。
フレデリカ姉さんがアイドローネ姉さんを手のかかる妹みたいに扱って、アイドローネ姉さんはフレデリカ姉さんを、頼りになるけどちょっと口うるさい姉扱いして、呼び方まで『姉』つけたりとか……。
しかも、同じように、弟にあたるウィル兄さんとも関係逆転してるらしいんだ。
初めて聞いたときは、よくわからんことが起こったもんだな、と思ったよ。
今のところ、僕にはそういう兆しはないけどね……僕も、負けず劣らず精神年齢アレだし。
……っとと、いつの間にか話が大きく脱線したな。
今後、僕ら『邪香猫』はどう活動していくか……って話だったっけ?
脱線したところに話を戻すけど、そのアイドローネ姉さんが管理してくれる『ギルド出張所』のおかげで、依頼を受ける分には困ることはないだろう。よっぽどタイムリーな依頼なら、現地に行かなきゃ受けることはできないだろうが。
それに、依頼に限らず、未踏破の危険区域を探検してその報告を上げたりとか、冒険者の活動としてやれそうなことはまだまだある。
150年前に、大陸に存在する未踏破区域の大部分を『女楼蜘蛛』が踏破してしまったとはいえ、『サンセスタ島』のように、まだ人の手、人の足が入っていない区域やダンジョンもあるし。
あとは、ちょっと冒険者の正道とは違う気もするけど……趣味から逆輸入して、新しい魔法理論やら魔法薬やらを発表する、って感じでも、代替になったりするし。
まあ、仕事としてやるつもりはないから、コレは考えなくていいか。
ランクアップに伴って、特に冒険者としての、あるいは『チーム』としてのスタイルを変えようとか思っているわけじゃないから、そのへんを考える必要はまずないだろう。
結論としては、今まで通り……ということで。
(……それに、ドレーク兄さんが去り際に言っていたことも、気にはなる……)
ふと思い出したのは、ドレーク兄さんとネスティアの国王陛下が、ここを去る前日に話してくれたこと。
今後この大陸を襲う、と目されている、『波乱』ないし『戦乱』について。
2人が懸念していたことは、大きく分けて2つ。
ひとことで言えば……『天災』と『人災』だ。
前者は……最近なぜか多い地震や、それに伴う地形変動。そしてそれにより生まれる、縄張りを追われた魔物の暴走……から引き起こされる、様々な災害の数々。
このへんは、僕らも何度か遭遇してるな。『真紅の森』とかで。
そして、同時に……それらとかかわりがあるかは知らないが、他の原因は一切不明ながら、自然現象レベルでの異変が各所でけっこうな数起こっている、という。
『サンセスタ島』の火山活動の変化なんかもその1つだ。止まったと思ったら、数か月でまた復活したりしてたし。
……あの時は、地上でのあの戦いが噴火の原因か、って思ったりもしたけど……火山活動は現在もまだ続いている。となると、違ったんだろう。
他には、『ナーガの迷宮』みたいに、地震が原因でダンジョンの新たなフロアが出現したりとかもあったみたいだし、新しいダンジョン?そのものが出現、なんて話も出てきている。
そして、もう1つの方……『人災』については……『ダモクレス財団』をはじめとした、各種裏組織の暗躍が、このところ活発になってきているそうだ。
加えて……今まで大人しかった、あるいは行方の知れなかった、普通の犯罪者とは段違いに危険度の高い連中も、ちらほら動き出している、とか。
何人か、特に注意すべき団体や人物について、教えてもらった。
もしかしたら……今後、刃を交えることがあるかもしれない。あんまり考えたくないが。
……また脱線したが、とにかく、今まで通りに、ってことだ。
半世紀以上も活動した『女楼蜘蛛』と違い……僕ら『邪香猫』は、まだまだ行ったこと自体ない場所がたくさんある。
『ミネット』や『ブルーベル』のような、観光地として名高い場所を巡ってみてもいい。
そこで遊んで回るのもいいし、買い物するのもいい。
というか、行ったことのない『国』自体あるんだ、そこに行ってみてもいい。
大陸北東に広がっている、ザリーとオリビアちゃんの故郷『フロギュリア連邦』。
大陸南東に広がっている、宗教国家としての色が強い『シャラムスカ皇国』。
大陸北部に広がっている、国際的に認識されている問題国家『チラノース帝国』。
積極的に行ってみたい国もあれば、用事がなければとくに行かなくてもいいかな、って国もあるが……まあ、その時考えればいいとして。
他にも……刺激が欲しければ、メジャーなダンジョンやら危険区域に行ってみてもいいし、さっき言ったような新しくできたダンジョンに来てもいい。
指名手配犯の捕縛とか、盗賊団や犯罪組織みたいなのをやってみてもよさそうだ。あとは……怖いもの見たさで、さっき言った北の国に行ってみるとか。
もちろん、趣味に走ってもいい。
僕はもちろん研究と開発。シェリーは戦闘。ミュウは読書……ってな感じで。
ザリーやシェーンなんかは、それぞれ趣味と仕事を兼用してるし。
と、いうわけで……今までと一緒。それで、何も、問題なし。
SSランクになったからって、何か特別な自意識とか自己変革とか持ち出す必要はありません。やりたいことやりたいように、自由にやる。それが、冒険者ってもんだ。
「以上。何か意見は?」
「「「異議なし」」」
「よろしい」
ハイ、満場一致いただきました。決定、これまで通り。
とりあえず……今日はもう遅いし、これにて解散、ってことで。
明日から、また……楽しそうなことを見つけて、皆で楽しくやろう。
「僕たちの冒険は……これからだ!」
「……いきなり何?」
「いや、ちょっと言ってみたくなって」
これもいつも通り……エルクの三白眼に癒されながら、今日も一日、平和に終了しました。ちゃんちゃん。
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