57 / 93
第六章 ぼくの名は——イェロード
8 近道を急ぐ
しおりを挟む
ソルブがイェロードを壁から引き剥がしたのは、ようやく内腿の震えが止まり、イェロードがぐったりと脱力したときだった。ソルブはイェロードを一旦地べたに仰向けに寝かせると、小窓を閉め、イェロードのもとへ戻ってきて、しどけなく展かれた脚のあいだに屈みこみ、
「どうだ。楽になっただろ」
と笑いかけた。そしてイェロードのしな垂れたペニスを手に取って、
「さあ、こいつを勃たせないとな」
「……ああっ……はぁ……っ……」
もうすっかりちから尽きているはずなのに、ソルブの手のなかでイェロードのペニスが硬くなりはじめた。ペニスの腹を縦に疾る太い筋が、ソルブの両手の親指によってぐいぐいと押される。腰の奥にまだチロチロと燃えていた種火が少しずつ大きくなり、燃えひろがってゆくようだ。
ソルブがイェロードの腰の上に跨って、
「支えが必要なようだ」
と呟き、腰布をほどいた。
長大なペニスが現れた。腰布のなかでその形が判別できるほど屹立していたソルブのペニスは、ようやく自由を得て、そして戯れの相手を目の前にして悦んでいるようだった。その尖端の切れ目から、透明な涎が、つつっと垂れている。
ソルブはイェロードの幾分硬くなったペニスを手のひらで掬いあげた。イェロードのペニスの根元に、ふっくらと張りつめた尖端の丸みを押しあて、溢れ出る涎を塗りつけながら、ペニスの胴体と異教徒の徴をつなぐ舫い綱まで、ゆっくりと運んでいった。ソルブは彼のペニスの涎を、指の腹を使ってイェロードの異教徒の徴にも塗りひろげた。
「ソルブ……ねえ……何をするの……」イェロードが訊いた。
ソルブは何も応えず、ペニス同士を重ねあわせた。ソルブのペニスの腹とイェロードの腹とがぴたりと重なりあった。ソルブのペニスは、そのなかに一本の芯が真っ直ぐ通っているかのように硬く唆り勃っている。
「比べてみないか?」ソルブが笑った。「シュードのものほどではないがな」
ソルブは大きな手のひらで、二本のペニスを上と下から包みこんだ。上の手のひらでしっかりとペニスを支え、下の手のひらでイェロードのペニスの背をさすりつづける。
「あっ……ソルブ……んっ……ああ……」
ペニス同士が絡みあう。イェロードは、自分のペニスが屹立してゆくのを感じた。塗りつけられた夥しい涎のせいか、海のなかを泳いでいるような気分だった。
ソルブが手の動きを止めて、
「前よりは少し大きくなったようだな」
と云った。
イェロードは顔を上げて重なりあったペニスを見た。頭ひとつ半ほど、ソルブのものが長いようだった。横幅もソルブのほうが圧倒的だった。
ソルブは満足げに立上がって腰布をさっと巻いた。そして部屋を出たときと同じようにイェロードのペニスと陰嚢に革紐を巻きつけた。
やがて少年奴隷が、ああっ、と叫ぶ声がした。
ソルブは声のしたほうに向って云った。「おまえも楽になったみたいだな」
イェロードは、くらくらする頭のままで少年奴隷のほうを見遣った。少年奴隷は、すっかり精悍な顔つきになって、ゆっくりとイェロードに向かって歩いてきた。奉仕を了えたペニスはまだその勢いを失っておらず、黒く艶めいて堂々と屹立していた。
少年奴隷はイェロードのすぐ側まで来ると、
「イェロード、どうだった?」
と云って床に置かれていたエシフの鞭を拾いあげた。「さあ、四つん這いになって。挿れてあげるよ」
イェロードは、ソルブに助けてもらいながら四つん這いになった。少年奴隷がイェロードの後ろに回り、イェロードの肛門に唾液を垂らして指でほぐした。イェロードは、息をたっぷりと吐きながら尻のちからを抜いて挿入を待った。腰が掴まれた。硬く弾力のあるものが、ぴたっ、と肛門に押しあてられた。
エシフのじゃない!
イェロードは前に逃げた。腰を掴んでいた手がするりと抜けた。顔を後ろに向けると、少年奴隷が屹立したペニスを片手で扱きながら、悪戯っぽく笑っていた。
「へへっ。バレちゃったか」
少年奴隷は悪びれずに云った。
ソルブがため息を吐いて、
「イェロードは、シュードのものだ」
と呆れたように少年奴隷に云った。そしてエシフの鞭を手に取ると、柄を垂直に立て、尖端から根元までたっぷりと唾液を垂らした。「もう一度、四つん這いになれ」
イェロードはすぐに従った。
じわじわと尻のなかを押しひらきながら、エシフの鞭の柄が這入ってくる。ふしぎと痛みはなかった。最後までおさまったとき、イェロードは、ああ、と声を上げた。
ソルブがイェロードを立たせて、
「厨房まで近道をしよう」
と云った。
地下の通路は複雑に入り組んでいた。階段を降りたかと思ったらまた上がり、少し進んではまた階段を降りた。イェロードは、左見右見しながらソルブの背を追って歩いた。
階段を上がり、広々とした踊り場に出た。
正面奥の壁に、ふたりの屈強な体軀の男奴隷が、イェロードたちに背を向けるようにして並んで立っていた。彼らの腰布は、その脚許はおろか、どこにも見えない。ふたりは、両腕をもたげて頭の上で壁に両手をつき、その引き締まった裸かの尻を窪ませたり膨らませたりしながら、たくましい腰をゆったりと上下左右に動かしている。そして別の男奴隷たちが数名、ふたりを囲むように半円形を作って腰を下ろしていた。ある者は、もっと腰を振れ、いいぞ、などと囃したて、またある者は自慰に耽っている。壁の小窓に興じる仲間を鑑賞しているようでもあり、また順番を待っているようでもあった。
皆、いろんな国から売られてきたんだな……。
イェロードは、男奴隷たちの髪や肌のいろを見てこう思った。
「どうだ。楽になっただろ」
と笑いかけた。そしてイェロードのしな垂れたペニスを手に取って、
「さあ、こいつを勃たせないとな」
「……ああっ……はぁ……っ……」
もうすっかりちから尽きているはずなのに、ソルブの手のなかでイェロードのペニスが硬くなりはじめた。ペニスの腹を縦に疾る太い筋が、ソルブの両手の親指によってぐいぐいと押される。腰の奥にまだチロチロと燃えていた種火が少しずつ大きくなり、燃えひろがってゆくようだ。
ソルブがイェロードの腰の上に跨って、
「支えが必要なようだ」
と呟き、腰布をほどいた。
長大なペニスが現れた。腰布のなかでその形が判別できるほど屹立していたソルブのペニスは、ようやく自由を得て、そして戯れの相手を目の前にして悦んでいるようだった。その尖端の切れ目から、透明な涎が、つつっと垂れている。
ソルブはイェロードの幾分硬くなったペニスを手のひらで掬いあげた。イェロードのペニスの根元に、ふっくらと張りつめた尖端の丸みを押しあて、溢れ出る涎を塗りつけながら、ペニスの胴体と異教徒の徴をつなぐ舫い綱まで、ゆっくりと運んでいった。ソルブは彼のペニスの涎を、指の腹を使ってイェロードの異教徒の徴にも塗りひろげた。
「ソルブ……ねえ……何をするの……」イェロードが訊いた。
ソルブは何も応えず、ペニス同士を重ねあわせた。ソルブのペニスの腹とイェロードの腹とがぴたりと重なりあった。ソルブのペニスは、そのなかに一本の芯が真っ直ぐ通っているかのように硬く唆り勃っている。
「比べてみないか?」ソルブが笑った。「シュードのものほどではないがな」
ソルブは大きな手のひらで、二本のペニスを上と下から包みこんだ。上の手のひらでしっかりとペニスを支え、下の手のひらでイェロードのペニスの背をさすりつづける。
「あっ……ソルブ……んっ……ああ……」
ペニス同士が絡みあう。イェロードは、自分のペニスが屹立してゆくのを感じた。塗りつけられた夥しい涎のせいか、海のなかを泳いでいるような気分だった。
ソルブが手の動きを止めて、
「前よりは少し大きくなったようだな」
と云った。
イェロードは顔を上げて重なりあったペニスを見た。頭ひとつ半ほど、ソルブのものが長いようだった。横幅もソルブのほうが圧倒的だった。
ソルブは満足げに立上がって腰布をさっと巻いた。そして部屋を出たときと同じようにイェロードのペニスと陰嚢に革紐を巻きつけた。
やがて少年奴隷が、ああっ、と叫ぶ声がした。
ソルブは声のしたほうに向って云った。「おまえも楽になったみたいだな」
イェロードは、くらくらする頭のままで少年奴隷のほうを見遣った。少年奴隷は、すっかり精悍な顔つきになって、ゆっくりとイェロードに向かって歩いてきた。奉仕を了えたペニスはまだその勢いを失っておらず、黒く艶めいて堂々と屹立していた。
少年奴隷はイェロードのすぐ側まで来ると、
「イェロード、どうだった?」
と云って床に置かれていたエシフの鞭を拾いあげた。「さあ、四つん這いになって。挿れてあげるよ」
イェロードは、ソルブに助けてもらいながら四つん這いになった。少年奴隷がイェロードの後ろに回り、イェロードの肛門に唾液を垂らして指でほぐした。イェロードは、息をたっぷりと吐きながら尻のちからを抜いて挿入を待った。腰が掴まれた。硬く弾力のあるものが、ぴたっ、と肛門に押しあてられた。
エシフのじゃない!
イェロードは前に逃げた。腰を掴んでいた手がするりと抜けた。顔を後ろに向けると、少年奴隷が屹立したペニスを片手で扱きながら、悪戯っぽく笑っていた。
「へへっ。バレちゃったか」
少年奴隷は悪びれずに云った。
ソルブがため息を吐いて、
「イェロードは、シュードのものだ」
と呆れたように少年奴隷に云った。そしてエシフの鞭を手に取ると、柄を垂直に立て、尖端から根元までたっぷりと唾液を垂らした。「もう一度、四つん這いになれ」
イェロードはすぐに従った。
じわじわと尻のなかを押しひらきながら、エシフの鞭の柄が這入ってくる。ふしぎと痛みはなかった。最後までおさまったとき、イェロードは、ああ、と声を上げた。
ソルブがイェロードを立たせて、
「厨房まで近道をしよう」
と云った。
地下の通路は複雑に入り組んでいた。階段を降りたかと思ったらまた上がり、少し進んではまた階段を降りた。イェロードは、左見右見しながらソルブの背を追って歩いた。
階段を上がり、広々とした踊り場に出た。
正面奥の壁に、ふたりの屈強な体軀の男奴隷が、イェロードたちに背を向けるようにして並んで立っていた。彼らの腰布は、その脚許はおろか、どこにも見えない。ふたりは、両腕をもたげて頭の上で壁に両手をつき、その引き締まった裸かの尻を窪ませたり膨らませたりしながら、たくましい腰をゆったりと上下左右に動かしている。そして別の男奴隷たちが数名、ふたりを囲むように半円形を作って腰を下ろしていた。ある者は、もっと腰を振れ、いいぞ、などと囃したて、またある者は自慰に耽っている。壁の小窓に興じる仲間を鑑賞しているようでもあり、また順番を待っているようでもあった。
皆、いろんな国から売られてきたんだな……。
イェロードは、男奴隷たちの髪や肌のいろを見てこう思った。
10
お気に入りに追加
168
あなたにおすすめの小説

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

禁断の祈祷室
土岐ゆうば(金湯叶)
BL
リュアオス神を祀る神殿の神官長であるアメデアには専用の祈祷室があった。
アメデア以外は誰も入ることが許されない部屋には、神の像と燭台そして聖典があるだけ。窓もなにもなく、出入口は木の扉一つ。扉の前には護衛が待機しており、アメデア以外は誰もいない。
それなのに祈祷が終わると、アメデアの体には情交の痕がある。アメデアの聖痕は濃く輝き、その強力な神聖力によって人々を助ける。
救済のために神は神官を抱くのか。
それとも愛したがゆえに彼を抱くのか。
神×神官の許された神秘的な夜の話。
※小説家になろう(ムーンライトノベルズ)でも掲載しています。

皇帝陛下の精子検査
雲丹はち
BL
弱冠25歳にして帝国全土の統一を果たした若き皇帝マクシミリアン。
しかし彼は政務に追われ、いまだ妃すら迎えられていなかった。
このままでは世継ぎが産まれるかどうかも分からない。
焦れた官僚たちに迫られ、マクシミリアンは世にも屈辱的な『検査』を受けさせられることに――!?

ハッピーエンドのために妹に代わって惚れ薬を飲んだ悪役兄の101回目
カギカッコ「」
BL
ヤられて不幸になる妹のハッピーエンドのため、リバース転生し続けている兄は我が身を犠牲にする。妹が飲むはずだった惚れ薬を代わりに飲んで。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる