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第八章 寝台の画
7 その顔もその声も、ぼくのもの!【絡み:シュード(=エシフ)xイェロード(=ノモク)】
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強靭なシュードの肉體の上に跨がり、シュードの長大なペニスに尻の孔を貫かれた状態で、イェロードは腰を揺らしつづける。
——このままシュードと何処か遠くへ行きたい……。
イェロードはすでに夢見心地だった。全身に広がるシュードのペニスの感覚を味わいながら、ときおり薄目で寝台の画を確認する。ゆったりと揺れる大きな帆舟と海風を受けて大きく膨らむ帆——ふたりの全裸の男たちが組み合わされたその姿は、イェロードの心を揺さぶった。
「イェロード、ずいぶん慣れたようだな……」シュードが吐息混じりの声で呟いた。「あれだけ怖がりながら俺に抱かれていたのに、今では自分から腰を動かしている。それに——」そのたこのある肉厚の手でイェロードのペニスを根元から尖端まで扱きあげ、
「ここも見事に勃てている」
「あああっ——」
「俺と交わって悦ぶおまえは、なんと愛おしいのだろう」
と云って、シュードはイェロードの最も敏感な部分——包皮を剥かれ焔に炙られた——を揉みたてた。じんじんとした疼きがイェロードの尖端に生まれ、ペニスを伝って全身に広がってゆく。後ろから、そして前から与えられる刺激はイェロードをより一層昂らせた。
——ぼくたちはひとつなんだ! この悦びをシュードにも!
イェロードは新たな動きを始めた。腰を上下に動かす。と同時に尻の輪っかを弛めたり締めたりしながら、シュードのペニスをゆったりと愛撫する。
「イェロード……ああ……」
シュードが呻き声をあげた。イェロードが目を開けて見下ろすと、シュードは両目を閉じて眉根を寄せていた。
——シュードが悦んでくれている!
イェロードは、腰を下ろしてシュードを根元までずっぽりと銜えこんだ。尻の輪っかを窄め、ゆっくりと腰を持ちあげてゆきながら、じわりじわりとシュードのペニスを搾りあげてゆく。尻の輪っかがシュードのくびれに引っかかると、イェロードは尻の輪っかを弛めたり締めたりして、尻のなかでシュードの尖端をもぐもぐする。
シュードがまた呻き声をあげた。一度目よりもより深みのある甘い声が、イェロードの耳をくすぐる。
「イェロード……さあ……降りてこい……」シュードが両手でイェロードの腰を掴んだ。「さあ……早く……」
イェロードは、シュードの声に耳を傾けながら、しばらく尻の輪っかをもぐもぐさせた。
ああ、とシュードが顔を歪め、イェロードを誘うように腰を揺すった。
——シュードのこの顔も、シュードのこの声も……全部ぼくだけのものなんだ……。
イェロードはシュードと女奴隷の交わりを思い返した。恍惚とした表情を泛べ、甘美な喘ぎ声をあげていたのは女奴隷で、シュードが顔を歪めたり声を発したりすることはなかった。シュードは、衆目のなかで一切動じることなく、類稀なる美しい肉體を隅々まで曝して男女の交わりを見せつけていた。
——あれは余興だった。だからシュードはただ性奴隷としての仕事をしていたんだ……。
シュードは、これまで数多くの客人をその肉體でもてなしてきたのだろう。それは一方的な奉仕に他ならない。性奴隷であるシュードが受け取るものがあるとすれば、望まない交わりを強要される屈辱だけだ。
イェロードは尻の輪っかでシュードのペニスを咀嚼しつづける。イェロードの腰を掴むシュードの手にちからが込められた。イェロードが与える刺激に酔いしれているのか、シュードの胸から腹までの筋肉が大きく波を立たせる。
『——女を識る前に男を識る必要があるのです』
シュードの言葉が甦る。
自分たちの国では、まずは男同士で教えあうのだとシュードは云っていた。
——シュードが手ほどきをしにぼくの部屋にきたとき、もし断っていなかったら……。
イェロードは静かに腰を沈めはじめた。
——シュードは、まずぼくに男のからだを教えて……。
そうだった。これから王子の準備をすると云って、シュードは連れてきた三人の若い女奴隷たち——彼女たちはアラディーム国の第七王子のために選ばれた男を識らない生娘だった——を一旦部屋の外に出した。そして腰布の前垂れから長大なペニスを覗かせながら近づいてきて、その雄々しいものを手に握らせた。
——あのときぼくが怯んだのは、女を識る前にシュードとこうなることを……?
イェロードはさらに腰を沈めた。尻のなかが、シュードのペニスで押し広げられてゆく。思わず尻の輪っかを窄めてしまう。
「イェロード、もっと降りてこい」シュードが甘ったるい声で云った。「そうだ……うっ……」
シュードが呻いたのは、圧迫感から楽になろうとしたイェロードが腰を揺すりながらペニスを引き抜こうとしたからだった。しかしイェロードのほうもシュードの異教徒の徴に尻のなかを擦られて、同時に声を上げてしまう。
——でも今みたいにシュードも悦んでくれたかな……?
イェロードはかぶりを振り、また腰を沈めていった。イェロードが声を上げると、それに呼応するかのようにシュードも声を上げる。その響きは心地よく、イェロードは酩酊のなかにすっかり身を委ねた。
焦ったいほどの時間をかけて、シュードの長大なペニスの半分ほどがイェロードの尻のなかに埋まった。イェロードは深呼吸をして尻の輪っかを弛めた。すると突然、シュードが掴んでいたイェロードの腰を下に引き、同時にペニスを尻のなかに摶ちつけた。
「——!」
急な展開にイェロードは声を失った。
「イェロード、苦しいか?」シュードが上体を起こし、イェロードを抱きかかえた。繋がったまま反転してイェロードの背をシーツの上に降ろす。「それとも、続けるか?」
「シュード、ぼくのなかは……」イェロードは腰を揺らした。「ぼくのなかは……どう?」
シュードが鼻を鳴らした。「可愛いことを云う」
イェロードは両脚をシュードの太腿に、両手をシュードの首にそれぞれ巻きつけた。口吻をせがむように顔を泛かせる。あと少しで唇と唇が触れあいそうになって目を閉じた。
「エボーイ・オワノニーカム」シュードが厳かに云った。
「シュード……」
声に出してみたものの、シュードは何もしてこない。イェロードは口吻が待ち遠しくて、さらに二度、シュードの名を呼んだ。
——このままシュードと何処か遠くへ行きたい……。
イェロードはすでに夢見心地だった。全身に広がるシュードのペニスの感覚を味わいながら、ときおり薄目で寝台の画を確認する。ゆったりと揺れる大きな帆舟と海風を受けて大きく膨らむ帆——ふたりの全裸の男たちが組み合わされたその姿は、イェロードの心を揺さぶった。
「イェロード、ずいぶん慣れたようだな……」シュードが吐息混じりの声で呟いた。「あれだけ怖がりながら俺に抱かれていたのに、今では自分から腰を動かしている。それに——」そのたこのある肉厚の手でイェロードのペニスを根元から尖端まで扱きあげ、
「ここも見事に勃てている」
「あああっ——」
「俺と交わって悦ぶおまえは、なんと愛おしいのだろう」
と云って、シュードはイェロードの最も敏感な部分——包皮を剥かれ焔に炙られた——を揉みたてた。じんじんとした疼きがイェロードの尖端に生まれ、ペニスを伝って全身に広がってゆく。後ろから、そして前から与えられる刺激はイェロードをより一層昂らせた。
——ぼくたちはひとつなんだ! この悦びをシュードにも!
イェロードは新たな動きを始めた。腰を上下に動かす。と同時に尻の輪っかを弛めたり締めたりしながら、シュードのペニスをゆったりと愛撫する。
「イェロード……ああ……」
シュードが呻き声をあげた。イェロードが目を開けて見下ろすと、シュードは両目を閉じて眉根を寄せていた。
——シュードが悦んでくれている!
イェロードは、腰を下ろしてシュードを根元までずっぽりと銜えこんだ。尻の輪っかを窄め、ゆっくりと腰を持ちあげてゆきながら、じわりじわりとシュードのペニスを搾りあげてゆく。尻の輪っかがシュードのくびれに引っかかると、イェロードは尻の輪っかを弛めたり締めたりして、尻のなかでシュードの尖端をもぐもぐする。
シュードがまた呻き声をあげた。一度目よりもより深みのある甘い声が、イェロードの耳をくすぐる。
「イェロード……さあ……降りてこい……」シュードが両手でイェロードの腰を掴んだ。「さあ……早く……」
イェロードは、シュードの声に耳を傾けながら、しばらく尻の輪っかをもぐもぐさせた。
ああ、とシュードが顔を歪め、イェロードを誘うように腰を揺すった。
——シュードのこの顔も、シュードのこの声も……全部ぼくだけのものなんだ……。
イェロードはシュードと女奴隷の交わりを思い返した。恍惚とした表情を泛べ、甘美な喘ぎ声をあげていたのは女奴隷で、シュードが顔を歪めたり声を発したりすることはなかった。シュードは、衆目のなかで一切動じることなく、類稀なる美しい肉體を隅々まで曝して男女の交わりを見せつけていた。
——あれは余興だった。だからシュードはただ性奴隷としての仕事をしていたんだ……。
シュードは、これまで数多くの客人をその肉體でもてなしてきたのだろう。それは一方的な奉仕に他ならない。性奴隷であるシュードが受け取るものがあるとすれば、望まない交わりを強要される屈辱だけだ。
イェロードは尻の輪っかでシュードのペニスを咀嚼しつづける。イェロードの腰を掴むシュードの手にちからが込められた。イェロードが与える刺激に酔いしれているのか、シュードの胸から腹までの筋肉が大きく波を立たせる。
『——女を識る前に男を識る必要があるのです』
シュードの言葉が甦る。
自分たちの国では、まずは男同士で教えあうのだとシュードは云っていた。
——シュードが手ほどきをしにぼくの部屋にきたとき、もし断っていなかったら……。
イェロードは静かに腰を沈めはじめた。
——シュードは、まずぼくに男のからだを教えて……。
そうだった。これから王子の準備をすると云って、シュードは連れてきた三人の若い女奴隷たち——彼女たちはアラディーム国の第七王子のために選ばれた男を識らない生娘だった——を一旦部屋の外に出した。そして腰布の前垂れから長大なペニスを覗かせながら近づいてきて、その雄々しいものを手に握らせた。
——あのときぼくが怯んだのは、女を識る前にシュードとこうなることを……?
イェロードはさらに腰を沈めた。尻のなかが、シュードのペニスで押し広げられてゆく。思わず尻の輪っかを窄めてしまう。
「イェロード、もっと降りてこい」シュードが甘ったるい声で云った。「そうだ……うっ……」
シュードが呻いたのは、圧迫感から楽になろうとしたイェロードが腰を揺すりながらペニスを引き抜こうとしたからだった。しかしイェロードのほうもシュードの異教徒の徴に尻のなかを擦られて、同時に声を上げてしまう。
——でも今みたいにシュードも悦んでくれたかな……?
イェロードはかぶりを振り、また腰を沈めていった。イェロードが声を上げると、それに呼応するかのようにシュードも声を上げる。その響きは心地よく、イェロードは酩酊のなかにすっかり身を委ねた。
焦ったいほどの時間をかけて、シュードの長大なペニスの半分ほどがイェロードの尻のなかに埋まった。イェロードは深呼吸をして尻の輪っかを弛めた。すると突然、シュードが掴んでいたイェロードの腰を下に引き、同時にペニスを尻のなかに摶ちつけた。
「——!」
急な展開にイェロードは声を失った。
「イェロード、苦しいか?」シュードが上体を起こし、イェロードを抱きかかえた。繋がったまま反転してイェロードの背をシーツの上に降ろす。「それとも、続けるか?」
「シュード、ぼくのなかは……」イェロードは腰を揺らした。「ぼくのなかは……どう?」
シュードが鼻を鳴らした。「可愛いことを云う」
イェロードは両脚をシュードの太腿に、両手をシュードの首にそれぞれ巻きつけた。口吻をせがむように顔を泛かせる。あと少しで唇と唇が触れあいそうになって目を閉じた。
「エボーイ・オワノニーカム」シュードが厳かに云った。
「シュード……」
声に出してみたものの、シュードは何もしてこない。イェロードは口吻が待ち遠しくて、さらに二度、シュードの名を呼んだ。
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