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第六章 ぼくの名は——イェロード
3 揺れる尻尾【絡み:シュード(=エシフ)xイェロード(=ノモク)】
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「よく耐えたな、イェロード」
シュードが云った。
「枷をといてやれ」
シュードの命令に従ってソルブと少年奴隷がイェロードの手枷と足枷をといた。イェロードはそのまま床に倒れこんだ。ソルブがイェロードを抱えて四つん這いにさせると、少年奴隷がイェロードの尻の側に回って後ろから手を差しいれ、イェロードのペニスと睾丸を労わるように愛撫しはじめた。
「実に見事だった。褒めてやる」
「あ、あっ……シュード……」
イェロードは、四つん這いで股間に愛撫を受けながら、顔をあげた。
シュードが腰に両手を宛てて堂々と立っていた。白い湯気がその裸身の輪郭をなぞるように立ち、彼の美しさを際立てている。そしてイェロードは拝むように見つめた、その素晴らしい裸身の中心にあって、天を突んざかんばかりに雄々しく聳えたつ、たくましく長大な肉の鐘楼を——。
厚みのあるシュードの胴は、紋様が深く刻まれた古代から伝わる聖なる石碑のようであり、どっしりとした腰の土台に据えられ、下から聖堂の柱のような太い両脚に支えられている。それは陽の光と波しぶきと潮の香が作りあげた天然の美そのものだ。
——ああ! ぼくは、なんてことを……。
しかしその美を不敬にも穢すものがあった。夥しい量の白濁した液体がシュードの裸身を濡らしている。それは胸から腹へ、そして足先へと流れ落ちながら、夏の雑草が雨上がりに放つ青く蒸れた匂いを立てていた。
少年奴隷が愛撫の手を止め、イェロードのペニスと睾丸が解放された。イェロードはもどかしげに顔を後ろに向けた。少年奴隷が、あの鞭を手にしていた。彼はその柄の尖端を、イェロードの肛門に押しあてた。イェロードは尻を高く吊りあげて顔を床に伏せ、挿入のときを待った。
——イェロードは絶叫した。これまで覚えたことのない痛みが尻を襲ったのだった。少年奴隷は、まだこの道具を使い慣れていないのだろう。ぐいぐいと押しこむばかりでイェロードのことなど考えてもいないようだった。イェロードは思わず尻に手を回し、鞭の柄をつかんで挿入を拒んだ。
少年奴隷は尚も押し込もうとする。「ねえ、イェロード。ちからを抜いてよ」
「お願い……抜いて……」イェロードは哀願した。
そのようすを見ていたシュードが云った。
「ソルブ、代わってやりなさい」
「はい」ソルブが鞭の柄を手に取った。一度イェロードの尻からそれを引きぬき、指の腹で肛門の表面を捏ねて落ちつかせてから、ふたたび鞭の柄を肛門にあてがった。「イェロード、ちからを抜け」
「あ……ああ……あうっ……」
ほぐされた肛門に尖端を少しだけ埋めこみ、そして引きぬく。それをソルブは何度もくり返した。埋める、抜く、埋める、抜く……。ソルブの道具づかいは巧みだった。
「ああっ」
イェロードは腰を押しかえした。そのタイミングを狙ったかのようにソルブがさらに奥に鞭の柄を挿入した。イェロードは最大限まで焦らされ、尻を震わせて挿入をせがんだ。
やがてソルブが云った。「そうれ、一気にいくぞ」
つぎの瞬間、イェロードは床に両手両膝をついたまま背中を反らせ、犬の遠吼えのような声を上げた。
「イェロード、全部這入ったよ」少年奴隷が感嘆の声を洩らした。「これ、君にとても似合ってるね」垂れさがった鞭の舌を、まるでそれが動物の尻尾であるかのように撫でさすった。
シュードが命令した。
「イェロード、ここに来い。手と膝は床についたままだ」
ソルブがイェロードの尻肉をぴしゃりと叩いた。それを合図にイェロードはゆっくりと前に進みでた。
イェロードはまずシュードの左の足先に垂れおちた汚れを舌で舐め、口をつけて啜った。そして両脚の汚れを左右交互に舌と口で清めながら這いあがっていく。そうして脚の付け根に達したとき、イェロードは許しを乞うようにシュードの顔を見上げた。
しかしシュードは顔を横に振った。まだ汚れたところがある、おまえが穢したところだ、という表情だった。イェロードは目の前のペニスをいったん諦めて、前脚でシュードの腰にしがみつき、その胸を左右交互に叮嚀に清めていった。
「愛らしい番犬だ……」
シュードが感慨深げにこう云った。
イェロードは嬉しくなって尻を振った。鞭の革が尻尾のように揺れる。
「前の番犬よりも愛らしい……」
その言葉に軽い嫉妬を覚えたので、イェロードは気に入ってもらおうと、犬が戯れつくように、シュードの乳首にむしゃぶりついた。左右の乳首を舌で舐め、転がし、唇で強く吸った。それから顔を少しずつ下ろしてゆき、臍の周りも舌と唇で汚れを清めた。屹立したシュードのペニスが何度も頬に触れ、鼻先を叩いたが、イェロードはシュードの命令を待った。
「おまえは実に我慢強い。アルカスとは異って賢い番犬のようだな……」シュードはイェロードを見下ろして、くくっ、と笑った。「あれは今おまえの尻に刺さっている鞭を、国に持ちかえりたいと我儘を云っていた」
アルカス——隣国の第三王子で、イェロードの姉のフィアンセだった男の名だ。しかしイェロードは動揺することなく、ただシュードの裸身に夢中で奉仕した。
シュードが云った。
「枷をといてやれ」
シュードの命令に従ってソルブと少年奴隷がイェロードの手枷と足枷をといた。イェロードはそのまま床に倒れこんだ。ソルブがイェロードを抱えて四つん這いにさせると、少年奴隷がイェロードの尻の側に回って後ろから手を差しいれ、イェロードのペニスと睾丸を労わるように愛撫しはじめた。
「実に見事だった。褒めてやる」
「あ、あっ……シュード……」
イェロードは、四つん這いで股間に愛撫を受けながら、顔をあげた。
シュードが腰に両手を宛てて堂々と立っていた。白い湯気がその裸身の輪郭をなぞるように立ち、彼の美しさを際立てている。そしてイェロードは拝むように見つめた、その素晴らしい裸身の中心にあって、天を突んざかんばかりに雄々しく聳えたつ、たくましく長大な肉の鐘楼を——。
厚みのあるシュードの胴は、紋様が深く刻まれた古代から伝わる聖なる石碑のようであり、どっしりとした腰の土台に据えられ、下から聖堂の柱のような太い両脚に支えられている。それは陽の光と波しぶきと潮の香が作りあげた天然の美そのものだ。
——ああ! ぼくは、なんてことを……。
しかしその美を不敬にも穢すものがあった。夥しい量の白濁した液体がシュードの裸身を濡らしている。それは胸から腹へ、そして足先へと流れ落ちながら、夏の雑草が雨上がりに放つ青く蒸れた匂いを立てていた。
少年奴隷が愛撫の手を止め、イェロードのペニスと睾丸が解放された。イェロードはもどかしげに顔を後ろに向けた。少年奴隷が、あの鞭を手にしていた。彼はその柄の尖端を、イェロードの肛門に押しあてた。イェロードは尻を高く吊りあげて顔を床に伏せ、挿入のときを待った。
——イェロードは絶叫した。これまで覚えたことのない痛みが尻を襲ったのだった。少年奴隷は、まだこの道具を使い慣れていないのだろう。ぐいぐいと押しこむばかりでイェロードのことなど考えてもいないようだった。イェロードは思わず尻に手を回し、鞭の柄をつかんで挿入を拒んだ。
少年奴隷は尚も押し込もうとする。「ねえ、イェロード。ちからを抜いてよ」
「お願い……抜いて……」イェロードは哀願した。
そのようすを見ていたシュードが云った。
「ソルブ、代わってやりなさい」
「はい」ソルブが鞭の柄を手に取った。一度イェロードの尻からそれを引きぬき、指の腹で肛門の表面を捏ねて落ちつかせてから、ふたたび鞭の柄を肛門にあてがった。「イェロード、ちからを抜け」
「あ……ああ……あうっ……」
ほぐされた肛門に尖端を少しだけ埋めこみ、そして引きぬく。それをソルブは何度もくり返した。埋める、抜く、埋める、抜く……。ソルブの道具づかいは巧みだった。
「ああっ」
イェロードは腰を押しかえした。そのタイミングを狙ったかのようにソルブがさらに奥に鞭の柄を挿入した。イェロードは最大限まで焦らされ、尻を震わせて挿入をせがんだ。
やがてソルブが云った。「そうれ、一気にいくぞ」
つぎの瞬間、イェロードは床に両手両膝をついたまま背中を反らせ、犬の遠吼えのような声を上げた。
「イェロード、全部這入ったよ」少年奴隷が感嘆の声を洩らした。「これ、君にとても似合ってるね」垂れさがった鞭の舌を、まるでそれが動物の尻尾であるかのように撫でさすった。
シュードが命令した。
「イェロード、ここに来い。手と膝は床についたままだ」
ソルブがイェロードの尻肉をぴしゃりと叩いた。それを合図にイェロードはゆっくりと前に進みでた。
イェロードはまずシュードの左の足先に垂れおちた汚れを舌で舐め、口をつけて啜った。そして両脚の汚れを左右交互に舌と口で清めながら這いあがっていく。そうして脚の付け根に達したとき、イェロードは許しを乞うようにシュードの顔を見上げた。
しかしシュードは顔を横に振った。まだ汚れたところがある、おまえが穢したところだ、という表情だった。イェロードは目の前のペニスをいったん諦めて、前脚でシュードの腰にしがみつき、その胸を左右交互に叮嚀に清めていった。
「愛らしい番犬だ……」
シュードが感慨深げにこう云った。
イェロードは嬉しくなって尻を振った。鞭の革が尻尾のように揺れる。
「前の番犬よりも愛らしい……」
その言葉に軽い嫉妬を覚えたので、イェロードは気に入ってもらおうと、犬が戯れつくように、シュードの乳首にむしゃぶりついた。左右の乳首を舌で舐め、転がし、唇で強く吸った。それから顔を少しずつ下ろしてゆき、臍の周りも舌と唇で汚れを清めた。屹立したシュードのペニスが何度も頬に触れ、鼻先を叩いたが、イェロードはシュードの命令を待った。
「おまえは実に我慢強い。アルカスとは異って賢い番犬のようだな……」シュードはイェロードを見下ろして、くくっ、と笑った。「あれは今おまえの尻に刺さっている鞭を、国に持ちかえりたいと我儘を云っていた」
アルカス——隣国の第三王子で、イェロードの姉のフィアンセだった男の名だ。しかしイェロードは動揺することなく、ただシュードの裸身に夢中で奉仕した。
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