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第三章 新婚(調教)編

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「――キララの様子は?」
「はい、ご指示通りの部署に配属致しました。小さな部署で、変に彼女に絡むような者はいません。本人の素直な性格で、周りからは可愛がられているようです」
当たり前だ。女性は多めで、男性は全員既婚者……というより年配で物腰の柔らかい者達で構成された部署にわざわざ配属したのだ。何か間違いがあっても困る。
「そうか、何か気になることがあったら逐次連絡を――」
「そう言えば」
「何だ?」
「……部署内では何もないのですが、出入りの業者が……その、若い男性が一人いて、彼女を気にしているようでした」
「……出入りの業者か」
会社内の人間ばかり気を取られて、すっかり抜け落ちていた。彼女の部署は直接外部とのやり取りをする部署ではないが、例えば宅急便や清掃や警備員なんかの人間との接触は十分ある。
「直ぐに相手の会社に言って、担当を女性に変更するように手配を」
「は」
俺は通信を切って、溜息をつきながら目を親指で押さえた。知ってはいたが、昔からキララは、イケメンホイホイだ。その容姿から、むしろ格好いいと自覚も自信もある者しか寄って来ない。いや、寄ることができない。
大学時代にも、俺が彼氏だとわかるとあからさまに奪おうとしてくる奴もいた。その程度によってステージからはご退場頂いたが、社会的に抹殺しなかっただけ偉いと思う。権力がある者は、こうして自分にとって邪魔な存在を排斥し続けて、最後には力に溺れていくのかもしれない、とぼんやりと思った。まぁ、そんな底辺にまで墜ちたらキララを幸せにはできないだろうと思うから踏みとどまるけど。
社会人になって願うことは、ただ一つだ。早く、キララと結婚したい。キララを山田の姓にして、少しでも安心したい。
……だが、最近思う。キララと結婚しても、きっと恐らく一生、俺は安心なんかできないのだろうと。彼女の魅力は、きっとどんなに年を重ねても、わかる人にはわかってしまう。そして、わかる相手が毎回直ぐに引き下がる訳ではないのだ。結婚してですら、俺は彼女の行動を逐一気にして、報告させて、先回りするのだ。それこそ、どちらかが死ぬまで一生。
「……はは」
それすらも、幸せだと思う狂った俺。
ああ、キララに会えて良かった。俺に生きる全ての目的を与えるただ一人の女性。


キララにはさりげなく他の子会社を受けさせて、俺の目の届く範囲に入社させた。
全てが順調だった。
キララの望む「普通の」デートや、「普通の」エッチ、「普通の」プロポーズ……を経て、やっとたどり着いた結婚。
両親との顔合わせは実家に連れて行くと色々バレるので料亭でしたり、結婚式を盛大にやっても色々バレるのでハワイで身内だけにしたりと少し工作が必要だったが、鈍いキララは俺を「普通」と思い込んで何も疑う事はなかった。
まぁ、倦怠期まで「普通」っぽくやってみたのだから、努力の賜物と言えば努力の賜物だ。
性欲が「尋常じゃない」俺が、キララとのエッチの回数を抑えたり、性癖が「異常な」俺が、色んなエッチを強制しない、というのが人生の中でも一番辛かった事と言えば辛かった。
それも、結婚するまでの辛抱。
結婚するのは簡単だが、離婚するのはお互いの了解がなければ大変だし、ましてや「性行為の不一致」なんて理由で離婚なんて、キララの性格上申立て出来る訳がない。万が一申立てしたとしても、俺が雇う弁護士が負ける訳がないので彼女は俺と一生離婚なんて出来ないのだ。
俺が、この顔以外普通でない事がバレたとしても、結婚さえしていればもうこっちのものな訳で。
ハワイで挙げた身内だけの結婚式は滞りなく終わり、帰国後に入籍した後の俺はもう、歯止めが利かなかった。なんせ四年間ずっと、我慢していたのだ。新居に入るなり狂ったようにキララを求め、気付けばキララは潮を吹きながら激しく達し、気絶するように眠っていた。
俺は薄く笑って、彼女のおまんこを指で左右に割り開きながら、俺の放ったものがトロトロ流れ出るところをスマホに収める。
「……」
俺はキララの足を全開にして、もっと大胆に撮った。誰に見せる物でもない、俺だけの宝物になるデータだから、キララの寝顔も映るように。
これからは、我慢しなくて良いんだから。
ひとしきり撮って満足した俺は、足を持ち上げて再び固くなった肉棒をキララのおまんこにゆっくりと埋めていく。
眠姦も入籍した翌日からやってるけど、癖になりそうだ。
キララは戸惑ってたけど、言葉責めに反応していたあたり、実はMっ気があるのかもしれない。
調教していくのも、良いな。
俺は笑いながら、キララをそのまま犯し続けた。


「ただいま、キララ」
「良ちゃん!お帰りなさい、今日は早かったね」
「うん、会議が短くてすんだ」
ちゅ、と新婚さんらしく触れるだけのキスをする。
奥さんを玄関で犯すのは、俺の普通。半日もセックスしていないのだから、さっさと俺の欲望をキララに埋めたい。
ぐいっとキララの後頭部を支え、キスを深めた。
「んっ……、良、ちゃ……」
「好きだよ、キララ」
「おりょ……り、冷めちゃ……」
「電子レンジって便利だよね。冷めた料理も美味しく温められるし」
俺はそう言いながら、キララを俺の鞄の上に押し倒す。床の上に寝かせてもいいけど、ひんやりとしたフローリングでキララに冷たい思いをさせたい訳じゃない。
「かばん、潰れちゃうよ……!」
キララがぎょっとした顔で俺を見る。
まぁそうだろう。ベッドの上で睦み合うのがキララの「普通」であって、俺はそれを結婚するまで忠実に守ってきたのだから。
最終的には青姦まで「普通」にする予定だが、今のキララだとパニックを起こすかもしれない為、徐々に慣れさせていく必要があった。
「そうだね。じゃあ、廊下に四つ這いになって、こっちにお尻向けてくれる?」
「え……」
キララが戸惑いの表情で、それでも恐る恐る俺の言葉に従った。
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