[R-18] 奴隷のレッスン:騎士団所属の末っ子王子は、イケメン奴隷に身も心も奪われる

山葉らわん

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第三章 海の習い

6 薬草の使い方【絡み:エシフxノモク】

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 湯屋はもうもうと湯気が立っていた。三隅に置かれたランプが、ノモクとエシフの裸身をやわらかく照らしている。この湯気と灯りのおかげでノモクは素裸かでいることの羞恥を感じずにいられた。
 ノモクは湯船に手を入れて湯加減を確かめると、籠に準備しておいた薬草をうかべた。手で湯をかき混ぜながら、
「ちょっと待ってね。すぐに準備できるから。薬湯だよ。傷口を柔らかく包んでくれるから痛くないんだ」
 背後にはエシフが奴隷坐りで静かに控えている。呼吸の音も聴こえない。耳にするのは、湯をかき混ぜる音だけだ。
 ノモクは迷っていた。先にエシフに湯をかけてあげるべきか、それとも先ず自分を濡らしている寝台の穢れを洗い流すべきか。考えながら湯をかき混ぜる。薬草の清々しい匂いと生々しい精の匂いが、ノモクの鼻孔を刺激しはじめる。そのうちに薬湯の準備ができた。ノモクは湯を汲もうと湯船に身を乗り出した。
 エシフが動く気配がした。
「王子、流して差しあげましょう」
 エシフの右手が伸びてきて、柄杓の柄を掴んだ。ノモクは身を固くした。背中はエシフの胸と腹に、中腰の脚元はエシフの両膝のあいだにすっぽりと包まれた。
 ノモクは思わず尻餅をつき、エシフの膝のうえに両手を置いた。
 エシフは柄杓を引きうけると、
「王子、力を抜いて楽にしてください」
 柄杓の湯が胸にかけられた。エシフの左手が、まだ薄いノモクの胸を丹念に磨くように左右にすべる。右の乳首をエシフの指がさっとこすった。ノモクは、思わず声をあげて仰け反った。
 エシフはノモクを抱きとめ、肌をぴたりと密着させたまま薬湯を汲んだ。
「エシフ、これは君のためのお湯だよ」ノモクの声は震えていた。
「ここは、あなたのための湯屋です」
 二杯目の薬湯がノモクに注がれた。肉厚の手が胸と臍のあいだを何度も往復する。エシフの長く無骨な指先が、ノモクのペニスに触れるか触れないかのところまで、下りてはまた上がってゆく。とろとろとした柔らかい湯が、エシフの手の動きによってノモクの下半身にかき集められた。それはまだひこばえのような幼い性毛を濡らし、そして白百合の蕾のようなペニスを舐めるように這い、その先端から露の集まりとなって滴りおちた。
 ノモクは目前にある湯船の縁に両手を伸ばした。それから立上ろうとして、
「エシフ、もう大丈夫。こんどは君の番だよ」
「まだ洗っていないところがあります、王子」
 エシフは離れようとするノモクをそっと引きよせた。ノモクはエシフの肩にくびを預けた。両目が自然に閉じられた。
 薬湯を汲む音がする。
 ノモクはこれから起こることを予期して息を飲み込んだ。さらさらと薬湯がかけられる。果たして、薬湯がノモクの素裸かのおもてを流れおちるのとほぼ同時に、エシフの手のひらが胸から腹へ、そして腹からペニスへと辷りおちた。
「エシフ!」
 ノモクは声をあげた。ペニスがびくんと震える。まるでエシフの手を待ちかまえていたかのように……。
「わたしを清めてくださったお礼です」エシフは、ノモクのペニスを慰撫した。「陶器のようになめらかで美しい肌をなさっておられる」
「だめだよ。そこは汚れているから……」
「わたしにおまかせください。汚れを落として差しあげます」
 エシフはノモクのペニスに手指を絡ませ、巧みに動かした。
 ノモクは、得体の知れない心地よさに身を委ねた。柄杓がそっと置かれ、もう片方の手が慰撫に加わった。エシフの手のなかで、ノモクのペニスが段々と形を変えてゆく。ふくらみ、固くなり、そして屹立した。
 ノモクは眉根を寄せ、唇を噛んで、頭を左右に振った。エシフの手の動きはそれでも続いた。
「恥ずかしいことではありません。男は皆、こうなるのです」
 ペニスが痛い。特に破れそうなくらいにふくらみ切った先端に痛みが集中している。その痛みは、焦ったいうずきとなってノモクを苦しめた。解き放ちたい。この鎧を脱いでしまいたい。しかしそれは、異教徒のしるしを刻みつけるのと同じことを意味している。ノモクはうめきつづけた。
「王子、お辛いのですね」エシフが耳朶を噛まんばかりに口を近づけた。「今すぐ楽にして差しあげましょう」
 エシフはノモクを横抱きにして広い洗身台に上がった。そこは低い仕切りがあるだけで湯船とほとんどひと続きになっている。中央には湯切りのための溝が、やや余裕を持った幅で、縦に一本刻まれている。
 エシフは、ノモクを仰向けに寝かせると、木枕を頸のしたに差しいれ、自分は洗身台から下りた。ノモクは顔をあげた。見るとエシフが籠のなかの薬草をひとつひとつ手に取って何かを確認していた。
「ねえ、エシフ。君は薬草に詳しいの?」
 股間を押さえながらノモクは訊いた。
「わたしの国にも同じ薬草がありました」エシフは選びとった薬草を桶に入れて洗身台のうえに置くと、湯船のところに戻った。「同じ使い方をするのかはわかりませんが」
 エシフはこう云い添えると、湯船のまえで両脚を折って坐り、両目を閉じた。瞑想するかのようにしばらく凝っとしたのち、柄杓に湯を汲んで、三度、頭から湯を被った。それは厳かな儀式の始まりのようだった。
「さあ、王子。始めますよ」
 エシフがゆっくりと立上った。
「始めるって何を?」
 ノモクの問いにエシフは答えなかった。その代わりに室内のランプをふたつ消した。残りのひとつを手に洗身台に上がり、それを天井をはしはりに引っかけた。
 エシフはその裸身をさっと明るく輝かせたかと思うと、ランプの灯だけを天井に残してすっと沈んだ。ノモクは顔をあげてもう一度訊いた。
「ねえ、エシフ。何をしようとしているの?」
 エシフはノモクの両脚を割りひらき、そのなかに辷りこんだ。腰を掴んで持ちあげ、自分に引きよせると、桶から手のひらの形をしたアウィーシャクの葉を取りだした。
「わたしの国に伝わる男のための儀式です」エシフはノモクの顔を見据えた。「さあ、手を離してください」
 ノモクは、呪文にかけられたようにエシフの言葉に従った。
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