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第八章 寝台の画
2 思い出させてあげよう【絡み:シュード(=エシフ)xイェロード(=ノモク)】
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イェロードは思わず顔を背け、目を固く閉じた。
——は、恥ずかしい……。こんな恰好をしていたなんて!
イェロードは、左右の膝裏から両手を放して両脚を閉じようとした。しかしシュードがつぎの行動に出た。イェロードの腰をさらに持ちあげて分厚い胸で受けとめ、イェロードを二つ折りにする。イェロードの尻が天井を向いた。それはシュードの眼下に、何度も犯された肛門を曝していることを意味していた。
「イェロード」シュードが語りかけた。その声にはどことなく儀式めいた厳かな響きがある。「画を描いてあげよう。おまえは素晴らしいモデルだから、何枚でも描けそうだ」
「シュード、やめて……こんな恰好、いやだ……」
イェロードは固く目を閉じた。しかし鏡写しの寝台の画がどのようになっているか、容易に想像ができる。
「イェロード、何を嫌がっている。おまえは淫らで美しい」
シュードは右手の親指を、イェロードの肛門に乗せた。指の腹で丁寧にその表面を捏ねまわす。
「あ……んんっ……くっ……」
シュードの親指がじわじわと肛門に埋まってゆく。
「さあ、全部這入ったぞ」
シュードは、イェロードの尻のなかで親指を曲げ伸ばししながら、同時に蟻の門渡りを中指の先でかりかりと引っ掻いた。
「ひぃっ……や、やめて……あああ——」
「そうか。じゃあ、別の方法で可愛がってあげよう」
シュードはこう云って親指を引き抜いた。けれども肛門は天井に向けられたままだ。抱え上げた腰を下ろしてくれようとはしない。
シュードの右手がイェロードのわき腹を撫でながら降りてゆき、そして左の胸へと回った。シュードは、その親指と人差し指でイェロード乳首をつまみ、ゆっくりと捏ねた。
「胸の真珠——イェロード、おまえも覚えているだろう?」
「し、識らない! 覚えて……ない……ああっ!」
「嘘をつくな。おまえは余興で観たではないか。俺が女奴隷の真珠を掘りおこすところをな」
イェロードは乳首に与えられる刺激に耐えかね、イヤイヤをするように顔を左右に振った。
「ならば、思い出させてあげよう……。おまえが観たものを、ひとつ残らず、おまえのからだで思い出すのだ」
シュードはイェロードの腰を降ろし、両脚を大きく左右に展げさせたまま膝の上に乗せた。ばっくりと割れた尻の谷間に、シュードの屹立したペニスが挟まれる。いつ尻のなかに埋められてもおかしくはない状態だ。
イェロードは両手でシーツをつかみ、歯の隙間から息を吸いこみ、そして吐いた。
シュードが腰を少し泛せ、すっと降ろした。いつの間にか尻の入り口に弾力のある異教徒の徴が押しあてられている。
「……あっ……」イェロードは全身を強張らせた。
「イェロード、ちからを抜け。そうしたら挿れてやろう」
シュードの大きな手のひらがイェロードの腰から腋窩までを、わき腹を通って撫であげた。ぞくりとした快感がイェロードを襲う。イェロードは思わず呻き声を上げ、身を捩らせた。
シュードの顔がゆっくりとイェロードの胸許に降りてきた。
「ひぃっ……」
シュードが左の乳首に唇をすっぽりと被せた。上下の前歯でイェロードの乳首を挟み、舌先で何度も弾く。同時にもう片方の乳首を親指と人差し指で捻るように揉みたてた。
「あ……ふぅ……んんっ……」
左の乳首がイェロードに甘い疼きを与えながら少しずつ硬くなってゆく。
イェロードは薄目を開けて顔を仰け反らせた。シュードの広い背中がイェロードを覆い、左右の胸が唇と指先で愛撫されている。海の神に祝福を受けている異教徒の少年がそこにあった。
「ああ……シュード……」
シュードが乳首を甘噛みするのをやめ、こんどは吸いだすようにチュウチュウと音を立てて啜りあげた。
「ひゃあっ……!」イェロードは弓形に背を反らせた。
乳首から唇を放し、シュードがくすりと笑った。「さあ、胸の真珠だ。見覚えがあるだろう?」
「……!」
イェロードは顔をそっと起こし、そして我が目を疑った。左の乳首が丸く盛りあがっている。舐られてじっとりと濡れたそれは、ランプの明かりを受けて、乳暈の台座の上で妖しく艶めいていた。
シュードが云った。「さあ、もうひとつも掘りおこしてやろう」
シュードの顔が右の胸に移った。右の乳首に唇を被せ、同じように真珠を掘りおこしはじめる。解放された左の乳首が外気に触れて冷んやりとする。イェロードがビクッと震えたつぎの瞬間、シュードがそこを指でつまみ、形を整えるようにコロコロと転がした。
腰が揺れだした。からだは何をすればいいのか識っているらしく、そうやってシュードのペニスを尻の奥へと誘おうとしている。
——シュード、ぼくにもっと祝福を……。
イェロードはもう抗おうとは思わない。シュードは痛みではなく、快感を与えてくれる。自分を組み敷いているのは海の神だ。そして寝台の画は異教徒の奴隷に対する拷問を描いたものではなく、少年から青年へと変わる儀式を描いた画だ。イェロードは、頭のなかで海の神を讃えた——シュード、シュード、シュード!
すさまじい悦びがイェロードを包みこむ。自分はシュードに選ばれた存在で、直接、彼から教えを受けている。その教えとは、男に産まれたものがその成長の過程で、真の男となるために識るべき総てのことだ。
シュードの唇が右の乳首から離れ、身を起こした。「こちらの真珠も形が良い」云いながら指先で数回弾く。「おまえは素晴らしい。益々気に入った」
イェロードはその言葉が嬉しくて微笑んだ。シュードの膝の上で腰を揺する。早く……ここに最大の祝福を……。
シュードが、ふふっ、と笑った。「イェロード、慌てるな。これから時間を掛けて、ひとつひとつ思い出させてあげるのだから」
——は、恥ずかしい……。こんな恰好をしていたなんて!
イェロードは、左右の膝裏から両手を放して両脚を閉じようとした。しかしシュードがつぎの行動に出た。イェロードの腰をさらに持ちあげて分厚い胸で受けとめ、イェロードを二つ折りにする。イェロードの尻が天井を向いた。それはシュードの眼下に、何度も犯された肛門を曝していることを意味していた。
「イェロード」シュードが語りかけた。その声にはどことなく儀式めいた厳かな響きがある。「画を描いてあげよう。おまえは素晴らしいモデルだから、何枚でも描けそうだ」
「シュード、やめて……こんな恰好、いやだ……」
イェロードは固く目を閉じた。しかし鏡写しの寝台の画がどのようになっているか、容易に想像ができる。
「イェロード、何を嫌がっている。おまえは淫らで美しい」
シュードは右手の親指を、イェロードの肛門に乗せた。指の腹で丁寧にその表面を捏ねまわす。
「あ……んんっ……くっ……」
シュードの親指がじわじわと肛門に埋まってゆく。
「さあ、全部這入ったぞ」
シュードは、イェロードの尻のなかで親指を曲げ伸ばししながら、同時に蟻の門渡りを中指の先でかりかりと引っ掻いた。
「ひぃっ……や、やめて……あああ——」
「そうか。じゃあ、別の方法で可愛がってあげよう」
シュードはこう云って親指を引き抜いた。けれども肛門は天井に向けられたままだ。抱え上げた腰を下ろしてくれようとはしない。
シュードの右手がイェロードのわき腹を撫でながら降りてゆき、そして左の胸へと回った。シュードは、その親指と人差し指でイェロード乳首をつまみ、ゆっくりと捏ねた。
「胸の真珠——イェロード、おまえも覚えているだろう?」
「し、識らない! 覚えて……ない……ああっ!」
「嘘をつくな。おまえは余興で観たではないか。俺が女奴隷の真珠を掘りおこすところをな」
イェロードは乳首に与えられる刺激に耐えかね、イヤイヤをするように顔を左右に振った。
「ならば、思い出させてあげよう……。おまえが観たものを、ひとつ残らず、おまえのからだで思い出すのだ」
シュードはイェロードの腰を降ろし、両脚を大きく左右に展げさせたまま膝の上に乗せた。ばっくりと割れた尻の谷間に、シュードの屹立したペニスが挟まれる。いつ尻のなかに埋められてもおかしくはない状態だ。
イェロードは両手でシーツをつかみ、歯の隙間から息を吸いこみ、そして吐いた。
シュードが腰を少し泛せ、すっと降ろした。いつの間にか尻の入り口に弾力のある異教徒の徴が押しあてられている。
「……あっ……」イェロードは全身を強張らせた。
「イェロード、ちからを抜け。そうしたら挿れてやろう」
シュードの大きな手のひらがイェロードの腰から腋窩までを、わき腹を通って撫であげた。ぞくりとした快感がイェロードを襲う。イェロードは思わず呻き声を上げ、身を捩らせた。
シュードの顔がゆっくりとイェロードの胸許に降りてきた。
「ひぃっ……」
シュードが左の乳首に唇をすっぽりと被せた。上下の前歯でイェロードの乳首を挟み、舌先で何度も弾く。同時にもう片方の乳首を親指と人差し指で捻るように揉みたてた。
「あ……ふぅ……んんっ……」
左の乳首がイェロードに甘い疼きを与えながら少しずつ硬くなってゆく。
イェロードは薄目を開けて顔を仰け反らせた。シュードの広い背中がイェロードを覆い、左右の胸が唇と指先で愛撫されている。海の神に祝福を受けている異教徒の少年がそこにあった。
「ああ……シュード……」
シュードが乳首を甘噛みするのをやめ、こんどは吸いだすようにチュウチュウと音を立てて啜りあげた。
「ひゃあっ……!」イェロードは弓形に背を反らせた。
乳首から唇を放し、シュードがくすりと笑った。「さあ、胸の真珠だ。見覚えがあるだろう?」
「……!」
イェロードは顔をそっと起こし、そして我が目を疑った。左の乳首が丸く盛りあがっている。舐られてじっとりと濡れたそれは、ランプの明かりを受けて、乳暈の台座の上で妖しく艶めいていた。
シュードが云った。「さあ、もうひとつも掘りおこしてやろう」
シュードの顔が右の胸に移った。右の乳首に唇を被せ、同じように真珠を掘りおこしはじめる。解放された左の乳首が外気に触れて冷んやりとする。イェロードがビクッと震えたつぎの瞬間、シュードがそこを指でつまみ、形を整えるようにコロコロと転がした。
腰が揺れだした。からだは何をすればいいのか識っているらしく、そうやってシュードのペニスを尻の奥へと誘おうとしている。
——シュード、ぼくにもっと祝福を……。
イェロードはもう抗おうとは思わない。シュードは痛みではなく、快感を与えてくれる。自分を組み敷いているのは海の神だ。そして寝台の画は異教徒の奴隷に対する拷問を描いたものではなく、少年から青年へと変わる儀式を描いた画だ。イェロードは、頭のなかで海の神を讃えた——シュード、シュード、シュード!
すさまじい悦びがイェロードを包みこむ。自分はシュードに選ばれた存在で、直接、彼から教えを受けている。その教えとは、男に産まれたものがその成長の過程で、真の男となるために識るべき総てのことだ。
シュードの唇が右の乳首から離れ、身を起こした。「こちらの真珠も形が良い」云いながら指先で数回弾く。「おまえは素晴らしい。益々気に入った」
イェロードはその言葉が嬉しくて微笑んだ。シュードの膝の上で腰を揺する。早く……ここに最大の祝福を……。
シュードが、ふふっ、と笑った。「イェロード、慌てるな。これから時間を掛けて、ひとつひとつ思い出させてあげるのだから」
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