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第八章 寝台の画
9 教えて……【絡み:シュード(=エシフ)xイェロード(=ノモク)】
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シュードはそれから様々に体位を変え、荒波を往く帆舟のようにイェロードを翻弄し、イェロードのなかに夥しい量の精を注ぎつづけた。イェロードは、尻の奥がシュードの精で満たされてゆくたびに、めくるめく酩酊とともにシュードのペニスを搾りあげるように尻を強く引きしめた。
四つん這いになって後ろからシュードに突かれているイェロードは、目の前の寝台の画を恍惚とした気分で見つめた。シュードの腰が打ち付けられるたびに、イェロードの吊り上げた尻肉が音を立てて大きく波打つ。イェロードから見えるシュードの上半身は、芸術的なまでに筋骨隆々としていて、それが艶めかしく、そしてしなやかにうねっている。
「シュード……。ああっ!」
精が放たれた。イェロードは大きくのけ反り、自分から腰を押しだしてシュードのペニスをさらに奥まで誘いかけた。
「まだ足りぬのか?」イェロードの奥深いところで強かに精を迸らせながらシュードが云った。「ならばもっと与えてやろう」
その言葉にイェロードはさらに昂った。
「シュード……。もっと欲しい」
「こんなに求められるのは初めてだ」
シュードはたっぷりとイェロードの尻の奥に吐精したのち、満足気にこう云って、ゆっくりと腰を引いた。
「ひぃぃぃ! あ、あっ、ああっ……んっ……」
シュードの異教徒の徴が、五臓六腑をゾロリゾロリと掻きだすように尻の入口まで戻っていこうとする。イェロードは、そのゾクリとする甘いもどかしさに、腰を左右に振りながら尻の輪っかを締めたり緩めたりした。
「ここが引っかかっているな。俺を銜えこんで放そうとしない……」シュードはこう呟くと、イェロードの尻の輪っかを弄ぶかのように、その位置で長大なペニスを小刻みに前後させた。「イェロード、思う存分受けとるがいい」
そのとき、イェロードは尻の浅いところでシュードの異教徒の徴が大きく膨らむのを感じた。ああ、シュードがぼくのなかに……。イェロードは尻の輪っかに力を込めた。
つぎの瞬間――海底のマグマのように熱くたぎる粘液がイェロードのなかに放たれた。それは尻の道を真っすぐに突きすすみ、一気に尻の奥にまで達した。
「イェロード、もっと欲しいか?」シュードが訊いた。イェロードは、しかし息を整えるのに精いっぱいのようすだ。そこでシュードはイェロードの返事を先取りした。「……云わなくてもよい。おまえの尻が俺を欲しがっている」
シュードが腰を進める。長大なペニスがふたたびイェロードのなかにヌルヌルと入ってきた。シュードの精にじっとりと濡れた尻の道が、いとも簡単にシュードのペニスを飲みこんでいく。イェロードは満たされていくのを全身で感じた。ゴボゴボと音を立てながら、尻の孔からシュードの放った精が溢れでて、イェロードの睾丸の裏をねっとりと舐めるようにくすぐる。イェロードは、こぼしては勿体ないと、尻でシュードをきつく締めつけながら歯を食いしばる。
――あと少し、もう少しシュードをぼくのなかに……。
イェロードは目を閉じ、頭のなかで寝台の画を素描してみた。それはもちろんシュードとその一部となりつつある自分の姿だ。
イェロードの素描はさらに進む。シュードが腰をゆるやかに回している。それに伴って奥深く挿しこまれたシュードのペニスがイェロードの体内を掻きまわし、どろどろに溶かして、イェロードの肉体をその内側から創りかえてゆく。
――そうだ。ぼくはシュードに選ばれたんだ……。
――だからこうしてシュードと交わることで、ぼくはシュードみたいになれるんだ……。
――立派な騎士だって? ローエもナコシュもただの色魔じゃないか。ギーフにしたって、ぼくの身代わりがあんな淫らだったなんて!
寝台の画の完成形は、まだ色というものを識らない無垢な少年が、たくましく清廉な異国の民へと産まれかわる儀式のようすを描いたものとなった。
「そろそろだな」
シュードは、まるで儀式のはじまりのように厳かにこう云うと、イェロードの睾丸に片手を回し、そこをじっとりと濡らす精をすくった。そしてその手でイェロードの剥けあがった丸みを包みこんだ。
ねっとりとしたシュードの濃い精がイェロードの尖端に叮嚀に塗りこめられる。
「ああ! あああっ……」
「おまえは、おまえの国の男たちと異うものを持っている」
「……そ、それって……割礼の、こと?」
イェロードは喘ぎながら訊いた。シュードだけではない。ソルブも少年奴隷も、割礼を受けているようにイェロードには思えたからだ。
「割礼?」シュードが手の動きを速めながらそれに応えた。「俺たちは割礼などしない。前にも云っただろう。俺たち海の民は、女を識る前に男同士で教えあうのだと」
「シュードが……ぼくに教えてくれているの?」
「ああ、そうだ。ただし、おまえはアラディーム国の王子ではなくなるかもしれないぞ」
アラディーム国の王子? そうだった。イェロードは後ろから前から与えられる異教徒の教えに悶えながら、これまでの自分の人生をふり返った。国王である父は病弱で、女王が国の政を一手に引きうけていた。王位継承権などなきに等しい第七王子として産まれ、兄や姉たちのような待遇は受けられず、離れに三人の使用人たちと住まわされていた。いつか父と母に認めてもらおうと騎士団に入った。
しかし、シュードの話が正しければ……。もしあの話が正しければ、母だと思っていた女王は、イェロードとは血の繋がっていない淫婦サーダだ。そして自分の身代わりであるギーフは、その罪深い女と騎士団長ローエとのあいだに産まれた不義の子となる。
「シュード……君が識っていることを……あっ、んんっ……教えて……」
「いま教えているではないか」空いたほうの手をイェロードの胸に回し、シュードはイェロードを抱きおこした。「さあ、出せ。出すんだ」
イェロードの目の前に寝台の画が現れた。男性的な魅力に溢れる青年が、まだあどけなさの残っている少年を背後から抱きしめている。両膝立ちのふたりは、いまにも溶けあいそうなくらいにぴったりとくっ付いていた。
――ぼくは、もうアラディーム国の王子ではないのかもしれない。シュードの産まれた国の民になるんだ……。
イェロードの腰の奥から何かが沸きあがってくる。
「イェロード、さあ。遠慮はいらぬ」
と云って、シュードが手の動きを速めた。「おまえにたっぷりと俺の精を注いでやった。それを吐き出せ。そうすれば――」
「あああっ――!」
……シュードの言葉のそのつづきは、イェロードの耳には届かなかった。
四つん這いになって後ろからシュードに突かれているイェロードは、目の前の寝台の画を恍惚とした気分で見つめた。シュードの腰が打ち付けられるたびに、イェロードの吊り上げた尻肉が音を立てて大きく波打つ。イェロードから見えるシュードの上半身は、芸術的なまでに筋骨隆々としていて、それが艶めかしく、そしてしなやかにうねっている。
「シュード……。ああっ!」
精が放たれた。イェロードは大きくのけ反り、自分から腰を押しだしてシュードのペニスをさらに奥まで誘いかけた。
「まだ足りぬのか?」イェロードの奥深いところで強かに精を迸らせながらシュードが云った。「ならばもっと与えてやろう」
その言葉にイェロードはさらに昂った。
「シュード……。もっと欲しい」
「こんなに求められるのは初めてだ」
シュードはたっぷりとイェロードの尻の奥に吐精したのち、満足気にこう云って、ゆっくりと腰を引いた。
「ひぃぃぃ! あ、あっ、ああっ……んっ……」
シュードの異教徒の徴が、五臓六腑をゾロリゾロリと掻きだすように尻の入口まで戻っていこうとする。イェロードは、そのゾクリとする甘いもどかしさに、腰を左右に振りながら尻の輪っかを締めたり緩めたりした。
「ここが引っかかっているな。俺を銜えこんで放そうとしない……」シュードはこう呟くと、イェロードの尻の輪っかを弄ぶかのように、その位置で長大なペニスを小刻みに前後させた。「イェロード、思う存分受けとるがいい」
そのとき、イェロードは尻の浅いところでシュードの異教徒の徴が大きく膨らむのを感じた。ああ、シュードがぼくのなかに……。イェロードは尻の輪っかに力を込めた。
つぎの瞬間――海底のマグマのように熱くたぎる粘液がイェロードのなかに放たれた。それは尻の道を真っすぐに突きすすみ、一気に尻の奥にまで達した。
「イェロード、もっと欲しいか?」シュードが訊いた。イェロードは、しかし息を整えるのに精いっぱいのようすだ。そこでシュードはイェロードの返事を先取りした。「……云わなくてもよい。おまえの尻が俺を欲しがっている」
シュードが腰を進める。長大なペニスがふたたびイェロードのなかにヌルヌルと入ってきた。シュードの精にじっとりと濡れた尻の道が、いとも簡単にシュードのペニスを飲みこんでいく。イェロードは満たされていくのを全身で感じた。ゴボゴボと音を立てながら、尻の孔からシュードの放った精が溢れでて、イェロードの睾丸の裏をねっとりと舐めるようにくすぐる。イェロードは、こぼしては勿体ないと、尻でシュードをきつく締めつけながら歯を食いしばる。
――あと少し、もう少しシュードをぼくのなかに……。
イェロードは目を閉じ、頭のなかで寝台の画を素描してみた。それはもちろんシュードとその一部となりつつある自分の姿だ。
イェロードの素描はさらに進む。シュードが腰をゆるやかに回している。それに伴って奥深く挿しこまれたシュードのペニスがイェロードの体内を掻きまわし、どろどろに溶かして、イェロードの肉体をその内側から創りかえてゆく。
――そうだ。ぼくはシュードに選ばれたんだ……。
――だからこうしてシュードと交わることで、ぼくはシュードみたいになれるんだ……。
――立派な騎士だって? ローエもナコシュもただの色魔じゃないか。ギーフにしたって、ぼくの身代わりがあんな淫らだったなんて!
寝台の画の完成形は、まだ色というものを識らない無垢な少年が、たくましく清廉な異国の民へと産まれかわる儀式のようすを描いたものとなった。
「そろそろだな」
シュードは、まるで儀式のはじまりのように厳かにこう云うと、イェロードの睾丸に片手を回し、そこをじっとりと濡らす精をすくった。そしてその手でイェロードの剥けあがった丸みを包みこんだ。
ねっとりとしたシュードの濃い精がイェロードの尖端に叮嚀に塗りこめられる。
「ああ! あああっ……」
「おまえは、おまえの国の男たちと異うものを持っている」
「……そ、それって……割礼の、こと?」
イェロードは喘ぎながら訊いた。シュードだけではない。ソルブも少年奴隷も、割礼を受けているようにイェロードには思えたからだ。
「割礼?」シュードが手の動きを速めながらそれに応えた。「俺たちは割礼などしない。前にも云っただろう。俺たち海の民は、女を識る前に男同士で教えあうのだと」
「シュードが……ぼくに教えてくれているの?」
「ああ、そうだ。ただし、おまえはアラディーム国の王子ではなくなるかもしれないぞ」
アラディーム国の王子? そうだった。イェロードは後ろから前から与えられる異教徒の教えに悶えながら、これまでの自分の人生をふり返った。国王である父は病弱で、女王が国の政を一手に引きうけていた。王位継承権などなきに等しい第七王子として産まれ、兄や姉たちのような待遇は受けられず、離れに三人の使用人たちと住まわされていた。いつか父と母に認めてもらおうと騎士団に入った。
しかし、シュードの話が正しければ……。もしあの話が正しければ、母だと思っていた女王は、イェロードとは血の繋がっていない淫婦サーダだ。そして自分の身代わりであるギーフは、その罪深い女と騎士団長ローエとのあいだに産まれた不義の子となる。
「シュード……君が識っていることを……あっ、んんっ……教えて……」
「いま教えているではないか」空いたほうの手をイェロードの胸に回し、シュードはイェロードを抱きおこした。「さあ、出せ。出すんだ」
イェロードの目の前に寝台の画が現れた。男性的な魅力に溢れる青年が、まだあどけなさの残っている少年を背後から抱きしめている。両膝立ちのふたりは、いまにも溶けあいそうなくらいにぴったりとくっ付いていた。
――ぼくは、もうアラディーム国の王子ではないのかもしれない。シュードの産まれた国の民になるんだ……。
イェロードの腰の奥から何かが沸きあがってくる。
「イェロード、さあ。遠慮はいらぬ」
と云って、シュードが手の動きを速めた。「おまえにたっぷりと俺の精を注いでやった。それを吐き出せ。そうすれば――」
「あああっ――!」
……シュードの言葉のそのつづきは、イェロードの耳には届かなかった。
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