魔拳のデイドリーマー

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第17章 夢幻と創世の特異点

第331話 次なる依頼・ジャスニア王都へ

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間が空いてしまいましたが、どうにか書き上がったので、第331話、更新します。


それと実は、2話前、第229話を一部改稿、というか加筆してあります。話の代替真ん中くらいに、ちょっと物足りなかったので、ひと場面書き足してありますので、よろしければそちらも合わせてどうぞ。


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 ある夜、草木も眠る丑三つ時にも迫ろうかという、夜中も夜中な時間。

 場所は、ネスティア王国とチラノース帝国の国境付近、『暗黒山脈』の山麓部。

 『暗黒山脈』は、ランクAAの危険区域であり、うかつに踏み込めば大規模な軍隊だろうと容易く全滅する魔境である。ここを自在に行き来できるのは、それ相応の実力を持つ者だけだ。
 そう、例えば……少し前まで、この山脈の奥地の邸宅に居を構えていたような吸血鬼や、その弟子である夢魔の少年のような。

 しかしながら、そんな『暗黒山脈』には、ごく一部、比較的安全に通れるルートが存在する。

 数多の魔物たちの縄張りの干渉の結果としてできている、わずかな空白地帯が点在するのだ。そこを、点と点を結ぶようにして進んでいくルートであれば……周囲の魔物たちを刺激しない程度の小規模な隊であれば、通行が可能なのである。
 
 ただしあくまで『比較的』安全なだけであり、魔物が全く出ないわけではない。

 その上、その『安全地帯』は不定期で変わってしまう。
 周囲の魔物たちの縄張りの相互干渉の結果としてできているものであるがゆえに、それらが変動するとこちらも変動するのだ。

 ゆえに、例えばここを通って国の使節団などが両国を行き来する場合、事前に腕利きで信頼も置ける冒険者や傭兵に依頼して状況を調査し、最新の『安全地帯』を割り出してルートを推測する必要があったのだ。

 もっとも、度重なる国際問題によって、ネスティア王国とチラノース帝国、双方の国交が断絶同然となってしまってからは、そうしてこれらのルートが正規の外交で使われることはなくなった。

 まして、今ネスティア王国はミナトとの友好関係により、『ローザンパーク』の敷地内を通って、その向こうの他国へ行くことが可能になっている。このような、不安定で不確かなルートを使う必要は、最早ない。

 ゆえに、今日びそのようなルートを使うとすれば……あまり表沙汰にはできないような団体や、それに関連するやりとりが行われる際に使われる、と言える。



 その『安全地帯』のルート、樹海の中を、数人の男たちが、必死な形相で走っていた。

 纏っている装束は、皆一様に『黒装束』とでも言うべきもの。
 頑丈そうでポケットも多く、サバイバルや行軍に向いていそうな服に身を包み、その上から、フード付きの黒いポンチョを着ている。
 夜の闇に溶け込む上、森の中であることもあって、傍目からは非常に見えづらい服装だ。

 彼らはチラノース帝国の特殊部隊である。国家からの命を受け、ある任務のために、このルートを使って『ネスティア王国』へ密入国するところだった。

 しかしそんな彼らは、皆一様に息を切らしながら走り続けている。
 決して足を止めることはなく、時折後ろを振り返って確かめながら。

「はぁ……はぁ……くそっ! くそっ、何なんだよ、あいつら……!」

「ネスティア王国の特殊部隊か!? 何でバレたんだ……」

「いいから走れ! 足を止めたら死ぬと思えよ!」

 速やかに任務に取り掛かるために移動を急いでいる、という感じではない。
 まるで、何かから逃げているような、何かに怯えているようだと、素人目にもわかる態度だった。

 実際、その通りである。
 彼らは、まだ『ネスティア王国』に入れたかどうかもわからないうちに――『暗黒山脈』が事実上の国境として機能していることから、それよりも厳密な国境線が存在しないためだ――ネスティア王国側が放っていたであろう者たちによって奇襲され、既にほとんど半壊状態にあった。

 しかし、だからといって何もせずとんぼ返りし、任務失敗の報告などしようものなら、今度は自分達がその責任を取らされて処刑される。ゆえに、彼らは一刻も早くこの森を、山脈を抜けて、ネスティア王国に入ってしまおうと、一縷の望みをかけて走っていた。

 願わくば、この入り組んだ森の中を、わざとジグザグに走る途中で、追手たちが自分達を見失ってくれないものか、と考えながら。

 ……そんな儚い願いは、『彼女達』によって、容易く摘み取られるのだが。

 ――カサッ

「ひっ、な……何だ! 誰だ!」

 突然、横の茂みから物音がしたことに驚いて、足を止めてしまう1人の兵士。
 茂みを警戒し、艶消しに黒く塗った短剣を構えるが……

「おい! バカ、足を止め……」

 ――ひゅん!

「ぐえっ!?」

 『止めるな』と言い終わるより先に、その止まってしまった男めがけて……警戒していた茂みとは全く違う方向からワイヤーが飛んでくる。茂みの物音は、囮だったのだ。

 回避を許さず首に巻き付いたそれは、男の体重を感じさせないほどの勢いでその体を引っ張り上げ、近くの木の枝から首つり状態にした。
 もっとも、引っ張られた瞬間に『ごきっ』という鈍い音が聞こえたことから、その瞬間頸椎を損傷して死亡していた可能性も高いが。

 一瞬にして仲間が無残にも殺された光景に、チラノースの兵士たちは戦慄するも、すぐにその死体から目を背け、先程までと同じように走り出す。
 足を止めていれば、次は自分がああなるかもしれないとわかっているのだ。

 ……しかしながら、全てはすでに手遅れだったのだが。

 走り出した瞬間には、首つりにされた男の他に、さらにもう1人、知らない間に居なくなっていたことに、少しして彼らは気づいた。

 それでも足を止めずに走り続けたが……1人、また1人と数を減らしていく。

「畜生……畜生! 何でこんなところで、俺達が……!」

 こんなはずではなかった。
 最後に1人残された男の頭の中では、そんな言葉だけが繰り返しリピートされている。

 軍に選抜され、厳しい訓練を乗り越えて特殊部隊になった。
 戦闘訓練や隠密訓練はもちろん、暗号解読や拷問による情報の入手などの手管も修め、この任務を成功させてまずは一旗揚げ、そこから一気に成り上がっていくはずだった。

 しかしふたを開けてみれば、その任務が始まる前に、敵地に入ることすら許されず、ここでその夢は潰えようとしている。

(ふざけるな! 認めない……認めないぞこんな終わり! 俺は勝ち組になるんだ! 任務を成功させて、出世して、金も地位も名誉も女も手に入れて……)

 ――ゴキッ!

 鈍い音と共に、男の思考はそこで終わった。
 恐らくは、空しい決意を脳内で反芻しながら、自分が死んだことにすら気づく暇もなく……命を刈り取る死神の鎌のように振るわれた蹴りの一撃が、男の延髄を粉砕した。

 闇夜の森の中を音もなく跳び回り、時に暗器で、時に体術で、チラノースの隠密全員を始末したその下手人は……わずかに届く月明かりに、その褐色の肌を晒しながら、すたっ、と着地した。

 その女性……メガーヌは、ふぅ、と短く息をついて、無機質・無感情な視線を足元の死体に向け、確かに死んでいるのを確認する。
 そして、手を振ってハンドシグナルを出し……それと同時に、周囲の茂みや木立の中からさらに複数の気配が現れ、メガーヌの周囲に降り立った。

 現れたのは、マリーベル、ミスティーユ、ムース。
 メガーヌを含めて4人……ネスティア王国がほこる最強の特殊部隊『タランテラ』である。

「お疲れ様~、副隊長。相変わらず見事なお手前で」

「この程度造作もない……まったくあの国は、隙あらばこうして、数撃ち方式で質の悪い密偵ばかり送り込んでくる……。無駄に処理するのが大変で困るな」

「でも、放っておくわけにもいかないよね。実力や実現性はともかく、行き掛けに見かけただけだったけど、未然に始末できてよかったよ、うん」

「ざっと見て回ったけど、仲間はこれで全部だったみたいね。あとは証拠品をはぎ取って死体を処分すればひとまずいいかしら」

 見た目だけなら、超がつく美少女・美女ぞろいである4人は、平然と物騒な会話を交わしている光景は、傍から見ている者がいれば、異様なものに思えただろう。

 しかし当の本人達は、まるで天気の話でもするかのように、一般人なら口に出すのも忌避してもおかしくないような単語すら平然と並べ、そしてそれを実行していた。

「マリーベル、そっちは済んだのか?」

「もち! さっき1人だけ生け捕りにした、指揮官っぽい奴でしょ? 精神操作で記憶とか情報引っ張り出しといたから、後で報告書にまとめるね。あ、そいつ自身は負荷かけすぎて壊れちゃったから、さくっと殺っといたけど、いいよね?」

「構わん、どの道生かして返す選択肢はないからな……ムース、死体の処理は頼んだ」

「えー、また私なのぉ……? わかったよ……いつも通り、湖の底に沈めて魚に食べさせる感じでいいよね? あれ地味に手間なんだけどなあ」

「森の中で火を使うわけにもいかないし、酸で溶かせば薬品の痕跡が残っちゃうものね。それに、どっちもこの『暗黒山脈』でやったら魔物を刺激しちゃうわ。自然のやり方で処理できるムースちゃんに頼りきりになっちゃうけど、仕方ないわよ……っと」

 言いながらミスティーユは、今しがたメガーヌが蹴り殺した男の服をはぎ取っていた。

 服の裏や内ポケットから、様々な道具・装備類などを抜き取って並べ、有用そうなもの、証拠品として仕えそうなものを選んで回収している。

 それが終わると、今度は全ての衣服をはぎ取って、男性を文字通りの丸裸にし……その体をあちこち触り始める。頭のてっぺんから足の先まで、人前で口に出して言うような場所ではないところさえ、ためらわず触って形と感触を確認している。

 さらに、様々な角度から簡単にスケッチまでして、その裸体を記録に残していた。

 その手つきに、色気やらいやらしいものは一切感じられず、むしろ事務的な作業のように思えた。
 実際に仕事として、目的があってそうしているがゆえに、当然と言えば当然なのだが。

「……よし、こんなものかしら。ムースちゃん、これも持って行ってちょうだい?」

「えー……元通り服着せてくださいよ、いくら何でもそんな、裸の男の人の死体運びたくないですよぉ……」

「何言ってるのよ……死人相手に配慮とか緊張してもしょうがないでしょ?」

「それよりミスティーユ、ちゃんと『覚えた』のか? そいつの体」

「ええ。体の隅々までよく見たから、魔法薬でそっくりに変身できるくらいにはね。最も、『なりすまし』て潜り込むのは、どこでぼろが出るかわからないから、長期的にはお勧めできないけど」

「そんなことはわかっている。だが、切れる手札は多い方がいい……さてムース、さっさと処理を進めろ。夜明けまでに山脈を抜けて、別ルートで進んでいるはずのモニカと隊長に合流するぞ」

「「「了解」」」

 その十数分後、その場にあった全ての痕跡を処分してから、『タランテラ』4名は何事もなかったかのように、何人もの人間が死んだ現場を後にした。

 彼女達の任務は、こうして人知れず始まり……いつも、人知れず終わるのだ。


 ☆☆☆


 さて、『不完全燃焼』で終わったクエストは残念だったけど、いつまでも気にしてても仕方ない、ってことで……僕は今、次なるクエストのため、『ジャスニア王国』の王都・エルジャスディアに来ています。

 ネスティアの王都・ネフリムとはまた違った感じの印象を受ける。

 まあ、国が違うから当然と言えばそうなのかもしれないけど……同じレベルの文明でも、建築様式とかが微妙に異なるせいか、町全体の趣が違って見えるのかも。
 南国風……なのかな? 建物自体の風通しはよくしつつ、日陰自体は多めで、日光とかは遮れるようなデザインになってるように見える。

 地球にいた頃に、そこまで他の国の建築様式に詳しかったわけじゃないから、あんまりうまく説明できないな。

 そんなこの国には今回、ルビス達からの依頼で、『王室儀礼用アイテム』の作成、というクエストをこなすために訪れている。
 今僕たちがいるのは、依頼主――というか、対僕用の外交窓口――であるルビスが、王都に持っている別宅だ。

 宿はこことは別にとってある。
 以前、『ラグナドラス』で『蝕血病』その他の不治の病の特効薬を作る『依頼』を遂行した時に、報酬としてルビス達からもらっていた『ライセンス』を使ってみることにしたのだ。

 王族・貴族御用達、一見さんお断りの会員制の最高級宿のライセンス。王都に本店を構え、王国各所に支店を持つ、最高のおもてなしと最強のセキュリティを備えた高級宿の使用許可証である。満室でない限り、その宿にアポなしで泊まれるっていう奴。

 今まで使う機会がなかったからね、せっかくだしってことで。

 宿泊費まで無料になるわけじゃないんだけど、その程度はさくっと自分で出せるくらいには稼いでるし、問題にならない。1人1部屋で全員分をとっても大丈夫だったくらいだ。

 もっとも、1部屋1部屋が超広いので、1人で使うと逆に寂しそうだったから、一番広い『ロイヤルスイート』を全員で利用することにしたんだけど。

 宿の話はこのくらいにして、ルビスから依頼についての説明を受けるために、僕はこうして彼女の邸宅に足を運んでいるわけだ。
 今現在、応接間みたいな部屋で、ナナとエルクと一緒にそれを聞いている。

 ルビスの趣味が現れているのか、壺とか絵画、彫像みたいな美術品はほとんど置いていないようだ。僕は特に気にならないけど……貴族って、こういう応接間みたいな人の目につくところには、金のかかった美術品なんかを置いて、見栄張る絶好の機会にするらしいけど。

 血筋はともかく、ルビスって感性はほぼ庶民というか、僕らに近いみたいだから、それも当然か。自分が寛げてなんぼの自宅でまで、落ち着かないレイアウトなんて設定するのもばからしいし。

 さて、説明といっても、別に難しい話なんか全然なくて、依頼書に書いてるまんまだった。

「要するに、なんかホラ……偉い人が式典の時とかに身に着ける、あの……あれ……よくわかんないアクセサリーとか服とかさ、あの手の奴を作ればいいんだよね?」

「そうだ、あの手のよくわからん奴だ。今使ってる奴が古くなってきているとかで、よくわからんが新しいのが必要らしい。一応、どういうデザインにするかはこっちで決めるから、それに沿って作ってもらえれば問題ない」

「ふーん……よくわかんないけど了解。単なるアイテム作成任務ってことでいいわけね」

「あんたら『よくわからん』連呼し過ぎでしょ……うちのミナトはしかたないとしても、ルビス、あんた仮にも貴族でしょうに。いいのそれで?」

「そんなことを言われても、実際『よくわからん』のだから仕方ないだろう? 実際あれ、バカみたいに希少で高級な素材使って作ってる割に、実用性は皆無なんだ。どっちみち飾りなんだから、見栄えだけ伴ってればそこらへんの素材で作った方が早いし安上がりだし、その分の金と手間を他のことに使えると思うんだが……やはり政治というものはわからん」

「相変わらず現場主義の現実思考と言うか、懐に優しいものの考え方をするお姫様ね……」

「ま、まあ、国威はそういうところから保っていかなければならないものですし……」

 呆れるエルクと、一応『貴族』としての立場やものの考え方を理解しているナナがそう言う。

「いいじゃん、僕割とそういう考え方も好きだよ? まあ、見た目に凝りたくなる気持ちもわかんなくもないけどさあ、大事なのはやっぱ実用性だと思うし」

「でもそういうあんたも同じように超がつくような希少・高級素材でマジックアイテム作りまくってるじゃない」

「僕のは実用性最重視だから。それなりの性能持たせようとしたら、そりゃ素材も相応のもの使わなきゃいけないでしょ? そこらへんで買えるような素材じゃ元々無理だから厳選してんの」

 そんな感じで、相手は貴族だってのに欠片も緊張なんかすることなく話は進み、最後の方には世間話にシフトしつつ……おそらくは本来オフレコであろう話まで、ルビスはぶっちゃけてくれた。

「じゃあやっぱり今回のこの依頼、本命の目的は……王様への謁見?」

「ああ。国のお偉方というのはこういう……なんだ、外聞?を気にするようでな。同盟国の中で、ジャスニアだけ、世界最強の冒険者であるミナトと面識の実績がない状況をどうにか解消すべく、今回の依頼を設定したようだ」

「なるほどね……ま、儀式用のアイテム作るだけなら、僕にわざわざ依頼する必要もないもんね。王宮お抱えの職人とかいそうだし……そんなことだろうと思った」

 なんか注意書きというか備考欄に『別に戦闘能力や特殊効果を持たせる必要はない。というか持たせないように』なんて書いてあるからさ。だったら普通の職人でもいいだろって話だよね。

「それでわかるってのもどうなんだか……まあ、あんた自身が周囲からどういう見られ方をしてるのかきちんと把握してる、ととれなくもないけど……」

 また呆れてため息をつくエルク。

 それに苦笑しつつ、ルビスは、

「『アイテム作成』の方も、全くの建前というわけじゃないようなんだがな? 世界最強の冒険者と名高いミナトが手ずから作ったアイテムを儀礼の際に使っているということで、ミナトと王家の間に確かなつながりがあるものとしてアピールしたいようなことも言っていた」

「え、何それめんどくさ……それを強引に『伝手』扱いにして、後々色々言われたりしない?」

「全くない、とは言い切れないが……大丈夫だろう。そんなことをすれば、王室で利用している他の似たような業者やら、事務を委託している貴族にもつけいる隙を与えるだろうし。まあ、ミナトとの関係を喧伝して、求心力につなげるくらいのことはしてもおかしくないが」

 王族だの貴族だの、政治家ってのはいちいち謀略に結び付けないと気が済まないんだろうか? これだからその手の人たちとの付き合いって疲れるし、苦手なんだよな……師匠が最終的に我慢できなくなってネスティア滅ぼそうとした気持ちもわかるってもんだよ。

「いや、わからないでくださいそんなこと……怖いですって、ミナトさん」

「というか、あんた実際に国それで滅ぼしてんでしょうが。2つも」

「リアロストピアのこと言ってる? あれは違うよ、正確には不当な権力行使に反発して暴れたら、国としての機能を維持できなくなって勝手に滅んだんだって」

「一緒でしょうが」

 ま、今回はただ会って軽く話したりするだけみたいだから、問題なさそうだけどね。



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