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第一章 「お江戸いけめん番付」の色男
捨 回転ベッド(第一章完)
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殷慶は凸の部屋の前に立った。
「そろそろ起こしてやるとするか」
暖簾の奥では児玉五郎が治療台の上にスッポンポンで寝ている。芳恵を相手に衆道の筆下ろしを済ませたあと、かくかくしかじかで個室に移ったのだ。殷慶は、下帯が乾くまでのあいだ、児玉に鍼を打っておいた。
「和尚さまぁ~!」芳恵が児玉の下帯を捧げ持ってやってきた。「お洗濯了わりましたぁ~」
「おう、鎮光たちはどうした?」
「湯殿をお掃除してまぁ~す」
殷慶は、屈託のない笑みを泛べる愛弟子の顔を見て鼻を鳴らした。よっぽど楽しんだらしい。肌ツヤも血色も、すこぶる好い。
「児玉には鍼を打っておいた。今からそれを抜く。ここで大人しく待ってろ」
湯殿で『ぷれい』が始まって半刻(=一時間)経っても、児玉のはひふへ咆哮は止まなかった。気になった殷慶は、戸をこそっと開けた。天井から縄で吊された芳恵が、児玉からお取調(とは名ばかりのお情け)を受けているところだった。
さらに半刻後、ようやくお取調が了った。児玉を個室に案内しようと、殷慶はふたたび戸を開けた。湯殿には、炙ったスルメイカのような、栗の花のような、銀杏を踏み潰したような匂いが立ち籠めていた。芳恵はすでに縄をほどかれ、簀子の上で仰向けになり、全身をヌルヌルとした粘液で光り輝かせていた。児玉のほうは、満足そうな顔をして、手に掴んだ自慢の魔羅を芳恵の口に挿れようとしていた。
殷慶は暖簾をくぐった。
「すげえカッコだぜ、町方同心よお」
児玉は円形の診療台の上で、ダ・ヴィンチの人体図のように両の手脚を広げて寝っ転がっている。殷慶は回転ベッドのように診療台を回し、鍼を抜いていった。スッポンポンの児玉がぐるりと一回転して、最後の一本が残った。
「ご、ご住職……」児玉が目を覚ました。「ああ、そうだった。鍼治療を受けていたのであったな」
「児玉さま、最後の一本です。両手で膝裏を抱えてください」
はあ、と息をはいて児玉は云われたとおりにした。「なかなか恥ずかしい格好でござるな」
「湯殿で魔羅を見せあった仲ではありませぬか、児玉さま」殷慶は、だらりと垂れたふぐりを片手で持ちあげ、もう一方の手を会陰に打った鍼に添えた。「児玉さま、ゆっくり数をかぞえてください」
「ひ、ひぃぃぃっ!」
会陰の鍼を、殷慶が指先で捩るように回したのだった。「児玉さま、つづきを」
「ふ、ふ、ふぅっ!」
つぎは「みぃ」である。しかし、そうは問屋が卸さない。お約束である。
「へ、へ、変な気分になりそうでご……」
この作品は、はひふへ咆哮の提供で、お送りしている。
それはさておき……。
殷慶は、鍼をすうっと挿しすうっと引き、会陰をさらに刺激する。
「はぁ、ひぃ、ふぅ、へぇ……」
なかなかの眺めである。たくましい三十男が、それもお江戸いけめん番付にその名を載せる色男が、身を捩らせながら悶えているのだ。殷慶は、児玉をもっとヨガらせようと会陰の鍼を抜き、回転ベッドを回して児玉の顔のまえに股間が来るようにした。法衣を脱ぎ、下帯を少し緩めて回転ベッドのうえに上がる。そのまま覆いかぶさり、児玉の膝裏を両肘で抑えて尻の谷間を手で割り、男らしい茂みの奥にある肉の窄まりを指の腹で捏ねまわした。
「おい、児玉の。触るだけにしろよ。おれのは大(=胴返し)だ。いきなりは入らねえぜ」
児玉の手がするすると殷慶の下帯をほどいた。武骨な手が魔羅とふぐりを掴み、撫で、揉みしだく。手つきはぎこちない。
「おい、児玉の。数えうたは、ひぃ、ふぅでもうお仕舞いか?」
殷慶が態と意地悪く云う。児玉の尻の穴に指を立ててタイミングを狙う。
今だ!
ずぶり。
「はあっ!」
ずぶずぶ。
「ひぃぃぃっ!」
ぐりぐり。
「ふ、ふっ、ふううっ!」
「おい、児玉の。ここが好いのか?」
「へ、へえ。お情けを……」
殷慶の魔羅が生温かいものに包まれた。児玉が口に含んだのだ。芳恵にされたことを思い出しながら遮二無二奉仕しているらしい。殷慶は腰をおろした。児玉はくぐもった声を洩らし、殷慶の魔羅を咽喉まで受けいれた。
暖簾の外では芳恵が待っている。そろそろ交代してやらないと可哀想だ。殷慶は指を一度抜き、いきなり三本に増やして穴の奥をゴーンと突き、それから勢い好く引き抜いた。
「児玉さま。本日の無料体験はここまででございます」殷慶は児玉からおり、下帯をさっと締め、法衣を身にまとった。「下帯も乾いております」
児玉は、まだ物足りなさそうな面持ちだ。
コイツは常連になる。殷慶はこう確信して個室を出た。
外ではお預け状態の芳恵が、舌を出してハァハァしながら待っていた。
「芳恵、児玉さまのお着替えをお手伝いなさい」
「はぁ~い! 和尚さまぁ~」
芳恵が個室に飛びこんだ。
ほどなくして、
「ほおおおおおおおおおおおおおお!」
児玉が咆哮を上げた。
「そろそろ起こしてやるとするか」
暖簾の奥では児玉五郎が治療台の上にスッポンポンで寝ている。芳恵を相手に衆道の筆下ろしを済ませたあと、かくかくしかじかで個室に移ったのだ。殷慶は、下帯が乾くまでのあいだ、児玉に鍼を打っておいた。
「和尚さまぁ~!」芳恵が児玉の下帯を捧げ持ってやってきた。「お洗濯了わりましたぁ~」
「おう、鎮光たちはどうした?」
「湯殿をお掃除してまぁ~す」
殷慶は、屈託のない笑みを泛べる愛弟子の顔を見て鼻を鳴らした。よっぽど楽しんだらしい。肌ツヤも血色も、すこぶる好い。
「児玉には鍼を打っておいた。今からそれを抜く。ここで大人しく待ってろ」
湯殿で『ぷれい』が始まって半刻(=一時間)経っても、児玉のはひふへ咆哮は止まなかった。気になった殷慶は、戸をこそっと開けた。天井から縄で吊された芳恵が、児玉からお取調(とは名ばかりのお情け)を受けているところだった。
さらに半刻後、ようやくお取調が了った。児玉を個室に案内しようと、殷慶はふたたび戸を開けた。湯殿には、炙ったスルメイカのような、栗の花のような、銀杏を踏み潰したような匂いが立ち籠めていた。芳恵はすでに縄をほどかれ、簀子の上で仰向けになり、全身をヌルヌルとした粘液で光り輝かせていた。児玉のほうは、満足そうな顔をして、手に掴んだ自慢の魔羅を芳恵の口に挿れようとしていた。
殷慶は暖簾をくぐった。
「すげえカッコだぜ、町方同心よお」
児玉は円形の診療台の上で、ダ・ヴィンチの人体図のように両の手脚を広げて寝っ転がっている。殷慶は回転ベッドのように診療台を回し、鍼を抜いていった。スッポンポンの児玉がぐるりと一回転して、最後の一本が残った。
「ご、ご住職……」児玉が目を覚ました。「ああ、そうだった。鍼治療を受けていたのであったな」
「児玉さま、最後の一本です。両手で膝裏を抱えてください」
はあ、と息をはいて児玉は云われたとおりにした。「なかなか恥ずかしい格好でござるな」
「湯殿で魔羅を見せあった仲ではありませぬか、児玉さま」殷慶は、だらりと垂れたふぐりを片手で持ちあげ、もう一方の手を会陰に打った鍼に添えた。「児玉さま、ゆっくり数をかぞえてください」
「ひ、ひぃぃぃっ!」
会陰の鍼を、殷慶が指先で捩るように回したのだった。「児玉さま、つづきを」
「ふ、ふ、ふぅっ!」
つぎは「みぃ」である。しかし、そうは問屋が卸さない。お約束である。
「へ、へ、変な気分になりそうでご……」
この作品は、はひふへ咆哮の提供で、お送りしている。
それはさておき……。
殷慶は、鍼をすうっと挿しすうっと引き、会陰をさらに刺激する。
「はぁ、ひぃ、ふぅ、へぇ……」
なかなかの眺めである。たくましい三十男が、それもお江戸いけめん番付にその名を載せる色男が、身を捩らせながら悶えているのだ。殷慶は、児玉をもっとヨガらせようと会陰の鍼を抜き、回転ベッドを回して児玉の顔のまえに股間が来るようにした。法衣を脱ぎ、下帯を少し緩めて回転ベッドのうえに上がる。そのまま覆いかぶさり、児玉の膝裏を両肘で抑えて尻の谷間を手で割り、男らしい茂みの奥にある肉の窄まりを指の腹で捏ねまわした。
「おい、児玉の。触るだけにしろよ。おれのは大(=胴返し)だ。いきなりは入らねえぜ」
児玉の手がするすると殷慶の下帯をほどいた。武骨な手が魔羅とふぐりを掴み、撫で、揉みしだく。手つきはぎこちない。
「おい、児玉の。数えうたは、ひぃ、ふぅでもうお仕舞いか?」
殷慶が態と意地悪く云う。児玉の尻の穴に指を立ててタイミングを狙う。
今だ!
ずぶり。
「はあっ!」
ずぶずぶ。
「ひぃぃぃっ!」
ぐりぐり。
「ふ、ふっ、ふううっ!」
「おい、児玉の。ここが好いのか?」
「へ、へえ。お情けを……」
殷慶の魔羅が生温かいものに包まれた。児玉が口に含んだのだ。芳恵にされたことを思い出しながら遮二無二奉仕しているらしい。殷慶は腰をおろした。児玉はくぐもった声を洩らし、殷慶の魔羅を咽喉まで受けいれた。
暖簾の外では芳恵が待っている。そろそろ交代してやらないと可哀想だ。殷慶は指を一度抜き、いきなり三本に増やして穴の奥をゴーンと突き、それから勢い好く引き抜いた。
「児玉さま。本日の無料体験はここまででございます」殷慶は児玉からおり、下帯をさっと締め、法衣を身にまとった。「下帯も乾いております」
児玉は、まだ物足りなさそうな面持ちだ。
コイツは常連になる。殷慶はこう確信して個室を出た。
外ではお預け状態の芳恵が、舌を出してハァハァしながら待っていた。
「芳恵、児玉さまのお着替えをお手伝いなさい」
「はぁ~い! 和尚さまぁ~」
芳恵が個室に飛びこんだ。
ほどなくして、
「ほおおおおおおおおおおおおおお!」
児玉が咆哮を上げた。
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