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第八章 寝台の画
5 天上の歌【絡み:シュード(=エシフ)xイェロード(=ノモク)】
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「イェロード、おまえのここは温かい」シュードは挿しいれた指を、イェロードの尻のなかで数回ぐるぐると掻き混ぜて一度その指を引き抜き、
「砂糖菓子もあっという間に溶けてしまう」
と称賛するように云った。「それに柔らかくて心地いい」こんどは指を二本重ねてゆっくりと埋めこんでゆく。
イェロードは腰をくねらせて、
「シュード……くうっ……は、はぁっ!」
「おまえは実に好い声で泣く」
シュードは尻のなかで二指を展いた。楽器を鳴らすように指を巧みに動かしてイェロードに甘い声を奏でさせる。
「まるで音楽のようだ。イェロード、おまえは俺の——」
「っんあ!」
その続きは、イェロードの叫び声にかき消されてしまった。
二指がゆっくりと引き抜かれた。内臓が引き出されるようなゾクゾクとした痺れをイェロードが感じたつぎの瞬間、こんどは三指となって尻のなかに戻ってくる。イェロードはその押しひらかれる感覚を十分に味わった。
シュードがくすりと笑う。「俺の指が気に入ったようだな」
イェロードは悶えながら腰を泛かせた。さっきからペニス同士が重なりあい、イェロードが身を捩らせるたびに、ギュッギュッと擦りあわさっている。その刺激から逃れるためだった。イェロードのペニスの先からは、すでに透明な液が溢れだしている。
「ほう。そんなに悦んでくれるのか」シュードは満足げに云って三指を尻のなかで激しく蠢かせた。「可愛がり甲斐がある」
「シュード……お願い……抜いて……」イェロードは哀願した。
「まだ全部這入ってはいないぞ?」
「あああっ——」
ずんと奥まで三指が押しこまれてイェロードは思わず前に逃げようとした。しかしシュードが空いたほうの手をイェロードの背中に回して動けないように抑えた。イェロードはシュードにしがみつき、厚い胸板に顔を埋めて啜り泣きはじめた。
「イェロード、泣くほど嬉しいのか?」指を荒々しく抜き挿ししながらシュードが囁く。「だがおまえは、この指より欲しいものがあるはずだ」
「うっ……ううっ……あ、あ、あっ……」
「おまえの尻は俺のかたちを覚えている。そして欲しがっている」
三指がごそりと引き抜かれた。尻の孔が指のかたちを残してぽっかりと開く。イェロードは、溶けきった砂糖菓子が洩れないように尻にギュッとちからを込めた。すると尻のなかが、つぎの準備を始めた。快楽の記憶を頼りに海の民の、男神の、シュードのかたちを思い出しながら、ぬるぬると蠢いてそのための部屋を作る。
「ねえ、シュード……」
「まだだ」
シュードはイェロードのおねだりを軽くあしらって両手を頭の下で組んだ。いまは未だ、イェロードに手を出すつもりはないらしい。
イェロードは、ふぅふぅと喘ぎながら上体を起こした。両手をシュードの胸板にあてながら、腰の位置をもう一度整えて跨った。そして左手をシュードの胸についたまま、右手で互いのペニスを重ねて握りしめ、その手筒でゆるゆると扱きはじめた。
イェロードのペニスの先から透明な蜜がどくどくと流れだし、ふたりのペニスをじっとりと濡らす。その粘液のとろみがイェロードに新たな快感をもたらした。
くちゅくちゅ……。
くちゅり……。
淫らな水音がイェロードの耳をくすぐる。
「んっ……は、はあぁ……はぁ……ああっ……」
イェロードは手の動きにあわせて腰を揺らしはじめた。互いの陰嚢が汗と蜜でぴたりと貼りあわさっている。大小よっつの睾丸がごろごろと転がり、そしてぶつかりあう。
「シュード……シュード……っあ、んんっ、はぁ……ああ……」
イェロードは、手筒を動かし腰を揺らしながら、余興で目にしたシュードと女奴隷の交わる姿を思いうかべた。
——あの女奴隷は、ぼくと同じ悦びを識らない……。
——男同士だから、こうして同じ悦びを得られるんだ……。
——ぼくはシュードの、この美しい裸身の凡てに口吻だってしている……。
イェロードは左手をシュードの胸から離し、その手を後ろについて上体を反らせた。手筒と腰の動きが激しさを増す。
——ぼくは、あの女奴隷よりも悦びをひとつ多く識っている……。
——あの女奴隷は、ただ貫かれていただけだ!
イェロードは薄目を開けて寝台の画を観た。
それは——一隻の帆舟だった。シュードがその本体、そしてイェロードが帆だ。しかし、シュードが女奴隷を貫いて造った帆舟とは明らかに異うものだった。あのときの帆舟は、漣にそよと揺れる小さな帆舟だった。いまここで寝台の画に描かれている帆舟は、荒波にも負けずに海を往く頑丈で立派なものだ。
——これこそシュードが、ぼくの男神が乗る帆舟に相応しい!
イェロードの悦びが弥増した。これからこの帆舟を完成させるんだ。イェロードは手の動きを止め、腰を泛かし、シュードのペニスを支え持って、その先端を尻の孔にぴたりとあてがった。
「イェロード、寝台の画に相応しい歌を歌ってくれ」シュードが腹の底に響くような太く低い声で云った。「さあ、おまえのその可愛らしい声で」
イェロードは迷わず腰を落とした。
寝台の海に、天上の歌が響いた。
「砂糖菓子もあっという間に溶けてしまう」
と称賛するように云った。「それに柔らかくて心地いい」こんどは指を二本重ねてゆっくりと埋めこんでゆく。
イェロードは腰をくねらせて、
「シュード……くうっ……は、はぁっ!」
「おまえは実に好い声で泣く」
シュードは尻のなかで二指を展いた。楽器を鳴らすように指を巧みに動かしてイェロードに甘い声を奏でさせる。
「まるで音楽のようだ。イェロード、おまえは俺の——」
「っんあ!」
その続きは、イェロードの叫び声にかき消されてしまった。
二指がゆっくりと引き抜かれた。内臓が引き出されるようなゾクゾクとした痺れをイェロードが感じたつぎの瞬間、こんどは三指となって尻のなかに戻ってくる。イェロードはその押しひらかれる感覚を十分に味わった。
シュードがくすりと笑う。「俺の指が気に入ったようだな」
イェロードは悶えながら腰を泛かせた。さっきからペニス同士が重なりあい、イェロードが身を捩らせるたびに、ギュッギュッと擦りあわさっている。その刺激から逃れるためだった。イェロードのペニスの先からは、すでに透明な液が溢れだしている。
「ほう。そんなに悦んでくれるのか」シュードは満足げに云って三指を尻のなかで激しく蠢かせた。「可愛がり甲斐がある」
「シュード……お願い……抜いて……」イェロードは哀願した。
「まだ全部這入ってはいないぞ?」
「あああっ——」
ずんと奥まで三指が押しこまれてイェロードは思わず前に逃げようとした。しかしシュードが空いたほうの手をイェロードの背中に回して動けないように抑えた。イェロードはシュードにしがみつき、厚い胸板に顔を埋めて啜り泣きはじめた。
「イェロード、泣くほど嬉しいのか?」指を荒々しく抜き挿ししながらシュードが囁く。「だがおまえは、この指より欲しいものがあるはずだ」
「うっ……ううっ……あ、あ、あっ……」
「おまえの尻は俺のかたちを覚えている。そして欲しがっている」
三指がごそりと引き抜かれた。尻の孔が指のかたちを残してぽっかりと開く。イェロードは、溶けきった砂糖菓子が洩れないように尻にギュッとちからを込めた。すると尻のなかが、つぎの準備を始めた。快楽の記憶を頼りに海の民の、男神の、シュードのかたちを思い出しながら、ぬるぬると蠢いてそのための部屋を作る。
「ねえ、シュード……」
「まだだ」
シュードはイェロードのおねだりを軽くあしらって両手を頭の下で組んだ。いまは未だ、イェロードに手を出すつもりはないらしい。
イェロードは、ふぅふぅと喘ぎながら上体を起こした。両手をシュードの胸板にあてながら、腰の位置をもう一度整えて跨った。そして左手をシュードの胸についたまま、右手で互いのペニスを重ねて握りしめ、その手筒でゆるゆると扱きはじめた。
イェロードのペニスの先から透明な蜜がどくどくと流れだし、ふたりのペニスをじっとりと濡らす。その粘液のとろみがイェロードに新たな快感をもたらした。
くちゅくちゅ……。
くちゅり……。
淫らな水音がイェロードの耳をくすぐる。
「んっ……は、はあぁ……はぁ……ああっ……」
イェロードは手の動きにあわせて腰を揺らしはじめた。互いの陰嚢が汗と蜜でぴたりと貼りあわさっている。大小よっつの睾丸がごろごろと転がり、そしてぶつかりあう。
「シュード……シュード……っあ、んんっ、はぁ……ああ……」
イェロードは、手筒を動かし腰を揺らしながら、余興で目にしたシュードと女奴隷の交わる姿を思いうかべた。
——あの女奴隷は、ぼくと同じ悦びを識らない……。
——男同士だから、こうして同じ悦びを得られるんだ……。
——ぼくはシュードの、この美しい裸身の凡てに口吻だってしている……。
イェロードは左手をシュードの胸から離し、その手を後ろについて上体を反らせた。手筒と腰の動きが激しさを増す。
——ぼくは、あの女奴隷よりも悦びをひとつ多く識っている……。
——あの女奴隷は、ただ貫かれていただけだ!
イェロードは薄目を開けて寝台の画を観た。
それは——一隻の帆舟だった。シュードがその本体、そしてイェロードが帆だ。しかし、シュードが女奴隷を貫いて造った帆舟とは明らかに異うものだった。あのときの帆舟は、漣にそよと揺れる小さな帆舟だった。いまここで寝台の画に描かれている帆舟は、荒波にも負けずに海を往く頑丈で立派なものだ。
——これこそシュードが、ぼくの男神が乗る帆舟に相応しい!
イェロードの悦びが弥増した。これからこの帆舟を完成させるんだ。イェロードは手の動きを止め、腰を泛かし、シュードのペニスを支え持って、その先端を尻の孔にぴたりとあてがった。
「イェロード、寝台の画に相応しい歌を歌ってくれ」シュードが腹の底に響くような太く低い声で云った。「さあ、おまえのその可愛らしい声で」
イェロードは迷わず腰を落とした。
寝台の海に、天上の歌が響いた。
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