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第五章 ワン・モア・チャンス
25 勇気を出して
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——やっぱり、大きいなあ……。
康太は、両手の指先に大樹の重みを感じた。卵のLサイズに匹敵する、いや、それよりも大きいかもしれない。そんなことを考えながら、康太はしばらく指先でその感触を確かめていた。
不意に大樹が、あはは、と笑った。「野球の球ほど大きくはないだろ?」
「あ、いや……その……」
「ここは男の急所だからな。大事に扱えよ」
「あ、はい」
「あ、そうだ。ちょっと待て」
「えっ?」
康太が慌てて両手を引っこめると、大樹は腰を少し持ちあげて、
「ちょっとどいてろ」
と云って、康太が後ろに下がるのを待ってから右に九十度まわり、バスタブに背を向けるように坐りなおした。「こうしたほうが脚をゆたぁーと伸ばせる」
「あ、はい」
康太はバスタブの側面と大樹の背中に挟まれる格好となった。
——よし。始めよう!
康太は気を取り直して、大樹に気づかれないように自分のバズーカ砲を太腿に挟みこんだ。この前みたいに暴発したらシャレにならない。こうやって先手を打っておいて……。
泡まみれの両手でそっと撫でさすり、軽く揉み、そして優しく引き伸ばす。ときおり、親指の外側を大樹のバズーカ砲がかすめた。まだ大きくはなっていないが、それでも存在感がある。
「うまくなったな……康太……」しばらくして大樹が云った。どことなく眠そうな声だ。「これで疲れも吹っ飛ぶだろうな」
康太は、はあ、と曖昧な返事をした。
なおも球磨きを続けていると、大樹の背中が後ろに倒れてきた。
——あっ……。
康太の左肩を枕にして大樹が目を閉じている。
康太は焦った。でも続けるしかない。
そしてついに大樹のものに手を伸ばした。右手で根元を、左手でくびれの部分を、それぞれ握る。そして耳許に囁いた。「森先輩、バットも磨きますね」
大樹は無言のままだった。しかしその代わりに康太の手のなかで大樹のものが、ビクッ、と跳ねた。いいぞ、という合図らしかった。
両手をゆっくりと上下させる。
ほどなくして康太の手のなかで大樹のものが硬さを増しはじめた。
そればかりか、ぐんぐんと伸びているようだ。
——いつもなら「もういいぞ」って云うのになぁ……。
大樹は心地よさそうに目を閉じている。ときおり、ふぅ、はぁ、と口から洩れる大樹のかすれ声が、康太の耳をそっとくすぐる。そのたびに康太は腰にぞくりとした痺れを感じた。
——どうしよう……ぼくのも大きくなってゆく……。
康太は気持ちを落ち着かせようとして、
「今日のハンバーグ、美味しかったですね」
とひとりごとのように云って、自然に『球磨き』に戻った。
「……水野さん、何か好いことでもあったんだろうなあ……」大樹が寝言のように云った。
「チーズ入りだったし、目玉焼きもふたつ……」とここまで云いかけて、康太は大樹の『球』から両手を放した。
——ちゃんと云わなきゃ……。
両手が宙に泛んでいる。康太は大樹のものを両手に包みこんだ。こんどはゴシゴシと力を込めてそこを磨く。大樹は「やめろ」とは云わない。ついに大樹のそこは、康太の両手に余るくらい長大になった。
康太は手の動きをとめて、
「森先輩。ちゃんと貫通式してください。お願いします」
沈黙があった。
やがて大樹がゆっくりと立上った。「あがるぞ」
康太はゴクリと唾を飲みこんだ。
——ついに貫通式をするんだ……。
大樹がシャワーで泡をざっと流して浴室を出ていった。
康太は風呂掃除をしようとシャワーヘッドを手に取った。
「康太」ガラス戸の向うで大樹が康太を呼んだ。タオルで片脚を拭いている姿がおぼろげに見える。「風呂掃除のあいだにもう一度考えるんだぞ。しなくてもいいんだからな」
「大丈夫です。ぼく、もう決めたんです」
康太はこう云って曇った鏡にシャワーの水を掛けた。ワイパーを手に取ったとき、大樹が洗面所を出ていく音がした。ふり返るとガラス戸の向うに大樹の姿はすでになかった。
——森先輩、ベッドで準備しているのかも……。
あの夜、勝利から追加で渡されたコンドームがまだあるはず。康太は思い出した。そして今夜、それを使うことになるとは。
康太はシャワーヘッドをフックに掛け、鏡に自分の姿を映してみた。アスリートらしい立派な体格をしている。全身に生えた野性的な体毛も男らしいけれども、顔つきがまだまだ幼い。そのせいで首から上がアンバランスなのだ。
——貫通式をすませたら、少しは大人っぽくなるのかも……。
康太は後ろに右手をまわし、中指をそっと尻の谷間に辷りこませた。思わず、ビクッ、と震える。大樹のものは、明らかにこの中指よりも長くて太い。
——でも「もう決めたんです」って云っちゃったし……。
康太は気合を入れるため、シャワーの冷水を頭からかぶった。
康太は、両手の指先に大樹の重みを感じた。卵のLサイズに匹敵する、いや、それよりも大きいかもしれない。そんなことを考えながら、康太はしばらく指先でその感触を確かめていた。
不意に大樹が、あはは、と笑った。「野球の球ほど大きくはないだろ?」
「あ、いや……その……」
「ここは男の急所だからな。大事に扱えよ」
「あ、はい」
「あ、そうだ。ちょっと待て」
「えっ?」
康太が慌てて両手を引っこめると、大樹は腰を少し持ちあげて、
「ちょっとどいてろ」
と云って、康太が後ろに下がるのを待ってから右に九十度まわり、バスタブに背を向けるように坐りなおした。「こうしたほうが脚をゆたぁーと伸ばせる」
「あ、はい」
康太はバスタブの側面と大樹の背中に挟まれる格好となった。
——よし。始めよう!
康太は気を取り直して、大樹に気づかれないように自分のバズーカ砲を太腿に挟みこんだ。この前みたいに暴発したらシャレにならない。こうやって先手を打っておいて……。
泡まみれの両手でそっと撫でさすり、軽く揉み、そして優しく引き伸ばす。ときおり、親指の外側を大樹のバズーカ砲がかすめた。まだ大きくはなっていないが、それでも存在感がある。
「うまくなったな……康太……」しばらくして大樹が云った。どことなく眠そうな声だ。「これで疲れも吹っ飛ぶだろうな」
康太は、はあ、と曖昧な返事をした。
なおも球磨きを続けていると、大樹の背中が後ろに倒れてきた。
——あっ……。
康太の左肩を枕にして大樹が目を閉じている。
康太は焦った。でも続けるしかない。
そしてついに大樹のものに手を伸ばした。右手で根元を、左手でくびれの部分を、それぞれ握る。そして耳許に囁いた。「森先輩、バットも磨きますね」
大樹は無言のままだった。しかしその代わりに康太の手のなかで大樹のものが、ビクッ、と跳ねた。いいぞ、という合図らしかった。
両手をゆっくりと上下させる。
ほどなくして康太の手のなかで大樹のものが硬さを増しはじめた。
そればかりか、ぐんぐんと伸びているようだ。
——いつもなら「もういいぞ」って云うのになぁ……。
大樹は心地よさそうに目を閉じている。ときおり、ふぅ、はぁ、と口から洩れる大樹のかすれ声が、康太の耳をそっとくすぐる。そのたびに康太は腰にぞくりとした痺れを感じた。
——どうしよう……ぼくのも大きくなってゆく……。
康太は気持ちを落ち着かせようとして、
「今日のハンバーグ、美味しかったですね」
とひとりごとのように云って、自然に『球磨き』に戻った。
「……水野さん、何か好いことでもあったんだろうなあ……」大樹が寝言のように云った。
「チーズ入りだったし、目玉焼きもふたつ……」とここまで云いかけて、康太は大樹の『球』から両手を放した。
——ちゃんと云わなきゃ……。
両手が宙に泛んでいる。康太は大樹のものを両手に包みこんだ。こんどはゴシゴシと力を込めてそこを磨く。大樹は「やめろ」とは云わない。ついに大樹のそこは、康太の両手に余るくらい長大になった。
康太は手の動きをとめて、
「森先輩。ちゃんと貫通式してください。お願いします」
沈黙があった。
やがて大樹がゆっくりと立上った。「あがるぞ」
康太はゴクリと唾を飲みこんだ。
——ついに貫通式をするんだ……。
大樹がシャワーで泡をざっと流して浴室を出ていった。
康太は風呂掃除をしようとシャワーヘッドを手に取った。
「康太」ガラス戸の向うで大樹が康太を呼んだ。タオルで片脚を拭いている姿がおぼろげに見える。「風呂掃除のあいだにもう一度考えるんだぞ。しなくてもいいんだからな」
「大丈夫です。ぼく、もう決めたんです」
康太はこう云って曇った鏡にシャワーの水を掛けた。ワイパーを手に取ったとき、大樹が洗面所を出ていく音がした。ふり返るとガラス戸の向うに大樹の姿はすでになかった。
——森先輩、ベッドで準備しているのかも……。
あの夜、勝利から追加で渡されたコンドームがまだあるはず。康太は思い出した。そして今夜、それを使うことになるとは。
康太はシャワーヘッドをフックに掛け、鏡に自分の姿を映してみた。アスリートらしい立派な体格をしている。全身に生えた野性的な体毛も男らしいけれども、顔つきがまだまだ幼い。そのせいで首から上がアンバランスなのだ。
——貫通式をすませたら、少しは大人っぽくなるのかも……。
康太は後ろに右手をまわし、中指をそっと尻の谷間に辷りこませた。思わず、ビクッ、と震える。大樹のものは、明らかにこの中指よりも長くて太い。
——でも「もう決めたんです」って云っちゃったし……。
康太は気合を入れるため、シャワーの冷水を頭からかぶった。
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