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第五章 お紅茶は如何かしら?
その先は妄想で ※【絡み:小川健悟x柳川健人】
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とりあえず乾杯といこう。真っ昼間から酒をかっ喰らうわけにはいかないが、まあ考えはある。柳川ひとりを酔わすのに酒は要らない。
健悟は、ペットボトルを持ち上げ、アイスコーヒーを飲んだ。
向かいあわせに坐った柳川は、健悟がグビグビと咽喉を鳴らすのを見ながら、
「うちのスタッフ、皆んなコーヒー派なんです」
と云って、自分もペットボトルを口にした。
健悟は、口許を毛深い腕で拭って、
「お紅茶派はいないってわけだ。最高だな」
と返した。
打ち合わせ部屋は、さっきまでエアコンがガンガンきいていた。暑がりの健悟には快適だったが、今はそれが却って邪魔になる。健悟は部屋に戻るなり、エアコンの設定温度を少しだけ上げた。これで確実に汗をかける。そして雄のフェロモン大放出——そうなれば、柳川は俺の支配下になる。
「暑いな。かと云って冷房に長時間あたるのも好くない。悩ましい時期だ」健悟は手始めにTシャツの袖を肩まで捲りあげた。「——普段なら素っ裸かになるんだが、ここじゃそうはいかないな」
それを聞いて柳川が身を乗り出した。「白フンもですか?」
「ああ」
健悟はTシャツの裾をたくしあげた。ほんのりと汗ばんだ胸毛を手で荒々しく掻きむしりながら、
「窮屈で可哀想だろ。俺のはデカいからな。自由にしてやらねえと」
健悟の露骨な発言も、柳川には心地好く聞こえるらしい。ペットボトルを両手に握りしめ、すっかり憧れの眼差しで健悟を見つめている。健悟がTシャツの裾を元に戻すと、柳川は少し残念そうな顔を作った。
作戦成功。あとはいつも通りやるだけだ。
「さあ、本題だ」健悟は目にちからを込めた。「柳川、俺の目を見ろ」
「え? あ、はい」
昨晩、うえの璃子との馴れ初めは聞いている。だからこの場であれ以上問い詰める必要はなかった。
「お、親分……」
しばらくすると柳川の黒目が明らかに揺れはじめた。手にしたペットボトルと健悟の顔を交互に見つめる。両頬が紅潮し、息があがり、生唾をゴクリと飲みこんだ。
「あん? 咽喉乾いたんなら、その手にペットボトル持ってるじゃねえか」
「あ、あっ、はい……」柳川は両手でペットボトルをしっかり握った。
「さっさと飲めよ。それとも飲ませてやろうか?」健悟は身を乗り出してペットボトルの底に三指を添えた。下から軽く、つんっ、と突いてやる。
「だ、大丈夫です……」柳川はアイスコーヒーを口に含んだ。しかし慌てていたせいか、軽くむせてしまう。
「しょうがねえやつだ」健悟は席を立つと部屋の隅にティッシュ箱を取りにゆき、戻ってくると柳川のすぐ隣りに立った。「ほら、これで拭けよ」
「あ、ありがとうございます」柳川が右手を差しだした。その手は、しかしティッシュ箱を素通りして、健悟の股間のファスナーをつかんだ。
ジ、ジ、ジ……。
鈍い音を立てながら、柳川がファスナーをゆっくり引きおろしてゆく。相棒の形をくっきりと泛びあがらせた白い布が少しずつ現れた。柳川は、口をだらしなく展き、それを凝視している。
——なあ、相棒。朝、やらなかったのは正解だったな。
——だけどここじゃ無理だぜ。
——わかってらあ。期待を持たせてやるだけだ。
ファスナーが下ろされた。柳川が前開きを両手でそっと左右に展く。そして、いちばん盛りあがったところを指でつまんだ。柳川は、それを引きぬこうとした。しかし、そうすればそうする程、下帯のなかの健悟の相棒がふくらみ、硬くなるばかりだった。
「おい、どこ触ってんだ?」健悟がニヤリと笑った。
「あっ!」柳川は手を引っこめた。
「馬鹿野郎、さっさと元に戻せ」
柳川は、はい、と応えてファスナーを上げた。
「善し。それで好い」健悟は、こう云って自分の席に戻り、ふたたび柳川の顔を見つめた。「さてと。まだ了ってないぞ」
柳川はすでに健悟から視線をそらすことができなくなっていた。
健悟は、柳川を見据えながら、頭のなかで柳川とのセックスを思い描いた。シチュエーションもプレイの内容も思いのままだ。幸いなことに柳川とは、ちょっとした——いや、かなり危ない——火遊びをしているので、それに艶を添えるだけで好い。
健悟が、ふっと笑みを投げると、柳川は、びくっと全身を震わせてペットボトルを強く握りしめた。クシャっと音がする。好い反応だ。このとき健悟の脳裏には、柳川が健悟の相棒を両手に包みこんでゴシゴシ扱いている光景が閃いていた。そして柳川を舐めるように見る。素っ裸かにひん剥くのも簡単だ。デスクの下に隠された下半身まで、具に見ることができる。
さあ、柳川。いくぜ。ついて来い。
健悟と柳川は素裸かで銀いろのエアベッドの上にいる。ここはソープランドの個室——それも吉原の超高級店だ。柳川は仰向けになった健悟に覆いかぶさり、その毛深い全身にキスの雨を降らせている。なかなかのテクニシャンだ。ツボを心得ている。
健悟が半身を起こして柳川の手を取り、屹立した相棒に誘った。柳川は片手で相棒を扱きたてながら器用に体位を変えた。健悟の目の前に柳川の引き締まった尻が現れる。健悟はローションまみれの尻を撫でまわし、そして尻肉を左右に割った。尻の穴が曝される。健悟は、イメメン俳優のイメージを覆す男らしい飾り毛を指で掻きわけながら、その表面を捏ねた。
健悟の相棒を扱きながら、柳川がもどかしげに尻を振る。相棒が生温かい口のなかに含まれた。それと同時に健悟は三指を尻の穴に……。
妄想のなかで救急車のサイレンの音を健悟は聞いた。しかしそれは健悟を現実に引きもどすものだった。本当に救急車がこの近くを通ったのだ。
この辺にしておいてやるか。
健悟は、両手をパンと叩いた。
柳川が、びくんと全身を震わせた。「あ、俺……」
柳川が正気に返ったちょうどそのとき、ドアが三度ノックされた。ふたりはドアのほうに顔を向けた。ドアがゆっくりと開いた。
「すみません。今戻りました」
マネージャーだった。彼は、額の汗をハンカチで拭いながら部屋に這入って来た。
健悟はニヤリと笑った。「さっきの救急車に乗ってたんじゃなかったのか?」
マネージャーが、あはは、と笑い返した。
健悟は、ペットボトルを持ち上げ、アイスコーヒーを飲んだ。
向かいあわせに坐った柳川は、健悟がグビグビと咽喉を鳴らすのを見ながら、
「うちのスタッフ、皆んなコーヒー派なんです」
と云って、自分もペットボトルを口にした。
健悟は、口許を毛深い腕で拭って、
「お紅茶派はいないってわけだ。最高だな」
と返した。
打ち合わせ部屋は、さっきまでエアコンがガンガンきいていた。暑がりの健悟には快適だったが、今はそれが却って邪魔になる。健悟は部屋に戻るなり、エアコンの設定温度を少しだけ上げた。これで確実に汗をかける。そして雄のフェロモン大放出——そうなれば、柳川は俺の支配下になる。
「暑いな。かと云って冷房に長時間あたるのも好くない。悩ましい時期だ」健悟は手始めにTシャツの袖を肩まで捲りあげた。「——普段なら素っ裸かになるんだが、ここじゃそうはいかないな」
それを聞いて柳川が身を乗り出した。「白フンもですか?」
「ああ」
健悟はTシャツの裾をたくしあげた。ほんのりと汗ばんだ胸毛を手で荒々しく掻きむしりながら、
「窮屈で可哀想だろ。俺のはデカいからな。自由にしてやらねえと」
健悟の露骨な発言も、柳川には心地好く聞こえるらしい。ペットボトルを両手に握りしめ、すっかり憧れの眼差しで健悟を見つめている。健悟がTシャツの裾を元に戻すと、柳川は少し残念そうな顔を作った。
作戦成功。あとはいつも通りやるだけだ。
「さあ、本題だ」健悟は目にちからを込めた。「柳川、俺の目を見ろ」
「え? あ、はい」
昨晩、うえの璃子との馴れ初めは聞いている。だからこの場であれ以上問い詰める必要はなかった。
「お、親分……」
しばらくすると柳川の黒目が明らかに揺れはじめた。手にしたペットボトルと健悟の顔を交互に見つめる。両頬が紅潮し、息があがり、生唾をゴクリと飲みこんだ。
「あん? 咽喉乾いたんなら、その手にペットボトル持ってるじゃねえか」
「あ、あっ、はい……」柳川は両手でペットボトルをしっかり握った。
「さっさと飲めよ。それとも飲ませてやろうか?」健悟は身を乗り出してペットボトルの底に三指を添えた。下から軽く、つんっ、と突いてやる。
「だ、大丈夫です……」柳川はアイスコーヒーを口に含んだ。しかし慌てていたせいか、軽くむせてしまう。
「しょうがねえやつだ」健悟は席を立つと部屋の隅にティッシュ箱を取りにゆき、戻ってくると柳川のすぐ隣りに立った。「ほら、これで拭けよ」
「あ、ありがとうございます」柳川が右手を差しだした。その手は、しかしティッシュ箱を素通りして、健悟の股間のファスナーをつかんだ。
ジ、ジ、ジ……。
鈍い音を立てながら、柳川がファスナーをゆっくり引きおろしてゆく。相棒の形をくっきりと泛びあがらせた白い布が少しずつ現れた。柳川は、口をだらしなく展き、それを凝視している。
——なあ、相棒。朝、やらなかったのは正解だったな。
——だけどここじゃ無理だぜ。
——わかってらあ。期待を持たせてやるだけだ。
ファスナーが下ろされた。柳川が前開きを両手でそっと左右に展く。そして、いちばん盛りあがったところを指でつまんだ。柳川は、それを引きぬこうとした。しかし、そうすればそうする程、下帯のなかの健悟の相棒がふくらみ、硬くなるばかりだった。
「おい、どこ触ってんだ?」健悟がニヤリと笑った。
「あっ!」柳川は手を引っこめた。
「馬鹿野郎、さっさと元に戻せ」
柳川は、はい、と応えてファスナーを上げた。
「善し。それで好い」健悟は、こう云って自分の席に戻り、ふたたび柳川の顔を見つめた。「さてと。まだ了ってないぞ」
柳川はすでに健悟から視線をそらすことができなくなっていた。
健悟は、柳川を見据えながら、頭のなかで柳川とのセックスを思い描いた。シチュエーションもプレイの内容も思いのままだ。幸いなことに柳川とは、ちょっとした——いや、かなり危ない——火遊びをしているので、それに艶を添えるだけで好い。
健悟が、ふっと笑みを投げると、柳川は、びくっと全身を震わせてペットボトルを強く握りしめた。クシャっと音がする。好い反応だ。このとき健悟の脳裏には、柳川が健悟の相棒を両手に包みこんでゴシゴシ扱いている光景が閃いていた。そして柳川を舐めるように見る。素っ裸かにひん剥くのも簡単だ。デスクの下に隠された下半身まで、具に見ることができる。
さあ、柳川。いくぜ。ついて来い。
健悟と柳川は素裸かで銀いろのエアベッドの上にいる。ここはソープランドの個室——それも吉原の超高級店だ。柳川は仰向けになった健悟に覆いかぶさり、その毛深い全身にキスの雨を降らせている。なかなかのテクニシャンだ。ツボを心得ている。
健悟が半身を起こして柳川の手を取り、屹立した相棒に誘った。柳川は片手で相棒を扱きたてながら器用に体位を変えた。健悟の目の前に柳川の引き締まった尻が現れる。健悟はローションまみれの尻を撫でまわし、そして尻肉を左右に割った。尻の穴が曝される。健悟は、イメメン俳優のイメージを覆す男らしい飾り毛を指で掻きわけながら、その表面を捏ねた。
健悟の相棒を扱きながら、柳川がもどかしげに尻を振る。相棒が生温かい口のなかに含まれた。それと同時に健悟は三指を尻の穴に……。
妄想のなかで救急車のサイレンの音を健悟は聞いた。しかしそれは健悟を現実に引きもどすものだった。本当に救急車がこの近くを通ったのだ。
この辺にしておいてやるか。
健悟は、両手をパンと叩いた。
柳川が、びくんと全身を震わせた。「あ、俺……」
柳川が正気に返ったちょうどそのとき、ドアが三度ノックされた。ふたりはドアのほうに顔を向けた。ドアがゆっくりと開いた。
「すみません。今戻りました」
マネージャーだった。彼は、額の汗をハンカチで拭いながら部屋に這入って来た。
健悟はニヤリと笑った。「さっきの救急車に乗ってたんじゃなかったのか?」
マネージャーが、あはは、と笑い返した。
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