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第五章 寝台の神話
9 寝台の上で【絡み:エシフxノモク】
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ノモクは長椅子で寛ぐエシフを見つめた。
——ああ、なんて美しいんだろう……。
エシフの裸身は、生命の宿った彫像のようだった。国じゅうから芸術家を集めたとしても、この理想的な肉體を再現することは不可能に思われた。見れば見るほどノモクは魅せられてゆく。その全身の見事な調和に、男らしさの表現に、そしてエシフの手のなかで雄々しく屹立している彼のペニスに……。ノモクはただ立ちつくすだけだった。
エシフが野太い声で云った。
「何をしている。ここへ来い」
ノモクは我にかえった。はい、と短く応える。そして先ずマントを床に落とした。
エシフが満足そうに笑う。「愛くるしい番犬だ」
ノモクは服を脱ぎながら一歩ずつ歩を進めた。脱いだものが、一枚また一枚と床に落ちてゆく。ノモクは、終に腰布一枚の姿となってエシフの前に立った。
「わたしの腰布は気に入ったか?」エシフが愉快そうに笑った。「この館では、奴隷が身につけるものなのだが」
エシフのこの言葉にノモクのペニスが脈を摶ち、腰布のなかでごそりと動いた。エシフの目が光る。どうやら見られてしまったようだ。エシフは自分のペニスから手を離した。その手をこんどはノモクの腰布のなかにもぐり込ませ、ノモクのペニスを弄んだ。
「エシフ……あ……んんっ……」ノモクは、しばらくのあいだ太腿を震わせて耐えていたが、とうとう我慢できず床に尻餅をついた。「ああっ!」
肛門に挿しこまれた鞭の柄が、さらに奥に這入ったのだった。
ノモクは、からだを反転させて四つん這いになり、エシフの前に尻を突きだした。「エシフ、お願い。早く抜いて……」
背後でエシフが長椅子から立上がる気配がした。腰布がするりとほどかれる。ノモクがせがむように腰を振ると、三本の革の舌が、ぴちぴちとノモクの尻を叩いた。
「凝っとしていろ」エシフがノモクに命令した。「ちからを抜いて楽にするんだ」
鞭の柄がずるずると引きずり出される。ノモクは、五臓六腑が一緒に引きだされるような感覚を覚えて、尻にちからを入れた。つぎの瞬間、尻がぴしゃりと叩かれた。
「ちからを抜けと云ったはずだ」
エシフは低い声でこう云って、また尻を叩いた。
ノモクは云われたとおりにした。そして鞭の柄が引きぬかれるあいだ、つぎに何をされるのだろうと考えを巡らせた。答えはひとつしかない。背筋をぞくりとしたものが疾った。ノモクは声を上げそうになるのを、歯を食いしばって耐えた。
鞭の柄がすっかり抜かれた。
「銜えろ」エシフが鞭の柄を横向きにしてノモクに銜えさせた。「愛くるしい番犬には褒美をやらなければな」
エシフの腰布がノモクの口許に巻きつけられる。左斜めに数回、そして右斜に数回。そしてノモクが鞭の柄を口から落とさないように、腰布の両端がきつく結ばれた。
——早く。エシフ、早く……。
ノモクは剥きだしの尻を吊りげた。
不意に背後からエシフの気配が消えた。
「そこで待っていろ」エシフはこう云って寝台のところへ行くと、あの砂糖菓子の袋を手に持って戻ってきた。「さあ、褒美だ」
砂糖菓子の粒が緩まった肛門に宛てられた——かと思ったつぎの瞬間、ぐいっ、と押しこまれた。砂糖菓子は尻のなかでさっと淡雪のように溶け、そのぬるみに包まれたエシフの指の感触だけが残った。エシフの指は、溶けた砂糖菓子を塗りこめるように尻のなかで動いた。
「砂糖菓子は、あとふたつ残っている。欲しいか?」
エシフが云った。
ノモクは尻を振って応えた。
エシフの指が尻から引きぬかれ、ついで砂糖菓子がまた押しこまれる。ノモクはくぐもった声を上げながら頭を左右に振った。指が二本に増やされていたのだった。砂糖菓子が溶けたあと、その長く太い二本の指が、尻のなかで蠢いた。
「凝っとしていろ。動くんじゃない」エシフは指を引きぬくと、みっつ目の砂糖菓子をノモクの肛門に添わせた。「さあ、最後のひと粒だ」
砂糖菓子のすぐあとにエシフの指が続いた。
ノモクの予想どおり、指は三本に増やされていた。エシフは三本の指を巧みに動かせてノモクを翻弄し、快感を与えつづける。ノモクの腰の奥で形容しようのない疼きが生まれ、それがノモクのペニスへと流れこんだ。ノモクは全身を小刻みに震わせた。精を洩らしそうになっている。
「続きは寝台の上だ」
あと少し、というところでエシフが指を抜き、その代わりに熱を持った硬いペニスの尖端を押しあてた。エシフは、一気にノモクを貫いた。ノモクの尻のなかは、充分にほぐされており、また砂糖菓子のおかげで充分に潤っていたので、痛みはこれっぽっちも無かった。
ノモクは、四つん這いのままで後ろからエシフに突かれながら、寝台まで進んだ。両手をフットベンチの蓋に着いたとき、そのなかにあるものを思って、たじろいだ。ぴしゃりと尻が叩かれた。
「道具ならあとで選んでやる」エシフは下からペニスで突きあげた。「早く寝台に上がるんだ」
ノモクはゆっくりと寝台に上がった。後ろからエシフが突きながら、もっと前へ進めと促す。ノモクは飾り棚の前まで進むと、首を捻ってエシフを見た。
エシフはゆっくりと腰を引いてノモクの尻からペニスを抜いた。「仰向けになれ」
ノモクはすぐに仰向けに寝た。顔を上げると自分のペニスが戦慄いているのが見えた。縦に割れた唇のような鈴口から、透明な露が滲みでて涎のように垂れ落ちようとしている。
エシフはそれを見て笑うと、ノモクの太腿のあいだに割ってはいり、両脚を左右の肩に担いでノモクを腰の位置でふたつ折りにした。そしてノモクの肛門に屹立したペニスを押しつけ、体重をかけて上から、どすん、と貫いた。
——あああっ!
ペニスの形を覚えさせるかのように、エシフはしばらくのあいだノモクを貫いたままでいたが、やがて少しずつ腰を動かしはじめた。
——エシフ……ぼくは、どうなるの?
エシフが尻を振りたてガツガツとノモクの尻を掘りこんでゆく。ノモクは、目を閉じて押しよせる疼きの波に身を任せた。
「そろそろだな」エシフが呟いた。
——もうすぐ、ぼくは……。
腰の奥で焔がちろちろと燃えるような感じがする。
——エシフ……ああ……。
エシフはノモクの両脚を肩から降ろすと両手でノモクの腰骨をしっかりと掴んで、いっそう激しく尻を振りたてた。「おまえはもうすぐ男になる……」
厳かな声だった。
「さあ、男になれ!」
エシフのペニスが最奥を突いた。
ノモクの全身が痙攣し、ペニスから精液が迸った。それはエシフがノモクのなかでしたたかに射精したのと、ほとんど同時だった。
エシフは夥しい量の精液をノモクに注ぎつづけた。
ノモクは、からだじゅうにエシフの精液が沁みわたってゆくのを感じながら、いつまでも精を吐きつづけた。
——ああ、なんて美しいんだろう……。
エシフの裸身は、生命の宿った彫像のようだった。国じゅうから芸術家を集めたとしても、この理想的な肉體を再現することは不可能に思われた。見れば見るほどノモクは魅せられてゆく。その全身の見事な調和に、男らしさの表現に、そしてエシフの手のなかで雄々しく屹立している彼のペニスに……。ノモクはただ立ちつくすだけだった。
エシフが野太い声で云った。
「何をしている。ここへ来い」
ノモクは我にかえった。はい、と短く応える。そして先ずマントを床に落とした。
エシフが満足そうに笑う。「愛くるしい番犬だ」
ノモクは服を脱ぎながら一歩ずつ歩を進めた。脱いだものが、一枚また一枚と床に落ちてゆく。ノモクは、終に腰布一枚の姿となってエシフの前に立った。
「わたしの腰布は気に入ったか?」エシフが愉快そうに笑った。「この館では、奴隷が身につけるものなのだが」
エシフのこの言葉にノモクのペニスが脈を摶ち、腰布のなかでごそりと動いた。エシフの目が光る。どうやら見られてしまったようだ。エシフは自分のペニスから手を離した。その手をこんどはノモクの腰布のなかにもぐり込ませ、ノモクのペニスを弄んだ。
「エシフ……あ……んんっ……」ノモクは、しばらくのあいだ太腿を震わせて耐えていたが、とうとう我慢できず床に尻餅をついた。「ああっ!」
肛門に挿しこまれた鞭の柄が、さらに奥に這入ったのだった。
ノモクは、からだを反転させて四つん這いになり、エシフの前に尻を突きだした。「エシフ、お願い。早く抜いて……」
背後でエシフが長椅子から立上がる気配がした。腰布がするりとほどかれる。ノモクがせがむように腰を振ると、三本の革の舌が、ぴちぴちとノモクの尻を叩いた。
「凝っとしていろ」エシフがノモクに命令した。「ちからを抜いて楽にするんだ」
鞭の柄がずるずると引きずり出される。ノモクは、五臓六腑が一緒に引きだされるような感覚を覚えて、尻にちからを入れた。つぎの瞬間、尻がぴしゃりと叩かれた。
「ちからを抜けと云ったはずだ」
エシフは低い声でこう云って、また尻を叩いた。
ノモクは云われたとおりにした。そして鞭の柄が引きぬかれるあいだ、つぎに何をされるのだろうと考えを巡らせた。答えはひとつしかない。背筋をぞくりとしたものが疾った。ノモクは声を上げそうになるのを、歯を食いしばって耐えた。
鞭の柄がすっかり抜かれた。
「銜えろ」エシフが鞭の柄を横向きにしてノモクに銜えさせた。「愛くるしい番犬には褒美をやらなければな」
エシフの腰布がノモクの口許に巻きつけられる。左斜めに数回、そして右斜に数回。そしてノモクが鞭の柄を口から落とさないように、腰布の両端がきつく結ばれた。
——早く。エシフ、早く……。
ノモクは剥きだしの尻を吊りげた。
不意に背後からエシフの気配が消えた。
「そこで待っていろ」エシフはこう云って寝台のところへ行くと、あの砂糖菓子の袋を手に持って戻ってきた。「さあ、褒美だ」
砂糖菓子の粒が緩まった肛門に宛てられた——かと思ったつぎの瞬間、ぐいっ、と押しこまれた。砂糖菓子は尻のなかでさっと淡雪のように溶け、そのぬるみに包まれたエシフの指の感触だけが残った。エシフの指は、溶けた砂糖菓子を塗りこめるように尻のなかで動いた。
「砂糖菓子は、あとふたつ残っている。欲しいか?」
エシフが云った。
ノモクは尻を振って応えた。
エシフの指が尻から引きぬかれ、ついで砂糖菓子がまた押しこまれる。ノモクはくぐもった声を上げながら頭を左右に振った。指が二本に増やされていたのだった。砂糖菓子が溶けたあと、その長く太い二本の指が、尻のなかで蠢いた。
「凝っとしていろ。動くんじゃない」エシフは指を引きぬくと、みっつ目の砂糖菓子をノモクの肛門に添わせた。「さあ、最後のひと粒だ」
砂糖菓子のすぐあとにエシフの指が続いた。
ノモクの予想どおり、指は三本に増やされていた。エシフは三本の指を巧みに動かせてノモクを翻弄し、快感を与えつづける。ノモクの腰の奥で形容しようのない疼きが生まれ、それがノモクのペニスへと流れこんだ。ノモクは全身を小刻みに震わせた。精を洩らしそうになっている。
「続きは寝台の上だ」
あと少し、というところでエシフが指を抜き、その代わりに熱を持った硬いペニスの尖端を押しあてた。エシフは、一気にノモクを貫いた。ノモクの尻のなかは、充分にほぐされており、また砂糖菓子のおかげで充分に潤っていたので、痛みはこれっぽっちも無かった。
ノモクは、四つん這いのままで後ろからエシフに突かれながら、寝台まで進んだ。両手をフットベンチの蓋に着いたとき、そのなかにあるものを思って、たじろいだ。ぴしゃりと尻が叩かれた。
「道具ならあとで選んでやる」エシフは下からペニスで突きあげた。「早く寝台に上がるんだ」
ノモクはゆっくりと寝台に上がった。後ろからエシフが突きながら、もっと前へ進めと促す。ノモクは飾り棚の前まで進むと、首を捻ってエシフを見た。
エシフはゆっくりと腰を引いてノモクの尻からペニスを抜いた。「仰向けになれ」
ノモクはすぐに仰向けに寝た。顔を上げると自分のペニスが戦慄いているのが見えた。縦に割れた唇のような鈴口から、透明な露が滲みでて涎のように垂れ落ちようとしている。
エシフはそれを見て笑うと、ノモクの太腿のあいだに割ってはいり、両脚を左右の肩に担いでノモクを腰の位置でふたつ折りにした。そしてノモクの肛門に屹立したペニスを押しつけ、体重をかけて上から、どすん、と貫いた。
——あああっ!
ペニスの形を覚えさせるかのように、エシフはしばらくのあいだノモクを貫いたままでいたが、やがて少しずつ腰を動かしはじめた。
——エシフ……ぼくは、どうなるの?
エシフが尻を振りたてガツガツとノモクの尻を掘りこんでゆく。ノモクは、目を閉じて押しよせる疼きの波に身を任せた。
「そろそろだな」エシフが呟いた。
——もうすぐ、ぼくは……。
腰の奥で焔がちろちろと燃えるような感じがする。
——エシフ……ああ……。
エシフはノモクの両脚を肩から降ろすと両手でノモクの腰骨をしっかりと掴んで、いっそう激しく尻を振りたてた。「おまえはもうすぐ男になる……」
厳かな声だった。
「さあ、男になれ!」
エシフのペニスが最奥を突いた。
ノモクの全身が痙攣し、ペニスから精液が迸った。それはエシフがノモクのなかでしたたかに射精したのと、ほとんど同時だった。
エシフは夥しい量の精液をノモクに注ぎつづけた。
ノモクは、からだじゅうにエシフの精液が沁みわたってゆくのを感じながら、いつまでも精を吐きつづけた。
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