81 / 93
第八章 寝台の画
10 同じ味【絡み:シュード(=エシフ)xイェロード(=ノモク)】
しおりを挟む
イェロードは、寝台の画を恨めしそうな目で見つめた。自らが放出したものがそこに飛び散っているのを目にしたからだった。夥しい量の白濁した迸りが、画のなかの自分をねっとりと舐めるように辷っている。シュードがイェロードの後ろに廻っているのは幸いだった。少なくとも彼の裸身を汚すことはなかった。
「イェロード……」シュードが耳元で囁いた。その肉厚の手は、迸りの残滓を搾り取るようにイェロードのペニスを根元から扱きあげている。「さあ、画を清めろ」
イェロードは、シュードに後ろから貫かれたまま、画の前に進んだ。本能的に舌を出す。何をすべきかは、すでにわかっていた。
「同じ味がするか試してみるがいい」シュードが云った。「あれだけ注いでやったのだからな」
その言葉がイェロードを昂らせた。からだの隅々にまでシュードが行き渡っているのか、それを確かめることができる。毛穴からは汗を、肌からは匂いを、そして口と肛門からは……。シュードが与えるあらゆるものを受けとってきたのだ。海の民の仲間になる資格は十分にある。
——ああ! シュードを汚してしまっている!
下から舐めようとして屈んだので、寝台の画のなかにはシュードの姿だけが残った。いつ見ても雄々しく、惚れ惚れとする裸身だ。その芸術品のようなシュードを、あろうことか自分の迸りがじっとりと濡らしている。
イェロードは懺悔をするように白濁の穢れを舐めていった。ぴりりと潮の味がした。シュードと同じものかはまだわからない。イェロードは寝台の画を見あげた。すぐ上には聖楼のように聳る長大なペニスがあり、そこから断崖のような腹を昇ってゆくと、夏の雲のような分厚い胸にたどり着く。そのすべてを清める必要があった。
「続けろ」シュードが短く云った。
イェロードは目を閉じ、画のなかのペニスにしゃぶりついた。真っ平らな画の上をその舌で叮嚀に拭う。すると、そのうちに画のなかからシュードのペニスがせり出してくるような気がしてきた。イェロードが記憶を頼りにその輪郭をなぞり、頬張り、啜るようにすると、それはますます実体のあるものとして画のなかから泛びあがってくるようだった。
突然、シュードが繋がった腰を大きく回した。イェロードのなかでシュードのペニスが蠢く。
「ああっ!」
イェロードは喘ぎ声を上げた。
——まだ、お腹も胸も清めないといけないのに……。
埋め込まれた長大なペニスの蠢きにあわせて、じんじんとした疼きが尻のなかに広がってゆく。このままでは尻の奥に意識が持っていかれそうだ。
「さあ、イェロード。云え、云うんだ」シュードが腰をしなやかに振りたててイェロードを翻弄する。「同じ味か?」
「あ、あっ、んん……っ」
「まだわからぬか。ならば続けろ」
シュードは上体を丸く曲げて顎をイェロードの左肩に引っかけるようにして乗せた。イェロードの耳朶をぺろりと舐め、耳穴に息を、ふぅっ、と送りこむ。腰を掴んでいた両手は、いつの間にかイェロードの胸の真珠と陰嚢に触れていた。
乳首が捏ねられ、陰嚢が揉みたてられる。肩と尻でがっしりと抑え込まれていて、逃れることはできない。少しでも動けば、シュードのペニスがより深く埋め込められる状態だ。
イェロードは舐めつづけた。同じと思えばそうかもしれないし、違うと思えばそうかもしれない。続けて腹を舐め、さらに胸を舐めた。そしてもう一度、ペニスに戻ろうと思ったとき、尻のなかからシュードのペニスがずるりと引き抜かれた。
「あああっ——!」
叫び声を上げたつぎの瞬間、イェロードは全身がふわりと軽くなるのを感じた。目を閉じ、顔をのけ反らせ、しばしその余韻に酔いしれる。ふたたびからだの重みが戻ってきて目を開けたとき——目の前にシュードが立っていた。
——画のなかから……画のなかから出てきたみたいだ……。
画から出てきた美しい男神は、実在する肉体であることを証明するかのように潮の香と熱を放っている。そのたくましい肉体の上に据えられた、きりりと引き締まった精悍な顔、そしてイェロードを見つめる慈悲深い眼差し。イェロードは、奇跡が起こったような思いでシュードの裸身を見つめた。
「同じだったか?」
啓示のようにシュードの声が降りてきた。
イェロードはゆっくりと頷いた。
するとシュードが云った。「確かめるがいい」
イェロードは四つん這いになって、シュードの裸身に舌を乗せた。寝台の画を舌でなぞったように、シュードの両脚を交互に舐めながら昇ってゆく。やがて内腿にたどり着いた。イェロードが右へ左へと顔を移すたびにシュードの重たげな陰嚢が鼻先で揺れ、潮の香を嗅がせる。
——焦ってはいけない……。ちゃんと清めてからでないと……。
イェロードは、吸いつきたいのをぐっと堪えた。
——ああ、胸から清めるべきだったんだ!
イェロードは、シュードのペニスが大きくそそり勃つとき、腹にぴったりとついているのを思い出した。すぐさま上体を起こし、シュードの背中に腕を巻きつけた。
——シュードの胸の真珠はどんなに美しいだろう……。
イェロードはシュードがしてくれたように、乳暈の際から中心へ、くるくると渦を巻くように舌先を運んでいった。やがて舌先が乳暈の中心にたどり着くと、唇をすっぽりとかぶせ、頬を窄ませて吸いつきながら、真珠の素を丹念に舐めまわした。
「イェロード……」シュードが慈悲深い声で云った。「俺は男だ。いくら吸っても乳は出ぬぞ」
胸から唇を放して、イェロードはシュードの顔を見上げた。背中に巻きついていた右腕が自然に解かれて前に廻り、その手にシュードのペニスが包まれる。滾るような熱、そして力強い脈が、右手を伝ってイェロードの全身に広がった。
「シュード……」右手を上下に動かしながら、イェロードは目で訴えた。「どうか、お慈悲を……」
「好きなだけ味わうがいい」
イェロードは首を垂れ、根元から上に向かって口吻をしていった。シュードの異教徒の徴はすぐそこだ。弾力のある葡萄の実のようなそこから溢れだす潮の味は、すでに口いっぱいに広がっている。
——シュードが、あの味をぼくだけに与えてくれるんだ!
イェロードは祝福された気分になって、シュードの異教徒の徴を頬張った……。
「イェロード……」シュードが耳元で囁いた。その肉厚の手は、迸りの残滓を搾り取るようにイェロードのペニスを根元から扱きあげている。「さあ、画を清めろ」
イェロードは、シュードに後ろから貫かれたまま、画の前に進んだ。本能的に舌を出す。何をすべきかは、すでにわかっていた。
「同じ味がするか試してみるがいい」シュードが云った。「あれだけ注いでやったのだからな」
その言葉がイェロードを昂らせた。からだの隅々にまでシュードが行き渡っているのか、それを確かめることができる。毛穴からは汗を、肌からは匂いを、そして口と肛門からは……。シュードが与えるあらゆるものを受けとってきたのだ。海の民の仲間になる資格は十分にある。
——ああ! シュードを汚してしまっている!
下から舐めようとして屈んだので、寝台の画のなかにはシュードの姿だけが残った。いつ見ても雄々しく、惚れ惚れとする裸身だ。その芸術品のようなシュードを、あろうことか自分の迸りがじっとりと濡らしている。
イェロードは懺悔をするように白濁の穢れを舐めていった。ぴりりと潮の味がした。シュードと同じものかはまだわからない。イェロードは寝台の画を見あげた。すぐ上には聖楼のように聳る長大なペニスがあり、そこから断崖のような腹を昇ってゆくと、夏の雲のような分厚い胸にたどり着く。そのすべてを清める必要があった。
「続けろ」シュードが短く云った。
イェロードは目を閉じ、画のなかのペニスにしゃぶりついた。真っ平らな画の上をその舌で叮嚀に拭う。すると、そのうちに画のなかからシュードのペニスがせり出してくるような気がしてきた。イェロードが記憶を頼りにその輪郭をなぞり、頬張り、啜るようにすると、それはますます実体のあるものとして画のなかから泛びあがってくるようだった。
突然、シュードが繋がった腰を大きく回した。イェロードのなかでシュードのペニスが蠢く。
「ああっ!」
イェロードは喘ぎ声を上げた。
——まだ、お腹も胸も清めないといけないのに……。
埋め込まれた長大なペニスの蠢きにあわせて、じんじんとした疼きが尻のなかに広がってゆく。このままでは尻の奥に意識が持っていかれそうだ。
「さあ、イェロード。云え、云うんだ」シュードが腰をしなやかに振りたててイェロードを翻弄する。「同じ味か?」
「あ、あっ、んん……っ」
「まだわからぬか。ならば続けろ」
シュードは上体を丸く曲げて顎をイェロードの左肩に引っかけるようにして乗せた。イェロードの耳朶をぺろりと舐め、耳穴に息を、ふぅっ、と送りこむ。腰を掴んでいた両手は、いつの間にかイェロードの胸の真珠と陰嚢に触れていた。
乳首が捏ねられ、陰嚢が揉みたてられる。肩と尻でがっしりと抑え込まれていて、逃れることはできない。少しでも動けば、シュードのペニスがより深く埋め込められる状態だ。
イェロードは舐めつづけた。同じと思えばそうかもしれないし、違うと思えばそうかもしれない。続けて腹を舐め、さらに胸を舐めた。そしてもう一度、ペニスに戻ろうと思ったとき、尻のなかからシュードのペニスがずるりと引き抜かれた。
「あああっ——!」
叫び声を上げたつぎの瞬間、イェロードは全身がふわりと軽くなるのを感じた。目を閉じ、顔をのけ反らせ、しばしその余韻に酔いしれる。ふたたびからだの重みが戻ってきて目を開けたとき——目の前にシュードが立っていた。
——画のなかから……画のなかから出てきたみたいだ……。
画から出てきた美しい男神は、実在する肉体であることを証明するかのように潮の香と熱を放っている。そのたくましい肉体の上に据えられた、きりりと引き締まった精悍な顔、そしてイェロードを見つめる慈悲深い眼差し。イェロードは、奇跡が起こったような思いでシュードの裸身を見つめた。
「同じだったか?」
啓示のようにシュードの声が降りてきた。
イェロードはゆっくりと頷いた。
するとシュードが云った。「確かめるがいい」
イェロードは四つん這いになって、シュードの裸身に舌を乗せた。寝台の画を舌でなぞったように、シュードの両脚を交互に舐めながら昇ってゆく。やがて内腿にたどり着いた。イェロードが右へ左へと顔を移すたびにシュードの重たげな陰嚢が鼻先で揺れ、潮の香を嗅がせる。
——焦ってはいけない……。ちゃんと清めてからでないと……。
イェロードは、吸いつきたいのをぐっと堪えた。
——ああ、胸から清めるべきだったんだ!
イェロードは、シュードのペニスが大きくそそり勃つとき、腹にぴったりとついているのを思い出した。すぐさま上体を起こし、シュードの背中に腕を巻きつけた。
——シュードの胸の真珠はどんなに美しいだろう……。
イェロードはシュードがしてくれたように、乳暈の際から中心へ、くるくると渦を巻くように舌先を運んでいった。やがて舌先が乳暈の中心にたどり着くと、唇をすっぽりとかぶせ、頬を窄ませて吸いつきながら、真珠の素を丹念に舐めまわした。
「イェロード……」シュードが慈悲深い声で云った。「俺は男だ。いくら吸っても乳は出ぬぞ」
胸から唇を放して、イェロードはシュードの顔を見上げた。背中に巻きついていた右腕が自然に解かれて前に廻り、その手にシュードのペニスが包まれる。滾るような熱、そして力強い脈が、右手を伝ってイェロードの全身に広がった。
「シュード……」右手を上下に動かしながら、イェロードは目で訴えた。「どうか、お慈悲を……」
「好きなだけ味わうがいい」
イェロードは首を垂れ、根元から上に向かって口吻をしていった。シュードの異教徒の徴はすぐそこだ。弾力のある葡萄の実のようなそこから溢れだす潮の味は、すでに口いっぱいに広がっている。
——シュードが、あの味をぼくだけに与えてくれるんだ!
イェロードは祝福された気分になって、シュードの異教徒の徴を頬張った……。
30
お気に入りに追加
168
あなたにおすすめの小説

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

禁断の祈祷室
土岐ゆうば(金湯叶)
BL
リュアオス神を祀る神殿の神官長であるアメデアには専用の祈祷室があった。
アメデア以外は誰も入ることが許されない部屋には、神の像と燭台そして聖典があるだけ。窓もなにもなく、出入口は木の扉一つ。扉の前には護衛が待機しており、アメデア以外は誰もいない。
それなのに祈祷が終わると、アメデアの体には情交の痕がある。アメデアの聖痕は濃く輝き、その強力な神聖力によって人々を助ける。
救済のために神は神官を抱くのか。
それとも愛したがゆえに彼を抱くのか。
神×神官の許された神秘的な夜の話。
※小説家になろう(ムーンライトノベルズ)でも掲載しています。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)


【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった
cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。
一途なシオンと、皇帝のお話。
※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

皇帝陛下の精子検査
雲丹はち
BL
弱冠25歳にして帝国全土の統一を果たした若き皇帝マクシミリアン。
しかし彼は政務に追われ、いまだ妃すら迎えられていなかった。
このままでは世継ぎが産まれるかどうかも分からない。
焦れた官僚たちに迫られ、マクシミリアンは世にも屈辱的な『検査』を受けさせられることに――!?
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる