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第八章 寝台の画
3 おまえのからだで【絡み:シュード(=エシフ)xイェロード(=ノモク)】
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シュードは両手でイェロードの顔から内腿へと愛撫していった。画家がカンバスの上にモデルの輪郭をとるように、シュードの十指がイェロードの肌の上を辷り、あるときはそっと撫で、あるときはさっと擦ったりする。その指技に合わせてイェロードの腰が動き、背中が波打ち、仰け反った。
「イェロード、思い出してきたか?」シュードは愛撫の手を止めた。「だが動くな。凝っとしていろ。画が描けないではないか」
「シュード……ここも……」イェロードは、内腿を撫でていたシュードの片手を手に取った。そのままペニスへと導こうとする。
しかしシュードはその手をはらって、
「動くな、と云ったはずだ」
とたしなめ、内腿をさわさわと撫でつづけた。
「あっ……ううっ……」
まだ触られていないその部分は今か今かとシュードの愛撫を待ちのぞみ、たっぷりと触れられた部分はその余韻にひたり、今触られている部分はその感触を味わっている。
「イェロード、あの余興を覚えているか?」
シュードがほんの少し腰を引いた。
つぎの瞬間、シュードのペニスがイェロードの肛門から離れ、尻の谷間を擦りあげながら、一気に反りかえった。
「あああっ——!」
イェロードは大きく仰け反った。長大なペニスが勢い余ってシュードの腹を叩いたとき、鞭が打ちつけられるような音がした。イェロードは、その音に尻の谷間が打たれたような気がしたのだった。
「女の声は覚えているようだな」シュードは感心したような口調でこう云うと、両手をイェロードの陰嚢に伸ばした。「そして俺があの女とどう交わったか……さあ、思い出せ」
イェロードの陰嚢は木の実のように堅くなっている。シュードは左右それぞれを手で掬いあげ、親指で叮嚀に撫で回して皮袋のなかの睾丸を揉みほぐした。イェロードは腰の周りから、少しずつちからが抜けていくのを感じた。
「はあぁ……ふぅ……」
「教えてやろう。俺たち海の民は、仕事のあとにここを揉む。疲れがふっ飛ぶからな」
「あっ、ぁはあっ……あっ、あっ、あっ……」
シュードの言葉どおり、腰の強張りはするすると解れていった。しかしその隙間に新たな感覚が辷りこんでくる。
シュードが大きく動いて姿勢を整えた。
「あっ!」
「ちょっとした余興だ」
シュードは熱り勃ったペニスの先端をイェロードの陰嚢で左右から包みこんだ。外側から両手を合わせるように添え、ゆっくりと腰を前後に動かした。
異教徒の徴がイェロードの睾丸をゴロゴロと転がす。
「あっ……ああ……んっ……」イェロードは喘いだ。
「覚えているか? 俺と女が繋がっているところを……」
イェロードは喘ぎながら首を左右に振った。
「そうか。あのときは灯りが邪魔をしたのだったな」シュードは陰嚢の包みから手を放すと、イェロードの両手をそこへ導いた。同じように陰嚢でペニスを包ませる。「しっかり押さえていろ」そしてイェロードの腰に片腕を巻きつけて支えた。
——ああ、あのときの……。
イェロードは目を瞑った。すると頭のなかで、あの余興がありありと再現された。
シュードが腰を緩やかに揺らしながら、空いたほうの手でイェロードの肌を撫でさする。大きな手のひらが、わき腹をさすりあげて胸をやわやわと揉みたて、指先で胸の真珠をつまんだり弾いたりし、それから腹まで下がってきて、ついで反対側のわき腹をさすりあげ、もう片方の胸も同じように愛撫した。
「エボーイ・オワノニーカム」シュードが語りかける。
イェロードがそれに応える。「シュード……ああ……シュード!」
シュードのペニスが与える快感と指と手のひらが与える快感が、めくるめく酩酊を伴ってイェロードを否応なしに昂らせる。イェロードは顔を上げて、目を開いた。頭のなかの映像と目の前のそれを比べてみようとしたのだった。
シュードの裸身を目にするのは初めてではなかった。見れば見るほど目が離せなくなり、ため息が洩れる。ランプの灯りが、ちから強く官能的なシュードの裸身をいっそう美しく泛びあがらせている。今、目にしているのは——碇のような肩、楯を二枚横に並べたような胸、丸太のような太い腕、そして鋼の鎧のような腹と腰まわり。
シュードは緩やかに腰を動かしていた。その動きに合わせて筋肉の溝が深く影を作ったり、またその隆起を際立たせたりしている。
シュードは美しい男だ。訳あって奴隷の扱いを受けていたが、その正体は海の神の化身だったのだ。彼はとにかく美しい。国じゅうの高名な芸術家がよってたかって作業をしても、シュードを模した彫像を完成させることは出来ないだろう。
シュードが腰の動きをさらに大きくして、
「エボーイ・オワノニーカム」
「シュード……」
イェロードは応えた。そして両手のなかで陰嚢に包まれたシュードのペニスがちから強く動くのを見つづけた。今やその雄々しさの塊はシュードの腰の動きを伴って、イェロードのペニスの腹を、下から上へ、上から下へ、ぐいぐいとその先端の丸みで押し揉んでいる。
——もっと触れたい……そしてもっと感じたい……。
イェロードは陰嚢から両手を放し、両肘にちからを込めて上体を起こした。
「イェロード……?」
シュードの言葉を無視して、イェロードはシュードの膝に跨った。左手をシュードの右肩に、右手をシュードの背中にそれぞれ回してしがみつき、腰を揺すりたててペニス同士を擦りあわせた。
シュードがイェロードの耳許で囁いた。「エボーイ・オワノニーカム」
「シュード! シュード! シュード!」イェロードは、腰を激しく動かしながら応えた。
シュードは、くくっ、と鼻を鳴らして、
「デッサンが狂ってしまうではないか」
と云って、イェロードを抱えあげた。膝立ちになって半回転し、イェロードを上にして仰向けに横たわった。「さあ、イェロード。おまえのからだで寝台の画を描くといい」
「イェロード、思い出してきたか?」シュードは愛撫の手を止めた。「だが動くな。凝っとしていろ。画が描けないではないか」
「シュード……ここも……」イェロードは、内腿を撫でていたシュードの片手を手に取った。そのままペニスへと導こうとする。
しかしシュードはその手をはらって、
「動くな、と云ったはずだ」
とたしなめ、内腿をさわさわと撫でつづけた。
「あっ……ううっ……」
まだ触られていないその部分は今か今かとシュードの愛撫を待ちのぞみ、たっぷりと触れられた部分はその余韻にひたり、今触られている部分はその感触を味わっている。
「イェロード、あの余興を覚えているか?」
シュードがほんの少し腰を引いた。
つぎの瞬間、シュードのペニスがイェロードの肛門から離れ、尻の谷間を擦りあげながら、一気に反りかえった。
「あああっ——!」
イェロードは大きく仰け反った。長大なペニスが勢い余ってシュードの腹を叩いたとき、鞭が打ちつけられるような音がした。イェロードは、その音に尻の谷間が打たれたような気がしたのだった。
「女の声は覚えているようだな」シュードは感心したような口調でこう云うと、両手をイェロードの陰嚢に伸ばした。「そして俺があの女とどう交わったか……さあ、思い出せ」
イェロードの陰嚢は木の実のように堅くなっている。シュードは左右それぞれを手で掬いあげ、親指で叮嚀に撫で回して皮袋のなかの睾丸を揉みほぐした。イェロードは腰の周りから、少しずつちからが抜けていくのを感じた。
「はあぁ……ふぅ……」
「教えてやろう。俺たち海の民は、仕事のあとにここを揉む。疲れがふっ飛ぶからな」
「あっ、ぁはあっ……あっ、あっ、あっ……」
シュードの言葉どおり、腰の強張りはするすると解れていった。しかしその隙間に新たな感覚が辷りこんでくる。
シュードが大きく動いて姿勢を整えた。
「あっ!」
「ちょっとした余興だ」
シュードは熱り勃ったペニスの先端をイェロードの陰嚢で左右から包みこんだ。外側から両手を合わせるように添え、ゆっくりと腰を前後に動かした。
異教徒の徴がイェロードの睾丸をゴロゴロと転がす。
「あっ……ああ……んっ……」イェロードは喘いだ。
「覚えているか? 俺と女が繋がっているところを……」
イェロードは喘ぎながら首を左右に振った。
「そうか。あのときは灯りが邪魔をしたのだったな」シュードは陰嚢の包みから手を放すと、イェロードの両手をそこへ導いた。同じように陰嚢でペニスを包ませる。「しっかり押さえていろ」そしてイェロードの腰に片腕を巻きつけて支えた。
——ああ、あのときの……。
イェロードは目を瞑った。すると頭のなかで、あの余興がありありと再現された。
シュードが腰を緩やかに揺らしながら、空いたほうの手でイェロードの肌を撫でさする。大きな手のひらが、わき腹をさすりあげて胸をやわやわと揉みたて、指先で胸の真珠をつまんだり弾いたりし、それから腹まで下がってきて、ついで反対側のわき腹をさすりあげ、もう片方の胸も同じように愛撫した。
「エボーイ・オワノニーカム」シュードが語りかける。
イェロードがそれに応える。「シュード……ああ……シュード!」
シュードのペニスが与える快感と指と手のひらが与える快感が、めくるめく酩酊を伴ってイェロードを否応なしに昂らせる。イェロードは顔を上げて、目を開いた。頭のなかの映像と目の前のそれを比べてみようとしたのだった。
シュードの裸身を目にするのは初めてではなかった。見れば見るほど目が離せなくなり、ため息が洩れる。ランプの灯りが、ちから強く官能的なシュードの裸身をいっそう美しく泛びあがらせている。今、目にしているのは——碇のような肩、楯を二枚横に並べたような胸、丸太のような太い腕、そして鋼の鎧のような腹と腰まわり。
シュードは緩やかに腰を動かしていた。その動きに合わせて筋肉の溝が深く影を作ったり、またその隆起を際立たせたりしている。
シュードは美しい男だ。訳あって奴隷の扱いを受けていたが、その正体は海の神の化身だったのだ。彼はとにかく美しい。国じゅうの高名な芸術家がよってたかって作業をしても、シュードを模した彫像を完成させることは出来ないだろう。
シュードが腰の動きをさらに大きくして、
「エボーイ・オワノニーカム」
「シュード……」
イェロードは応えた。そして両手のなかで陰嚢に包まれたシュードのペニスがちから強く動くのを見つづけた。今やその雄々しさの塊はシュードの腰の動きを伴って、イェロードのペニスの腹を、下から上へ、上から下へ、ぐいぐいとその先端の丸みで押し揉んでいる。
——もっと触れたい……そしてもっと感じたい……。
イェロードは陰嚢から両手を放し、両肘にちからを込めて上体を起こした。
「イェロード……?」
シュードの言葉を無視して、イェロードはシュードの膝に跨った。左手をシュードの右肩に、右手をシュードの背中にそれぞれ回してしがみつき、腰を揺すりたててペニス同士を擦りあわせた。
シュードがイェロードの耳許で囁いた。「エボーイ・オワノニーカム」
「シュード! シュード! シュード!」イェロードは、腰を激しく動かしながら応えた。
シュードは、くくっ、と鼻を鳴らして、
「デッサンが狂ってしまうではないか」
と云って、イェロードを抱えあげた。膝立ちになって半回転し、イェロードを上にして仰向けに横たわった。「さあ、イェロード。おまえのからだで寝台の画を描くといい」
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