[R-18] 奴隷のレッスン:騎士団所属の末っ子王子は、イケメン奴隷に身も心も奪われる

山葉らわん

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第三章 海の習い

11 奴隷と王子と砂糖菓子【絡み:エシフxノモク】

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「異教徒は、割礼をするんじゃないの? でも切った痕がないから……」
「わたしたちの宗教では、神が与え給う肉體に刃をあててはならないのです」
「もしそうなら……」ノモクは、顔だけをひねってエシフを見た。「ソルブもそうなの?」
 エシフは、はい、と短く応えて、ノモクの背骨の筋に沿って指を腰まで下ろし、そして両の手のひらで腰から肩までゆっくりと撫であげた。ノモクは、ふぅ、と息を吐き、右頬をシーツのうえに落とした。
「王子は湯浴みのときに、ソルブのものをご覧になったのですね」
「うん。異教徒だから割礼しているんだなって思ったんだ」
「湯屋の灯りでは、割礼の痕があるかないかまではご覧になれないはずですが……」
 云いかけて、
「ああ。ソルブは部屋で腰布を外したのですね」
 エシフは納得したようにひとりごち、ノモクの脚許まで下がった。缶を振って、粉をノモクの下半身全体にまぶす。白い粉は尻の双丘からさらさらと雪崩を起こし、陰嚢の裏に積もった。
 エシフは、ノモクのつま先を片方ずつ叮嚀に揉みほぐしたあと、手のひらを足首へ移し、ふくらはぎとのあいだを何度もさすった。ノモクは、尻の谷間が無防備になっていることにふと気づいて、急に恥ずかしくなった。どうしようと思う間に、エシフの手のひらは、ふくらはぎを登り、恥ずかしさに震える双丘を撫ではじめた。
「それならエシフ……」気を紛らせようとして、しかし口ごもりながら、ノモクは云った。「さっきのは、君たちの通過儀礼みたいなものなの?」
 エシフは、手を尻から離した。膝を片方ずつ太腿の合わせ目に差しいれて両脚をひろげさせる。ノモクが思わず腰を泛かせると、エシフは陰嚢に手を伸ばした。慣れた手つきだった。
「男としての通過儀礼です」エシフは、指先を巧みに動かして睾丸を慰撫した。「宗教は関係ありません」
 エシフは穏やかにこう云うと、片方の手を睾丸に残したまま、反対の手をペニスに伸ばした。そして尖端の丸みを、睾丸とともに揉みたてながら、
「女と交わるまえに、男としてっておくべきことがあるのです」
 と云い足した。
「識っておくべきことって?」
「触ればこうなりますし、快感を得て精を放つことができます」
 すでにペニスは屹立していた。しかし精は枯渇している。ノモクは深呼吸をした。
「でもエシフ、自慰は穢れた行為だよね?」
「そんなことはありません。王子は剣を研かないのですか?」
「それとこれとは……」
「同じことです。それに剣を振るうのに鞘に収めたままの騎士がいるでしょうか? 露出させて研きをかけるのです」
 エシフが手の動きを早めた。行き場のない快感が広がる。ノモクは、呻き声をあげた。
「王子、あなたは、たいそう筋が宜しいようです」エシフはこう称賛し、ノモクから離れてベッドから降りた。「お水をお持ちしましょう。ゆっくりと仰向けになって、お待ちください」
 ノモクは仰向けになり、天蓋をまくって出てゆくエシフを目で追った。筋肉の鎧に覆われたそのうしろ姿は、しかし一瞬にして幕が下ろされて目の前から消えた。
 四方を天蓋に囲われた寝台のうえで、自分のペニスだけが誇らしげに屹立している。ノモクは、右手でそっとペニスの胴を包んでみた。巨きくなったエシフのペニスには及ばないものの、どくどくと脈を打ち、じんじんと熱を持ち、まるで別の生き物のように思えた。
「王子、お待たせしました」
 エシフが戻ってきた。寝台に上がり、枕側の飾り棚に水差し、水杯、そして砂糖菓子の袋を置く。そしてノモクの右隣りで、あの奴隷坐りをした。
 ノモクはゆっくりと半身を起こした。エシフは片腕でノモクの頸を支え、もう片方の手で水杯を口許に運び、水を飲ませた。
「ああ、エシフ。ありがとう」
 ノモクが水を飲み了えると、エシフは水杯を飾り棚に置いた。そうしてから、こんどは砂糖菓子の包みを取って、白くて丸い菓子を取りだした。
 ノモクはエシフの顔を見た。この砂糖菓子は、エシフの動きを封じるばかりではなく、彼を意のままに操ることができる。
「エシフ、そんなことしなくても好いよ」ノモクは砂糖菓子をエシフの手から取った。
 エシフがふしぎそうな顔をした。「わたしを封じなくても宜しいのですか?」
「うん。君はぼくを襲ったりしないだろう? このまま一緒に寝ても平気さ」
「王子、いま何と?」エシフはゆっくりと寝そべり、横向きになってノモクを見つめた。「あなたは、わたしがお望みなのですか?」
 ノモクは失言に気がついた。エシフは性奴隷でもあった。女だけではなく望まれれば男を相手にすることもあるのだろう。
「そうじゃなくて、君と話がしたいんだ」
「王子、恥ずかしがる必要はありません。先ほども、わたしの体軀からだを触っておられたではないですか」
 エシフが覆いかぶさった。
「それは、割礼の痕を探そうとしたんだよ。だってソルブにも無かったんだ。どこにもね。ふしぎだったんだよ。あっ……」
「ソルブの体軀も同じように触ったのですね。見ただけではなく」
 追い打ちをかけてしまった。何か云わなければと思えば思うほど、言葉が出てこない。
「王子、灯りはどうなさいますか?」
 飾り棚の燭台がエシフの精悍な顔を照らしている。ノモクは何も応えられなかった。
「それでは消しましょう」
 エシフのたくましい腕が、顔の前をさっとよぎった。腋窩の飾り毛が清々しい潮の香を、ぷん、と立ててノモクの鼻孔を擽った。つぎの瞬間、視界が真っ暗になった。
「エシフ!」
 ノモクは右手に白い砂糖菓子があるのを思いだして、エシフの唇に差しこんだ。
 しかし、エシフは動じなかった。砂糖菓子が挟まれた唇を、ノモクの唇に悠々と重ねると、舌を巧みに使ってそこを割り開き、砂糖菓子をノモクの口のなかに押しやった。
「王子、賭けをしませんか? わたしに砂糖菓子を食べさせられたら、あなたの勝ちです」唇を離してエシフが耳許で囁いた。「さあ、もうひとつ。こんどはどうでしょう?」
 エシフは包みから砂糖菓子を無造作にひとつ選びだすと、ノモクの上下の唇に軽く挟むようにした。そうしてからゆっくりと唇を重ね、同じように舌を使ってノモクの口のなかに砂糖菓子を押しいれた。
 ノモクは、自分の口のなかを自由に動くエシフの舌に、なす術がなかった。砂糖菓子は口のなかで溶け、エシフの唾液と混ざりあって、よりいっそう甘美なものとなった。砂糖菓子を押しかえそうと舌を伸ばすと、エシフの肉厚の舌が絡みつき、動きを封じられた。次第に抵抗する気力も無くなり、エシフの舌技を受けるだけになった。
 エシフの舌が口のなかから引かれ、そして唇が離れた。ノモクは、ああ、と声を洩らした。
「さあ、王子。みっつ目ですよ」
 エシフが云った。
 ノモクは、唇の隙間から舌先を差しだした。
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