[R-18] 奴隷のレッスン:騎士団所属の末っ子王子は、イケメン奴隷に身も心も奪われる

山葉らわん

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第五章 寝台の神話

7 愛くるしい番犬【絡み:エシフxノモク】

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 エシフの顔が降りてくる。
「エシフ……あっ……ああっ……」
 その肉厚な舌が触れる前から、ノモクのペニスは、期待しているかのように小刻みに震えた。紐で縛られているので、硬く膨らんだ尖端の丸みが、はち切れそうになっている。もし針で突けば、風船のように破裂してしまうだろう。
 エシフは舌を丹念に使った。舌先で咽喉仏の周囲を何度もなぞり、かと思えば、猫がクリームを舐めるようにその表面に舌を這わせる。ノモクは、こんなふうにして、隅々までエシフの舌で舐められるのだと思い、その期待に身を震わせた。
 エシフの舌が咽喉仏から顎の下に移動し、そのまま顎の先まで舐めあげた。顎の先を軽く口に含んで舌を蠢かせる。ノモクは咽喉の奥で呻いた。
 するとエシフが顔を上げて、
「おまえも何か欲しいのだろう」
 ノモクは、返事の代わりに唇をそっと割った。舌先をほんの少しだけ覗かせる。
 エシフが云った。
「先ずはこれをやろう。口を開けろ」
 ノモクは、挿しいれられたものに、しゃぶりついた。つぎの瞬間、あっ、と云って顔を持ちあげ、口のなかのものを見た。
 あの鞭の柄だった。
「味比べをさせてやると云っただろう?」エシフが笑う。「おまえが覚えている味と同じか?」鞭の柄をさらに押しこんで、口のなかをかき回す。「この鞭を気に入って、持ちかえりたいと云った者がいた。その者も、おまえのような——」
 エシフはその先を云わず、突然、鞭の柄を引きぬいた。
「あっ……。エシフ?」
「おまえのような顔をしていた。いや、おまえのほうが、ずっと愛くるしい」
 エシフを象った柄が、また口に挿しいれられた。
 ノモクは、それをしゃぶりながら、エシフの話を思い出した。
 若い夫婦、この寝台、そして夜の手ほどき……。エシフの手によって、みっつ上の姉は、淫婦に作りかえられたのだろうか。それとも、はじめから淫婦だったのだろうか。あり得ない話だ。それに夫となったアルカス王子は品方向性で正義感も強く、肉慾に溺れるような男ではない。妻がそのような扱いを受けて黙っていたとは、とても考えられない。あれは、別の若い——それも淫塊いんかいの——夫婦の話だ……。
 エシフが鞭の柄を抜いた。ノモクの唾液がたっぷりとまぶされて、艶々と光っている。そしてその尖端には、垂れ落ちてきた唾液が雫のように留まっていた。
「ほう。こんなになるまで舐めまわすとは」エシフは感心したように鞭の柄を眺め、そしてもう一度、ノモクに咥えさせた。「さあ、もっと濡らし、もっと煌めかせてみよ」
 ノモクは一心不乱に鞭の柄を舌で愛撫した。その姿を見て、エシフが鞭の柄から手を離した。ノモクは両手首を縛られていたので、鞭の柄をつかむことが出来ず、もどかしかったが、それでも舌を動かし、鞭の柄が口から出そうになると、それを吸いこんでまた口のなかにおさめた。
 ——エシフを象った作りものなのに、どうしてこんなに愛おしいのだろう……。
 ノモクは目を閉じた。すると太い指が彼の肌の上の其処彼処そこかしこを無遠慮に這いまわりはじめた。エシフは、ノモクの乳首をこすり、わき腹を撫で、臍をえぐり、内腿をさすり、足指の一本一本をつねった。ノモクが身を捩らせるたびにエシフは鼻を鳴らして、
「ここがおまえの快楽の源泉だな」
 と呟くように云い、そこを舌で舐めあげ、口で強く啜り、甘噛みさえした。
 ——エシフがぼくのからだに触れてくれている……。
 ノモクは、身悶えながら、与えられる快楽のひとつひとつを味わった。これは、将来、妻をめとり、その伴侶と愛ある交わりを持つのに相応しい男のからだを手に入れるための試練なのだ。それはエシフのように、勇敢で、雄々しく、たくましい男になるための儀式と云っても好い。
 ——ぼくもエシフのようになりたい……。
 ノモクはすっかりエシフの虜になった。
「おまえはここが感じるのだな」
 とエシフが指摘し、そこを叮嚀に愛撫することにノモクは悦びを感じた。もっと快楽の源泉を探ってほしくて、からだを捩らせ、そして展いた。
 愛撫の手指と舌唇を止めて、エシフが両手首の縛めをほどいた。
 これでエシフに抱きつける、とノモクは思った。しかしエシフが、ノモクの口から鞭の柄を抜き、
「四つん這いになれ」
 と云ったので、素直に従った。するとノモクの尻の孔に鞭の柄の先が宛てがわれた。
「エシフ?」ノモクは顔だけを後ろに向けた。
「前を向け!」エシフはノモクの尻をぴしゃりと叩いた。
 ノモクは云われたとおりにし、自発的に尻を吊りあげ、エシフに捧げた。
「ここにも口がある」エシフが低くかすれた声で云った。「さあ、味わえ」
 エシフを象ったものが、尻のなかに捩じこまれた。ノモクは、歓喜の声を上げ、尻を大きく振りたてた。鞭の舌がその動きにあわせて、ゆさゆさと揺れた。
 エシフが、
「愛くるしい番犬だ。祝福を授けよう」
 と云って寝台を降りた。
 ノモクは、こんどこそエシフのペニスを味わえるのだ、と嬉しさのあまり、尻尾を振った。
 エシフが水杯を手に寝台に上がった。ノモクのペニスと陰嚢を縛っていた紐をほどき、ペニスの先を水杯に添わせると、鞭の柄を尻から引きぬいた。
 ノモクは、つぎの瞬間を待った。
「おまえの甘い蜜を、この水杯に注ぐのだ」
 エシフが鞭の柄を一気に押しこんで、尻のなかをかき回した。
 ノモクは、嬌声とも悲鳴ともつかぬ叫びを上げながら、水杯のなかに白濁を迸らせた……。
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