19 / 55
第二章 カップル(ABC)編
7
しおりを挟む
「で?まーだ手を出してこないの?山田君、キララを大事にしてるのは凄くわかるけどヘタレなのか?こんな彼女いたら、私だったら一週間以内に手を出すけどなぁ」
「ちょ、繭ちゃん!しー!しー!!」
私は、一人暮らしをしている繭ちゃんの部屋でそんな事を大声で言われ、二人っきりだというのに恥ずかしすぎて思わず彼女の口を両手で覆った。
「普通、彼女が出来たら一週間で……その、やっちゃうものなの?」
「いやごめん、それは言い過ぎた。まぁ、キス位ならあるんじゃないかな、とは思うけど」
「ふーん……そっか」
山田さん……良ちゃんとのお付き合いがスタートして、早三か月。私の胸元には、二回目のデートで良ちゃんから誕生日プレゼントとして貰った大事なホワイトゴールドのネックレスが光り輝いている。真ん中にピンクの大きなムーンストーン、周りには小さく透明なムーンストーンが散りばめられているとても可愛いデザインだ。茂木さんに「これ、ホワイトゴールドじゃなくてプラチナじゃない?ムーンストーンというよりピンクダイヤに見えるけど!?」と言われたけど、ゼロが一桁変わるらしいからそんな訳がない。良ちゃん本人から「キララの誕生日石がムーンストーンだったから、石はムーンストーンにしてみたよ」と言われたし。ムーンストーンの石言葉は調べるサイトによっても少しずつ違うけれど、「恋」とか「純粋な愛」とかで、希望とか若さなんかが秘められた女性的なエネルギーを持つ、女性のお守りに最適な石とのことだった。
そんな素敵なネックレスをプレゼントされた私は、当然益々良ちゃんラブ状態に陥っている……のだけど。
二人で普通のデートは何度も重ねているのに、まだそういう関係には至っていなかった。
大事にして貰えて嬉しいような、もどかしいような思いが胸に巣くってきたから、今回繭ちゃんに相談している。
以前は付き合うだけで満足していたのに、人間の欲望は果てがない。人間と言うか私だけど。
「普通、大学生はどのくらいで初エッチとかするのかな?」
「えー?どのくらいって言うより、雰囲気とかタイミングとか勢いじゃない?まぁ、人によってそれぞれだと思うよ。お互いに初めてかそうじゃないかでまた変わってくると思うしねぇ」
「そっかぁ」
私は良ちゃんが初めて付き合った相手だから、色々考えて遠慮してくれているのかな?
でも、出来たらそろそろ良ちゃんといちゃいちゃしてみたい、というのが私の本音だったりする訳で。
デートで手を繋ぐだけでドキドキしていた頃を思えば、やっぱり随分と貪欲になっている。下着なんて気にしたことなかったのに、良ちゃんと付き合うようになってから、清楚系も可愛い系もセクシー系も結局全部購入し、上下お揃いの可愛い下着を着けるようになったりして。
「山田君も一人暮らししてるんでしょ?家に行ってみたいって言っちゃえばいいじゃん。後はなんとかなるでしょ。てか、それで何も進展なかったら逆に引くわ山田君」
「家に行ってみたいなんて言って良いのかなぁ?迷惑じゃない?」
「まさか!男なんて、実家暮らしだったとしても自分の部屋にさっさと彼女連れ込んでやる事やっちゃいたい方が大半だと思うよ?だから、山田君はキララのこと本当に大事にしてるんだなー、ってむしろ感心するけど。キララから家に行きたいって言えば、逆に覚悟は出来てるってことになるから山田君としても手を出しやすいと思うし」
「覚悟は出来てるってことになるの!?」
「なるでしょ!キララの中で覚悟出来てないなら、言わない方が良いよ。絶対誤解されるだろうから、もし家まで行って逃げたら山田君すんごく可哀想」
「ううう……」
まさか、告白と同じくらいハードルの高いことが、付き合い出した後もあろうとは!
でも、良ちゃんはいつも穏やかでガツガツしてないし、このままだといつまでたってものんびりしてそう……。
「わ、わかった……!アドバイスありがとう、今度聞いてみる……!!」
「おー、頑張れ」
そして翌日、私は意を決して良ちゃんにその旨お願いしてみたのだった。
「ちょ、繭ちゃん!しー!しー!!」
私は、一人暮らしをしている繭ちゃんの部屋でそんな事を大声で言われ、二人っきりだというのに恥ずかしすぎて思わず彼女の口を両手で覆った。
「普通、彼女が出来たら一週間で……その、やっちゃうものなの?」
「いやごめん、それは言い過ぎた。まぁ、キス位ならあるんじゃないかな、とは思うけど」
「ふーん……そっか」
山田さん……良ちゃんとのお付き合いがスタートして、早三か月。私の胸元には、二回目のデートで良ちゃんから誕生日プレゼントとして貰った大事なホワイトゴールドのネックレスが光り輝いている。真ん中にピンクの大きなムーンストーン、周りには小さく透明なムーンストーンが散りばめられているとても可愛いデザインだ。茂木さんに「これ、ホワイトゴールドじゃなくてプラチナじゃない?ムーンストーンというよりピンクダイヤに見えるけど!?」と言われたけど、ゼロが一桁変わるらしいからそんな訳がない。良ちゃん本人から「キララの誕生日石がムーンストーンだったから、石はムーンストーンにしてみたよ」と言われたし。ムーンストーンの石言葉は調べるサイトによっても少しずつ違うけれど、「恋」とか「純粋な愛」とかで、希望とか若さなんかが秘められた女性的なエネルギーを持つ、女性のお守りに最適な石とのことだった。
そんな素敵なネックレスをプレゼントされた私は、当然益々良ちゃんラブ状態に陥っている……のだけど。
二人で普通のデートは何度も重ねているのに、まだそういう関係には至っていなかった。
大事にして貰えて嬉しいような、もどかしいような思いが胸に巣くってきたから、今回繭ちゃんに相談している。
以前は付き合うだけで満足していたのに、人間の欲望は果てがない。人間と言うか私だけど。
「普通、大学生はどのくらいで初エッチとかするのかな?」
「えー?どのくらいって言うより、雰囲気とかタイミングとか勢いじゃない?まぁ、人によってそれぞれだと思うよ。お互いに初めてかそうじゃないかでまた変わってくると思うしねぇ」
「そっかぁ」
私は良ちゃんが初めて付き合った相手だから、色々考えて遠慮してくれているのかな?
でも、出来たらそろそろ良ちゃんといちゃいちゃしてみたい、というのが私の本音だったりする訳で。
デートで手を繋ぐだけでドキドキしていた頃を思えば、やっぱり随分と貪欲になっている。下着なんて気にしたことなかったのに、良ちゃんと付き合うようになってから、清楚系も可愛い系もセクシー系も結局全部購入し、上下お揃いの可愛い下着を着けるようになったりして。
「山田君も一人暮らししてるんでしょ?家に行ってみたいって言っちゃえばいいじゃん。後はなんとかなるでしょ。てか、それで何も進展なかったら逆に引くわ山田君」
「家に行ってみたいなんて言って良いのかなぁ?迷惑じゃない?」
「まさか!男なんて、実家暮らしだったとしても自分の部屋にさっさと彼女連れ込んでやる事やっちゃいたい方が大半だと思うよ?だから、山田君はキララのこと本当に大事にしてるんだなー、ってむしろ感心するけど。キララから家に行きたいって言えば、逆に覚悟は出来てるってことになるから山田君としても手を出しやすいと思うし」
「覚悟は出来てるってことになるの!?」
「なるでしょ!キララの中で覚悟出来てないなら、言わない方が良いよ。絶対誤解されるだろうから、もし家まで行って逃げたら山田君すんごく可哀想」
「ううう……」
まさか、告白と同じくらいハードルの高いことが、付き合い出した後もあろうとは!
でも、良ちゃんはいつも穏やかでガツガツしてないし、このままだといつまでたってものんびりしてそう……。
「わ、わかった……!アドバイスありがとう、今度聞いてみる……!!」
「おー、頑張れ」
そして翌日、私は意を決して良ちゃんにその旨お願いしてみたのだった。
10
お気に入りに追加
1,011
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて
アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。
二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
義兄の執愛
真木
恋愛
陽花は姉の結婚と引き換えに、義兄に囲われることになる。
教え込むように執拗に抱き、甘く愛をささやく義兄に、陽花の心は砕けていき……。
悪の華のような義兄×中性的な義妹の歪んだ愛。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる