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第二章 儀式(セレモニー)
儀式(セレモニー):濡れ場 ※【絡み:小川健悟x柳川健人】
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柳川は何も云わない。健悟が腰の動きをとめても、鼻で大きく呼吸をしながら、もどかしそうに腰をゆらしている。
健悟はプランクをやめ、軽く身を起こした。両手をしっかりと床につけ、臀と下腹部を密着させたまま、相棒を激しくこすりつけた。
動きをとめると柳川が腰をそろそろとふる。柳川は健悟の支配下におかれつつあった。健悟は思った。これまでの揶揄いは効果的だった。やがて柳川が力尽きて腰だけを突き出した格好でだらりとすると、健悟は腰をふるのをやめて、ふくらはぎに掛けていた足首をほどいてやった。
「おい、まだはじまってもいないんだぜ」健悟は柳川の臀をぴしゃりと叩いた。そして柳川の腰を挟むように跨り、勃起した相棒をした向きにして臀の谷間に挟んだ。
「お、やぶん…」柳川がようよう言葉を口にした。ふぅふぅと、あえぎならがの声だった。
「銜えてろ」健悟は、柳川の口にハンドタオルを突っ込んだ。そして柳川を完全に支配下におこうと心に決めた。「アドレナリン全開でいくぜ」
健悟はさらに激しく腰をふった。健悟がこれまで経験してきた行きずりのセックス。はじめて会ったその日に、たった一度だからと派手に暴れるセックスよりも荒々しいものだ。打ちつけるだけではない。ふりあげた腰を斧で薪を割るときのように勢いよくふりおとす。した向きの相棒が反りあがろうとして、柳川の蕾に押し付けられ、こすり続ける。
そうそう。この感じだ。健悟は腰をふりながら疑似セックスに興奮していた。焔に挑んだあとに全身に漲るアドレナリン。それが今、全身を駆けめぐっている。いや、いつもより大量に。三か月のあいだ、こいつを小雪の代わりに抱くのもいいかもしれない。柳川はもう無抵抗で、なすがままの状態だ。
健悟は腰をふりつづける。汗が大量に流れる。汗の匂いが浴室内に漂う。
背中の鬣に沿って流れてきた汗が、健悟の臀の谷間に流れおちた。
うっ……。健悟は呻いて思わず腰をひいた。
つぎの瞬間――。
健悟の相棒が柳川の臀の谷間をこすりながら一気に駆けあがる。健悟は眉根を寄せ、片手で口をふさぎ、歯を食いしばって声を押し殺した。それは業火に包まれたような感覚が全身を疾りぬけたのと、ほぼ同時だった。健悟は天を仰いだ。
――爆ぜていた。
健悟は、肩で荒い息をつきながら柳川を見おろした。臀を持ちあげたまま、ぐったりとしている。夥しい量の白濁液が、背中の溝と臀の谷間へ、二手に分かれて流れていた。
健悟は、ぶるぶるっと身ぶるいをした。精を吐きだしたばかりの相棒が、腹にびったりと貼りついて嘶いている。
――おい、相棒。柳川のやつ、燃えてるぜ。
――やめろ。そこまでだ。湯槽に放りこめば一発で消火できる。
――おめえで一発ってのはどうだ?
健悟は洗面器を湯槽の縁に置いた。それから柳川に覆いかぶさった。無精ひげで左頬をこすってやると、柳川の腰がもぞもぞと動いた。健悟は柳川の左手首をつかんで頸のうしろに回し、肩を組ませた。両腕で柳川を引き起こす。そして一気に担ぎあげると、回れ右をして湯槽の縁に腰をおろした。
「鏡を見ろよ」
正面の鏡には健悟にうしろから抱きかかえられた柳川の姿が映っている。健悟は大胆に両脚を広げていた。柳川はそのうえに跨って両脚をさらに大きく広げ、勃起した相棒を晒していた。左手首を健悟がつかみ、肩を組まされた腕をしっかりとホールドしている。右腕も健悟の手にしっかりとつかまれている。
「あ」
柳川は健悟の膝に右手をついた。バランスをとるためだ。すると健悟は柳川の右腕から手をはなした。そして湯槽の縁に置いてあった洗面器から泡を掬いとり、柳川の胸から腹へ満遍なく塗り広げた。手のひらが触れるか触れないかのギリギリの距離を保って、泡だけでマッサージするような愛撫をはじめた。健悟が得意とするプレイのひとつだった。荒々しい挿入のまえに、こうして女をリラックスさせるのだ。果たして、柳川は身を捩らせはじめた。健悟は面白くなってきた。
「恥ずかしいだろ。隠してやる」泡をもうひと掬いして、こんどは屹立した柳川の相棒に塗りはじめた。泡をすっかり使い果たすと、健悟は洗面器を床に落とした。カランコロンと湿った音がした。
健悟は右手を股間にもぐらせて相棒を支え、柳川の菊の蕾にその先端を押しつけた。何度もこすられ、白濁液で濡れそぼったそこは、すっかり柔らかくなっている。
「おまえ、『役作りのためなら何でもします』って云ったよな」健悟はドスをきかせた。
「はい……」柳川の声がふるえる。
健悟の相棒は、すでに蕾の奥へもぐりこもうとしていた。そのまま力を抜いて降りてこい。そうすりゃ、おめえも俺の子分だ。健悟は相棒から手をはなし、こんどは柳川の相棒を握った。そして、ゆっくりとしごきながら、
「なあ、柳川。その映画ってのに『濡れ場』はあんのか?」
柳川は、いやいやをするように頸を左右に振った。
健悟は、なおもしごききたてて、
「でも脱ぐんだろ」
ついに柳川が踏ん張るのを諦めて――。
そのとき突然、出動指令が浴室じゅうに鳴り響いた。
健悟は、本能的に柳川を抱きかかえ、背中から湯槽に倒れこんだ。湯のなかで腕をほどいて柳川を自由にしてやる。すぐさま湯槽から出て洗い場へあがると、胸のまえで両腕を組んで仁王立ちになり、荒々しく波立つ湯のなかでもがく柳川を見据えた。
しばらくして柳川が湯から顔を出した。
「泡を落としたらすぐあがって着替えるんだ。出動まで一分だぞ」
健悟は、冷静に最後の指令を出した。
健悟はプランクをやめ、軽く身を起こした。両手をしっかりと床につけ、臀と下腹部を密着させたまま、相棒を激しくこすりつけた。
動きをとめると柳川が腰をそろそろとふる。柳川は健悟の支配下におかれつつあった。健悟は思った。これまでの揶揄いは効果的だった。やがて柳川が力尽きて腰だけを突き出した格好でだらりとすると、健悟は腰をふるのをやめて、ふくらはぎに掛けていた足首をほどいてやった。
「おい、まだはじまってもいないんだぜ」健悟は柳川の臀をぴしゃりと叩いた。そして柳川の腰を挟むように跨り、勃起した相棒をした向きにして臀の谷間に挟んだ。
「お、やぶん…」柳川がようよう言葉を口にした。ふぅふぅと、あえぎならがの声だった。
「銜えてろ」健悟は、柳川の口にハンドタオルを突っ込んだ。そして柳川を完全に支配下におこうと心に決めた。「アドレナリン全開でいくぜ」
健悟はさらに激しく腰をふった。健悟がこれまで経験してきた行きずりのセックス。はじめて会ったその日に、たった一度だからと派手に暴れるセックスよりも荒々しいものだ。打ちつけるだけではない。ふりあげた腰を斧で薪を割るときのように勢いよくふりおとす。した向きの相棒が反りあがろうとして、柳川の蕾に押し付けられ、こすり続ける。
そうそう。この感じだ。健悟は腰をふりながら疑似セックスに興奮していた。焔に挑んだあとに全身に漲るアドレナリン。それが今、全身を駆けめぐっている。いや、いつもより大量に。三か月のあいだ、こいつを小雪の代わりに抱くのもいいかもしれない。柳川はもう無抵抗で、なすがままの状態だ。
健悟は腰をふりつづける。汗が大量に流れる。汗の匂いが浴室内に漂う。
背中の鬣に沿って流れてきた汗が、健悟の臀の谷間に流れおちた。
うっ……。健悟は呻いて思わず腰をひいた。
つぎの瞬間――。
健悟の相棒が柳川の臀の谷間をこすりながら一気に駆けあがる。健悟は眉根を寄せ、片手で口をふさぎ、歯を食いしばって声を押し殺した。それは業火に包まれたような感覚が全身を疾りぬけたのと、ほぼ同時だった。健悟は天を仰いだ。
――爆ぜていた。
健悟は、肩で荒い息をつきながら柳川を見おろした。臀を持ちあげたまま、ぐったりとしている。夥しい量の白濁液が、背中の溝と臀の谷間へ、二手に分かれて流れていた。
健悟は、ぶるぶるっと身ぶるいをした。精を吐きだしたばかりの相棒が、腹にびったりと貼りついて嘶いている。
――おい、相棒。柳川のやつ、燃えてるぜ。
――やめろ。そこまでだ。湯槽に放りこめば一発で消火できる。
――おめえで一発ってのはどうだ?
健悟は洗面器を湯槽の縁に置いた。それから柳川に覆いかぶさった。無精ひげで左頬をこすってやると、柳川の腰がもぞもぞと動いた。健悟は柳川の左手首をつかんで頸のうしろに回し、肩を組ませた。両腕で柳川を引き起こす。そして一気に担ぎあげると、回れ右をして湯槽の縁に腰をおろした。
「鏡を見ろよ」
正面の鏡には健悟にうしろから抱きかかえられた柳川の姿が映っている。健悟は大胆に両脚を広げていた。柳川はそのうえに跨って両脚をさらに大きく広げ、勃起した相棒を晒していた。左手首を健悟がつかみ、肩を組まされた腕をしっかりとホールドしている。右腕も健悟の手にしっかりとつかまれている。
「あ」
柳川は健悟の膝に右手をついた。バランスをとるためだ。すると健悟は柳川の右腕から手をはなした。そして湯槽の縁に置いてあった洗面器から泡を掬いとり、柳川の胸から腹へ満遍なく塗り広げた。手のひらが触れるか触れないかのギリギリの距離を保って、泡だけでマッサージするような愛撫をはじめた。健悟が得意とするプレイのひとつだった。荒々しい挿入のまえに、こうして女をリラックスさせるのだ。果たして、柳川は身を捩らせはじめた。健悟は面白くなってきた。
「恥ずかしいだろ。隠してやる」泡をもうひと掬いして、こんどは屹立した柳川の相棒に塗りはじめた。泡をすっかり使い果たすと、健悟は洗面器を床に落とした。カランコロンと湿った音がした。
健悟は右手を股間にもぐらせて相棒を支え、柳川の菊の蕾にその先端を押しつけた。何度もこすられ、白濁液で濡れそぼったそこは、すっかり柔らかくなっている。
「おまえ、『役作りのためなら何でもします』って云ったよな」健悟はドスをきかせた。
「はい……」柳川の声がふるえる。
健悟の相棒は、すでに蕾の奥へもぐりこもうとしていた。そのまま力を抜いて降りてこい。そうすりゃ、おめえも俺の子分だ。健悟は相棒から手をはなし、こんどは柳川の相棒を握った。そして、ゆっくりとしごきながら、
「なあ、柳川。その映画ってのに『濡れ場』はあんのか?」
柳川は、いやいやをするように頸を左右に振った。
健悟は、なおもしごききたてて、
「でも脱ぐんだろ」
ついに柳川が踏ん張るのを諦めて――。
そのとき突然、出動指令が浴室じゅうに鳴り響いた。
健悟は、本能的に柳川を抱きかかえ、背中から湯槽に倒れこんだ。湯のなかで腕をほどいて柳川を自由にしてやる。すぐさま湯槽から出て洗い場へあがると、胸のまえで両腕を組んで仁王立ちになり、荒々しく波立つ湯のなかでもがく柳川を見据えた。
しばらくして柳川が湯から顔を出した。
「泡を落としたらすぐあがって着替えるんだ。出動まで一分だぞ」
健悟は、冷静に最後の指令を出した。
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