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2章 カタハサルの決闘
15.訪問者
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カタサハルへ行くためのルートについては保留となった。どのルートにもリスクがあり慎重にならざるを得なかった。なにより情報収集が必要だった。
「とりあえず、今日のところはお休みください。姫様が休んでいる間、オレも考えておくので。」
王女は素直に同意すると薄い布で仕切られた部屋の一角で眠りに入った。すぐに寝息が聞こえてきた。
この部屋は、宿屋の中でも一番大きく奥にも寝室が用意されていた。だが、奥の寝室は、裏庭からの侵入の恐れがあった。王女を一人だけにするわけにもいかず、仕方なくこの部屋で休んでいただくことになった。窮屈な日々が続く。
オレもこの共同生活に慣れてきていたが、王女も休息と決めるとすぐに就寝できるようになっている。彼女が、以前より安心して眠ることができると喜んでくれているのがせめてもの救いだった
竜人も人間も、寿命や成長の仕方は大きくは変わらない。彼女の年齢は十八。オレより一つ若かった。そんな女の子が信頼できない部下と共にはるばる旅をしてきたのかと思うと、不憫に思えた。
ヴァルテリーナ王女は、政略結婚のごたごたに巻き込まれていた。
竜人たちは人間に比べ圧倒的に数が少ない。女性の割合は更に低い。加えて、一人の女性が産める子供の数も少なかった。そのため、女性種は、種の保存のために戦争や外交の材料にされることが多かった。
小国だったカタサハルの王は、国を守るために大国と王女の婚姻の約束を取り付けた。望んだ結婚ではなかったが王女は父親の決定を拒むことはなかった。祖国と家族を守るため、そして竜人としての宿命を受け入れていたからだ。
だが、大国との繋がりを快く思わない他国が反発した。婚姻が決定する前に、カタサハルを滅ぼそうとしたり、王女の兄たちを誘惑して、妨害工作を行ったのだ。
カタサハル内外で、王女の知らない条約や盟約が複数交わされ、王女の婚姻相手が本当は誰なのかわからなくなってしまった。王と息子たちの関係も悪化して、国内でも小競り合いや陰謀が巻き怒るようになり、周辺国も自国の主張を通すために隣国同士で争うようになった。
そんなときに事件が起きた。カタサハルの隣国の一つが、多くのコールとともに消滅したのである。アルは「約束を守る」ことを条件に、コールを支配する力を与えられている。よって約束を守れなかったアルは自分のコールと共に世界から抹殺されるのである。天罰と称する呪いだった。
この事件が、王女が自ら立ち上がるきっかけだった。父の交わした約束を守れば兄が消滅するかもしれない。兄の盟約に従えば父が消滅するかもしれない。どちらも守るためには王女が自分の意思で行動し、決闘で父と兄を従わせるしかないと思ったからだった。
オレは、すでに王女ヴァルテリーナの願いを叶えたいと思おうようになっていた。
父や兄を身を案じる優しい性格に惹かれたのかもしれないし、王女という身分でありながら一人で果敢に戦おうとする強さやひたむきさに心を動かされたのかもしれない。もちろんそのような美談ではなく、王女の所有物としての魔力によってそう思うようにコントロールされている可能性もある。
いずれにしても、この神経をすり減らされる毎日を乗り切るためには、自分を奮い立たせるための意義が必要だった。
トントン。二度、小さく戸を叩く音が聞こえた。しばらくして、トンと一度叩かれ、再び二度、やはり小さな叩く音がした。
王女に用事があるときの侍従からの合図だった。
オレは用心しながら、扉を開けた。
侍従長の男が立っていた。
王女の用ではなく、オレへの面会を求める者がいるという。
追い返すべきか、と尋ねられたので、目隠しして連れてくるように命じた。
誰だろう? オレを王女から遠ざけるための罠かもしれない。緊張が走った。
左手にはすでに痛みはない。だが、完治にはもう少し時間がかかる。
万が一に備えて、左手を補強するための装具を用意しておきたかったが、王女の側から離れる事ができない以上、素材の調達に出かけることもできない。
しばらくすると、再び部屋の戸を叩く侍従長の合図があった。
外には、黒い布の袋を被せられた男が立っていた。
「武器の携帯はありませんでした。」
侍従長が言ったので、オレは「ご苦労」と答え、男を部屋に入れた。
オレは腰の剣を抜いた。男は明らかに怪しい。この地方では見ることのないシュブドーの隊服姿だった。所属は第二兵団、グレーの隊服。
男の膝裏を蹴り、床に膝をつかせた。
「動くな」
小さな声で脅すと、男は頷いて素直に従った。
覆面を外して顔を確認したかったが、この部屋には素顔のままの王女がいる。本来であれば、別の部屋で男の素性を確認すべきだが、王女の側を離れるわけにもいかない。
「何者だ」
剣を突きつけて尋ねた。王女の部屋を血で汚したくはないが、罠なら迷うべきではない。
「シュブドーのレシーです。」
若い男の声だった。レシー? そんな名の知り合いがいただろうか。ローヌの患者の誰かだろうか。
「元ギュネス隊長の部下のレシーです。今は、ガラ家に仕えてます。この生命、ルカ様に頂いたと思っております」
思い出した。ベスネで人質を取って立てこもった兵士だ。その後、ローヌに駐屯しているシュブドーの陣営に潜入するために協力してくれた。
「レシーか?」
「はい。最後に、貴方の蹴りをいただきました。おかげで疑われずに除隊できたのです。」
懐かしさで、思わず覆面を取ってみたくなる。顔も見たいし、話もしたい。
「何しに来た?」
だが、オレは剣を突きつけたまま尋ねた。オレはもうシュブドーの人間ではないのだ。
「ナイヤ様に行方を探すように命じられました。奴隷商人に連れさらわれたルカ様を探し、はるばる南方まで訪れたのです。サロスの商人の噂からたどり、この街にルカ様が滞在されていると知りました。命じられたから探したのではありません。私自身、ルカ様のご無事を確認したかったのです。」
レシーは泣いていた。部屋の砂岩の床石に涙の水滴が染み落ちていた。
遠い異国の地まで来て、さぞ苦労したことだろう。オレなんかを慕ってくれて。目頭が熱くなった。
オレは、レシーに耳打ちした。
明日の夜、この街の港の酒場で会えないかと尋ねた。
黒い袋をかぶれされたまま、レシーは頷いた。
「元職場の友人だった。スカウトされたが断った。丁重に送り返してくれ。」
侍従長はオレの指示に従った。レシーは帰っていった。
ヴァルテリーナ王女が目覚めたら、レシーのことを話さなければならない。
そして、かねてから考えていた計画を実行すべきだと思った。
オレは左腕の布を外して、添え木をつけ直した。布ではなく、アメクモの糸で作った布を巻いた。動きやすくするためだ。
「とりあえず、今日のところはお休みください。姫様が休んでいる間、オレも考えておくので。」
王女は素直に同意すると薄い布で仕切られた部屋の一角で眠りに入った。すぐに寝息が聞こえてきた。
この部屋は、宿屋の中でも一番大きく奥にも寝室が用意されていた。だが、奥の寝室は、裏庭からの侵入の恐れがあった。王女を一人だけにするわけにもいかず、仕方なくこの部屋で休んでいただくことになった。窮屈な日々が続く。
オレもこの共同生活に慣れてきていたが、王女も休息と決めるとすぐに就寝できるようになっている。彼女が、以前より安心して眠ることができると喜んでくれているのがせめてもの救いだった
竜人も人間も、寿命や成長の仕方は大きくは変わらない。彼女の年齢は十八。オレより一つ若かった。そんな女の子が信頼できない部下と共にはるばる旅をしてきたのかと思うと、不憫に思えた。
ヴァルテリーナ王女は、政略結婚のごたごたに巻き込まれていた。
竜人たちは人間に比べ圧倒的に数が少ない。女性の割合は更に低い。加えて、一人の女性が産める子供の数も少なかった。そのため、女性種は、種の保存のために戦争や外交の材料にされることが多かった。
小国だったカタサハルの王は、国を守るために大国と王女の婚姻の約束を取り付けた。望んだ結婚ではなかったが王女は父親の決定を拒むことはなかった。祖国と家族を守るため、そして竜人としての宿命を受け入れていたからだ。
だが、大国との繋がりを快く思わない他国が反発した。婚姻が決定する前に、カタサハルを滅ぼそうとしたり、王女の兄たちを誘惑して、妨害工作を行ったのだ。
カタサハル内外で、王女の知らない条約や盟約が複数交わされ、王女の婚姻相手が本当は誰なのかわからなくなってしまった。王と息子たちの関係も悪化して、国内でも小競り合いや陰謀が巻き怒るようになり、周辺国も自国の主張を通すために隣国同士で争うようになった。
そんなときに事件が起きた。カタサハルの隣国の一つが、多くのコールとともに消滅したのである。アルは「約束を守る」ことを条件に、コールを支配する力を与えられている。よって約束を守れなかったアルは自分のコールと共に世界から抹殺されるのである。天罰と称する呪いだった。
この事件が、王女が自ら立ち上がるきっかけだった。父の交わした約束を守れば兄が消滅するかもしれない。兄の盟約に従えば父が消滅するかもしれない。どちらも守るためには王女が自分の意思で行動し、決闘で父と兄を従わせるしかないと思ったからだった。
オレは、すでに王女ヴァルテリーナの願いを叶えたいと思おうようになっていた。
父や兄を身を案じる優しい性格に惹かれたのかもしれないし、王女という身分でありながら一人で果敢に戦おうとする強さやひたむきさに心を動かされたのかもしれない。もちろんそのような美談ではなく、王女の所有物としての魔力によってそう思うようにコントロールされている可能性もある。
いずれにしても、この神経をすり減らされる毎日を乗り切るためには、自分を奮い立たせるための意義が必要だった。
トントン。二度、小さく戸を叩く音が聞こえた。しばらくして、トンと一度叩かれ、再び二度、やはり小さな叩く音がした。
王女に用事があるときの侍従からの合図だった。
オレは用心しながら、扉を開けた。
侍従長の男が立っていた。
王女の用ではなく、オレへの面会を求める者がいるという。
追い返すべきか、と尋ねられたので、目隠しして連れてくるように命じた。
誰だろう? オレを王女から遠ざけるための罠かもしれない。緊張が走った。
左手にはすでに痛みはない。だが、完治にはもう少し時間がかかる。
万が一に備えて、左手を補強するための装具を用意しておきたかったが、王女の側から離れる事ができない以上、素材の調達に出かけることもできない。
しばらくすると、再び部屋の戸を叩く侍従長の合図があった。
外には、黒い布の袋を被せられた男が立っていた。
「武器の携帯はありませんでした。」
侍従長が言ったので、オレは「ご苦労」と答え、男を部屋に入れた。
オレは腰の剣を抜いた。男は明らかに怪しい。この地方では見ることのないシュブドーの隊服姿だった。所属は第二兵団、グレーの隊服。
男の膝裏を蹴り、床に膝をつかせた。
「動くな」
小さな声で脅すと、男は頷いて素直に従った。
覆面を外して顔を確認したかったが、この部屋には素顔のままの王女がいる。本来であれば、別の部屋で男の素性を確認すべきだが、王女の側を離れるわけにもいかない。
「何者だ」
剣を突きつけて尋ねた。王女の部屋を血で汚したくはないが、罠なら迷うべきではない。
「シュブドーのレシーです。」
若い男の声だった。レシー? そんな名の知り合いがいただろうか。ローヌの患者の誰かだろうか。
「元ギュネス隊長の部下のレシーです。今は、ガラ家に仕えてます。この生命、ルカ様に頂いたと思っております」
思い出した。ベスネで人質を取って立てこもった兵士だ。その後、ローヌに駐屯しているシュブドーの陣営に潜入するために協力してくれた。
「レシーか?」
「はい。最後に、貴方の蹴りをいただきました。おかげで疑われずに除隊できたのです。」
懐かしさで、思わず覆面を取ってみたくなる。顔も見たいし、話もしたい。
「何しに来た?」
だが、オレは剣を突きつけたまま尋ねた。オレはもうシュブドーの人間ではないのだ。
「ナイヤ様に行方を探すように命じられました。奴隷商人に連れさらわれたルカ様を探し、はるばる南方まで訪れたのです。サロスの商人の噂からたどり、この街にルカ様が滞在されていると知りました。命じられたから探したのではありません。私自身、ルカ様のご無事を確認したかったのです。」
レシーは泣いていた。部屋の砂岩の床石に涙の水滴が染み落ちていた。
遠い異国の地まで来て、さぞ苦労したことだろう。オレなんかを慕ってくれて。目頭が熱くなった。
オレは、レシーに耳打ちした。
明日の夜、この街の港の酒場で会えないかと尋ねた。
黒い袋をかぶれされたまま、レシーは頷いた。
「元職場の友人だった。スカウトされたが断った。丁重に送り返してくれ。」
侍従長はオレの指示に従った。レシーは帰っていった。
ヴァルテリーナ王女が目覚めたら、レシーのことを話さなければならない。
そして、かねてから考えていた計画を実行すべきだと思った。
オレは左腕の布を外して、添え木をつけ直した。布ではなく、アメクモの糸で作った布を巻いた。動きやすくするためだ。
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