[R-18] 奴隷のレッスン:騎士団所属の末っ子王子は、イケメン奴隷に身も心も奪われる

山葉らわん

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第七章 海嘯

2 恵みの交わり、恵みの卵【絡み:シュード(=エシフ)xイェロード(=ノモク)】

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 シュードは、体重をかけて埋没した。イェロードは自分の肛門が、シュードのペニスの熱でバターのように溶けるのを感じた。それほどまでに、すんなりとシュードのペニスを受けいれたのだった。
「ずいぶん俺のものに馴染んでいるようだな」シュードが腰を揺らす。「あの作りものの鞭の柄は——」そして尻の奥をかき回すように回転を加えた。右に数度回し、ついで左に数度回す。
 ——ああ、シュードがぼくのなかに……。もっと動いて、生きていることを証明して……。
 シュードが腰を搏ちつけはじめた。「おまえは、よほど俺のものが気に入っているようだな」
 シュードが搏ちおろした腰をぐりぐりと回す瞬間を狙って——しかしほとんど無意識のうちに——、イェロードは両手でその腰を掴んで自分に引き寄せた。
「あっ……ううっ……ああ……」
 譫言のようにイェロードは呻いた。
 シュードが腰の動きを止めてイェロードに顔を近づける、顎をイェロードの肩に掛けて、
「エボーイ・オワノニーカム」
 とイェロードの耳許で囁いた。
「ああ……」イェロードは呻くだけだ。
「エボーイ・オワノニーカム」再度囁く。
「……シュ……ぁぁ……シュー……」イェロードは、腰を揺すりたてながら喘いだ。
「エボーイ・オワノニーカム」
「……シュ、シュード……あっ、あっ……」
 イェロードがシュードの名を呼ぶと、シュードは腰を引いてペニスを引き抜いた。ふぅふぅと喘ぐイェロードを転がしてうつ伏せにさせる。そうしてからイェロードの腰を掴んで四つん這いにさせ、後ろから尻を貫いた。
「ひぃっ……」イェロードは背中を反らせた。
 シュードが腰を搏ちつけるたびに、イェロードの陰嚢を、シュードの陰嚢が叩く。シュードの陰嚢はイェロードのものより大きく、また革袋のなかの睾丸はずしりと重い。その圧倒的なシュードの陰嚢が、リズミカルにイェロードを叩いた。
 ——ああ、シュードが……ぼくと……ぼくと、交わってくれている……。
 イェロードは夢見心地になっていた。痛みはとうにない。ただシュードが自分の尻のなかで動いているという事実だけがあった。それは自分の肉體がシュードの望むものであること同じであり、そして自分がシュードの肉體と繋がることで、その一部になりつつあることでもあった。
 イェロードは、貫かれながら頭を下げた。展かれた脚の合わせ目が見える。シュードの腰がイェロードの尻に搏ちつけられるたびに、自分のペニスがその振動に戦慄わななき、自分の陰嚢が、後ろからシュードの陰嚢に叩かれて、大きく揺れていた。シュードのペニスが、イェロードの快楽の源泉を探すように尻の奥を執拗に穿っている。もう精をすっかり出し尽くしたはずなのに、イェロードの睾丸が陰嚢のなかを暴れまわり、ペニスの先端の切れ目から一条の透明な液体が洩れでそうになっているのが見えた。
 壁の向うから若い女の黄色い声が洩れ伝わった。厨房の控え室でも女の使用人が、シュードのペニスの作りものに夢中になっているようだった。しかしイェロードは、その女よりも幸福を感じていた。
「イェロード、おまえは実に可愛がり甲斐がある」シュードが尻を振りたてながら云った。「俺の与える快楽がおまえを狂わせ、おまえを悦ばせる。いつまでもこうしていたい……」どすんと奥まで突いてそのまま尻のなかを掻きまぜるように腰をぐるぐると回す。「エボーイ・オワノニーカム」
「シュード……あっあっあっ……」
 イェロードは腰を揺すられながら、顔を後ろに向けてシュードの姿を見た。
 ——シュードと繋がっているのは、このぼくだ……。
 つぎの瞬間、シュードが腰を引いた。尻のなかを掻きだしながら、シュードのペニスが肛門の入り口まで引き戻される。ぞくりとしたものがイェロードの背筋を疾った。イェロードが声をあげる間もなく、シュードが再び腰を前に進ませる。それが何度もくり返された。
 シュードは、顔をうつむき加減にしている。その目線は、長大なペニスが出たり這入ったりしているイェロードの肛門に注がれているようだった。
 イェロードの小ぶりな尻の双丘のすぐ後ろに、シュードの裸身が聳えたっている。不意にイェロードとシュードの目が合った。するとシュードは、意味ありげに笑って片脚を手前に踏みだし、片膝立ちになった。
 ——ああ、まるで彫像のようだ……。たくましい男神の裸體……。
 荒波のように激しく動くシュードの腰は、とてつもなくなまめかしく、美しかった。イェロードはしっかりとその雄々しい姿を目に焼きつけると、顔を床に伏せ、そして快楽に没頭した。
 シュードが低い声で云った。
「エボーイ・オワノニーカム」
「……シュード……ああっ……」
「それでよい。褒美におまえにたっぷり注いでやろう。俺の精を尻で飲めば、酒よりもずっと酔えるぞ」
 イェロードは、尻を吊りあげてそのときを待った。瞼の裏にさっき目にしたシュードの姿が、美術館に展示されるのように泛びあがった。それは国じゅうの高名な絵描きたちが集まって描いた、神話の一場面のようだった。そしてその画に自分の姿も描かれようとしている——シュードから寵愛を受ける異教徒の少年として……。
 シュードはまさに神だった。雄々しく、たくましく、美しい男の神。その類稀なる肉體で、彼の寵愛を受けるものたちは——男であれ女であれ——膝を折り、ただ彼に支配される。その支配は、あからさまなものではなく、快楽として与えられる。シュードの象徴である、長大で、ちから強いペニスによって。
 イェロードは、喘ぎながら、シュードの言葉——あのときは、男奴隷のエシフだった——を思いだした。
『女と交わる前に、男としてっておくべきことがあるのです』
『わたしの国では、女を知る前に男同士で教えあうのです』
『男の手で男にしなければならない』
 シュードの腰の動きが激しさを増した。射精のときが近づいている。イェロードはシュードの突きにあわせて、自分も腰を押し返した。
 シュードが呟いた。
「壁の向うもそろそろのようだな」
 イェロードは益々たかぶった。壁の向うの見識らぬ女と異って、自分は本当の寵愛を受けている。シュードがその精を迸らせるのは、自分のなかであって、厨房の女ではない。
 ついに女が叫び声を上げた。
 シュードが腰を引いた。膨れあがった先端の丸みが、イェロードの肛門の輪っかに引っかかる。シュードは、その状態で腰を小刻みに振った。
「シュード、シュード…:…ああっ——」
 イェロードが声を上げたのと同時に、夥しい量の精液が彼の尻のなかに注ぎこまれた。
 ひとしきり射精をしたあと、シュードがゆっくりと腰を進めた。尻のなかは迸りで満たされて潤っていたので、シュードのペニスをスムーズに受けいれた。彼のペニスが最奥まで辷りこんだとき、もう一度、精液が注ぎこまれた。
 シュードが腰を引きながら、
「男になるための酒だ。たっぷり飲むんだな」
 とイェロードに云った。
 イェロードは、尻のなかを満たす熱い精液をこぼすまいと、肛門をキュッと窄めた。
「シュード……?」
 見るとシュードが壁の小窓に向う後ろ姿があった。小窓に手を差しいれる。そして女から受けとった鞭の柄を見つめて、ほう、と感嘆したような声を発した。
 イェロードは、気になって四つん這いのままシュードのところへ進んだ。
 鞭の柄の根元に、茶色い紙に包まれた何かが、ふたつ括りつけられていた。
 シュードがその包みを開いて、
「パンではなく卵とはな……」
 と呟いた。「よほどが気に入ったらしい。おまえのようにな……」
 イェロードは、早く尻のなかにその鞭の柄を挿れてほしいと思った。しかし目の前に立つシュードを見てすぐ考えをあらためた。ペニスがまだ猛々しく屹立している。まだ許しを得てはいない。けれどもイェロードは、我慢できずにシュードのペニスにむしゃぶりついた。
 シュードは、慈悲深い笑みをイェロードに恵んだ。それから下の前歯で卵の殻にをいれた。卵を口の前に持ってゆくと、顔を仰向けにし、その中身を口に流しいれた。
 そのとき、ひび割れた卵の殻から、とろりとした白身と、丸く膨らんだ光沢つやのある黄身が溢れだすのを、イェロードは見逃さなかった。
 シュードが笑って、
「さあ、おまえにもひとつやろう。口を開けろ」
 イェロードは、それでもシュードのペニスを舐めまわしつづけた。
「仕方のないやつだ」シュードはしばらく腰を振って、イェロードの口のなかに精を放った。「飲み干したら口を開けろ。卵は、滋養のあるものだから精がつくぞ。おまえには、まだ仕事が残っているからな」
 
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