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第三章 海の習い
9 あなたの神の名を【絡み:エシフxノモク】
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「ソルブは、ここを洗わなかったようですね」
エシフは、根元まで挿し込んだ中指をゆっくりと引いた。引きずられるようにして、ノモクの尻がエシフの中指を追いかける。尻が持ちあがった。エシフの中指は、するりと容易く尻の孔から抜けた。尻の谷間で肛門が、ぽっかりと口を開けたようになった。
「ねえ、エシフ。どうして、そこを洗うの?」
躊躇いがちにノモクは訊いた。それよりもおかしくなったペニスを、何とかしてほしかった。
「なかを清めるためです」
エシフは平静に応え、また肛門に指を突きたてた。こんどは二本だった。エシフは中指と薬指を重ね、奥まで貫くと、指を曲げて鉤にした。
ノモクは呻いた。エシフは指を挿しいれたまま、何もしなかった。腰の芯がじんわりと熱を帯びてきた。その熱が、次第に屹立したペニスへと流れてゆく。ノモクは、もどかしい疼きに腰を揺らした。
エシフが手首を右に左にぐるりと回しはじめた。
「外側だけでなく内側も洗わなければなりません」エシフは指の回転に抜き挿しを加えた。「男のための儀式に必要なのです」
五臓六腑を掻きまわされるような感覚に、ノモクは堪らず声をあげた。刺激から逃れようと腰を前後左右に動かす。しかしそれは指からの刺激に加勢するだけだった。
「王子、そうです。赤子のように泣いて、もう一度、産まれ直すのです。そうして男になるのです」
エシフが指を引くたびに、ノモクの尻が指を追いかけていった。背骨がじわじわと引きぬかれるような感覚をともなって、尻は少しずつ吊りあげられていった。ノモクは、獣のような姿勢になった。
「エシフ……エシフ……」
ノモクの脳裏に、女と交わるエシフの姿が蘇った。映像のなかでエシフは、女を乱れさせ、蕩けさせ、快楽へ導いていた。
彼の眉が、彼の眼差しが、彼の鼻梁が、彼の唇が、彼の顎が、彼の声が。そして、彼の肩が、彼の胸が、彼の腹が、彼の腕が、彼の手が、彼の背が、彼の尻が、彼の腿が。さらに、彼の裸身の、その力と美の象徴である異教徒のペニス……。これら総てが、神の御技によって、ノモクのためだけに再構築された。それは、理想的な男の完成形だった。
ノモクは嫉妬を覚えた。それはエシフと交わっていた、あの女奴隷に対してだった。脳裏の映像では、たくましい男の肉體と痩せっぽちの女の肉體が、放恣の限りを尽くしている。そこには、愛も親しみも心もなかった。それは、客人をもてなすためだけに結びついた媚態でしかなかった。
ノモクは、映像から女を消しさろうと念じた。女は消えた。つぎの瞬間、自分がエシフと交わっていた。ノモクは、よりいっそう声をあげた。そして勢いよく射精した。
しばらくして、エシフが指を引きぬいた。
ノモクは、尻を高く上げたまま射精の余韻にひたっていた。ランプの灯りが肛門を照らし、エシフの目の前に曝されていた。それでもノモクは、しどけなく展いた肛門を、閉じようとはしなかった。
「王子、あなたの神に祈りを捧げてください」
エシフが、ゆったりとした口調で云った。
アスギの蔓がするすると解かれた。ペニスはアサスの葉に包まれたままだ。エシフは腰から両手を回し、左手で根元を握り、右手を尖端に添えた。
「ウジーク、イサーイ。ウジーク、イサーイ……」エシフが、乳母アイラムのまじないを唱えはじめた。
「どこで……その、おまじないを?」ノモクは、呻きながら訊いた。
「わたしの傷を癒すときに、あなたが唱えていたものですから」
エシフはこう応えると、身をかがめ、ノモクの尻の谷間に、ふっと息を吹きかけた。ノモクは、その真央の孔をひくひくと震わせた。
エシフの手の動きに伴って、アサスの葉の隙間から、とろりとした生温かいものがにじみ出た。エシフはそれを右の手のひらに取り、ランプの灯りに照らした。緑と白がマーブル状に混じりあった粘液だった。
エシフは、その粘液のついた右手でノモクの尖端をもう一度包んだ。左手はその根元をしっかりと支えている。
「さあ、王子。あなたの神の名を」
「ニ……」
つぎの瞬間、びりりと引き裂かれるような痛みがノモクの全身を貫いた。
「エシフ!」
引きおろされたアサスの葉の先から、未熟な果実が顔を覗かせている。
「ウジーク、イサーイ……」エシフは、はじめて外気に触れるノモクの尖端を、手でやわらかく包んだ。赤子をあやすように、そこを撫でる。「あなたの神の名を」
痛みは、ゆっくりと癒され、快楽へとかわった。
「……エシ、フ……。ああっ!」
ノモクはふたたび射精した。自慰とは異う快感だった。ずっと漂っていたい……そんな悦楽の海に放りこまれたような気分だった。
エシフは、ノモクのペニスからアサスの葉を、陰嚢からアウィーシャクの葉を剥がした。片方の手で剥きだしの尖端を擦りながら、もう片方の手を陰嚢に添え、睾丸の具合を確認するように指先で転がす。ノモクが呻いて腰を揺さぶると、エシフは睾丸から手を離し、中指と人差し指と薬指を重ね、肛門に奥深くねじ込んだ。
「エシフ……」
ノモクの声は、うわずっていた。
エシフは指三本を鉤にして、ノモクの尻をさらに吊りあげた。そして、もう一方の手で、包皮の剥けたノモクの亀頭を、まるで牛の乳でも搾るかのように揉みしだいた。
ノモクは喘いだ。その声は明瞭ではっきりと室内に響いたが、すでに意味を理解できない、文字にも書き起こせない、外つ国の言葉のようだった。
「ウジーク、イサーイ。ウジーク、イサーイ……」
エシフのおまじないが、つぎの波を呼ぶ。
しかし射精の兆しでも尿意でもない。
ノモクは喘ぎ、悶える。
「さあ、王子。あなたの神の名を……」
エシフが、ぞっとするほど甘美な声で云った。
エシフは、根元まで挿し込んだ中指をゆっくりと引いた。引きずられるようにして、ノモクの尻がエシフの中指を追いかける。尻が持ちあがった。エシフの中指は、するりと容易く尻の孔から抜けた。尻の谷間で肛門が、ぽっかりと口を開けたようになった。
「ねえ、エシフ。どうして、そこを洗うの?」
躊躇いがちにノモクは訊いた。それよりもおかしくなったペニスを、何とかしてほしかった。
「なかを清めるためです」
エシフは平静に応え、また肛門に指を突きたてた。こんどは二本だった。エシフは中指と薬指を重ね、奥まで貫くと、指を曲げて鉤にした。
ノモクは呻いた。エシフは指を挿しいれたまま、何もしなかった。腰の芯がじんわりと熱を帯びてきた。その熱が、次第に屹立したペニスへと流れてゆく。ノモクは、もどかしい疼きに腰を揺らした。
エシフが手首を右に左にぐるりと回しはじめた。
「外側だけでなく内側も洗わなければなりません」エシフは指の回転に抜き挿しを加えた。「男のための儀式に必要なのです」
五臓六腑を掻きまわされるような感覚に、ノモクは堪らず声をあげた。刺激から逃れようと腰を前後左右に動かす。しかしそれは指からの刺激に加勢するだけだった。
「王子、そうです。赤子のように泣いて、もう一度、産まれ直すのです。そうして男になるのです」
エシフが指を引くたびに、ノモクの尻が指を追いかけていった。背骨がじわじわと引きぬかれるような感覚をともなって、尻は少しずつ吊りあげられていった。ノモクは、獣のような姿勢になった。
「エシフ……エシフ……」
ノモクの脳裏に、女と交わるエシフの姿が蘇った。映像のなかでエシフは、女を乱れさせ、蕩けさせ、快楽へ導いていた。
彼の眉が、彼の眼差しが、彼の鼻梁が、彼の唇が、彼の顎が、彼の声が。そして、彼の肩が、彼の胸が、彼の腹が、彼の腕が、彼の手が、彼の背が、彼の尻が、彼の腿が。さらに、彼の裸身の、その力と美の象徴である異教徒のペニス……。これら総てが、神の御技によって、ノモクのためだけに再構築された。それは、理想的な男の完成形だった。
ノモクは嫉妬を覚えた。それはエシフと交わっていた、あの女奴隷に対してだった。脳裏の映像では、たくましい男の肉體と痩せっぽちの女の肉體が、放恣の限りを尽くしている。そこには、愛も親しみも心もなかった。それは、客人をもてなすためだけに結びついた媚態でしかなかった。
ノモクは、映像から女を消しさろうと念じた。女は消えた。つぎの瞬間、自分がエシフと交わっていた。ノモクは、よりいっそう声をあげた。そして勢いよく射精した。
しばらくして、エシフが指を引きぬいた。
ノモクは、尻を高く上げたまま射精の余韻にひたっていた。ランプの灯りが肛門を照らし、エシフの目の前に曝されていた。それでもノモクは、しどけなく展いた肛門を、閉じようとはしなかった。
「王子、あなたの神に祈りを捧げてください」
エシフが、ゆったりとした口調で云った。
アスギの蔓がするすると解かれた。ペニスはアサスの葉に包まれたままだ。エシフは腰から両手を回し、左手で根元を握り、右手を尖端に添えた。
「ウジーク、イサーイ。ウジーク、イサーイ……」エシフが、乳母アイラムのまじないを唱えはじめた。
「どこで……その、おまじないを?」ノモクは、呻きながら訊いた。
「わたしの傷を癒すときに、あなたが唱えていたものですから」
エシフはこう応えると、身をかがめ、ノモクの尻の谷間に、ふっと息を吹きかけた。ノモクは、その真央の孔をひくひくと震わせた。
エシフの手の動きに伴って、アサスの葉の隙間から、とろりとした生温かいものがにじみ出た。エシフはそれを右の手のひらに取り、ランプの灯りに照らした。緑と白がマーブル状に混じりあった粘液だった。
エシフは、その粘液のついた右手でノモクの尖端をもう一度包んだ。左手はその根元をしっかりと支えている。
「さあ、王子。あなたの神の名を」
「ニ……」
つぎの瞬間、びりりと引き裂かれるような痛みがノモクの全身を貫いた。
「エシフ!」
引きおろされたアサスの葉の先から、未熟な果実が顔を覗かせている。
「ウジーク、イサーイ……」エシフは、はじめて外気に触れるノモクの尖端を、手でやわらかく包んだ。赤子をあやすように、そこを撫でる。「あなたの神の名を」
痛みは、ゆっくりと癒され、快楽へとかわった。
「……エシ、フ……。ああっ!」
ノモクはふたたび射精した。自慰とは異う快感だった。ずっと漂っていたい……そんな悦楽の海に放りこまれたような気分だった。
エシフは、ノモクのペニスからアサスの葉を、陰嚢からアウィーシャクの葉を剥がした。片方の手で剥きだしの尖端を擦りながら、もう片方の手を陰嚢に添え、睾丸の具合を確認するように指先で転がす。ノモクが呻いて腰を揺さぶると、エシフは睾丸から手を離し、中指と人差し指と薬指を重ね、肛門に奥深くねじ込んだ。
「エシフ……」
ノモクの声は、うわずっていた。
エシフは指三本を鉤にして、ノモクの尻をさらに吊りあげた。そして、もう一方の手で、包皮の剥けたノモクの亀頭を、まるで牛の乳でも搾るかのように揉みしだいた。
ノモクは喘いだ。その声は明瞭ではっきりと室内に響いたが、すでに意味を理解できない、文字にも書き起こせない、外つ国の言葉のようだった。
「ウジーク、イサーイ。ウジーク、イサーイ……」
エシフのおまじないが、つぎの波を呼ぶ。
しかし射精の兆しでも尿意でもない。
ノモクは喘ぎ、悶える。
「さあ、王子。あなたの神の名を……」
エシフが、ぞっとするほど甘美な声で云った。
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