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第五章 お紅茶は如何かしら?
作戦会議 ※【絡み:小川健悟x柳川健人】
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小雪との通話を了えて、健悟が云った。
「おまえ、今日のスケジュール、どうなってるんだ?」
「午後の十三時から事務所で打ち合わせが——」云いかけて、柳川は口を噤んだ。椅子から立上り、リビングに置いてあったスマホを手に戻って来た。
柳川はマネージャーに電話をかけて状況を説明した。萬屋が今日、事務所前で待ち伏せをするかもしれないこと。打ち合わせの場所を変更できないかといったことを伝えて、
「スピーカーをオンにしても好いですか? 実は今、親分と一緒にいるんです。作戦会議をしたいので」
と云った。
柳川がスマホを食卓に置いた。スピーカーはオンになっている。マネージャーの声が流れた。
「親分、うちの柳川がお世話になっています」
「いや、こちらこそ。うちの丙午のせいで申し訳ない」
「打ち合わせの場所は変更するようにします。送迎車も念のために他のものに——」
「俺が車を出そうか。丙午は俺の車を見たことがないからバレないと思うんだが」
「そうですね」マネージャーはしばし考えこんだ。「そちらに十一時に向かいますので、そのときに考えましょう」
「わかった」
「親分、お手数をお掛けして申し訳ありません」電話口の向こうで深々と頭を下げているようすが目に泛ぶ。すこぶる叮嚀な口調だ。「うちの柳川をよろしくお願いします」
マネージャーとの通話が了った。
健悟は柳川の肩を抱いて、
「乗りかかった船だ。今日一日、俺がついていてやるから安心しろ」
と云い、柳川の股間の相棒に視線を落とした。「なんだよ、ビビってんのか?」
「えっ……あっ」柳川も自分の相棒を見た。
健悟は柳川の相棒に手を伸ばした。「せっかく剥いてやったのに縮こまりやがって——」包皮を剥いてやり、それから柳川の手を取って、自分の相棒を握らせる。「俺の相棒を見ろ。危険を前にすると消防士はこうなるって、教えただろ?」
「親分、俺のも……」健悟の相棒を扱きながら柳川が云った。
「おう。こっち向いて股を展げろ」
健悟は柳川を向かいあわせに坐らせ、柳川の相棒を扱いた。
乗りかかった船——こっちのほうも附合ってやらねえとな。健悟は心のなかでこう呟いて苦笑した。
戯れの続きが始まった。
柳川は互いの相棒を交互に見つめている。健悟は、手を巧みに動かしながら、キッチンをざっと見渡してこれからのことを考えた。思えばキッチンでセックスをしたことは、流石の健悟でもまだなかった。想像が膨らむ。尤も目の前の相手は、同じものをぶら下げた男だけれども。
柳川が声を上げて、健悟の胸に顔を埋めた。鼻で必死に呼吸をして雄のフェロモンを取り込もうとしている。健悟はにやりと笑って空いたほうの手で柳川の首根っこを押さえこんで、
「舐めてみな」
柳川はおそるおそる舌を出して、健悟の胸毛に滴る汗を舐めた。
「おい、美味いか?」そのまま左の乳首に柳川の顔を持ってゆく。「ここもだ。しっかりしゃぶれよ」
柳川は、はい、と応えて赤ん坊のように乳首に吸いついた。
ぎこちない舌遣いだった。しかしその不器用さがかえって健悟を興奮させた。そういえば昨日の夜——柳川は、健悟が胸から腹にかけて迸らせた白濁液を、一心不乱に啜ったのだ。健悟はそのことを思い出した。柳川の手のなかで相棒がびくんと反応した。
「親分……こっちも」左の乳首から口を離して柳川が訊いた。「こっちも好いですか?」
「当たり前だろ。さっさとやれ」
健悟は態と乱暴に云った。すると健悟の手のなかで柳川の相棒がむくむくと起きあがりはじめた。どうやらM気があるらしい。息遣いがさらに荒くなった。柳川は、明らかに興奮していた。
健悟は、しめた、と思った。柳川の相棒を軽く引っ張ってやる。柳川がゆっくりと立上り、健悟の膝の上に跨った。相棒同士を重ねてやると、柳川は左腕を健悟の猪首に回して撓垂れ掛かり、右手で二本同時にこすりはじめた。健悟の左肩に顎を乗せて、はあはあ、と喘ぐ。健悟は、左手で柳川の腰を支えながら、右手を柳川の尻にくぐらせ、蟻の戸渡りを、中指の爪でカリカリと引っ掻いた。
「お、親分……」
柳川が尻を揺すった。どうやら健悟の指を、谷間の奥に誘おうとしているらしい。健悟は、蟻の門渡りを引っ掻きながら、焦らすようにして、中指を柳川の望んでいる場所に少しずつ近づけていった。
「おう、柳川。なんだ? 云ってみろ」
健悟は耳許でこう囁き、それから耳朶を甘噛みした。柳川は喘ぐばかりで何も応えられない。
中指の腹が肉の窄まりに触れた。健悟がその表面をたっぷりと捏ねあげる。柳川は相棒をこすりあわせるのをやめて、健悟に完全に凭れかかった。しがみついて、耳許で荒い息を立てている。快楽に正直なヤツだ。これならどうだ、と健悟は尻の孔の中央に中指を立てた。柳川は感電でもしたかのように全身を震わせた。
この辺にしてやるか——。
腹が減っては戦はできぬ。柳川とのセックスには興味があるが、一度始まったらマネージャーが来る直前までやる羽目になるだろう。ならば期待を持たせて引っ張るほうが得策だ。
健悟は、柳川を抱えたまま立上った。右手は尻を下から支えていて、その中指は尻の孔に突き立てられたままだ。健悟はそこに人差し指と薬指を添えた。「おっと、朝メシが冷めちまう。だけど喰う前にシャワーを浴びないとな。しっかりとつかまっていろ。でないと風呂場に着く前に、おまえのケツの穴にぶすりといっちまうぞ」
「おまえ、今日のスケジュール、どうなってるんだ?」
「午後の十三時から事務所で打ち合わせが——」云いかけて、柳川は口を噤んだ。椅子から立上り、リビングに置いてあったスマホを手に戻って来た。
柳川はマネージャーに電話をかけて状況を説明した。萬屋が今日、事務所前で待ち伏せをするかもしれないこと。打ち合わせの場所を変更できないかといったことを伝えて、
「スピーカーをオンにしても好いですか? 実は今、親分と一緒にいるんです。作戦会議をしたいので」
と云った。
柳川がスマホを食卓に置いた。スピーカーはオンになっている。マネージャーの声が流れた。
「親分、うちの柳川がお世話になっています」
「いや、こちらこそ。うちの丙午のせいで申し訳ない」
「打ち合わせの場所は変更するようにします。送迎車も念のために他のものに——」
「俺が車を出そうか。丙午は俺の車を見たことがないからバレないと思うんだが」
「そうですね」マネージャーはしばし考えこんだ。「そちらに十一時に向かいますので、そのときに考えましょう」
「わかった」
「親分、お手数をお掛けして申し訳ありません」電話口の向こうで深々と頭を下げているようすが目に泛ぶ。すこぶる叮嚀な口調だ。「うちの柳川をよろしくお願いします」
マネージャーとの通話が了った。
健悟は柳川の肩を抱いて、
「乗りかかった船だ。今日一日、俺がついていてやるから安心しろ」
と云い、柳川の股間の相棒に視線を落とした。「なんだよ、ビビってんのか?」
「えっ……あっ」柳川も自分の相棒を見た。
健悟は柳川の相棒に手を伸ばした。「せっかく剥いてやったのに縮こまりやがって——」包皮を剥いてやり、それから柳川の手を取って、自分の相棒を握らせる。「俺の相棒を見ろ。危険を前にすると消防士はこうなるって、教えただろ?」
「親分、俺のも……」健悟の相棒を扱きながら柳川が云った。
「おう。こっち向いて股を展げろ」
健悟は柳川を向かいあわせに坐らせ、柳川の相棒を扱いた。
乗りかかった船——こっちのほうも附合ってやらねえとな。健悟は心のなかでこう呟いて苦笑した。
戯れの続きが始まった。
柳川は互いの相棒を交互に見つめている。健悟は、手を巧みに動かしながら、キッチンをざっと見渡してこれからのことを考えた。思えばキッチンでセックスをしたことは、流石の健悟でもまだなかった。想像が膨らむ。尤も目の前の相手は、同じものをぶら下げた男だけれども。
柳川が声を上げて、健悟の胸に顔を埋めた。鼻で必死に呼吸をして雄のフェロモンを取り込もうとしている。健悟はにやりと笑って空いたほうの手で柳川の首根っこを押さえこんで、
「舐めてみな」
柳川はおそるおそる舌を出して、健悟の胸毛に滴る汗を舐めた。
「おい、美味いか?」そのまま左の乳首に柳川の顔を持ってゆく。「ここもだ。しっかりしゃぶれよ」
柳川は、はい、と応えて赤ん坊のように乳首に吸いついた。
ぎこちない舌遣いだった。しかしその不器用さがかえって健悟を興奮させた。そういえば昨日の夜——柳川は、健悟が胸から腹にかけて迸らせた白濁液を、一心不乱に啜ったのだ。健悟はそのことを思い出した。柳川の手のなかで相棒がびくんと反応した。
「親分……こっちも」左の乳首から口を離して柳川が訊いた。「こっちも好いですか?」
「当たり前だろ。さっさとやれ」
健悟は態と乱暴に云った。すると健悟の手のなかで柳川の相棒がむくむくと起きあがりはじめた。どうやらM気があるらしい。息遣いがさらに荒くなった。柳川は、明らかに興奮していた。
健悟は、しめた、と思った。柳川の相棒を軽く引っ張ってやる。柳川がゆっくりと立上り、健悟の膝の上に跨った。相棒同士を重ねてやると、柳川は左腕を健悟の猪首に回して撓垂れ掛かり、右手で二本同時にこすりはじめた。健悟の左肩に顎を乗せて、はあはあ、と喘ぐ。健悟は、左手で柳川の腰を支えながら、右手を柳川の尻にくぐらせ、蟻の戸渡りを、中指の爪でカリカリと引っ掻いた。
「お、親分……」
柳川が尻を揺すった。どうやら健悟の指を、谷間の奥に誘おうとしているらしい。健悟は、蟻の門渡りを引っ掻きながら、焦らすようにして、中指を柳川の望んでいる場所に少しずつ近づけていった。
「おう、柳川。なんだ? 云ってみろ」
健悟は耳許でこう囁き、それから耳朶を甘噛みした。柳川は喘ぐばかりで何も応えられない。
中指の腹が肉の窄まりに触れた。健悟がその表面をたっぷりと捏ねあげる。柳川は相棒をこすりあわせるのをやめて、健悟に完全に凭れかかった。しがみついて、耳許で荒い息を立てている。快楽に正直なヤツだ。これならどうだ、と健悟は尻の孔の中央に中指を立てた。柳川は感電でもしたかのように全身を震わせた。
この辺にしてやるか——。
腹が減っては戦はできぬ。柳川とのセックスには興味があるが、一度始まったらマネージャーが来る直前までやる羽目になるだろう。ならば期待を持たせて引っ張るほうが得策だ。
健悟は、柳川を抱えたまま立上った。右手は尻を下から支えていて、その中指は尻の孔に突き立てられたままだ。健悟はそこに人差し指と薬指を添えた。「おっと、朝メシが冷めちまう。だけど喰う前にシャワーを浴びないとな。しっかりとつかまっていろ。でないと風呂場に着く前に、おまえのケツの穴にぶすりといっちまうぞ」
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