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私という人
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私が目を覚ますと、ベリアルの心配そうな瞳が一番に視界に入ってきた。
「……ベリアル……」
『ユーディア!……気分は?』
「うん……大丈夫……みたい」
身体を起こすと、私はベッドに寝かされていた事がわかった。
ベリアルは自称悪魔だから、ひょひょいと魔法か何かで私を運んでくれたのかもしれない。
「ベリアル、心配かけてごめんね。……私、何日位寝てた?」
『……いや、何日というか……一時間位だけど』
「えっ!?あぁ、……そっか」
気を失った時、走馬灯の様に「異世界の他人の記憶」が私の意識を流れていたから随分時間が経った様に思っていたが、実際にはたったの一時間程だったらしい。
異世界の他人の記憶……それは、日本という国で一人元気に暮らす女性のものだった。
「私」は、やや日本では変わった人のくくりだったのかもしれない。
小さな頃から理科の授業がひたすら好きで、中でも化学変化を起こす実験にハマり、怪しい器具を自作してはひたすら理科室に閉じ籠っていた。
化学研究部に入りたいが為に地元の中学には進学せず、わざわざ化学研究部のある私立中学校に中学受験をした程である。
主観的に、私の中学高校時代はやりたい事だけやるという非常に充実した日々だったものの、客観的には青春とはかけ離れた生活を送っていた。
友人とカラオケに行った事もなく、買い物どころか寄り道すらしなかった。
実験以外の趣味と言えば謎解き位で、美容にも食にも服にも無頓着な私は、今思えばクラスから随分と浮いていたと思う。
しかし、誰とも大きな衝突を起こす事なく無事に学生生活を終えられたのは、単にラッキーなだけではなく、クラスにはない心の拠り所が部活で得られたからだろう。
化学研究部は、男女合わせて10人足らずの人数しかいなかった。
そのうち半分が幽霊部員。
もう半分が、私の様な実験好きな人間だった。
恋?──そんなの、脳の錯覚です。
そんな風に考える男女が集まれば、当然色恋沙汰がそこでも発生する事もなくただひたすらに実験に没頭する毎日。
その私立中学で、私のひとつ上の学年に尊敬する先輩がいた。
将来の進路の話になった時、私は「実験さえ出来れば何でも良い」というありきたりな話しか出来なかったが、その先輩は「新薬の開発がしたい」と迷うことなくキッパリと言っていた。
聞けば、先天性の病気を持って生まれた弟がいたらしいが、有効な薬が開発されていない難病だったらしく、幼くして亡くなったらしい。
私は、何の目標もないままただ毎日を過ごす自分を恥じて……結局、やはり何の目標も見つけられず、その先輩についていけるところまでついていった。
結果、二人して瓶ゾコ眼鏡に白衣という出で立ちで、とある製薬会社の研究室で仲良く机を並べる位には、そこそこ長い付き合いになった。
先輩は実験の為に何日も家に帰らないなんて事はざらにあり、ボサボサの頭に無精髭で顔が見えないなんて事もよくあった。
かたや私も、風呂は烏の行水程度、化粧どころかムダ毛処理すらせずに何ヵ月も過ごすなんてしょっちゅうだった。
女を捨てた出で立ちの私と先輩が恋愛に発展する事は当然なかったが、その先輩の隣は居心地が良かったのは確かだ。
何時も通りに二人で研究室に籠り、さぁそろそろ帰宅するか、と思った時に足元の床が物凄い衝撃で突き上げられ、危険物の棚が倒れ、先輩が何かを叫びながら私を守るように庇ってくれた──
そこで、日本の私の記憶は途切れている。
「……先輩……」
先輩はあの後、どうしたんだろう?
『ユーディア?』
心配そうに覗き込んでくるベリアルが視界に入り、頭を軽く振った。
「もう、大丈夫。ベッドに運んでくれて、ありがとうね」
『ん』
今の私はユーディアであって、日本人の私ではない。
ベリアルにも心配掛けてしまうから、過去……前世に想いを馳せるのは後にしないとと思い、手を伸ばしてベリアルを膝にのせて撫でる。
艶やかな毛並みは、つるつると滑る様な手触りだ。
「ベリアル、ご飯が途中だったね。冷めてしまったけど、続きを食べようか」
テーブルに目をやれば、私の食事は勿論、ベリアルの食事までまだ残っていた。
心配してずっと私の傍に着いていてくれたのだろう。
申し訳なくて、胸が痛んだ。
『ユーディアのせいじゃない。あの偉そうなやつらのせいだ』
ベリアルは、長い尻尾を私の手首に巻き付けて慰め、大きくノビをしてから私の膝を蹴ってテーブルまでジャンプする。
しなやかなでダイナミックなベリアルのジャンプは、いつも見惚れてしまう位に綺麗だ。
私が席に着いたのを見て、
『ユーディア、惚れ薬は作るつもりなのか?』
ベリアルは食事を再開しながら聞いてくる。
猫なのにほぼ私と同じ量の食事を、私とおしゃべりしながらゆっくりと食べるのがベリアルは好きだ。
口の中に物が入っている時は話さないなど、マナーが私よりしっかりしている。
普通の猫の食事の回数や量を知らなかった頃はなんとも思わなかったが、ある日取引先の屋敷の猫の話を聞いて物凄く驚いた。
ベリアルはあの細身の身体でどうしてあの食事量を必要とするのだろうというのが私の七不思議の一つ。
自称悪魔だから、もしかしたら魔力か何かで消耗するのかもしれないというのが私の仮説だ。
「公爵様のご令嬢の命令だからね。死にたくないなら作らない訳にはいかないのだろうけど……」
正直、乗り気はしない。
惚れ薬の材料は入手が困難であるというのが理由の一つ。
もう一つは……
『何に使うんだろうな、惚れ薬なんて。いや、誰にか』
「そうだね。まぁ、私達がお会いする事もないのだろうけどね」
公爵令嬢にも、そのターゲットにも。
『材料だったら俺が取ってきてやるよ』
「……えっ?ベリアル、材料が何か知っているの?」
『惚れ薬は、元々悪魔が多用している薬だからな』
「そうだったんだ……」
ベアトリーチェ様は、惚れ薬が悪魔の薬だという事をご存知なのだろうか?
知っていて使おうとしているのか、知らずに使おうとしているのか。
行為は同じなのに、同じ様で全く違う気がしてしまう。
薬は必ず使用者に何らかの影響を及ぼす物だ。
愛する人であれば尚更、使用する気になれないと思うのだけど。
「それを手に入れるのは、危険ではないの?」
『大丈夫だ。俺に任せろ』
「……うん……」
いくらベリアルが悪魔でも、瞬間移動は出来ない。
こうして、裏山や近くの草原や湿地帯、もしくは街にある材料屋にない材料はよくベリアルが取ってきてくれるのだが、帰宅が遅いとやはり心配になる。
「その材料を集めるのは、どれくらいかかるの?」
『うーん、3、4日はかかるかなぁ』
遠いか、入手難易度が高いかのどちらかだ。
「じゃあ、明日街まで買いに出てみて、売ってなかったらお願いしようかな」
『ああ、そうしよう』
ベリアルは頼られるのが大好きだ。
兄の様な、弟の様な、親友の様なベリアル。
出来たら明日、材料が集まるのが一番良い。
ベリアルは私がお願いすれば何でも叶えてくれようとするけど、ベリアルが道中にしろ採取中にしろ、危険な目に合う可能性は少ない方がずっと良かった。
「……ベリアル……」
『ユーディア!……気分は?』
「うん……大丈夫……みたい」
身体を起こすと、私はベッドに寝かされていた事がわかった。
ベリアルは自称悪魔だから、ひょひょいと魔法か何かで私を運んでくれたのかもしれない。
「ベリアル、心配かけてごめんね。……私、何日位寝てた?」
『……いや、何日というか……一時間位だけど』
「えっ!?あぁ、……そっか」
気を失った時、走馬灯の様に「異世界の他人の記憶」が私の意識を流れていたから随分時間が経った様に思っていたが、実際にはたったの一時間程だったらしい。
異世界の他人の記憶……それは、日本という国で一人元気に暮らす女性のものだった。
「私」は、やや日本では変わった人のくくりだったのかもしれない。
小さな頃から理科の授業がひたすら好きで、中でも化学変化を起こす実験にハマり、怪しい器具を自作してはひたすら理科室に閉じ籠っていた。
化学研究部に入りたいが為に地元の中学には進学せず、わざわざ化学研究部のある私立中学校に中学受験をした程である。
主観的に、私の中学高校時代はやりたい事だけやるという非常に充実した日々だったものの、客観的には青春とはかけ離れた生活を送っていた。
友人とカラオケに行った事もなく、買い物どころか寄り道すらしなかった。
実験以外の趣味と言えば謎解き位で、美容にも食にも服にも無頓着な私は、今思えばクラスから随分と浮いていたと思う。
しかし、誰とも大きな衝突を起こす事なく無事に学生生活を終えられたのは、単にラッキーなだけではなく、クラスにはない心の拠り所が部活で得られたからだろう。
化学研究部は、男女合わせて10人足らずの人数しかいなかった。
そのうち半分が幽霊部員。
もう半分が、私の様な実験好きな人間だった。
恋?──そんなの、脳の錯覚です。
そんな風に考える男女が集まれば、当然色恋沙汰がそこでも発生する事もなくただひたすらに実験に没頭する毎日。
その私立中学で、私のひとつ上の学年に尊敬する先輩がいた。
将来の進路の話になった時、私は「実験さえ出来れば何でも良い」というありきたりな話しか出来なかったが、その先輩は「新薬の開発がしたい」と迷うことなくキッパリと言っていた。
聞けば、先天性の病気を持って生まれた弟がいたらしいが、有効な薬が開発されていない難病だったらしく、幼くして亡くなったらしい。
私は、何の目標もないままただ毎日を過ごす自分を恥じて……結局、やはり何の目標も見つけられず、その先輩についていけるところまでついていった。
結果、二人して瓶ゾコ眼鏡に白衣という出で立ちで、とある製薬会社の研究室で仲良く机を並べる位には、そこそこ長い付き合いになった。
先輩は実験の為に何日も家に帰らないなんて事はざらにあり、ボサボサの頭に無精髭で顔が見えないなんて事もよくあった。
かたや私も、風呂は烏の行水程度、化粧どころかムダ毛処理すらせずに何ヵ月も過ごすなんてしょっちゅうだった。
女を捨てた出で立ちの私と先輩が恋愛に発展する事は当然なかったが、その先輩の隣は居心地が良かったのは確かだ。
何時も通りに二人で研究室に籠り、さぁそろそろ帰宅するか、と思った時に足元の床が物凄い衝撃で突き上げられ、危険物の棚が倒れ、先輩が何かを叫びながら私を守るように庇ってくれた──
そこで、日本の私の記憶は途切れている。
「……先輩……」
先輩はあの後、どうしたんだろう?
『ユーディア?』
心配そうに覗き込んでくるベリアルが視界に入り、頭を軽く振った。
「もう、大丈夫。ベッドに運んでくれて、ありがとうね」
『ん』
今の私はユーディアであって、日本人の私ではない。
ベリアルにも心配掛けてしまうから、過去……前世に想いを馳せるのは後にしないとと思い、手を伸ばしてベリアルを膝にのせて撫でる。
艶やかな毛並みは、つるつると滑る様な手触りだ。
「ベリアル、ご飯が途中だったね。冷めてしまったけど、続きを食べようか」
テーブルに目をやれば、私の食事は勿論、ベリアルの食事までまだ残っていた。
心配してずっと私の傍に着いていてくれたのだろう。
申し訳なくて、胸が痛んだ。
『ユーディアのせいじゃない。あの偉そうなやつらのせいだ』
ベリアルは、長い尻尾を私の手首に巻き付けて慰め、大きくノビをしてから私の膝を蹴ってテーブルまでジャンプする。
しなやかなでダイナミックなベリアルのジャンプは、いつも見惚れてしまう位に綺麗だ。
私が席に着いたのを見て、
『ユーディア、惚れ薬は作るつもりなのか?』
ベリアルは食事を再開しながら聞いてくる。
猫なのにほぼ私と同じ量の食事を、私とおしゃべりしながらゆっくりと食べるのがベリアルは好きだ。
口の中に物が入っている時は話さないなど、マナーが私よりしっかりしている。
普通の猫の食事の回数や量を知らなかった頃はなんとも思わなかったが、ある日取引先の屋敷の猫の話を聞いて物凄く驚いた。
ベリアルはあの細身の身体でどうしてあの食事量を必要とするのだろうというのが私の七不思議の一つ。
自称悪魔だから、もしかしたら魔力か何かで消耗するのかもしれないというのが私の仮説だ。
「公爵様のご令嬢の命令だからね。死にたくないなら作らない訳にはいかないのだろうけど……」
正直、乗り気はしない。
惚れ薬の材料は入手が困難であるというのが理由の一つ。
もう一つは……
『何に使うんだろうな、惚れ薬なんて。いや、誰にか』
「そうだね。まぁ、私達がお会いする事もないのだろうけどね」
公爵令嬢にも、そのターゲットにも。
『材料だったら俺が取ってきてやるよ』
「……えっ?ベリアル、材料が何か知っているの?」
『惚れ薬は、元々悪魔が多用している薬だからな』
「そうだったんだ……」
ベアトリーチェ様は、惚れ薬が悪魔の薬だという事をご存知なのだろうか?
知っていて使おうとしているのか、知らずに使おうとしているのか。
行為は同じなのに、同じ様で全く違う気がしてしまう。
薬は必ず使用者に何らかの影響を及ぼす物だ。
愛する人であれば尚更、使用する気になれないと思うのだけど。
「それを手に入れるのは、危険ではないの?」
『大丈夫だ。俺に任せろ』
「……うん……」
いくらベリアルが悪魔でも、瞬間移動は出来ない。
こうして、裏山や近くの草原や湿地帯、もしくは街にある材料屋にない材料はよくベリアルが取ってきてくれるのだが、帰宅が遅いとやはり心配になる。
「その材料を集めるのは、どれくらいかかるの?」
『うーん、3、4日はかかるかなぁ』
遠いか、入手難易度が高いかのどちらかだ。
「じゃあ、明日街まで買いに出てみて、売ってなかったらお願いしようかな」
『ああ、そうしよう』
ベリアルは頼られるのが大好きだ。
兄の様な、弟の様な、親友の様なベリアル。
出来たら明日、材料が集まるのが一番良い。
ベリアルは私がお願いすれば何でも叶えてくれようとするけど、ベリアルが道中にしろ採取中にしろ、危険な目に合う可能性は少ない方がずっと良かった。
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