[R-18] 奴隷のレッスン:騎士団所属の末っ子王子は、イケメン奴隷に身も心も奪われる

山葉らわん

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第七章 海嘯

8 もうひとつの夜のデザート

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 それは「もうひとつの夜のデザート」だった。男四人が、全裸になってその肉體を愛撫し、舐めまわし、ペニスで肛門を貫いて在らん限りの淫態に耽っている。
 その中心にいるのは明らかにソルブだった。普段は高貴な者たちに首を垂れ、理不尽な仕打ちを甘受し、ただ従うだけの男奴隷が、寝台の上では性奴隷として彼らを淫らな世界へ誘っているのだった。
「ねえ、ソルブ……」エークがそのかたく絞った唇から、ソルブの剛直したペニスをジュルジュルと卑猥な音を立てながら引き出した。「そろそろ……お願い……」甘ったるい声を出して誘いかける。
「エーク様、どちらになさいますか?」仰向けに寝たソルブは、エークの愛撫を受けながら、魅力的な声で訊いた。「フィオナ様とお楽しみになりたいのでしょう?」
 そこへナコシュが口を挟んだ。「エーク殿……フィオナの前が……遊んでおるぞ……」四つん這いになったギーフの尻からペニスを引き抜いて、仰向けに寝かせる。
「ああっ! ナコシュ……」ギーフはすっかりナコシュのペニスの虜になっている。自分から膝の裏を両手で抱え、尻を泛かせる。「早く……」
「おお、そなたはなんと可愛らしい姫なのだろう」ナコシュはギーフのあしうらをその毛深い胸に添わせ、身を起こすと、ギーフをふたつに折り曲げた。ペニスの先をギーフの肛門に押しあてて、そのまま一気に尻を搏ちおろす。
「あああっ!」
 ギーフが絶叫した。しかし痛みは感じていないらしく、ナコシュが尻を振りたてるのにあわせて、悩ましげに喘ぎだした。
 エークはそのようすを見ながら、うっとりとした表情を浮かべた。手はソルブの唆り勃ったペニスを握りしめ、ゆるゆると上下に扱いている。
 ——シュードがはじめてぼくの部屋に来たとき……あのときは男と女の交わりを教えようとしてくれたんだよな。
 イェロードは、あの夜を思いかえした。あのときもし、「夜のデザート」を受け入れていたら、状況は変わっただろうか。今思えば、余興で女奴隷と交わったのと同じことを、寝台の上でくり返すだけだった。手ほどきを受けることにして、シュードと女奴隷が交わるのをお手本として見るだけですませることも出来たはずだった。
 少なくとも——シュードは恐ろしい拷問を受けずに済んだだろう。
 エークが甘ったるい声を上げた。イェロードは下を見た。エークはギーフの上に頭の位置を反対にして乗っていた。イェロードに尻を向けた形だ。すぐ横にいるソルブがギーフの後頭部に手を差しいれ、顔を起こしてやっている。ギーフはエークの両脚の合わせ目に顔を突っ込んで、びちゃびちゃと音を立てている。
「フィオナ様!」
 エークは両手をついて上体を起こした。ギーフは両腕をエークの腰に回して自分から身を起こした。
 ソルブがその場を離れ、イェロードのそばに立つ。「イェロード、どうだ。好い眺めだろう?」
 全裸の男たちの淫らな肉の三角形が作られた。ナコシュとギーフはペニスと肛門で繋がり、ギーフとエークは顔と股間でつながり、そして三角形の頂点であるエークとナコシュは、唇を重ねあって繋がっている。
 三人は汗みどろになって喘ぎながら、芳しいお香の香りに包まれていた。
 ソルブが鼻を鳴らした。「毒が効いているようだ」
「毒?」
 イェロードはこう云って口を噤んだ。
 さっき毒見をしたはずだ。それにソルブとの会話を聞かれたら、この国の言葉がわかることがバレてしまう。
「安心しろ。おまえの声はヤツらの耳には届かない」ソルブはゆったりと腕を組んだ。「獣の戯れだ。これほど面白い見せ物はない」
「ねえ、ソルブ。ぼく、さっき毒見をしたよね? どうしてぼくは三人みたいにならないの?」
 そのとき肉の三角形がどさりと崩れた。しかしその三体の獣は、すぐに新たな形を作ろうと蠢いた。イェロードは目を見張った。
 エークが仰向けに寝そべり両脚を展げる。ギーフがそのあいだに辷りこみ、ペニスを扱いている。
「フィオナ様……お慈悲を……」イェロードのほうからは見えないが、エークはどうやらの孔にギーフを誘っているようだった。
 ギーフの後ろに回ったナコシュが、
「フィオナ、前にほうに挿れてみろ。修道士の前の孔は、女御おなごより好いぞ」
 と云って、ギーフを貫いた。
「ああっ! ナコシュ……」ギーフは甘えるような声を上げてそのまま前に倒れこんだ。それと同時にエークが甲高い声で叫ぶ。ギーフのペニスが前の穴に埋まったのだった。
 こうして三人は腰の位置で繋がった。誰が腰を揺らしているのか、もはや判別はつかない。ただ折り重なって、獣の咆哮を口から吐き出しながら、うねうねと蠢いている。
「ほう……今夜の毒の効き目はいつもより強いようだな」ソルブが呟いた。
 イェロードはわけがわからない。「ソルブ、教えてよ。どうしてその毒がぼくには効かないの?」
「心当たりはないのか?」ソルブはイェロードのほうを向いた。「どうやら生まれたときから、少しずつ毒に慣らされていたようだな。俺たち海の民のようにだ」
「あ……」
 愛されない第七王子だった自分は、ひとりだけ離れで暮らしていた。そこでは三人の使用人たちがいて……。思い当たる節があるとすれば、フーシェの料理とアイラムの薬草だった。
 ソルブがくすりと笑った。「こんなふうにならなくて命拾いしたな。ああ、そうだ。もう少ししたら、そこから降りても好いぞ。俺が合図するまでそのまま待ってろ」
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